あらすじ
「現実とネットの関係は、銃を撃つのに似ている」。ネットの対戦ゲームで知り合った本間とみのり。初対面のその日、本間が打ち明けたのは、子どもの頃の忌まわしい記憶と父の遺した拳銃のことだった。2人を監視する自転車に乗った男。そして銃に残された種類の違う弾丸。急逝した著者が考えていた真相は。表題作に加え、遺作となった中篇「オルゴール」も収録。
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これでほんとに最後なんだね。全部読んでたつもりでいたけど これを見つけた時のうれしさ。ちょっと勿体無い気がして 眠らせてたけど ついに読んじゃった。
面白かった。勿体無いと思いつつ 引き込まれ一気に読んじゃった。やっぱりこのひとの書くものすきだなぁ。優しくて。
たまたまテロリストのパラソルを読んで 衝撃的に出会って それからずっと読んできたけど もう読めないなんて ほんと悲しい。なんでわたしの好きな作家さんって 早く亡くなる人多いんだろ。もともと次々書くタイプの人じゃなかったから もっともっと読みたい。もっと書いてーと思ってたけど ポツポツでもよかった。ポツポツ長く書き続けて欲しかった。
遊戯。どんな展開で どんな結末の構想だったんだろ。解説の黒川博行はそれを想像するのもまた楽しいとか書いてるけど それはアナタが作家だからじゃなくてですか?わたしは全く想像つかないです。みのりの気持ちはわかるけど 本間の気持ちが何処にあるのか全然わかんないんだもん。自転車の男がだれなのか?あとちょっと怪しいお母さんがどんな絡み方するのかも気になるし。最後まで読みたかった。
陽光が1番すき。武田さん かっこよすぎ。わたしにも命綱つけてー 笑。
みのりの率直さも気持ちよくてすき。
本間のツレなさも愛しい。
アナタの書く人はみんな魅力的だね。
あーほんと残念。
無頼派的な人ほど 甘いもの書くのはなんでだろ。でも そういうひとが そういうひとの書くものが 1番好きで 一番キュンとくる。ココロの琴線が1番近いって気がする。
でもアナタと出会えて アナタが書いたものを読めて ほんとによかった。
もう新しい作品は読めないけど アナタの書いたものは これからも時々読み返して 読み続けていくと思う。
合掌。
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藤原氏らしく洒落たハードボイルド風味の作品です。
後半に入りかけたところで残念ながら絶筆。亡き藤原氏への敬意を込めて星5つです。
最後まで読みたかったなあ。
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なんでこんなにキューっとなるんだろう、
連作短編だけど、1編ごとにちょっとした小休止のような結末を見せ、
でも確かに繋がっている。
本間とみのり。この二人が素晴らしい。
出会いも、距離のつまり方も珍しい二人だが、すごくいい。
全体としては未完であるけど、二人が近づいたところまで
読めて良かった。
本当は先が知りたいし読みたいけど、もう仕方ない。
オルゴールも素敵だった。
なんていうか、ロマンチックな藤原さんが凝縮されている感じだ。
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改めて、江戸川乱歩賞と直木賞のW受賞作家の実力を体感する。
ちょうど、その作品を読んだ直後に亡くなったので、しばらく手に取れなかったんだよね。
で、次に手に取ったのは未完の遺作。
氏がどんな結末を描こうとしていたのか?
今となってはまるでわからないけど。
連作短篇の一篇一篇は珠玉の出来で。
つくづく、惜しい方を亡くしたなぁ。。。と今更ながら体感した私です。
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藤原伊織さんの絶筆作品。ネット上で知り合った男と女の二人が恋愛関係に落ちて行きながら、事件に巻き込まれていく。途中で終わっているので、この先が気になってしょうがない。さすが。藤原伊織。
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未完の遺作と知らずに読んで、驚く。全然何にも終わってない。但しそれも相まって、とても印象深い作品に。特に朝川みのりは、筆者の女性キャラの中でも際立って魅力的。誰か筆致の似た人が遺志を継いで完結させてくれないかな、というくらい「その後」が気になる!
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幼い頃の傷を抱えて死んだように生きている"jamrice"こと本間と、感性が澄み、透明感のかたまりみたいな"パリテキサス"朝川みのり。このまったく接点のないように見えるふたりが、ふとした出会いから少しずつ距離を縮め、いつの間にかお互いを必要としている。
ふたりのちょっとしたやりとりが核心をついていてとても惹かれてしまう。
「ネットって銃をうつのに似ていると思うんです。
ほんとうに人を殺したという実感がともなっていない」
ふたりの周りに謎の男が現れ、不気味な影を残す。
5つの連続した短編のなかで本間とみのりのふたりの距離は近づいていくが、謎の男の正体はついに明かされないまま物語は未完に終わります。
完成していたならば、どんな結末だったんでしょう?
もはや知ることはできないけれど、この本を読むと、なんだか切なくて、いとおしい気持ちになる。
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アル中の中年アウトローと陰のない明るい娘の組み合わせ。この物語もそれを踏襲している。やはりそうでなくては。テンポ良く読め、中年と娘の過去と現在もカッチっと描かれていて引き込まれて行ったが、無念です・・・
もう、最後まで読むことが出来ないので評価を★★★★とさせていただきました。
Posted by ブクログ
遺作となった未完の小説。
ネットゲームで知り合った人材派遣会社に勤める男と若い女性。
女性が派遣会社に登録した事から、時々メールを送るようになり・・・
二人の周りに謎の男の影が現れ、その謎が解けないままに筆は絶たれる。
でも謎を気にしなければ、こういう余韻のある終わり方は好きだなぁ。
Posted by ブクログ
連作短編集ですが第5編で未完となっています
続きが読めないのはとても残念ですが藤原作品は大好きなので
とても満足です。
やっぱり主人公の男性に何故か心惹かれてしまいます
クールだけど優しくどこか翳りがあるところ
後、遺作となった「オルゴール」、、切ない物語です
こちらは完結しています
Posted by ブクログ
中島らもに続きまたも遺作
短編集?の遊戯はこれから中盤どっかん!ってかんじやったからすごく残念
もうひとつの中編はいまひとつおもしろみというか濃さがたりなかったかな
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主人公の本間は、ビリヤードのネットゲームで知り合った二十歳の女性・朝川みのりと、不思議な縁があって、直接会って話をし、仕事を紹介することになる。
すこし世間知らずなところのあるみのりは、しかし聡明で、落ち着いた不思議な魅力があった。本間はそれまで誰にも話したことのなかった、幼い頃に父親から受けた巧妙で陰湿な虐待を、みのりに打ち明ける。
それからしばらくの間は、特別に会うこともなく、ときどきみのりから近況報告のメールが来るだけの関係だった二人だが、やがて二人ともが奇妙なストーカーに付けねらわれ始めて……
藤原伊織さんの遺作です。闘病生活の中でつづられた連作短編集。完結を待たずして、藤原さんが喉頭癌で亡くなられたことが惜しまれます。このあと、どういう結末が待っていたんだろう。
色んな謎が、遺されたままになっているのだけれども、ひとつひとつの短編としても秀逸。クールな語りと、悲しくも美しいストーリーが、不思議な清涼感を読後に残します。
Posted by ブクログ
未完の遺作。
いつもながらに、主人公とヒロインの魅力に惹きつけられる。
殊に、本作のヒロインには、女心が震わされた。
事件の顛末は闇の中だが、藤原伊織を読んできた読者には、
どこか爽快で痛快なものを感じさせるかもしれない。
Posted by ブクログ
相変わらず面白い。
主人公が格好良すぎるのが、難点。
藤原伊織が亡くなったのは残念とともに、彼の作品を読めないという悲しさもある。
遺作となったこの作品も、もっと書きたかったろう。これから更に謎が深まり、謎が解き明かされていくのだろうと思うと読みたかったな。
Posted by ブクログ
ネットの対戦ゲームで知り合った二人に謎のサラリーマン風の男が絡んでくる短編連作。そして、藤原さん最後の作品集。主人公が暗く地味なのと対象に、ヒロインがあまりに自由すぎて大丈夫かと思うんだけど、読み進むうちに惹かれる不思議な人柄。二人の掛け合いが楽しく、謎のサラリーマンも気になり、あっという間に読破。魅力ある人物の表現がうまいなぁと思います。
Posted by ブクログ
テロリストのパラソルをずいぶん前に読んで面白かった。この人の作品を読むのは2冊目。おもしろいなあと、興味津々で読んでいたが、作者逝去のため突然話が終わったのが残念。おそらく私が想像もつかない結末が用意されていただろうに。ほかの作品を読んでみようと思う。
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藤原伊織さんが大好きなので思わず買いました。
ただ、物語がこれから面白くなりそう!って時に終わってしまうので
本好きには辛いです・・・ 作者がもういないので諦めるしかないの
ですが><
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敢えてミステリにしなくても純文学として勝負できたのではないかと思うほど、著者の文章力が光る一作。心理描写、風景描写が非常に巧み。ところどころで不必要に思えるほど詳細な心理描写がなされている場面が目に付き、これがストーリーの伏線なのか、単に筆がすべっただけなのかがよくわからなかったが、これも本作が未完のまま著者の死により終わってしまった故のことだろう。著者の早過ぎる死が悔やまれる。
Posted by ブクログ
大まかに分類すると繋がっている短編集「遊技」~「陽光」の4つと、別の短編集「オルゴール」の二分類にされる作品です。
遊技の話は主人公がネットのメールのアカウントハッキングの謎を解く、それに所々に現れる「謎の自転車の男」。それが鍵なのだとは思いますが、完成をさせる前に死去していまい、真相がわからず気になって仕方がない。そんな作品です。これは結末を考えるには無理難題かと。気になって仕方がありません。なのでこの評価で。
「オルゴール」は、死んでしまった娘の千尋と聴いた「トライメロイ」。それを思いながら家族の人生のあり方を簡潔に、それもわかりやすく書いた作品です。
前者の遊技は、読者次第でどうこうできるのかはわからない、作者が何に繋げようとしているのか。死去してしまいましたが、現代文学ではとてもよみやすい作品です。
Posted by ブクログ
●あらすじ●
インターネットの対戦ゲームで知り合った本間とみのり。無職になったばかりなので、仕事を紹介してほしいという相談に乗るため、派遣会社勤務の本間は、みのりと待ち合わせをする。
初対面のその日、本間が打ち明けたのは、今まで誰にも話したことがない、幼いころの虐待の記憶と、遺された拳銃の存在だった。
メールに仕込まれたウィルス、拳銃に装填された種類の違う弾丸、そして明らかな悪意をもって二人の後をつけてくる自転車の中年男…。
表題作のほか「オルゴール」収録。
●感想●
藤原伊織さんの遺作だそうです。
遺作なので、未完です。
未完なので、なんでそこで~、というところで終わっています。
まったくもって結末が予想できなかったので、完成したものが読みたかったな。
本間のとーちゃんは何者だったんだ~。みのりの新しい母親の、もと旦那さんの事件にきっと関係があったんだよね?ひいてはみのりの父親にも…。でも自転車の中年男は?うーん、まったくわかりません。
「オルゴール」、なかなか好きでした。
さて、これで他人からお借りした藤原伊織作品は最後です。
なんとなくですが、3冊続けて読んで「誕生日」「記念日」というキーワードが何度か出てきたのが印象的でした。そういうアニバーサリーな単語が頻出するって、男性作家さんには珍しくないですかね?
なにはともあれ、どれも面白かったです。
藤原伊織さん、ご冥福をお祈りいたします。
Posted by ブクログ
本書には「遊戯」と題された連作短編と「オルゴール」という短編が収められている。
「遊戯」の目次は次のとおり。
遊戯
帰路
侵入
陽光
回流
この「遊戯」は藤原氏が闘病中に執筆を続けた作品である。「回流」時点でこの物語は終わっていない。藤原氏は2007年5月17日に亡くなってしまったため「遊戯」は永遠に未完のままである。読まなければよかった。藤原氏がこの物語にどのような結末を用意していたのか、気になって仕方がない。思えばこの本を手に取った時から読んで後悔することはわかっていたのだ。だって、未完の小説なんて、〆の河豚雑炊が無い「河豚のフルコース」のようなものだからね。もう、悔しいというか、渇望に身悶えしてしまう。自由に結末を想像してみるのだが、われわれ凡人には想像もつかないのだ。かくなる上は、どなたかに物語の続きを書いてもらうしかない。1989年にロバート.B.パーカーがレイモンド・チャンドラーの遺作「プードル・スプリングス物語」を完成させたように。どなたかお願いします。大沢在昌さん、石田衣良さん、志水辰夫さん、お願いします。
Posted by ブクログ
食道ガンで亡くなった著者の未完結の遺作。
なにしろ未完結なので、なんとも評価しづらいが
結末が気になるってコトは そこまでは面白く読めたってことですね。
脳内完結したいけど、どーかなー
とりあえず恋愛の部分では完結したから、いいか
Posted by ブクログ
今月2冊目の藤原伊織である。
今回は著者が癌と闘いつつ書き続けた短編連作と遺作となった中編「オルゴール」。
連作のほうは、ネット上の対戦ゲームで出会った男と女、本間とみのりがつながって行く様を語りながら、しかし、二人が結ばれたところで作者の命の炎は尽きる…。
二人を監視する自転車の中年男、本間の父が残した拳銃。謎は永遠に謎のまま。
いつものように人生に恬淡な男と純真で聡明な女を描き読ませる。
それぞれのお話の終盤に漂う余韻に命の燃え尽きるか細さを感じる。