藤原伊織のレビュー一覧

  • 雪が降る

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    短編6編
    いづれも、鬱屈した過去を持った登場人物。
    心の奥底に、固いしこりを持ちながら、生きる。その生きざまが描かれている。

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    2022年01月30日
  • 雪が降る

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    ハードボイルドの名手として名高い著者だが、私は今作が初読み。全六作品収録の短編集で、どの作品にもグッとくるものがある。ロマンチックで切ない表題作も捨て難いが、運命に翻弄される男の悲哀を描いた「台風」と王道的な任侠小説「紅の樹」が私のお気に入り。飲酒運転に対する前時代的な価値観に違和感を覚えないわけではないが、それを補って余りある魅力が満載。黒川博行氏(著者のご友人)による解説の言葉をお借りするなら、余分な贅肉を削ぎ落としたシャープな文章とそこから滴り落ちるような情感が正にそれ。他の作品も是非とも読まねば。

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    2022年01月04日
  • てのひらの闇

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    ネタバレ

    任侠のかっこ良さとミステリが融合した作品だった。
    人間の高潔さとは何か、少し理解出来た気がする。

    加賀美母娘にはびっくりした。
    確かに父のように接してくるとは言ってたけども本当に義父のつもりだったのか……!と思った。
    そしてどれだけモテるんだ会長。

    おもしろかった。

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    2021年06月02日
  • ひまわりの祝祭

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    ストーリーが深い。文章力が凄いので所々難しく感じる場所もあったが、話し方や振る舞いも細かく書かれていて、登場人物の性格や特徴が良く分かったのでストーリーにのめり込めた

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    2019年09月17日
  • ひまわりの祝祭

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    絵画に疎い私には大変、難しゅうお話で御座いました。どんでん返しがある訳でもなく、主人公が凄く魅力的でもなく(汗)読むのに疲れた~~。でも、この方の文章は嫌いではないので他作品にリベンジしてみようと思います。

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    2019年01月20日
  • ひまわりの祝祭

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    ネタバレ

    世界的に有名なゴッホの「ひまわり」生涯に7枚描かれたその名画には、実は未だに隠されたままの幻の8枚目が存在していた!

    初っ端からギャンブルのルールがよくわからず、どこか現実離れしたような設定でなかなか馴染めなかったことも加えて企業同士の争いや、そこにヤクザが絡んでたりゴッホの名画だったり、内容が詰め込まれすぎてて一体どれがメインなのかわかりにくかったのがもったいない………。

    作者さんがいくつもの文献を読んで「ひまわり」に関する考察を深めた上での作品なので、その件に関しては凄く説得力があって、わくわくしながら読むことが出来たので、絵画、特にゴッホの絵が好きだけど、彼自身についてはあまり知らな

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    2018年09月11日
  • シリウスの道(下)

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    新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす!

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    2018年06月14日
  • シリウスの道(上)

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    大手広告代理店・東邦広告に勤める辰村祐介には、明子、勝哉という2人の幼馴染がいた。この3人の間には、決して人には言えない、ある秘密があった。その過去が25年の月日を経た今、何者かによって察知された…。

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    2018年06月14日
  • てのひらの闇

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    飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診されるが、それがCG合成である事を見抜き、指摘する。その夜、会長は自殺した!!堀江は20年前に石崎から受けたある恩に報いるため、その死の謎を解明すべく動き出すが…。

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    2018年06月13日
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(下)

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    自分からどんどん厄介ごと招いておいて、なんでこんな厄介ごとに巻き込まれるんだと…。
    ハードボイルドが若干空回りしている感じ。
    相変わらず、そんな20代はいないでしょ、という思考としゃべり方。
    蚊トンボとやり取りは面白かったけどね。

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    2017年09月03日
  • てのひらの闇

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    石崎会長の自殺とCGで作られたビデオテープをCMに起用しようとした訳をリストラ寸前の草臥れたサラリーマン・堀江が調べていくうちに、様々な人間関係と堀江の過去が明らかになるというストーリーは奥深くて面白いです。
    ただ、『テロリストのパラソル』ほど疾走感がないのと、ハードボイルドにしてはややライトなところが残念です。

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    2017年04月05日
  • ひまわりの祝祭

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    内容(「BOOK」データベースより)
    妻が妊娠をかくしたまま自殺した。ショックで隠遁生活を送る秋山に、元上司から奇妙な依頼が来た。「一晩で500万、カジノで負けてくれ。」その日から、妻に似た謎の美女、やくざ、闇社会の大物などが現れ、執拗に付けまわされる。謎を解く鍵は、ゴッホの名画「ひまわり」だった―。直木賞・乱歩賞受賞第1作。名作『テロリストのパラソル』に並ぶ、疾走感溢れる展開と緻密な構成が秀逸なミステリの傑作。

    藤原伊織の本は基本酔いどれの主人公が多いですが、この秋山は酒は飲まず、ひたすら暖めた牛乳と甘味物で生きる、子供じみた頑なさを持つ男。妻が亡くなってからは世捨て人のように誰とも関わ

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    2016年12月22日
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(下)

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    物言いたい点は多々あるけれど、単純に面白い。
    蚊トンボがいいね。
    どうすりゃ、こんな設定が思いつくんだ。
    世界もキャラ全員も無理だらけなのに、不思議としっくり感情移入してしまう。
    ただ、ラストは私は気に入らない、
    カイバラはけっきょく目的を遂げたんじゃないかい

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    2016年10月21日
  • てのひらの闇

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    会長に呼び出されたその夜、会長が自殺した。CMビデオの謎。宣伝部課長堀江が死の理由を探る。非現実的だが主人公の設定がかっこいい。そして、周りの人もかっこいい。ただ、現実にいたらひくと思う 笑。高熱があるのに、数日間、薬も飲まず、歩き回り、酒を飲むし、暴力的だし。それインフルじゃね?みんな伝染るよ。と思いながら読んだ。坂崎がかっこよかった。

    「頬に一滴、冷たいしずくの感触があった。」

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    2016年06月25日
  • てのひらの闇

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    ネタバレ

    さくっと読めるプチハードボイルド小説。始めの雰囲気からは想像付かない展開に進んでいき、ページを捲る手が止まらない。誰も彼もが結局はいい人過ぎるというか、魅力ある人物=理解力ある優しい人物になっている部分と、主人公のキャラが時折ぶれるところが若干気にはなったが、人物相関と展開が面白いので満足。

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    2016年06月24日
  • てのひらの闇

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    やくざ、経済、暴力とわかりやすい三要素を含んだ藤原伊織さんのハードボイルドです。類型的ですがそれなりに楽しめました。

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    2016年06月17日
  • 名残り火

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    文章も上手く読みやすい。キャラクターも良い。ストーリーは普通かな。ページをめくる手が止まらない、というほどではなかった。

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    2016年01月05日
  • てのひらの闇

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    ハードボイルドミステリー。主人公の得体の知れなさに読み進めるうちに惹かれていきます。
    前半がもたついているので挫けそうになるのがマイナスかな。

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    2015年11月19日
  • ひまわりの祝祭

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    個人的には今一歩のハードボイルドミステリー

    ハードボイルドだからかもしれませんが、会話がくどい。
    さらに、前半では何がなんだかわからない状態で物事が進んでいくのが耐えらず、かなり退屈してしまいます。これ以上続いたら、読むのやめようと思うぐらい..しかし、後半戦はようやく話が盛り上がって、話の全貌が見えてきて、どんどん読み進めることができました。
    前半なくていいのに(笑)

    基本的にストーリとしてては、ゴッホの8枚目のひまわりの行方と、主人公の奥さんの自殺の真相といったところかなと思います。そして、衝撃的な結末。

    これに出てくる登場人物がまたまた個性的!、もちろん、くたびれた主人公、ゲイの知

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    2015年10月25日
  • てのひらの闇

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    会社の会長の謎の死を追うサラリーマンの生い立ちは実はヤクザで…という話。孤立無援の普通のおっさんなのに、複数人をのすほどの腕力とテクニックで、職業とはいえ映像を少し調べるだけでどうやって撮ったのかがわかったり、行政に詳しかったりと博識なあたりは「テロリストのパラソル」と非常に似たキャラクター。

    謎解きが主ではないものの、少しずつ少しずつ情報がもたらされ、その間をアクションがつなぐ形になっており、どんどん先を読み進めたくなる辺りは流石である。ただ、本作に関しては、情報が足りないまま押し切っている感がある。

    ただし、最後がヤクザの社会の人のつながりや常識がどうのという話と、会社の経営がどうのと

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    2015年07月08日