藤原伊織のレビュー一覧
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この本を読みたくなったのは、ある日配信されてきたメルマガ『NIKKA倶楽部メールマガジン』の記事のせいだ。お酒をあれこれ親しんでいた時の名残で、『ニッカウヰスキー』からのメルマガ配信を受けているのだが、その中に「本をつまみにウイスキーに酔う」というテーマで、この本が『バー読大賞2010』受賞書籍として選定されていたのだ。 何でも、「ウイスキーに合う本」を丸善メーリングリスト読者を中心に一般募集した結果だという。同時に受賞したのが、『食堂かたつむり』(小川糸)ということで、がぜん興味を覚えたわけだ。 この本には、代表作「ダナエ」の他「まぼろしの虹」、「水母」の計3編が収録されているが、やはり「ダ
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●あらすじ●
インターネットの対戦ゲームで知り合った本間とみのり。無職になったばかりなので、仕事を紹介してほしいという相談に乗るため、派遣会社勤務の本間は、みのりと待ち合わせをする。
初対面のその日、本間が打ち明けたのは、今まで誰にも話したことがない、幼いころの虐待の記憶と、遺された拳銃の存在だった。
メールに仕込まれたウィルス、拳銃に装填された種類の違う弾丸、そして明らかな悪意をもって二人の後をつけてくる自転車の中年男…。
表題作のほか「オルゴール」収録。
●感想●
藤原伊織さんの遺作だそうです。
遺作なので、未完です。
未完なので、なんでそこで~、というところで終わっています。
まったく -
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登場人物がみな粋でかっこいい!そんな中、トップとしてイースト証券の富田が他の社長に比べ器が落ちる。辰村が立花部長を誘うシーンの
「今週末にでもまたふたりで飲みにいきませんか」
「また私の膝枕でねむりたいわけ?」
「そう。あれはすごく寝心地がよかった」
「でも、よだれでスカートに染みができちゃうのはどうだろう」
「最初からスカートを脱がせていれば、その心配はないでしょう」
そしてその受け答えは、
「うん、それは悪くない考えかもしれない」うまいなぁ。藤原伊織の作品に
出てくる男たちは過去に生きている。「いま」はどうでもよく、感情に蓋をして生きている、ところが過去に向き合った途端に生の感情が噴出す -
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気に入った作家さんの作品は古本屋で見つけるととりあえずまとめて買っておく癖があります。そして気が向いたときに読むのですがふと気づいたら同じタイトルが2冊ありました…。しかも同じ日に買ったらしい。アホじゃないか、私。
それはさておき。
この方の書く主人公は本当に独特ですね。厭世感に満ちているというか…でも決して無関心・無感動なわけではなく。今の世の中で一番信仰されている「カネ」と言う神を無視出来るなかなか凄い主人公です。
ラストはちょっと納得できかねたので残念です。
絵画を投資に使うということについてどうなんだろう…と思ってましたがまあこういう考え方もあるんだなあと思いました。 -
Posted by ブクログ
本書には「遊戯」と題された連作短編と「オルゴール」という短編が収められている。
「遊戯」の目次は次のとおり。
遊戯
帰路
侵入
陽光
回流
この「遊戯」は藤原氏が闘病中に執筆を続けた作品である。「回流」時点でこの物語は終わっていない。藤原氏は2007年5月17日に亡くなってしまったため「遊戯」は永遠に未完のままである。読まなければよかった。藤原氏がこの物語にどのような結末を用意していたのか、気になって仕方がない。思えばこの本を手に取った時から読んで後悔することはわかっていたのだ。だって、未完の小説なんて、〆の河豚雑炊が無い「河豚のフルコース」のようなものだからね。もう、悔しいと -
Posted by ブクログ
「企業パート」と「幼馴染みパート」のちぐはぐさが気になりましたが、「企業パート」は本当ぐいぐい引っ張られて読み進められました。
寧ろ「幼馴染みパート」はなくてもいいぐらい広告業界を舞台に繰り広げられる競合劇ということで藤原伊織の前職知識がフルに活かされた作品となっております。本当、広告業界覗き見隊!という事であんな上司やこんな新人やそんな派遣はおらんやろ!!!と思いながらもプレゼンチームが一致団結し何かを作り上げ達成してゆく様は見ていて清清しいものがあります。
ここら辺、「チームスポ根モノ」に通じる所があると思います。本当、「幼馴染みパート」がなくて「企業パート」だけでも良かったと思う(笑)