あらすじ
脅迫状には25年前の秘密が書かれていた!
広告代理店に勤める辰村には、25年前から隠し続ける、友との秘密があった。それが今……。広告業界を舞台に展開する長篇ミステリー
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最高のビジネス書。
ブレない強い人たちと卑怯なクズたちの物語。
それぞれの登場人物がこの後どうなるんだろう?と考えてしまう、余韻がすごくいい作品。
その後をもっと書いて欲しい、と思うところで終わっているのがいいんだろうな。
Posted by ブクログ
この作品は、あまり多くを語ってしまうと
読む意欲をスポイルしてしまう作品です。
いえるのは、決してありがちな、
展開は待っていない、ということです。
脅迫状に関しての真相もです。
「え?」と思ってしまうのは、必至でしょう。
しかしながら、この本にはそれが相応しく思います。
一人の青年が最後の最後で味わうこととなる
本人の意思とは無関係の責め苦。
しかも、彼は、それをおくびにも出さなかったのに…
これからのことは書かれていません。
ですが、きっと、収まるところに
おさまったはず、でしょう。
Posted by ブクログ
私にとって最後の藤原伊織作品だったので、
温存したかったけど、いつも通り一気読みだった。
辰村と立花の掛け合いがおしゃれで粋でオトナでいいなぁって思う。
(毎回ながら、もの凄い自制心のある男の人が出て来るな)
他も女性は皆、ワガママじゃないけど感情に素直で、素敵だ。
同僚も後輩も、手助けになるあの人や、美味しそうなあの食べ物も、
いいスパイスになってる。香ってきそうだ。
肝心の謎については、ミステリー・ハードボイルド色は薄いかもしれないが、その分、仕事に向き合うことがどういうことか、藤原伊織さんなりの哲学が、他のものよりも実に即して書かれていたと思う。
なんてみんなかっこいいんだろう。
たまんないね。
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主人公辰村や立花部長なんかはめちゃめちゃ藤原伊織ぽいんだが、戸塚の存在が印象的すぎた。
歴代好きな登場人物ランキングTOP3にはいる。自分の目指すべき仕事人像そのままだった。
振舞いは謙虚に、普段の仕事は愚直に、いざという時ほどスマートに、内にはプライドを。
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こんなに面白い会社小説(?)は初めて。
サラリーマン社会も悪くない とも思える(錯覚する?)。
まあ結局は、どんな人達と仕事ができて 自分がどうあるか によるのでしょうが。
とにかく、大きな事件があるわけではないが、とても生き生きとした楽しい小説でした。
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ハードボイルド・ファンタジーを自称する藤原伊織さんの魅力が、ぎゅっと濃密に詰まった長編。
ほかの作品とも共通する、ハードボイルドの濃厚な香りが漂いつつも、作者さん自身の職歴がものをいうのか、大手広告代理店の熾烈な世界が、活き活きと描かれていて、働く男の背中が好きな方や、サラリーマンの方には、特につよく進めたい一冊。
小説の楽しさや味わいって、それぞれに色んな方向性がありますが、たとえば、普段とは違う上等のお酒を味わいながら呑むように、美味しいコーヒーを楽しむように、一冊の本にうっとりと酔う、藤原さんの小説には、そういう上質の娯楽のような、なんともいえない陶酔感があります。端々で重厚なリアリティがあり、それでいてお硬く気取っているのではなく、手に汗を握る展開が待っていて、隅々までエンターテイメントしている。
藤原さんの小説のヒロインには、ときどき、女性から見るとあまり共感できないようなタイプ(口の悪い言い方をすると男に都合のいい女性像)が描かれるときもあるのですが、今回のヒロイン、ばりばりのキャリアウーマンで、すごくかっこよかったです。
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面白かったです。堪能できました。なるほどね。勝哉はこう絡んできましたか・・・まあ、妥当なところかな。なんか、みんなかっこよすぎるんだよね。まあ、小説なんだからそれでいいんだけど。
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藤原伊織作品に登場するキャラクターは皆、傷を抱えながらも自分の人生を全うしている。その美しい描写が読後に深い余韻をもたらしてくれる。余韻に浸り過ぎてお浸しになりそうな作品です。
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あらすじ
新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす!広告業界の熾烈な競争と、男たちの矜持を描くビジネス・ハードボイルドの結末は。
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上巻から持ち越した期待に違わず、面白く読めました。
実は登場人物や場所の一部に、テロパラのものが混じっていた事に後から気づきました。
「ホットドックしか出さないバー」って、どこかで聞いた気がしていたのはそのせいかっ!
ラストの持って行き方も、なかなかに藤原さんらしい、腑に落ちるのが70%、落ちないのが30%くらいの、いいバランスで、全体としてオススメの一冊(二冊?)です。
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以外とおもしろかった。
偶然が重なり過ぎている感じは否めないが、過去から現在に繋がる話と、それとは別の現在の戦いがうまく絡んでいて、後半は一気に読んでしまった。
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上巻で引き込まれたまま下巻も一気に読んだ。
面白いだけでなく、ところどころ格言のようなためになる言葉もあって、思わずメモを取りたくなった。
2014/10/19
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小説としては面白いものの、上巻が企業小説とミステリー部分がうまくマッチした感じだったのが、ミステリー部分はやや腰砕け。企業小説部分も新入社員の成長譚みたいになってしまった。やや残念。
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新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚は全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の元に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす!
広告業界の熾烈な競争と、男たちのハード・ボイルドの結末は?
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「辰村」のような自虐的で、媚びず、誰であろうと牙をむくようなサラリーマンには出会ったことがありませんが、現実にいたら迷惑だけど爽快だと思う。
空気を読む、草食系などといわれて久しい今の時代には、こんな作品は流行らないかも。こんな作品に共感するのは、バブルの残り香に触れた自分たちの世代が最後かも知れませんが、好きなものは好きです。
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ああ、そうくるのか!
というラスト。
現実はいつでも厳しい。厳しいけれどやさしい。それでもつらい。
仰ぎ見る星の光がまぶしければまぶしいほどに。
きれいごとだけでは終わらない、この作品が好きです。
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上巻後半までは広告業界用語が多様されていて読みにくかったですが、下巻にはそれがなく、スイスイ読めました。こんなビジネスマンになりたい!!と思わせる作品に仕上がっています。そしてああいう女上司、うちの会社にもいます。名前はあえて書きませんけどww
藤原伊織先生のほかの作品では「ダナエ」と「テロリストのパラソル」がお勧めですよ。けど、登場人物はだいたいこの作品と同じキャラです。それが藤原先生の特徴ですね。とにかくお亡くなりになったのが悔しいです(金子)
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15年ぐらいの年月を経て、再読。
平成19年に逝去した作者。
まだまだ面白い小説を書けると思っていたので、突然の逝去に絶句しかなかった。
そんな作者の作品を久しぶりに読んでみたが、何だか話が散らばっていて、「こんなんだったっけ?」って言うのが正直な感想。
ほとんど覚えていないのか・・・
過去の過ちを抱えた三人の登場人物。
大人になってから、忍び寄る悪の手。
この作品が発行されたころは、こんな感じの作品が流行っていた気がする。
主人公である辰村は単なる広告マンの域を超えているし、守ろうとした三人の過去の秘密も今読むと弱いような。
全てが辰村の都合の良い方に進んでいき、出来過ぎな感も否めない。
当時は大好きだった作者だっただけに、こんな感想しか出て来ないのが、何だか情けない。
Posted by ブクログ
新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす!
Posted by ブクログ
一気に読めた。
ただ、バタバタといろいろと起こり、バタバタと解決という印象が。。。
エピソードが一つ無くてもいいから、もう少し一つ一つの問題をジックリ解決して欲しかった。
明子の魅力も今一つ伝わって来なかったし。立花さんはすご過ぎ。
でも、すべては主人公の魅力を引き立てるためかなー。
戸塚くんも良い上司あってこその成長って感じだし。
この人の本は始めて読んだので、話題でこの本にも関わりがありそうな「テロリストのパラソル?」を読もうかと思う。
Posted by ブクログ
やはり、私の中で藤原氏は別格なんだよなぁ。 決してスマートとは言えない、くたびれたオッサンや、ヤクザさえもかっこよく描いてしまう、それが伊織節。 今回は、今までにない若手の活躍が一番良かった。 本当に頭が良い人は、難しい内容を簡単な言葉で説明できる人だと言うけれど、藤原氏の読み易い文章は、まさにソレ。 読みながら、「ゾクゾク」「ワクワク」というオマケつき。 ただし、今作の出来は中途半端に感じる部分があるので、中の上としておく。
Posted by ブクログ
登場人物がみな粋でかっこいい!そんな中、トップとしてイースト証券の富田が他の社長に比べ器が落ちる。辰村が立花部長を誘うシーンの
「今週末にでもまたふたりで飲みにいきませんか」
「また私の膝枕でねむりたいわけ?」
「そう。あれはすごく寝心地がよかった」
「でも、よだれでスカートに染みができちゃうのはどうだろう」
「最初からスカートを脱がせていれば、その心配はないでしょう」
そしてその受け答えは、
「うん、それは悪くない考えかもしれない」うまいなぁ。藤原伊織の作品に
出てくる男たちは過去に生きている。「いま」はどうでもよく、感情に蓋をして生きている、ところが過去に向き合った途端に生の感情が噴出する。まさに、ビジネスハードボイルドである。
の2回目の飲む場面はもっと詳しく書いてほしい。