藤原伊織のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
妻の英子はレイプで妊娠して自殺し、英子に似ている麻里はヘルスで働く。この設定から、「自分の意思」があるかどうかが何よりも重要なのだとわかる。「たかが」という言葉は、加害者からしか出ないともわかる。逆に、何十億、何百億円になるかわからないほどの価値ある物であっても、それになんの興味も持たず、どう処分したとしても、それも権利者の意思だけに基づくものであって、他人がどうこうはできないのが筋であるのが当然だと思う。
この本の所々で繰り返される、なぜあなたが、なぜそこまで、なぜそれを、などは全部、他人の人生に介入する試みがいかに無駄かが表現されているのかもしれないと思った。
他人が誰かを「変える」ことは -
Posted by ブクログ
日本人でもこんなハードでビターなそして、センスのいい雰囲気をかもせる作家がいた。
私はこんな乾いたシンプルな文章も好きだ。
ゆくりなくもハードボイルド風味をおいしく味わった。
江戸川乱歩賞で直木賞。絶対話題になったはずなのに知らなかった…。
そりゃわたしの不勉強だわさ。
ストーリーもシンプルかつスピーディー。おもしろい。
主人公は全共闘時代の爆弾疑惑事件ですねに傷持つ身、しがないバーテンのアル中。
ある朝公園で飲酒中にそれこそ爆弾テロに遭遇、やばいと逃げだしたのだが。
ことがことだけに安閑としている場合じゃないのに、入り込める展開。
フィクションなのにリアル、会話の多い文体、それがしゃ -
Posted by ブクログ
先々月に『てのひらの闇』を再読し、続編があると知り大型書店へ。10年前の刊行本だが、無事get。
話は前作の3年後。主人公堀江の親友柿島が、集団暴行で死んだ。犯人を探すべく、堀江は行動を起こす。
彼を助力するのは前作と同じく、かつての彼の部下大原真理。
さらに今作は、三上という「ファンキーなジジイ」が強力な助っ人に。この三上、上場企業の社長でありながら、頭はスキンヘッド。1450㏄のハーレーを乗り回す逸者、何と魅力的なキャラだろう。
事件の背景の一因に、流通業界ーコンビニとFC本部との関係などーの闇を絡ませ、時代を見据えた鋭い観察眼が生んだ質の高い作品となっている。
本作が、藤原伊織氏の最後の -
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夫の友人からお借りしました。
事件があって謎があって、それを追う展開なのですが、どんな方向性なのかが途中まで全然読めなくて、ワクワクが2割増しでした。。
主人公はくたびれた中年男性。アウトローっぽい雰囲気でいざとなると超強い。剣道の達人です。
こんなお決まりの人物像なのに、ニセモノっぽくなくてカッコイイんです。
他にも、主人公を影で見守る暴力団組長が登場したり、そもそも事件のキーマンである大企業の会長さんは経営手腕はイマイチだけど男気のある人物だったりで、とにかくいかにも、な人ばっかりが登場するんですけど、その世界観に馴染み不自然さがありません。
上質なハードボイルド小説っていいね、カッコイ