ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
著者の新たな到達点を示す長篇ハードボイルド 20年前に起きたテレビCMの事故が、二人の男の運命を変えた。男は、もう一人の男の死の謎を解くべく孤独な戦いに身を投じる……
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
いろいろとできる人間ではある。喧嘩もできるし、人を庇う嘘も咄嗟でついたし、アナログとデジタルの一瞬の違いも見分けられた。 だが、それらを「できる」と思うか「できてしまった」と思うかは人それぞれで、いつの場合でも、本人がどう思っているのかがすべてだと思う。 だから、てのひらに闇があったってあなたはで...続きを読むきることがいろいろあってすごいねなどと他人を評価してはいけないのだろうと思う。 本人は、いろいろできるかもしれないが自分のてのひらには闇があるのだと思っているかもしれず、そのどちらなのかは簡単に知れないと思うからである。 そういう探りを入れず、興味もなく、自分がしたいからこうすると行動するのは、関わる人間からすれば邪魔だったり、好ましかったりするが、それもやはり人それぞれだろうと思う。たまたまこの主人公堀江は、少しの人間から気に入られたし、多くの人間から嫌われたようだった。 自分のしたいことが、相手にとっても歓迎されることだといいなと思いながら行動する。人間は思うことばかりだなと思うが、何も思わないなら人間ではないとも思う。
ー そうだ。考えるのはさきでいい。二十年、サラリーマンをやってきた。いつだって、考えるのがさきだった。考えなければ、生きていけなかった。そうでないときは、身体が動いていた。息つく暇がなかったのだ。疲労のすこしずつ溜まっていく生活が、この環状線みたいにずっとつづいた。沼の底の泥みたいに知らないうちに溜...続きを読むまっていった。それがこの国の企業社会だった。最後に一度くらい、例外があってもいいだろう。この奇妙な状況ではじめて、そのことに気づいたのだった。 ー 訳ありサラリーマンが巻き込まれるハードボイルド! 藤原伊織の作品はどれも面白い。 今回もハラハラしたなぁ〜。
主人公の堀江ははくたびれたアウトローっぽいおっちゃん・・・ しかし、うだうだしているのに知的でカッコイイ。また、堀江の部下の大原や 友人の柿島、バーの姉弟、やくざの親分など堀江の周りの人達も魅力的な人ばかりでほれぼれしちゃいます。 堀江の育った特殊な環境や 会長の自殺など非現実ぽいんですがストーリ...続きを読むーと展開が面白く あっという間に読んでしまいました。
「好きな作家」のところに『藤原伊織はもう出ないよね』と書いていたけど、文春文庫から「名残り火」が出ててこれに“てのひらの闇2”ってあったので、まずは未読の前作からと、新刊は平積みに戻してこちらを棚から引っ張り出して買って帰る。 知悉の広告の世界を舞台に、いつもの如く何かを背負いながら生きたいように生...続きを読むきる堀江、そしてまた周りには気の利いた美しい女性の部下と同期で出世競走の先を行きながらそれを笠に着ぬ上司。 登場人物の類型は変わらねれど、堀江の素性や自殺した会長との過去を小出しにしながら事件の輪郭をたどっていく展開は予想もつかせず、そして見事に収束する。 借り着の生活の中で過去に封印した筈のものに突き動かされる堀江はちょっと格好良すぎだけど、リストラの嵐吹き荒れるサラリーマン社会の悲哀が荒唐無稽な物語に現実感を与える。
面白かった。テロリストのパラソル以来に藤原伊織を読んだ。政治家の佐藤の処遇とCGの理由だけが自分にしっくりこなかった。カッコいい男といい女達が際立つ話だった。
主人公が中年男性でサラリーマンであること、そしてその目線での物語の進行であること が、私が藤原伊織氏を好む大きな理由ですが、本書もまたサラリーマン社会での事件を主人公の目線や思考を丁寧に描きつつ解決へと進めて行く過程がとてもスリリングで引き込まれました。主人公の生い立ちは特異なものですが、そこに起因...続きを読むする思考も丁寧に書いてあるので、その点も含め私のお気に入りの作品です。
夫の友人からお借りしました。 事件があって謎があって、それを追う展開なのですが、どんな方向性なのかが途中まで全然読めなくて、ワクワクが2割増しでした。。 主人公はくたびれた中年男性。アウトローっぽい雰囲気でいざとなると超強い。剣道の達人です。 こんなお決まりの人物像なのに、ニセモノっぽくなくてカッ...続きを読むコイイんです。 他にも、主人公を影で見守る暴力団組長が登場したり、そもそも事件のキーマンである大企業の会長さんは経営手腕はイマイチだけど男気のある人物だったりで、とにかくいかにも、な人ばっかりが登場するんですけど、その世界観に馴染み不自然さがありません。 上質なハードボイルド小説っていいね、カッコイイ!と素直に思える作品でした。
タフで知的で大胆な主人公の企業サスペンス。 警察があまり絡まず、一介のしかし胆力のありそうなサラリーマンが曖昧な興味から謎を解明していく筋が他の小説の型から微妙に違い新鮮です。VTRをCMに起用してほしいとの会長の無茶な話に違和感をいだきながら読み進めて後半納得しつつ更に深い人間の絡みが顕になり、ヤ...続きを読むクザとの大立ち回り等見所があり見所も多い。 登場人物それぞれの利害が上手くはまり練られたストーリーで一度読んだだけでは全て理解出来なそうです。 あとがきによると作者は電通の社員だったんですね。広告業界に精通した作者の知識が少し活かされています。 最終23章の爽やかなエンディングも好み。
まさかのハードボイルド路線。中盤から特命係長っぽくなってきた。できればそっちじゃない方で読みたかった。そっちいっちゃうとご都合主義が通っちゃうんだよね。
直木賞作家、藤原伊織氏のミステリー。元電通社員だった頃に作家デビューしたそうで、広告代理店での経歴が活かされている。 主人公は飲料メーカーを自主退職することに決めた、中年の会社員。仕事はでき人望もあるが、奥さんに逃げられ、私生活はイマイチ。ある日、会社の会長に呼ばれ、彼が撮影したテープを社のCMにし...続きを読むたいと言われるが、次の日にその会長は自殺する。彼の死の真相を探る。 緻密で複雑な構成、ミステリーとしての完成度は非常に高い。読みやすく、内容と長さのバランスもちょうどいい。ちゃんと読者の裏をかくポイントもある。彼の本は「テロリストのパラソル」を読んだことがあるが、安定の面白さが期待できる。著者が早く亡くなってしまったのが残念である。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
てのひらの闇
新刊情報をお知らせします。
藤原伊織
フォロー機能について
「文春文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
テロリストのパラソル
蚊トンボ白鬚の冒険(上)
シリウスの道(上)
ダナエ
名残り火
ひまわりの祝祭
遊戯
「藤原伊織」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲てのひらの闇 ページトップヘ