松岡圭祐のレビュー一覧
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ネタバレ松岡圭祐著『令和中野学校Ⅱ 対優莉戦』は、知略と矜持が交錯する静かな戦場を描いた一冊である。前作が「陽」の物語だったとするならば、本作はまさしく「陰」の気配をまといながら、人物たちの内奥に潜む信念と葛藤を浮かび上がらせている。
表題に掲げられた“対優莉戦”という言葉が示すように、読者は派手な衝突や決戦を予感する。だが物語は、その期待を巧みに裏切り、真に問われるのは「敵を倒すこと」ではなく、「己をどう貫くか」という精神の攻防であることを示していく。その構図が緊張感と重層性をもたらし、ページをめくるたびに静かに胸を締めつける。
群像劇としての完成度も高く、それぞれの候補生たちが異なる正義と恐怖 -
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松岡圭祐『令和中野学校 II 対優莉戦』角川文庫。
シリーズ第2弾。
『高校事変』と『JK』、『令和中野学校』の世界観が密接につながり、さらには『高校事変』の方には『探偵の探偵』や『千里眼』、『鑑定士Q』の登場人物が関わり、全てのシリーズを読んでいないと面白さが半減しそうだ。
昔、映画とタイアップして文庫本を大量販売する『角川商法』というキャンペーンがあったが、松岡圭祐の方は自著の販売を拡大しようという『松岡商法』といった感じだ。現代最高峰のハードボイルド作家のマイクル・コナリーも『ハリー・ボッシュ・シリーズ』と『リンカーン弁護士シリーズ』、『ジャック・マカヴォイ・シリーズ』、『レネい・ -
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新潮文庫の100冊でここ2~3年見かけていて、ずっと気になっていました。
ただ私はディズニーランドを愛しているわけでも、特別にミッキーが大好きなわけでもなく、タイトルから敬遠していたのです。
ところが読んでみると――かなり夢中に。
夢の舞台を支える“裏側の世界”が描かれていて、「もっと早く読めばよかった」と思うほどでした。
なかでも主人公・後藤のキャラが最高!
実力も経験も不足(なんてったって入社1日目)、なのに「もっと大きな仕事をしたい!」と大口を叩く、やる気ばかりが空回りする意識高い系。
その姿が、若い頃の自分と重なってしまうのです。
”当たり前のことかもしれないけど、裏側は現実なん -
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松岡圭祐『高校事変 23』角川文庫。
ついに23巻目を迎えた。本編の他に劃篇が4作あるので、通算27作目ということになる。書き下ろし。そして、シリーズ第2部の完結目前のセミファイナルということらしい。
今日の午前中に本屋に行ったら、来週初めに発売予定の角川文庫が既に店頭に並んでいたので、購入したその日のうちに読み始めた。
余りにも荒唐無稽で、時代も時空も滅茶苦茶で頭が混乱する。
再び『千里眼』の岬美由紀が登場するのは良しとして、『令和中野学校』も描かれや、『鑑定士Q』が登場し、既に明かされていた優莉匡太のペンネームのジョアキム・ガンブラーに由来する『JK』の世界観までが持ち込まれる。も -
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第14弾
また、最初の高校事変の再来か!
主役は、凛香ちゃんと瑠那ちゃんの2人、残念ながら、結衣ちゃんはおらん。
高校メインやから無理か…
何やったら、大学事変描いて貰っても…
この時の首相は、あの人の設定やな。「異次元の少子化対策」の人。
真の敵は、EL累次体!
この一味があちこちに忍び込んでるな。
そこに入るのも軍資金がいるのか…
ブックメーカー(ノミ屋)で稼ぐんやけど、賭けの対象が様々…
今回は、凛香ちゃん、瑠那ちゃんが通う高校の体育祭!
一番人気は、凛香ちゃん、最下位は、瑠那ちゃん…まだ、瑠那ちゃんカラダ弱いで通してるので…
多番狂わせを狙う組織が凛香ちゃんを…
元自衛隊の特殊 -
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感想
結衣はいきなり大人を殺すし、情報も少ないのにサリンプラントを突き止めるし、予知能力でもあんのw
日本の自衛隊も多分そんなに躊躇なく突撃しないし、結衣たちがいるのに構わずドンぱちやるのもちと現実的ではないな。
この巻で急に田代勇次のラスボス感が増した。
あらすじ
結衣が子供の頃、父親の半グレ集団が銀座のデパートで起こしたサリンばら撒き事件の回想。
現在に戻り、田代勇次は半グレ集団のプリンスの顔を明らかにし、結衣を組織に誘うが、結衣は断る。
結衣は公安から命を狙われるが、返り討ちにする。国家公安委員会の差し金で、優莉の子供を抹殺する命令が出ていることを掴む。
武蔵小杉高校で被害