藤原伊織のレビュー一覧

  • 名残り火
    こんな面白いハードボイルドってあるのだろうか。って言うほど読んでないけど。
    てのひらの闇以上に難解だけど凄く面白かった。
  • ひまわりの祝祭
    「もし、それが事実なら世界の美術界が震撼する。伝説が修正される。 神話がもうひとつ誕生することになる。 」


    天才画家ゴッホが残した「ひまわり」。数十億円は下らないだろうと言われている作品は隠された「もう1枚」があった。その「ひまわり」をめぐって争いを起こす者、巻き込まれる者、知らず関わっている者...続きを読む
  • ひまわりの祝祭
    『この時代にだって、多くはないだろうけど少数の人間はたしかに誠実によって動く。あるいは動かされる。

    だけどいま、はじめてこう思った。そんなものにはもうカビがはえている。ひとり誠実であろうとするだけなら、はた迷惑なだけかもしれない。人をうんざりさせるだけかもしれない。

    そういう質のわるい、始末にお...続きを読む
  • シリウスの道(下)
    この作品は、あまり多くを語ってしまうと
    読む意欲をスポイルしてしまう作品です。

    いえるのは、決してありがちな、
    展開は待っていない、ということです。
    脅迫状に関しての真相もです。
    「え?」と思ってしまうのは、必至でしょう。

    しかしながら、この本にはそれが相応しく思います。
    一人の青年が最後の最後...続きを読む
  • シリウスの道(上)
    まだこれの前の作品は、いい加減にしか読んでないので
    要再読ですね。

    曲がったことが大嫌いで、激しやすい男が
    ある大金が動く広告を狙うことに。

    しかしながら、この男には
    とても人には明かせない過去の秘密が
    あるわけで…

    しかもそのさなかに
    その過去の秘密が脅かされる事態になり…

    彼を囲む面々が...続きを読む
  • テロリストのパラソル

    圧巻の文章力

    今までいろーんな作家を読んできたけれど、藤原伊織さんは本当ずば抜けて文章が上手い。

    この作品にただよう静けさ、哀しさ、その中にあるひとひらの情熱のようなモノトーンの世界に僕はあっさりはまってしまった。
    これを読んだあとの数日のあいだに、藤原伊織さんの作品を全部買いそろえたのは良い思い出。もう...続きを読む
  • シリウスの道(上)
    大手広告代理店の広告コンペを舞台にしたビジネス小説に、主人公の少年時代に起きた事件を絡ませたミステリー的要素も。上巻終わっただけですが、結構読ませます。下巻にどう続くのか今のところは予想がつかない感じ。
    著者の藤原伊織さんは大手広告代理店に勤務経験があり、描写はリアルです。
  • 遊戯
    藤原氏らしく洒落たハードボイルド風味の作品です。
    後半に入りかけたところで残念ながら絶筆。亡き藤原氏への敬意を込めて星5つです。
    最後まで読みたかったなあ。
  • 雪が降る
    再読。
    やはり「伊織」作品は読み応えがある。構成がしっかりしている証だろう。
    新作が読めない事の無情を感じる。
  • シリウスの道(上)
    面白かった。

    内容やラストは教科書通りではあるけれど、やっぱりそれはそれで面白いものだ。

    思わず広告代理店に勤めたいと思った(笑)。
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(上)
    この作者にしては意外(?)なSFチックなストーリーに意表を突かれましたが、ユーモア+ソフトなハードボイルド加減が、けっこう合ってて好感♪
  • シリウスの道(下)
    私にとって最後の藤原伊織作品だったので、
    温存したかったけど、いつも通り一気読みだった。

    辰村と立花の掛け合いがおしゃれで粋でオトナでいいなぁって思う。
    (毎回ながら、もの凄い自制心のある男の人が出て来るな)
    他も女性は皆、ワガママじゃないけど感情に素直で、素敵だ。

    同僚も後輩も、手助けになるあ...続きを読む
  • 遊戯
    なんでこんなにキューっとなるんだろう、
    連作短編だけど、1編ごとにちょっとした小休止のような結末を見せ、
    でも確かに繋がっている。
    本間とみのり。この二人が素晴らしい。
    出会いも、距離のつまり方も珍しい二人だが、すごくいい。

    全体としては未完であるけど、二人が近づいたところまで
    読めて良かった。
    ...続きを読む
  • 雪が降る
    表題作、ある部分が、めちゃくちゃに、最高に、もう、ほんとに!いい‼
    たまらない気持ちにさせる、奇跡のような告白。
    なんていう想いなんだろう‼


    <再読>2012.07.30

    は〜〜、もうほんとに好きな本だな〜。
    初回は「雪が降る」の余韻にきゅうきゅう締め付けられていたが、
    今回は「紅の樹」の儚い...続きを読む
  • シリウスの道(下)
    主人公辰村や立花部長なんかはめちゃめちゃ藤原伊織ぽいんだが、戸塚の存在が印象的すぎた。

    歴代好きな登場人物ランキングTOP3にはいる。自分の目指すべき仕事人像そのままだった。

    振舞いは謙虚に、普段の仕事は愚直に、いざという時ほどスマートに、内にはプライドを。
  • ひまわりの祝祭
    一時遠ざかっていた、読書の世界にひきもどしてくれたのが彼の作品群です。
    彼が食道がんでなくなったのは、個人的に衝撃的なできごとでした。
    酒量は彼に匹敵しそうなので、本当は控えないといけないのだけど。
  • 雪が降る
    短編集。

    飽きがこない、全篇違う姿を見せてくれます。

    『台風』が一番好き。
    すごく好き。
  • てのひらの闇
    主人公の堀江ははくたびれたアウトローっぽいおっちゃん・・・
    しかし、うだうだしているのに知的でカッコイイ。また、堀江の部下の大原や
    友人の柿島、バーの姉弟、やくざの親分など堀江の周りの人達も魅力的な人ばかりでほれぼれしちゃいます。

    堀江の育った特殊な環境や
    会長の自殺など非現実ぽいんですがストーリ...続きを読む
  • シリウスの道(下)
    こんなに面白い会社小説(?)は初めて。

    サラリーマン社会も悪くない とも思える(錯覚する?)。
    まあ結局は、どんな人達と仕事ができて 自分がどうあるか によるのでしょうが。

    とにかく、大きな事件があるわけではないが、とても生き生きとした楽しい小説でした。
  • ダナエ
     収められているのは「ダナエ」「まぼろしの虹」「水母(くらげ)」の中篇3篇。
     タイトルとなった「ダナエ」の主人公・宇佐見は萩原朔太郎の詩の一節に象徴される「何物をも喪失せず、同時に一切を失ってしまった男」として描かれている。人もうらやむ成功を収めた今も、過去を引きずりどこか世捨て人のような生き方し...続きを読む