藤原伊織のレビュー一覧

  • シリウスの道(下)

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    面白い。登場人物が多めだが、どの人も設定が豊かで良い。
    組織の中でもがいている人間には刺さると思う。
    以前読んだ『蚊トンボ白髭の冒険』に比べると業界や背景知識もわかりやすいのでスピード感があると思った。
    テロリストのパラソルのカメオ出演もガッツリあるので好きな方はぜひ。

    匿名の方の後書きも良かった

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    2024年01月06日
  • テロリストのパラソル

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    全共闘世代、団塊の世代の学生運動を背景に持つハードボイルド小説。

    東大卒かつアマボクサーで、とある特定の電子機器に強く、しかもアル中でいて素敵な女性達、男性達にモテるというてんこ盛りキャラクターだけど、現状は独りで都内の狭いカウンターバーを切り盛りする一介のバーテンダーに過ぎず、店では酒とホットドッグしか出さないという主人公。
    脇を固める登場人物たちもかっこいい。

    乱歩賞新刊、数ヶ月後に受賞する直木賞は発表前という段階で読んで以来ずっと、本棚のお気に入りスペースに鎮座ましましている名作です。

    昭和と平成初期のハードボイルドを感じてみたい方は是非。

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    2023年09月24日
  • 雪が降る

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    前回読んだ表題作がかなり好みだったのでその作品も入った短編を読んだのだが、他の短編もめちゃくちゃ良かった。頭がしびれる作品が多く、特に「台風」と「紅の樹」が最高だった。前者は淡々と語られるモノローグとラストの余韻が素晴らしい。後者は純粋なヤクザものハードボイルド。これが傑作で、ありがちなプロットながら台詞まわしがとことんに粋。それがうすら寒くならずグッとくるのは藤原さんの余計なことを書かない文章に見事にマッチしているからだと思う。まだ半年あるが今年のベスト短編集はこれで決まりだ。

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    2023年07月04日
  • テロリストのパラソル

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    ネタバレ

    冷静で勘が冴えているが機械やテクノロジーに疎いバーテンの島村、頼りになる奇妙なやくざの浅井、若くして知性と行動力(それから魅力)を兼ね備えた塔子、ほかにも個性的で生き生きとしたキャラクターが、ハイテンポで展開していく物語を鮮やかに味付けしている。

    展開もハイテンポで目まぐるしく進み、線と線がつながって新たな線が浮かんでくる。島村と共に新宿を駆け回って謎を解いていくような感覚で読めた。

    クライマックスで島村と桑井が出会う場面。それまで物語のキーパーソンとして舞台装置的な印象であった優子が、桑井との会話によって一気に人間味を帯びてくる。島村との関係、桑井の絶望、優子の涙のわけ、NYでのふたり、

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    2023年06月15日
  • 遊戯

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    ネタバレ

    読むんじゃなかったとちょっと思ってしまうくらい続きが気になる。みのりはダナエの子にも似てるしテロリストのパラソルの子にも似て中性的で頭がいい。でもみのりの純粋さみたいなのが一番好き。
    オルゴールは優しい。短編はダナエと本作しか読んだことないけど、ほんとに優しい。

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    2023年05月03日
  • テロリストのパラソル

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    【2023年22冊目】
    読んでる途中から「いや、これもうよっぽどのことがない限り★5です、満点です」って思ってたんですけど、めっちゃ面白かった〜!

    江戸川乱歩賞と直木賞ダブル受賞ね、ふーんて思いながら読み始めましたが、ダブル受賞伊達じゃなかった。

    のどかな公園からスタートする物語が、どんどんと複雑化していき、途中で相関図書いて整理しつつ、結末がどうなるか全然わからなかったので、最後までドキドキしながら読み切りました。

    「私」の受け答えがいちいちかっこよすぎる、あと頭が切れるのと同じくらいダメっぷりが光る人間味が良すぎました。

    あと、あの、浅井ー!浅井かっこよすぎるでしょー!途中から浅井

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    2024年03月19日
  • テロリストのパラソル

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    授賞式当時に読んだ本を再読。年月を感じさせないですね。
    主人公がとても魅力的。それが故に起こった悲劇。インテリヤクザさんも好印象でした。

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    2022年10月07日
  • テロリストのパラソル

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    疾走感が心地よく一気読み。
    点と点がどんどん繋がっていく、後半の伏線回収は圧巻。
    登場人物が魅力的でした。

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    2022年10月02日
  • 雪が降る

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    藤原伊織『雪が降る』角川文庫。

    最早、絶滅危惧種とっなった男らしい男の生き様を描いた6編を収録した短編集。男女平等だとかLGBTだとかまるで権利を勝ち取ることが正義というような輩ばかりの時代にはそぐわない作品である。昔はこれが当たり前ということがどんどん否定されていく生き難い世の中にこそ読むべき短編集だと思う。

    『台風』。深みのある短編。人生は後悔と苦しみの連続なのかも知れない。幸せな思い出はいつの間にか霞んでしまう。台風のある日、会社でかつての部下が起こした傷害事件を切っ掛けに吉井卓也は苦い過去を思い出す。★★★★★

    『雪が降る』。表題作。人生で外れ籤ばかりを引いて来た男の再生の物語。

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    2022年01月03日
  • シリウスの道(下)

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    最高のビジネス書。
    ブレない強い人たちと卑怯なクズたちの物語。
    それぞれの登場人物がこの後どうなるんだろう?と考えてしまう、余韻がすごくいい作品。
    その後をもっと書いて欲しい、と思うところで終わっているのがいいんだろうな。

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    2019年11月23日
  • 名残り火

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    ー 承っております、 こちらへ。そういって案内されたテーブルは表面が磨きあげられた黒い大理石で、そこから間接照明でほの明るい周囲に目をやると、一種の感慨が訪れた。

    この国のてっペんにある階層の富を吸収するシステム。それはいかなるかたちでいかに存在すべきか、しかるべき立場の人間の探究心を満足させるに足る材料を、周りの内装が完壁なかたちで提供していたからである。べつの言い方をするなら、私にとっては居心地がさほどいいとはいえなかったということだ。 ー

    藤原伊織の遺作。
    このシリーズは続いて欲しかった。ここで終わりだなんて悲しすぎる。まだまだ物語るべきものがあったはずなのに…。

    しかも、なんとも

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    2019年11月02日
  • てのひらの闇

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    ー そうだ。考えるのはさきでいい。二十年、サラリーマンをやってきた。いつだって、考えるのがさきだった。考えなければ、生きていけなかった。そうでないときは、身体が動いていた。息つく暇がなかったのだ。疲労のすこしずつ溜まっていく生活が、この環状線みたいにずっとつづいた。沼の底の泥みたいに知らないうちに溜まっていった。それがこの国の企業社会だった。最後に一度くらい、例外があってもいいだろう。この奇妙な状況ではじめて、そのことに気づいたのだった。 ー

    訳ありサラリーマンが巻き込まれるハードボイルド!
    藤原伊織の作品はどれも面白い。
    今回もハラハラしたなぁ〜。

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    2019年10月14日
  • 雪が降る

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    「書店グループNET21」の今年の文庫フェア『まちの本屋
    のお客さんに聞いた 俺の一冊・私の一冊』の中で、40代
    の読者がオススメに挙げていたので読んでみた一冊。

    ハードボイルド、ユーモア、恋愛、ハートウォーミングなど
    ジャンルの異なる短編が6つ収められていて、本当に同じ
    作家が書いたのかな、と思ってしまった。

    特によかったのは企業小説と言える表題作『雪が降る』。
    これにはしびれた。読み終えてしばらく動けなかった。

    過去の痛みを引きずって、不器用ながらも通すべきスジは
    通す。そんな魅力ある男達が奏でる物語は、痛い、切ない。
    でも、ただ切ないだけではなくて、明日への希望

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    2018年11月18日
  • 雪が降る

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    台風
    切ないなぁ こういう話。
    兵藤さん どうしてるのかなぁ。
    ピアノは無理でも ビリヤードは出来てるかなぁ。
    生きててくれと願うのは酷かなぁ。
    卓也は明子と結婚したんだね。驚いた。
    戻って見たら 5歳くらいしか違わないんだもんね。
    それもアリか。
    どうしても学生時代って ひとつ歳が違うだけでも すごく違うから もっと離れてるのかと思った。
    オトナになれば 5歳くらい なんてことないもんね。

    雪が降る
    志村さんも高橋さんもカッコいいなぁ。藤原伊織が描くオトコは いつもカッコいい。
    とばされるヒトがこんなにカッコよくていいの? 笑

    紅の樹
    これも切ないよなぁ。
    遠山さん いいオトコだなぁ。

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    2018年04月01日
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(上)

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    ものすごく不自然な設定なのに 読み出すとすんなりこの世界に入れる。不思議。
    題名が 違ったら もっと早く読んでただろうなぁ。残念。
    達夫 めちゃカッコいい。
    親方もめちゃカッコいい。
    あと瀬川もめちゃカッコいい。
    みんな ハードボイルドだなぁ。

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    2018年04月01日
  • 名残り火

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    シリーズ化するつもりだったのだろうと思えるラスト。まさかのナミちゃん、登場人物たちのその後が気になります

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    2017年09月12日
  • 遊戯

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    これでほんとに最後なんだね。全部読んでたつもりでいたけど これを見つけた時のうれしさ。ちょっと勿体無い気がして 眠らせてたけど ついに読んじゃった。
    面白かった。勿体無いと思いつつ 引き込まれ一気に読んじゃった。やっぱりこのひとの書くものすきだなぁ。優しくて。
    たまたまテロリストのパラソルを読んで 衝撃的に出会って それからずっと読んできたけど もう読めないなんて ほんと悲しい。なんでわたしの好きな作家さんって 早く亡くなる人多いんだろ。もともと次々書くタイプの人じゃなかったから もっともっと読みたい。もっと書いてーと思ってたけど ポツポツでもよかった。ポツポツ長く書き続けて欲しかった。
    遊戯

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    2017年06月25日
  • 名残り火

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    こんな面白いハードボイルドってあるのだろうか。って言うほど読んでないけど。
    てのひらの闇以上に難解だけど凄く面白かった。

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    2017年01月02日
  • ひまわりの祝祭

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    「もし、それが事実なら世界の美術界が震撼する。伝説が修正される。 神話がもうひとつ誕生することになる。 」


    天才画家ゴッホが残した「ひまわり」。数十億円は下らないだろうと言われている作品は隠された「もう1枚」があった。その「ひまわり」をめぐって争いを起こす者、巻き込まれる者、知らず関わっている者。

    「ひまわりをめぐる争い」というとハードボイルドっぽいけど、実は本格ミステリーだった作品。伏線もどんでん返しもあります。

    この作者の作品はストーリーは当然の事ながら、出てくるキャラクターが素敵。主人公格の冴えない中年男にバイリンガルの女の子以外にも、脇役までが魅力的。とにかくかっこいい原田に新

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    2015年04月22日
  • ひまわりの祝祭

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    『この時代にだって、多くはないだろうけど少数の人間はたしかに誠実によって動く。あるいは動かされる。

    だけどいま、はじめてこう思った。そんなものにはもうカビがはえている。ひとり誠実であろうとするだけなら、はた迷惑なだけかもしれない。人をうんざりさせるだけかもしれない。

    そういう質のわるい、始末におえない誠実さというのもある。うさんくさくて、気分がわるくなってくる。』

    良かった。『テロリストのパラソル』のような疾走感はなかったけど、緊張感と切迫感漲る作品だった。非常に気に入ったので『てのひらの闇』『名残り火』『シリウスの道』も購入。

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    2015年01月05日