感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年07月04日
前回読んだ表題作がかなり好みだったのでその作品も入った短編を読んだのだが、他の短編もめちゃくちゃ良かった。頭がしびれる作品が多く、特に「台風」と「紅の樹」が最高だった。前者は淡々と語られるモノローグとラストの余韻が素晴らしい。後者は純粋なヤクザものハードボイルド。これが傑作で、ありがちなプロットなが...続きを読むら台詞まわしがとことんに粋。それがうすら寒くならずグッとくるのは藤原さんの余計なことを書かない文章に見事にマッチしているからだと思う。まだ半年あるが今年のベスト短編集はこれで決まりだ。
Posted by ブクログ 2018年11月18日
「書店グループNET21」の今年の文庫フェア『まちの本屋
のお客さんに聞いた 俺の一冊・私の一冊』の中で、40代
の読者がオススメに挙げていたので読んでみた一冊。
ハードボイルド、ユーモア、恋愛、ハートウォーミングなど
ジャンルの異なる短編が6つ収められていて、本当に同じ
作家が書いたの...続きを読むかな、と思ってしまった。
特によかったのは企業小説と言える表題作『雪が降る』。
これにはしびれた。読み終えてしばらく動けなかった。
過去の痛みを引きずって、不器用ながらも通すべきスジは
通す。そんな魅力ある男達が奏でる物語は、痛い、切ない。
でも、ただ切ないだけではなくて、明日への希望が間違い
なくそこにある。だから救われる。
本当にいい短編集。
Posted by ブクログ 2018年04月01日
台風
切ないなぁ こういう話。
兵藤さん どうしてるのかなぁ。
ピアノは無理でも ビリヤードは出来てるかなぁ。
生きててくれと願うのは酷かなぁ。
卓也は明子と結婚したんだね。驚いた。
戻って見たら 5歳くらいしか違わないんだもんね。
それもアリか。
どうしても学生時代って ひとつ歳が違うだけでも す...続きを読むごく違うから もっと離れてるのかと思った。
オトナになれば 5歳くらい なんてことないもんね。
雪が降る
志村さんも高橋さんもカッコいいなぁ。藤原伊織が描くオトコは いつもカッコいい。
とばされるヒトがこんなにカッコよくていいの? 笑
紅の樹
これも切ないよなぁ。
遠山さん いいオトコだなぁ。
切ない短編集だね
トマト
全然わかんなかった 笑。
でも これはこれで良し。
Posted by ブクログ 2012年07月31日
表題作、ある部分が、めちゃくちゃに、最高に、もう、ほんとに!いい‼
たまらない気持ちにさせる、奇跡のような告白。
なんていう想いなんだろう‼
<再読>2012.07.30
は〜〜、もうほんとに好きな本だな〜。
初回は「雪が降る」の余韻にきゅうきゅう締め付けられていたが、
今回は「紅の樹」の儚い...続きを読む切なさにも同様に締め付けられた。
藤原さんの視点が大好きだ。
趣きの違う「トマト」も、軽妙でいいもんだなぁ
Posted by ブクログ 2011年09月13日
うーん渋い!贅沢な短編集でした。それぞれにちがった味わいがあって極上の読書タイムとなりました。人物がとても魅力的に描かれていて男性にも女性にも憧れてしまいます。
Posted by ブクログ 2011年07月18日
藤原伊織は「テロリストのパラソル」や「シリウスの道」でお気に入りの作家で、この短編集「雪が降る」も、らしさ満載でとても心に沁みる。
昨年亡くなっちゃいましたよね。とても残念。
表題作の「雪が降る」がとても良い。
お得意の企業を舞台にし、同期で出世競走の先を行きながらそれを笠に着ぬ上司、気の利いた美し...続きを読むい女性の部下、将来有望の若手社員、そしていつものごとくほとんどアル中ながら有能さだけを武器に会社に残っている主人公。
しかしこれは企業小説ではなく、そうした舞台まわりの上に描かれる「男と女の情念」と「父と子の信頼」と「男と男の友情」を繊細に描いた絶品(もちろん「サラリーマンの矜持」というところを描いたところもありにして)。
『きみは、お父さんを尊敬しているか』『尊敬しています。母とおなじくらい好きです。志村さんがなさっているそのネクタイ、きっと父のでしょう?』
ここだけ読んでも分かんないと思うけど、こうした父と子でありたいと思う。
その他の作品もそれぞれに味わい深く、何かを背負ってストイックに生きる男の姿に心打たれる。
「テロリストのパラソル」の島村が登場するのもお楽しみで。
ピントはずれの解説がウザい。
Posted by ブクログ 2022年06月18日
藤原伊織の短編集。
各話其々良かった。
うまく言えないけど、じんわりと来る得体の知れない良さがあった。
中でも「台風」「雪が降る」「紅の樹」が好き。
Posted by ブクログ 2019年06月09日
短編6編収録。
中編集「ダナエ」より面白かった。
黒川博行に似ていると思っていたら、解説が黒川博行氏。
著者とは気の合う友人なのだそうだ。(解説当時、著者は存命)
Posted by ブクログ 2016年06月08日
どんな人生にもドラマがある。ささやかな事件の裏にある機微。素敵な作品でした。
あらすじ(背表紙より)
母を殺したのは、志村さん、あなたですね。少年から届いた短いメールが男の封印された記憶をよみがえらせた。苦い青春の日々と灰色の現在が交錯するとき放たれた一瞬の光芒をとらえた表題作をはじめ、取りかえよう...続きを読むのない過去を抱えて生きるほかない人生の真実をあざやかに浮かびあがらせた、珠玉の六篇。
Posted by ブクログ 2013年05月01日
毎度同じ感想ですが、大人のハードボイルドだなあと思う。
体制に反抗したり、反社会的な過去があったりするのに、能力が高く、女性にももてるのにクールに対応する、非現実的な主人公の存在はある意味オトコの夢なんだろう。
たまにはこんな作品を読んで妄想するのもいいかも。
Posted by ブクログ 2012年08月08日
6話の短編からなる1冊。
いまはサラリーマンとなった男が、かっての部下が上司のいじめに耐えられず刃傷沙汰になったのをきっかけに思い出すプールバーの息子だった時の事件を描く「台風」
かつて、同僚とその男は一人の女性を争ったが彼女は同僚と結婚した。その後偶然に再会。雪が降ったためホテルに投宿した二人だ...続きを読むった。
彼女は男に「次に雪が降った時に待っている」と言う。
次の降雪の日、男はホテルで待つがとうとう彼女は来なかった。雪のためスリップ事故を起こしたのだ。
ある日送られてきた(母を殺したのはあなたですね)という同僚の息子からのメールで思い起こされる愛を描く「雪が降る」
6話の中で特に心に残ったのはこの2話だった。
Posted by ブクログ 2011年12月07日
短編集。
長編の醍醐味はないものの伊織節は健在。
この人の描く男性像は同性からみてもホントに格好良い。
ないものねだりですが憧れます。
この人の新作を、もう読めないと思うと残念でならない。
Posted by ブクログ 2011年08月06日
藤原伊織が描くかっこいい男の話が集められた短編。無駄な表現のないストイックな感じの文章が心地よい。ハードボイルドなものから、ヒユーマンドラマ系もあり、作家の姿が向こうに見える。
Posted by ブクログ 2011年05月16日
『雪は降る。あなたは来ないって・・・。』
”素敵”という裸の形容がよく似合う、ハードボイルド短篇集。とにかく隠喩の使い方が巧妙。嵐と雨、雪と光、樹と炎。二段階の心象表現がここまで上手く決まるとは。しかも短篇集。まさに珠玉という言葉がよく似合う一冊。
Posted by ブクログ 2011年09月17日
それぞれに過去に痛みを抱えた人間の6つの短編集。静かに過去を回顧しながらも、その痛みを受け入れて自らの責任を取るところが渋い大人の態度を伺わせてくれた。しんみりずっしりくるいぶし銀のような短編集だった。
Posted by ブクログ 2011年09月30日
藤原伊織のこの短篇集には「驚き」があった。どの一篇にも、読み終える寸前のところに「驚き」が待っていた。六篇それぞれに異なる驚きが仕込まれていたのである。読み終わった直後、軽い眩暈のような虚無感に包まれ、物語を振り返った。会社組織の冷血さ、恋の儚さ二つ、むごたらしく悲惨なこと、やくざの帰結、夏のアル...続きを読むバイトで得たもの、が語られていた。いずれも人生の真実というべきものかもしれない。不思議だったのは、よい作品だと感じながらも小説の中に感情移入しなかったこと。スクリーンに映し出されたよくできたフィクションを自分は観ているのだという気分で読んでいた。しかし、それは悪い意味でいっているのではない。作為がみえる作品でありながらも、それが不快ではなく、むしろ作者の巧緻な創作力に深い感動を覚えていたのである。短篇小説は文字通り短いのだから、登場人物の内面外面を詳細に描写できない。舞台となる場所の雰囲気も綿密に描写する余裕はない。だから、短篇小説は長編小説より、作家の巧拙が明確に出やすいといえるかもしれない。そうだとすると、この六篇はいずれも藤原伊織の卓越した筆力を充分に湛えた、上質な短篇だといえる。情景が一瞬で頭の中に浮かび上がったのだから。
Posted by ブクログ 2014年09月18日
母を殺したのは、志村さん、あなたですね。少年から届いた短いメールが男の封印された記憶をよみがえらせた。若い青春の日々と灰色の現在が交錯するとき放たれた一瞬の光芒をとらえた表題作をはじめ、取りかえようのない過去を抱えて生きるほかない人生の真実をあざやかに浮かびあがらせた、珠玉の6篇。
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「台風」「雪が降る」「銀の塩」「トマト」「紅の樹」「ダリアの夏」の6篇。
どれも切ない。
Posted by ブクログ 2012年02月16日
新規購入ではなく、積読状態だったもの。
2012/2/15〜2/16
藤原伊織氏の短編集。「台風」、「雪が降る」、「銀の塩」、「トマト」、「紅の樹」、「ダリアの夏」の六編。何かを背負った男達の意地、諦め、悔恨などなどが藤原氏独特の文体で綴られていく。お気に入りは「紅の樹」か。
亡くなられた作家の...続きを読む作品は、読んでしまうと残り少なくなってしまうので、手に取るのを躊躇してしまうが、やっぱり読みたいよなあ。
Posted by ブクログ 2022年07月19日
短編集
・台風 主人公の記憶を辿り、人生で一度だけ出会った殺人を犯した人との出来事が静かに語られて行く。ラストで物語が繋がり、安堵のような気持ちに。
・雪が降る 主人公の男性視点で物語は進むが、お相手の女性の心理描写が良い。初めに息子がキーマンとなり話が進み、ラストの男同士の会話が私は好きだ。
...続きを読む・銀の塩 中盤まで物語の大枠が掴めずに進んだ印象。本書の中では普通の評価。
・トマト 短編、最後までよくわからなかった。
・紅の樹 手のひらの闇シリーズのモチーフとなっている短編との印象。短編なだけに、それぞれの人物描写がそれほど描かれていないと感じてしまった。
・ダリアの夏 人物の繋がりは面白いが、こちらも手のひらの闇第一部と似た筋書きのように感じた(女性とそのパートナー)。
短編の良さもあると思うが、私は作者の長編に比してこの評価にしました。
Posted by ブクログ 2015年05月12日
読んだ後すぐにレビューを書いておくべきだったな。
面白かったような気がするけど、
内容を全く覚えていない。
☆×3だし、そうでもなかったのかなぁ。
そのうちハードボイルドブームが再燃するだろうから、
その時に再読するとしよう。
Posted by ブクログ 2014年01月12日
テロリストのパラソルで、江戸川乱歩賞と直木賞を同時受賞した藤原伊織さんの小説。
作風として大人のファンタジーという趣。ビリヤードの勝負がきっかけで利き手を潰されたピアニストや足を洗い身を隠す元ヤクザ、トマトを食べたくて一時的に人間になった人魚など、非現実的な設定で起こる人情話に、クサさを感じながら思...続きを読むわず涙します。
表題の「雪が降る」が特に優しい気持ちになる良い話でした。
Posted by ブクログ 2013年03月04日
ハードボイルド短篇集。やはりヤクザ物が多い。しかし、短篇集だからか内容に厚みを感じられなかった。中でもやくざ物として面白かったのは紅の樹でした。
Posted by ブクログ 2011年11月25日
全部違うパターンで登場人物がみんなかっこいいなぁと思いながら読んでいたけど、『紅の樹』の堀江さんには思わず「くぅーーー!」って感じ。心が潤った。
台風/雪が降る/銀の塩/トマト/紅の樹/ダリアの夏