藤原伊織のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ああ、そうか、もう、去る5月17日で3周忌なんだわ、と、平積みにしてある本書を手にとって、しみじみ感慨深げにつぶやいてしまいました。
巻末のエッセイで、我が逢坂剛が、「いおりんは・・・」「いおりんが・・・」と、共に直木三十五賞をとった同じ大手広告会社繋がりもあって、親しみを込めた愛称で呼んで懐古しているのを読んで、もうダメ、一気にドッと涙があふれてきてしまいました。
書店の中で、周りの人も怪訝そうな顔をして遠ざかる気配がします、もう、格好悪いったらありません。
確かに、これが最期の小説でした。何度読んだかわかりません。
『てのひらの闇』と本書を、これからも何度も何度も読む自分の姿を想像 -
Posted by ブクログ
藤原伊織さんは「テロリストのパラソル」や「シリウスの道」でお気に入りの作家で、この短編集「雪が降る」も、らしさ満載でとても心に沁みる。
昨年亡くなっちゃいましたよね。とても残念。
表題作の「雪が降る」がとても良い。
お得意の企業を舞台にし、同期で出世競走の先を行きながらそれを笠に着ぬ上司、気の利いた美しい女性の部下、将来有望の若手社員、そしていつものごとくほとんどアル中ながら有能さだけを武器に会社に残っている主人公。
しかしこれは企業小説ではなく、そうした舞台まわりの上に描かれる「男と女の情念」と「父と子の信頼」と「男と男の友情」を繊細に描いた絶品(もちろん「サラリーマンの矜持」というところを -
Posted by ブクログ
1995年96年に江戸川乱歩賞と直木賞を受賞した作品。
ある土曜の朝、アル中のバーテン・島村は、
新宿の公園で一日の最初のウイスキーを口にしていた。
その時、公園に爆音が響き渡り、爆弾テロ事件が発生。
死傷者50人以上。島村は現場から逃げ出すが指紋のついた瓶を残してしまう。
テロの犠牲者の中には、22年も音信不通の大学時代の友人が含まれていた。
島村は容疑者として追われながらも、事件の真実に迫ろうとする。
主人公がアル中のバーテンという中々パンチの効いた設定。
この設定も相まり、島村の魅力に瞬時に惹きつけられた。
学生運動、ヤクの密売と小出しにされていく真実のかけらたち。
その度にヤキモ