藤原伊織のレビュー一覧

  • 蚊トンボ白鬚の冒険(下)
    この人の作品は案外突拍子もない展開が多い気がするのだが、何故かすんなり受け入れられる
    主人公の性格付けによるところが大きいのかな
    異形の相棒との共生、というのは寄生獣を思い起こさせる
    情報栽培、というのもイイ
    しかしこの終わり方は…うう

    超人化した配管工が(えらく年上の)お姫様を悪者から助ける……...続きを読む
  • シリウスの道(上)
    (文庫版 上下2巻)面白かった。企業小説は小生のツボジャンルであり、さらにキャラクターの設定の上手さも加わり贅沢な味わいでした。広告代理店の営業部という特殊な企業の内部のことが詳細に描かれており、より関心が深まった。主人公の飄々とした外面と情け無い内面に共感を覚える。難点は仕事のOFFに小説読むんで...続きを読む
  • シリウスの道(下)
    上巻後半までは広告業界用語が多様されていて読みにくかったですが、下巻にはそれがなく、スイスイ読めました。こんなビジネスマンになりたい!!と思わせる作品に仕上がっています。そしてああいう女上司、うちの会社にもいます。名前はあえて書きませんけどww
    藤原伊織先生のほかの作品では「ダナエ」と「テロリストの...続きを読む
  • シリウスの道(上)
    高校生が藤原伊織作品を読むなんて、驚きです。「このミステリーが面白い6位」に選ばれた作品ですが、ミステリーというよりハードボイルドですね。様式美とダンディズムの世界です。僕は藤原先生のファンなのですが、今年の春にお亡くなりになってしまいとても残念です。もっと藤原先生の作品が読みたかった。文壇がまた寂...続きを読む
  • シリウスの道(上)
    以前より気になっていた作家、藤原伊織。
    ただ、なんとなく手にすることがなかったが、先月の訃報を聞き、読んでみることにした次第。

    ハードボイルドという言葉の先入観が大きかったが読み始めると、会社という組織の話ということもあってか、意外に読みやすく、今まで読まなかったことが、悔やまれる。

    主人...続きを読む
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(上)
    アメリカにいるときに、友人が送ってくれた本。白髭の設定が面白い。その設定に無理を感じる人はダメだろうが、そこさえクリアすればあとは結構楽しめる。
  • 雪が降る
    新規購入ではなく、積読状態だったもの。
    2012/2/15〜2/16

    藤原伊織氏の短編集。「台風」、「雪が降る」、「銀の塩」、「トマト」、「紅の樹」、「ダリアの夏」の六編。何かを背負った男達の意地、諦め、悔恨などなどが藤原氏独特の文体で綴られていく。お気に入りは「紅の樹」か。
    亡くなられた作家の...続きを読む
  • シリウスの道(上)
    文春で連載していた時に途中まで読んでいた。
    ずっと作者は女性だと思っていた。

    広告業界が舞台なので、片足突っ込んでみた世界だけになんだか懐かしい。&妙な敗北感もあったりする。

    でもマスコミの人以外に理解できるのか??って不思議な部分も多々あり。
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(下)
    とても満足でした...あとがきにファンタジーハードボイルドってありましたけどその通り!藤原さんてこの手の物が凄く面白いと思います。また期待してます
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(上)
    ハードボイルド&ファンタジー作品!構成がすばらしく、また人物描写がすばらしいため、どんどん引き込まれ、そのうちとまらなくなります。
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(下)
    藤原氏のファンタジー作品!
    最後に向けての盛り上がり、そして壮絶な・悲壮な結末・・・読んで見てください。
  • ひまわりの祝祭
    妻の死後、なにもかも捨てたような暮らしをしていた主人公

    かつての同僚が訪ねてきたところから時間が動き出す。

    妻の死の謎
    8枚目のゴッホの「ひまわり」は本当にあったのか

    ミステリとしてが、ちょっと無理やり感はあるけれど
    ハードボイルドとしては登場人物が魅力的。
  • ダナエ
    3作品とも著者の特長が出ていて面白かったです。「ダナエ」はギリシャ神話を読んでみたくなるような気持ちになりましたし、犯人の動機がわからず早く読み進めたくなる構成でした。「まぼろしの虹」と「水母」は、その後に含みを持たせるような終わり方で、私的には少し物足りなさを感じました。短編は感情移入できる主人公...続きを読む
  • 雪が降る
    「台風」
    「雪が降る」
    「銀の塩」
    「トマト」
    「紅の樹」
    「ダリアの夏」

    短編集

    哀愁と男臭さ溢れる作品が揃っている
    読者によって好き嫌いが分かれそう
    短編集はどこか物足りなさを感じることもあるが
    この短編集は1つ1つが読みごたえがあった

    「雪が降る」が素敵だった
    情景が頭に浮かんだ

    たま...続きを読む
  • ダナエ
    中短編三作品から成る著者存命中に刊行された最後の作品集。レンブラントの絵画「ダナエ」をモチーフにした表題作はミステリー色が強く、家族を題材にした「まぼろしの虹」は文学色が濃い少々風変わりな作品。最後を飾る「水母」は犯罪小説的な味わいがあり、バラエティに富んでいる。登場する男たちは過去への郷愁を抱え、...続きを読む
  • てのひらの闇
    主人公・堀江や坂崎の人物造詣は短編集「雪が降る」に収録された「紅の樹」がベースになっているのは明白だろう。コマーシャルビジネスの世界を舞台に様々な思惑が入り乱れ、主人公を取り巻く周囲の人間模様も多種多様。突っ込みどころもそれなりに多い作品ではあるが、海外作品ではお目に掛かれないジャパニーズ・ハードボ...続きを読む
  • シリウスの道(下)
    15年ぐらいの年月を経て、再読。
    平成19年に逝去した作者。
    まだまだ面白い小説を書けると思っていたので、突然の逝去に絶句しかなかった。
    そんな作者の作品を久しぶりに読んでみたが、何だか話が散らばっていて、「こんなんだったっけ?」って言うのが正直な感想。
    ほとんど覚えていないのか・・・
    過去の過ちを...続きを読む
  • テロリストのパラソル
    江戸川乱歩賞と直木賞のダブル受賞作ということで期待して読んだ一冊。

    ある土曜日の朝、アルコール中毒のバーテンダー・島村は、新宿の公園で爆弾テロ事件に遭遇。
    現場から逃げ出した島村は、公園に自分の指紋がついたウイスキーの瓶を残してしまう。

    テロ事件の犠牲者に、22年前共に学生運動を行った、音信不通...続きを読む
  • 雪が降る
    短編集
    ・台風 主人公の記憶を辿り、人生で一度だけ出会った殺人を犯した人との出来事が静かに語られて行く。ラストで物語が繋がり、安堵のような気持ちに。

    ・雪が降る 主人公の男性視点で物語は進むが、お相手の女性の心理描写が良い。初めに息子がキーマンとなり話が進み、ラストの男同士の会話が私は好きだ。

    ...続きを読む
  • 名残り火
    物語の奥深さやストーリーの繋がりは相変わらず秀逸で、ラストまで一気に引き込まれましたが、最後真犯人の動機だけが少々物足りなさを感じました。もちろん動機としてはあり得ますし、むしろ特異でなかったことがこの物語には合っているかのかもしれませんが、何となくもう少し違う動機を期待してしまっていました。
    でも...続きを読む