藤原伊織のレビュー一覧

  • ひまわりの祝祭
    約13、4年ぶりに再読。
    初読当時と同じく、物語の世界にどっぷりと浸かることができた。
    ハードボイルドミステリの傑作。
  • シリウスの道(上)
    ここの所読んでいた本が、ホンワカタイプだつたので、かなり強烈な刺激!
    ビジネスマンの奮闘記なのかと思っていたのに、この過去。
    もうドキドキが止まらず。

    ちょっと恥かしくなるような台詞の応酬もあるけど、これがハードボイルドってことかな。
    軽快に話が進んでいく、アッという間に上巻終了。
    読み進めるの...続きを読む
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(下)
    ハードボイルド・ファンタジー

    とても変わった物語ですが、
    個人的にとっても好き。

    テンポのよい軽妙な会話

    センスがとても好きです。
  • てのひらの闇
    「てのひらの闇」藤原伊織
    現代ハードボイルドの旗手ですね。イメージカラーはライトブルー。

    主人公は有名飲料会社の課長、と見せかけて例のごとく過去のある中年の男。
    今回も藤原伊織ワールド全開。主人公かっこよすぎです。
    現実にはこんな渋いオジサンはいないだろうなぁ、って思うくらいのキャラクタラ...続きを読む
  • ひまわりの祝祭
    全共闘世代におもいれのない自分としては、「テロパラ」よりは面白かった。
    この主人公同様、「いつまでも子供過ぎる」といわれる身として
    共感があったのかもしれない。

    でも、甘党なところはにてない(笑)
  • 名残り火
    「てのひらの闇」の続編です。
    前作は続編が出るような話だと思えなかったのですが、こうなると主人公はすでに元サラリーマンっていう肩書ではなくなってます。
    相変わらず魅力的な人がどんどん出てくるのですが、このシリーズもここで終わり。とても残念です。大原との仲が中途半端で終わってしまうのも残念。
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(下)
     ある夜、パチンコからの帰り道、達夫は頭の中で、奇妙な羽音を聴いた。はじめは空耳と思った主人公だったが、とつぜん自分の意に反して指が動き、くすねてきたパチンコ玉を、弾丸のような勢いで弾き飛ばした。
     自分の頭のなかに寄生しているという、シラヒゲと名乗った蚊トンボとの、奇妙な共同生活は、そんなふうに始...続きを読む
  • ダナエ
    テロリストのパラソルは読んだことがあります。面白かったなあ、と言う印象とこれから色々作品を出されるんだろうなと思っていたので数年前に訃報を聞いたときにはびっくりしました。
    この前古本屋で見かけたので購入しました。

    ダナエってギリシャ神話のペルセウスのお母さんだったのか。どこかで聞いた名前だった...続きを読む
  • シリウスの道(下)
    ああ、そうくるのか!
    というラスト。
    現実はいつでも厳しい。厳しいけれどやさしい。それでもつらい。
    仰ぎ見る星の光がまぶしければまぶしいほどに。

    きれいごとだけでは終わらない、この作品が好きです。
  • 遊戯
    連作短編が未完で終わってしまいました。
    続きは想像するしかありません。
    惜しいひとを亡くしました。
  • 遊戯
     主人公の本間は、ビリヤードのネットゲームで知り合った二十歳の女性・朝川みのりと、不思議な縁があって、直接会って話をし、仕事を紹介することになる。
     すこし世間知らずなところのあるみのりは、しかし聡明で、落ち着いた不思議な魅力があった。本間はそれまで誰にも話したことのなかった、幼い頃に父親から受けた...続きを読む
  • 遊戯
    未完の遺作。

    いつもながらに、主人公とヒロインの魅力に惹きつけられる。
    殊に、本作のヒロインには、女心が震わされた。

    事件の顛末は闇の中だが、藤原伊織を読んできた読者には、
    どこか爽快で痛快なものを感じさせるかもしれない。
  • ひまわりの祝祭
     七年前、妻が自殺した。自分以外の男の子どもを身ごもったまま。
     妻を失って以来、それまでの事業からいっさい手を引き、めったに外出することもなく、ただひっそりと平板な毎日を生きていた主人公。そこに突然、昔の上司が奇妙な依頼を持ち込む。ある事情から五百万円のカネを処分してしまいたい、手を貸してくれ――...続きを読む
  • 遊戯

    相変わらず面白い。


    主人公が格好良すぎるのが、難点。


    藤原伊織が亡くなったのは残念とともに、彼の作品を読めないという悲しさもある。

    遺作となったこの作品も、もっと書きたかったろう。これから更に謎が深まり、謎が解き明かされていくのだろうと思うと読みたかったな。
  • 遊戯
    ネットの対戦ゲームで知り合った二人に謎のサラリーマン風の男が絡んでくる短編連作。そして、藤原さん最後の作品集。主人公が暗く地味なのと対象に、ヒロインがあまりに自由すぎて大丈夫かと思うんだけど、読み進むうちに惹かれる不思議な人柄。二人の掛け合いが楽しく、謎のサラリーマンも気になり、あっという間に読破。...続きを読む
  • ダナエ
    2009/5/8 ジュンク堂住吉シーア店にて購入。
    2021/10/6〜10/8

    5年半ぶりの藤原作品は、最後の短編集。「ダナエ」、「まぼろしの虹」、「水母」の3遍。独特の文体は相変わらず。表題作「ダナエ」が一番良かった。直木賞を同時受賞した小池真理子さんの解説も素晴らしかった。
  • 雪が降る
    それぞれに過去に痛みを抱えた人間の6つの短編集。静かに過去を回顧しながらも、その痛みを受け入れて自らの責任を取るところが渋い大人の態度を伺わせてくれた。しんみりずっしりくるいぶし銀のような短編集だった。
  • 雪が降る
     藤原伊織のこの短篇集には「驚き」があった。どの一篇にも、読み終える寸前のところに「驚き」が待っていた。六篇それぞれに異なる驚きが仕込まれていたのである。読み終わった直後、軽い眩暈のような虚無感に包まれ、物語を振り返った。会社組織の冷血さ、恋の儚さ二つ、むごたらしく悲惨なこと、やくざの帰結、夏のアル...続きを読む
  • シリウスの道(上)
    ハードボイルドーって感じ.
    登場人物が皆カッコイイ!ってのが一番の感想.
    辰村は頑固で強気で切れ者.
    立花は美人で仕事もできる女部長.
    平野はデイトレーダーのアマプロ.
    浅井は裏世界に精通する元やくざ.
    そして戸塚.
    政治家の息子でコネ入社でありながら,実は素直でまじめでグングン成長してる.

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  • 雪が降る
    母を殺したのは、志村さん、あなたですね。少年から届いた短いメールが男の封印された記憶をよみがえらせた。若い青春の日々と灰色の現在が交錯するとき放たれた一瞬の光芒をとらえた表題作をはじめ、取りかえようのない過去を抱えて生きるほかない人生の真実をあざやかに浮かびあがらせた、珠玉の6篇。

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