藤原伊織のレビュー一覧

  • テロリストのパラソル
    文体が独特だが読みやすく、軽妙で心地いい。
    解説にあった通りキャラが立っている。
    特に浅井が好き。
    キャラクターの台詞も洒落ている。
    賢い人達のやり取りだ。

    学生運動というものが一体どんなものだったのか、もっときちんと理解していたら尚楽しめた気がする。
    読み返すと伏線(というか今にしてみればネタバ...続きを読む
  • 名残り火
    先々月に『てのひらの闇』を再読し、続編があると知り大型書店へ。10年前の刊行本だが、無事get。
    話は前作の3年後。主人公堀江の親友柿島が、集団暴行で死んだ。犯人を探すべく、堀江は行動を起こす。
    彼を助力するのは前作と同じく、かつての彼の部下大原真理。
    さらに今作は、三上という「ファンキーなジジイ」...続きを読む
  • テロリストのパラソル
    主人公は新宿に店を構えるバーテンで、アル中の島村。にしては、冷静で頭の切れるキャラでかっこいい。

    ヤクザの浅井とのタックもまた、かっこよかった。

    時代背景は今とは違い、読み込みにくい場面もあったがそれでもおもしろかった。

    文章がちょこちょこお洒落な表現ですき。
  • てのひらの闇
    夫の友人からお借りしました。
    事件があって謎があって、それを追う展開なのですが、どんな方向性なのかが途中まで全然読めなくて、ワクワクが2割増しでした。。

    主人公はくたびれた中年男性。アウトローっぽい雰囲気でいざとなると超強い。剣道の達人です。
    こんなお決まりの人物像なのに、ニセモノっぽくなくてカッ...続きを読む
  • シリウスの道(上)
    ー また表通りを眺めた。この位置から周辺の光景を眺めていれば、世界には貧困や苦痛、醜悪なものなどなにも存在しないと錯覚しそうになる。目にはいる範囲からは、その種の思いを呼びおこす要素が一切合切とり除かれている。 ー

    相変わらずの藤原伊織節で面白い。
    さすが電通勤務作家だけあって、広告代理店を舞台と...続きを読む
  • シリウスの道(上)
    あらすじ
    大手広告代理店・東邦広告に勤める辰村祐介には、明子、勝哉という2人の幼馴染がいた。この3人の間には、決して人には言えない、ある秘密があった。その過去が25年の月日を経た今、何者かによって察知された…。緊迫した18億円の広告コンペの内幕を主軸に展開するビジネス・ハードボイルドの決定版ここに登...続きを読む
  • シリウスの道(下)
    あらすじ
    新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす!広告業界の熾烈な競争と、男たちの矜持を描くビジネス・ハードボイルドの結末は。
  • 雪が降る
    短編6編収録。
    中編集「ダナエ」より面白かった。

    黒川博行に似ていると思っていたら、解説が黒川博行氏。
    著者とは気の合う友人なのだそうだ。(解説当時、著者は存命)
  • てのひらの闇
    タフで知的で大胆な主人公の企業サスペンス。
    警察があまり絡まず、一介のしかし胆力のありそうなサラリーマンが曖昧な興味から謎を解明していく筋が他の小説の型から微妙に違い新鮮です。VTRをCMに起用してほしいとの会長の無茶な話に違和感をいだきながら読み進めて後半納得しつつ更に深い人間の絡みが顕になり、ヤ...続きを読む
  • シリウスの道(下)
    上巻から持ち越した期待に違わず、面白く読めました。

    実は登場人物や場所の一部に、テロパラのものが混じっていた事に後から気づきました。

    「ホットドックしか出さないバー」って、どこかで聞いた気がしていたのはそのせいかっ!

    ラストの持って行き方も、なかなかに藤原さんらしい、腑に落ちるのが70%、落ち...続きを読む
  • シリウスの道(上)
    私のレビューの星の数は、4つの場合のレンジがとても広い。

    で、この作品は4++ といったところ。

    ぐっとひきこむ何かがある。
    下巻にもかなり期待。
  • 雪が降る
    『台風』『雪が降る』が、お気に入り。男の色んな背中が各章に描かれていた。出てくる『男』が、どれもカッコ良かったです。
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(下)
    下巻は 難しい説明多くて 若干手こずった。
    まぁ 途中から そういうところは読み飛ばしたケド 笑。
    カイバラ おそるべし。
    こういう粘着質な感じが 1番コワイんですけど。
    達夫 死んじゃうなんてなぁ。
    想定外の結末。
    でも 相棒の蚊トンボと一緒に逝けたのは 達夫的には良かったのかなぁ。
    それにして...続きを読む
  • てのひらの闇
    まさかのハードボイルド路線。中盤から特命係長っぽくなってきた。できればそっちじゃない方で読みたかった。そっちいっちゃうとご都合主義が通っちゃうんだよね。
  • 名残り火
    手のひらの闇の続編。
    また癖のある魅力的な登場人物が登場。
    大入道みたない三上。なみさんとねー・・・。
    大原さんは、報われるのか報われないのか。何だかやきもきします。
    まだまだシリーズとして読んでみたい作品だったのですが。合掌。
  • 名残り火
    これが最後の長編になるなんて。
    こんなに早く亡くなるなんて思いもしなかった。好きな作家さんの1人で だいたいの作品を読んできたけど どれも良かった。
    ほんとに残念です。
    合掌。
  • 名残り火
    内容(「BOOK」データベースより)
    飲料メーカーの宣伝部課長だった堀江の元同僚で親友の柿島が、夜の街中で集団暴行を受け死んだ。柿島の死に納得がいかない堀江は詳細を調べるうち、事件そのものに疑問を覚える。これは単なる“オヤジ狩り”ではなく、背景には柿島が最後に在籍した流通業界が絡んでいるのではないか...続きを読む
  • てのひらの闇
    直木賞作家、藤原伊織氏のミステリー。元電通社員だった頃に作家デビューしたそうで、広告代理店での経歴が活かされている。
    主人公は飲料メーカーを自主退職することに決めた、中年の会社員。仕事はでき人望もあるが、奥さんに逃げられ、私生活はイマイチ。ある日、会社の会長に呼ばれ、彼が撮影したテープを社のCMにし...続きを読む
  • ひまわりの祝祭
    主人公が魅力的ですぐに作品に入り込んでしまった。誠実だった亡き妻に落とす一つの影とゴッホに纏わる謎の組織。一級品のミステリだと思う。ただ、主人公の特殊能力?あれは何だったんだろう・・・。
    あらすじ(背表紙より)
    自殺した妻は妊娠を隠していた。何年か経ち彼女にそっくりな女と出会った秋山だが、突然まわり...続きを読む
  • 遊戯
    未完の遺作と知らずに読んで、驚く。全然何にも終わってない。但しそれも相まって、とても印象深い作品に。特に朝川みのりは、筆者の女性キャラの中でも際立って魅力的。誰か筆致の似た人が遺志を継いで完結させてくれないかな、というくらい「その後」が気になる!