藤原伊織のレビュー一覧
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直木賞作家、藤原伊織氏のミステリー。元電通社員だった頃に作家デビューしたそうで、広告代理店での経歴が活かされている。
主人公は飲料メーカーを自主退職することに決めた、中年の会社員。仕事はでき人望もあるが、奥さんに逃げられ、私生活はイマイチ。ある日、会社の会長に呼ばれ、彼が撮影したテープを社のCMにしたいと言われるが、次の日にその会長は自殺する。彼の死の真相を探る。
緻密で複雑な構成、ミステリーとしての完成度は非常に高い。読みやすく、内容と長さのバランスもちょうどいい。ちゃんと読者の裏をかくポイントもある。彼の本は「テロリストのパラソル」を読んだことがあるが、安定の面白さが期待できる。著者が早く亡くなってしまったのが残念である。 -
Posted by ブクログ
大きな余韻。謎多き終わり方が何とも言えず心地良い。以前一度だけ浅田作品で似たような作品があった。その時は読者への挑戦状に思えたが、本作は読者に委ねられているといった優しい雰囲気を感じた。初読みの作家さんでしたが、すでに他界されているようで新刊が出ないのはとても残念。刊行済の他作品も読んでみたいと思う。
あらすじ(背表紙より)
世界的な評価を得た画家・宇佐美の個展で、財界の大物である義父を描いた肖像画が、切り裂かれ硫酸をかけられるという事件が起きた。犯人はどうやら少女で、「これは予行演習だ」と告げる。宇佐美の妻は、娘を前夫のもとに残していた。彼女が犯人なのか―。著者の代表作といえる傑作中篇など全3篇収録。 -
Posted by ブクログ
藤原伊織を読んだのはは「テロリストのパラソル」に続き2作目。ハードボイルドという括りで扱われる彼の作品はそうなのかしら?と疑問に思ってしまう。
今回のひまわりの祝祭は、静謐で美しい。確かにハードボイルド的な要素があるにはある。ハードボイルドといえば、酒はバーボン、汗臭い男、肉質な美女。マグナム系の銃器。血なまぐさい肉。この本では、バーボンが牛乳、汗臭い登場人物がインテリ系、美女は薄倖の才女。マグナムがライフル。肉がコンビニのドーナッツ、に置き換わっている。
まるで文学作品を読んでいるようでした。
ラストシーンは特に美しい。
最後に女が主人公へ「あなた」と語りかけるところが、すごく気になる。なぜ呼び方が「あなた」、なのか。。暗喩されているのだろうか。。
もっと彼の読んでみようと思う。