藤原伊織のレビュー一覧

  • テロリストのパラソル

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    昔いつだったか一度手に取ったがほとんど読み進められなかった。
    身だしなみを整える為の場所として、
    主人公が「タツ」から
    デパートのトイレを勧められるシーンだけが何故か印象に残っていた。
    時代を経て自分も歳を重ねて味わえるようになっていた。
    90年代初めの空気が蘇る。
    文体がとにかくかっこいい。

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    2021年08月21日
  • シリウスの道(下)

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    最高のビジネス書。
    ブレない強い人たちと卑怯なクズたちの物語。
    それぞれの登場人物がこの後どうなるんだろう?と考えてしまう、余韻がすごくいい作品。
    その後をもっと書いて欲しい、と思うところで終わっているのがいいんだろうな。

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    2019年11月23日
  • 名残り火

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    ー 承っております、 こちらへ。そういって案内されたテーブルは表面が磨きあげられた黒い大理石で、そこから間接照明でほの明るい周囲に目をやると、一種の感慨が訪れた。

    この国のてっペんにある階層の富を吸収するシステム。それはいかなるかたちでいかに存在すべきか、しかるべき立場の人間の探究心を満足させるに足る材料を、周りの内装が完壁なかたちで提供していたからである。べつの言い方をするなら、私にとっては居心地がさほどいいとはいえなかったということだ。 ー

    藤原伊織の遺作。
    このシリーズは続いて欲しかった。ここで終わりだなんて悲しすぎる。まだまだ物語るべきものがあったはずなのに…。

    しかも、なんとも

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    2019年11月02日
  • てのひらの闇

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    ー そうだ。考えるのはさきでいい。二十年、サラリーマンをやってきた。いつだって、考えるのがさきだった。考えなければ、生きていけなかった。そうでないときは、身体が動いていた。息つく暇がなかったのだ。疲労のすこしずつ溜まっていく生活が、この環状線みたいにずっとつづいた。沼の底の泥みたいに知らないうちに溜まっていった。それがこの国の企業社会だった。最後に一度くらい、例外があってもいいだろう。この奇妙な状況ではじめて、そのことに気づいたのだった。 ー

    訳ありサラリーマンが巻き込まれるハードボイルド!
    藤原伊織の作品はどれも面白い。
    今回もハラハラしたなぁ〜。

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    2019年10月14日
  • 雪が降る

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    「書店グループNET21」の今年の文庫フェア『まちの本屋
    のお客さんに聞いた 俺の一冊・私の一冊』の中で、40代
    の読者がオススメに挙げていたので読んでみた一冊。

    ハードボイルド、ユーモア、恋愛、ハートウォーミングなど
    ジャンルの異なる短編が6つ収められていて、本当に同じ
    作家が書いたのかな、と思ってしまった。

    特によかったのは企業小説と言える表題作『雪が降る』。
    これにはしびれた。読み終えてしばらく動けなかった。

    過去の痛みを引きずって、不器用ながらも通すべきスジは
    通す。そんな魅力ある男達が奏でる物語は、痛い、切ない。
    でも、ただ切ないだけではなくて、明日への希望

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    2018年11月18日
  • 雪が降る

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    台風
    切ないなぁ こういう話。
    兵藤さん どうしてるのかなぁ。
    ピアノは無理でも ビリヤードは出来てるかなぁ。
    生きててくれと願うのは酷かなぁ。
    卓也は明子と結婚したんだね。驚いた。
    戻って見たら 5歳くらいしか違わないんだもんね。
    それもアリか。
    どうしても学生時代って ひとつ歳が違うだけでも すごく違うから もっと離れてるのかと思った。
    オトナになれば 5歳くらい なんてことないもんね。

    雪が降る
    志村さんも高橋さんもカッコいいなぁ。藤原伊織が描くオトコは いつもカッコいい。
    とばされるヒトがこんなにカッコよくていいの? 笑

    紅の樹
    これも切ないよなぁ。
    遠山さん いいオトコだなぁ。

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    2018年04月01日
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(上)

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    ものすごく不自然な設定なのに 読み出すとすんなりこの世界に入れる。不思議。
    題名が 違ったら もっと早く読んでただろうなぁ。残念。
    達夫 めちゃカッコいい。
    親方もめちゃカッコいい。
    あと瀬川もめちゃカッコいい。
    みんな ハードボイルドだなぁ。

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    2018年04月01日
  • 名残り火

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    シリーズ化するつもりだったのだろうと思えるラスト。まさかのナミちゃん、登場人物たちのその後が気になります

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    2017年09月12日
  • 遊戯

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    これでほんとに最後なんだね。全部読んでたつもりでいたけど これを見つけた時のうれしさ。ちょっと勿体無い気がして 眠らせてたけど ついに読んじゃった。
    面白かった。勿体無いと思いつつ 引き込まれ一気に読んじゃった。やっぱりこのひとの書くものすきだなぁ。優しくて。
    たまたまテロリストのパラソルを読んで 衝撃的に出会って それからずっと読んできたけど もう読めないなんて ほんと悲しい。なんでわたしの好きな作家さんって 早く亡くなる人多いんだろ。もともと次々書くタイプの人じゃなかったから もっともっと読みたい。もっと書いてーと思ってたけど ポツポツでもよかった。ポツポツ長く書き続けて欲しかった。
    遊戯

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    2017年06月25日
  • 名残り火

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    こんな面白いハードボイルドってあるのだろうか。って言うほど読んでないけど。
    てのひらの闇以上に難解だけど凄く面白かった。

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    2017年01月02日
  • ひまわりの祝祭

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    「もし、それが事実なら世界の美術界が震撼する。伝説が修正される。 神話がもうひとつ誕生することになる。 」


    天才画家ゴッホが残した「ひまわり」。数十億円は下らないだろうと言われている作品は隠された「もう1枚」があった。その「ひまわり」をめぐって争いを起こす者、巻き込まれる者、知らず関わっている者。

    「ひまわりをめぐる争い」というとハードボイルドっぽいけど、実は本格ミステリーだった作品。伏線もどんでん返しもあります。

    この作者の作品はストーリーは当然の事ながら、出てくるキャラクターが素敵。主人公格の冴えない中年男にバイリンガルの女の子以外にも、脇役までが魅力的。とにかくかっこいい原田に新

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    2015年04月22日
  • ひまわりの祝祭

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    『この時代にだって、多くはないだろうけど少数の人間はたしかに誠実によって動く。あるいは動かされる。

    だけどいま、はじめてこう思った。そんなものにはもうカビがはえている。ひとり誠実であろうとするだけなら、はた迷惑なだけかもしれない。人をうんざりさせるだけかもしれない。

    そういう質のわるい、始末におえない誠実さというのもある。うさんくさくて、気分がわるくなってくる。』

    良かった。『テロリストのパラソル』のような疾走感はなかったけど、緊張感と切迫感漲る作品だった。非常に気に入ったので『てのひらの闇』『名残り火』『シリウスの道』も購入。

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    2015年01月05日
  • シリウスの道(下)

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    ネタバレ

    この作品は、あまり多くを語ってしまうと
    読む意欲をスポイルしてしまう作品です。

    いえるのは、決してありがちな、
    展開は待っていない、ということです。
    脅迫状に関しての真相もです。
    「え?」と思ってしまうのは、必至でしょう。

    しかしながら、この本にはそれが相応しく思います。
    一人の青年が最後の最後で味わうこととなる
    本人の意思とは無関係の責め苦。
    しかも、彼は、それをおくびにも出さなかったのに…

    これからのことは書かれていません。
    ですが、きっと、収まるところに
    おさまったはず、でしょう。

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    2014年07月22日
  • シリウスの道(上)

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    ネタバレ

    まだこれの前の作品は、いい加減にしか読んでないので
    要再読ですね。

    曲がったことが大嫌いで、激しやすい男が
    ある大金が動く広告を狙うことに。

    しかしながら、この男には
    とても人には明かせない過去の秘密が
    あるわけで…

    しかもそのさなかに
    その過去の秘密が脅かされる事態になり…

    彼を囲む面々が面白くて、
    あっという間に読めました。

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    2014年07月16日
  • テロリストのパラソル

    圧巻の文章力

    今までいろーんな作家を読んできたけれど、藤原伊織さんは本当ずば抜けて文章が上手い。

    この作品にただよう静けさ、哀しさ、その中にあるひとひらの情熱のようなモノトーンの世界に僕はあっさりはまってしまった。
    これを読んだあとの数日のあいだに、藤原伊織さんの作品を全部買いそろえたのは良い思い出。もう新作が読めないのが残念で仕方ない。

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    2014年03月15日
  • シリウスの道(上)

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    ネタバレ

    大手広告代理店の広告コンペを舞台にしたビジネス小説に、主人公の少年時代に起きた事件を絡ませたミステリー的要素も。上巻終わっただけですが、結構読ませます。下巻にどう続くのか今のところは予想がつかない感じ。
    著者の藤原伊織さんは大手広告代理店に勤務経験があり、描写はリアルです。

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    2013年11月09日
  • 遊戯

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    藤原氏らしく洒落たハードボイルド風味の作品です。
    後半に入りかけたところで残念ながら絶筆。亡き藤原氏への敬意を込めて星5つです。
    最後まで読みたかったなあ。

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    2013年08月02日
  • 雪が降る

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    再読。
    やはり「伊織」作品は読み応えがある。構成がしっかりしている証だろう。
    新作が読めない事の無情を感じる。

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    2013年01月21日
  • シリウスの道(上)

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    面白かった。

    内容やラストは教科書通りではあるけれど、やっぱりそれはそれで面白いものだ。

    思わず広告代理店に勤めたいと思った(笑)。

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    2013年01月09日
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(上)

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    この作者にしては意外(?)なSFチックなストーリーに意表を突かれましたが、ユーモア+ソフトなハードボイルド加減が、けっこう合ってて好感♪

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    2012年05月20日