藤原伊織のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大まかに分類すると繋がっている短編集「遊技」~「陽光」の4つと、別の短編集「オルゴール」の二分類にされる作品です。
遊技の話は主人公がネットのメールのアカウントハッキングの謎を解く、それに所々に現れる「謎の自転車の男」。それが鍵なのだとは思いますが、完成をさせる前に死去していまい、真相がわからず気になって仕方がない。そんな作品です。これは結末を考えるには無理難題かと。気になって仕方がありません。なのでこの評価で。
「オルゴール」は、死んでしまった娘の千尋と聴いた「トライメロイ」。それを思いながら家族の人生のあり方を簡潔に、それもわかりやすく書いた作品です。
前者の遊技は、読者次第でどうこうで -
Posted by ブクログ
妻が自殺してからデザインの仕事をやめて隠居状態だった僕は
かつての上司である村林から五百万をギャンブルですってくれという
風変わりな頼みを受けた。
連れて行かれたカジノには村林の顔見知りである老人と
死んだ妻にそっくりの女がいた。
女は僕を追って来たので妻のことやなぜそこにいたのか尋ねたが
彼女は何も知らされずに老人につきそってきただけのようだった。
そうして家に帰ってみれば自宅の戸口が破壊され
監視の車がうろうろしている。
さらにカジノのマネージャーであった男が接触してきた。
彼らは別々の組織だが狙いはどうやら妻が見つけた八枚目のひまわりらしい。
しかし僕はそのことについて何も聞かされていな -
Posted by ブクログ
自分は藤原伊織の大ファンだが、彼の作品の中で唯一敬遠していて、なかなか手にしなかった作品。
あらすじに書いてあった蚊トンボの白鬚が主人公倉沢達夫の頭の中に入ってきて、それを機に不思議な力が使えるようになるという、この思いっきりのファンタジー要素が敬遠していた理由である。
自分としては藤原伊織作品は、企業に属し出世意欲もなく、人付き合いも得意でないが、人一倍頭のキレる酒好きな中年のサラリーマンが、強気なヒロイン受け流しながらも、裏社会・闇社会と闘っていくハードボイルド要素が大好きなので、『蚊トンボ』・『超能力』、さらには 『冒険』なんてタイトルに付いてたらと食わず嫌い・・・いや読まず嫌いをし -
Posted by ブクログ
この本を読みたくなったのは、ある日配信されてきたメルマガ『NIKKA倶楽部メールマガジン』の記事のせいだ。お酒をあれこれ親しんでいた時の名残で、『ニッカウヰスキー』からのメルマガ配信を受けているのだが、その中に「本をつまみにウイスキーに酔う」というテーマで、この本が『バー読大賞2010』受賞書籍として選定されていたのだ。 何でも、「ウイスキーに合う本」を丸善メーリングリスト読者を中心に一般募集した結果だという。同時に受賞したのが、『食堂かたつむり』(小川糸)ということで、がぜん興味を覚えたわけだ。 この本には、代表作「ダナエ」の他「まぼろしの虹」、「水母」の計3編が収録されているが、やはり「ダ
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Posted by ブクログ
●あらすじ●
インターネットの対戦ゲームで知り合った本間とみのり。無職になったばかりなので、仕事を紹介してほしいという相談に乗るため、派遣会社勤務の本間は、みのりと待ち合わせをする。
初対面のその日、本間が打ち明けたのは、今まで誰にも話したことがない、幼いころの虐待の記憶と、遺された拳銃の存在だった。
メールに仕込まれたウィルス、拳銃に装填された種類の違う弾丸、そして明らかな悪意をもって二人の後をつけてくる自転車の中年男…。
表題作のほか「オルゴール」収録。
●感想●
藤原伊織さんの遺作だそうです。
遺作なので、未完です。
未完なので、なんでそこで~、というところで終わっています。
まったく