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Posted by ブクログ 2013年05月16日
千里眼シリーズ第12弾後編。
友里佐知子がどうしてあそこまで左翼思想にのめり込んだのかがいまだにどうやっても理解できないことを除けば、おおむねこれまでの物語の伏線が一気に回収され、その上で宿敵鬼芭阿諛子との決着と怒濤のようにストーリーが展開する。
友里佐知子はあれほど資本主義に対して憎悪を燃やしてい...続きを読むたのに、資本主義の権化のようにブランド品やステータスの高い外車などで身を固め、実はそうすることで自分の思想が変わっていっても良さそうなのにいつまでも旧態依然とした価値観を持ち続けていたという、それはそれで実は残念な人だったのかと半ばガックリ来たのは間違いない。とはいえ、阿諛子とはよく言えばハッピーな、悪くいえば予定調和的な関係を築き、ダビデもマリオン亡き後のメフィストコンサルティングをどう扱っていくのか、この先に含みを持たせながら去って行き、恒星天球教に絡む物語は一部紆余曲折はあったもののクラシックシリーズとしてまとめられ、決着を見たことになる。
いろいろとツッコミどころがないわけではないが、それでもこの長大な物語をしっかりと、しかもページを繰る手を休ませたくなくなるほど引きつけさせるところはさすがと言える。このあたり、毎度毎度感心させられる。
新シリーズがどうやって始まり、どんな物語が展開するのか、未読の身としては楽しみで仕方ない。
Posted by ブクログ 2011年09月19日
昭和に起こった大事件の数々を無理なく友里の過去と結びつけ、スケールの大きなストーリーを、途中で破綻させることなく成立させてしまう松岡さんの筆力やイマジネーションが、本当にすごいです!
鬼芭阿諛子との最終決戦もかなりの見物!上巻でさりげなく書かれていたことが、伏線となり見事に最後につながり驚きでした...続きを読む。
戦いの最中徐々に人格が変わっていった阿諛子の描写が切なくてその場面も印象的でした。
クラシックシリーズを締めくくるのに相応しい大作です!
Posted by ブクログ 2010年02月10日
前半、友里佐知子の日記の続きから始まります。
友里が昭和に起きた大事件に絡んでいた、という作者のイマジネーションには脱帽しました。
そして阿諛子との決着、結末は悲しい物になってしまったのがすごく残念でしたが、彼女が最後人間らしい心を取り戻せた経緯には涙しました。
Posted by ブクログ 2019年03月05日
2019年20冊目。クラシックシリーズ完結篇。鬼芭阿諛子との決着が血生臭いものにならず、最後は互いに理解し合えたという結末は何かほっとした感じがした。友里佐知子のモルモットから良世連という仲間(鬼芭阿諛子はあまりそう思っていなかったけれど)と行動を共にするうちに、自我が芽生えたという描写が、遅いけれ...続きを読むど鬼芭阿諛子の救いになったのは読んでいて何か心温まるものが読んでいて感じられた。ともかく2年近くかけてクラシックシリーズを読み終えた。少し間を置いて千里眼の新シリーズを読みたいと思う。
Posted by ブクログ 2014年02月20日
あゆこが最後の最後に救われてくれてほっとしました。このまま死んじゃうんじゃないかとはらはらしながら一気に読んでしまいました。美由紀も蒲生さんもやっと一区切りつけてよかったですね。
ただ、自分としては最後ダビデが空気を読んだためとはいえ、ちょこっとしか出ないところがさみしく、嵯峨くんが皆無すぎてちょっ...続きを読むと切ないです。新シリーズでは出てくれる事を期待しています。
Posted by ブクログ 2013年09月19日
阿諛子は国家機密の空飛ぶ車でクーデター計画を実行に移す。直前に美由紀が打った秘策がわかった時の衝撃は大きかった。長編のすべてのエピソードはこのためにあったのかという感じ。終わり方も、敵を憎むという終わり方でなく、臨床心理士らしく心の問題に目を向けたのがよかった。
Posted by ブクログ 2012年05月19日
読み始めてから気が付いたのですが「ブラッドタイプ」を飛ばしてしまったらしい。。。
それでも違和感なく読めました。
それにしても、この始まり方!
今だったら問題になってしまったかも。
内容は今までのクラシックシリーズのおさらいもかねています。
終わり方も綺麗で良かったです。
Posted by ブクログ 2018年06月07日
謎の神社には、境内に日本経済復興の鍵となる発明が隠されていた。しかし、それは国家転覆を企む鬼芭阿諛子の切り札だった!真実に一歩ずつ迫る岬美由紀に、復讐鬼と化した阿諛子が立ちはだかるー。美由紀は千里眼の宿命に決着をつけるべく、恒星天球教との最後の戦いに向かっていく!