中村明日美子のレビュー一覧
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Jの総てで語り得なかった、ポールの総て、とモーガンの話です。Jの最後で、「モーガンお前‥そうだったのか‥」(そこもっと前面に出してくれてもよかったんだぜ‥)と思ったら、やっぱり一冊描くくらいあったんじゃん明日美子先生!!!という方には、今すぐに購入をおすすめします。とにかく今すぐに買ったほうがいいとおもいます。一家に一冊はあったほうがいいと思います。(ただし、Jの総てを読んで、数日間社会適応力をうしなったてからのほうが、より楽しめると思います。こちらは現実に帰ってこれなくなるほどの重さはなく、本当に、ばら色の頬の頃のやりきれない二人の話です。かわいいです。すべてがかわいい。)
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エロスと官能の珠玉の短編集。
短編集というと普通は物足りない感の詰合せになるのだが、どれも内容が濃くて一つの物語として完結している様は流石。マニアックなエロがてんこ盛りなのだが、美しく流れるような文章で不思議と下世話な印象はなく上質なエロティシズムが感じられるのは榎田さんの小説という先入観があるからなのか(^^;;
そして最後の「書生の戀」のような作品こそ榎田さんの真骨頂ではないだろうか。一度も交わるどころか逢瀬すらしていない、ただ書簡のやり取りを通して紡がれる恋物語。書生が創り出した絵空事だったはずの物語がどんどん真実味を帯びてきて、いつのまにか二人の恋が事実として存在していたかのように感情移入してしまう。
そして戦争によって残酷な運命が訪れる訳だが、それを第三者の曾孫が読み知る事によって不思議なカタルシスとなって青年は今の恋人との生を実感する。エロスなくしては私達は生まれない、エロスとは生きること。というあとがきに書かれていた榎田さんのメッセージが込められた作品であったと思います。 -
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誰が三木桜で誰が藤乃朱なのか。誰がウツボラを書いたのか。溝呂木とそれぞれのシーンで会った女性はどっちなのか。
そういうのをラストシーンから時系列逆算して表にマッピングしていきたいくらい入り組んでてわかりにくいお(^ω^)
でも、そこまできっちり判別せずになんとなく雰囲気で読んでいても非常に面白かった。
精神がおかしな人ばかりの作品の中、一服の清涼剤あるいは箸休め的存在のコヨミちゃんはかわいらしく一見まともなようで、やはりこの作品のキャラに相応しい狂気も孕んでいる。
まっとうな性格の登場人物というのは望月刑事と矢田部先生の二人だけだったと思う。
そう、矢田部先生は最初から最後までその眼力が凄くて大正義だった。 -
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ネタバレ順調に作家に憑いている(私が)
ジェリーとユージーンの話は、最初モーガンの書き下ろしの話のオチの意味がよく分かってなくて、すっかりバッドエンドだと思い込んで読み終わった後燃え尽きたジョーの如く椅子の上で項垂れていました。こんな…こんなオチってねぇよ明日美子先生…といった具合。
なので暫く読み返すのも躊躇われる感じで、すっかり「ジェリーはもう…」状態でしたが、その後自分の勘違いに気付き慌てて再度ちゃんと読み直して、今度はもう我が人生に一片の悔いもないラオウの如く部屋の中央に立ち尽くして天を仰ぎました。よかった…!本当によかった…!といった具合。
でもメーベルはどうなったんでしょうね。二人はいいけどメーベルにしてみればたまったものじゃないという。あれは、番外編のオチが本当のオチだったんだろうなと個人的には思います。あまりにも救われないから書下ろしで救ったんだろうか。そうでないと、上げて落として最後にまた上げたつじつまが微妙に合わない気がする。真相は分かりませんが。
でも、それでも、私はあの二人が幸せになってくれてよかったと思ってしまう。 -
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本当の意味で、私の商業BLデビュー作。
それまで商業にはあまり食指が伸びなかったけれど、友人から強くお勧めされて試しに1巻読んでみたら、あとはもう転がり落ちるようにのめりこんでいきました。
耽美系の絵はそんなに好みじゃなかったはずなのに、明日美子先生の絵はなぜかツボにハマりました。睫毛かな…あと切れ長の目とかも。
話はボーイズラブというよりはむしろゲイにきちんとスポットを当てているようなダークシリアスで、読んでいて辛くなる場面がいくつも出てきます。時代設定のせいもあって、安易に登場人物たちの幸せを願えないところも辛い。最後は本当に肝を潰しかけました。
BL漫画、というよりは、一つの文学作品みたいなものだと感じました。素晴らしい作品。 -
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エロティックがテーマの短編集。6作品が収録されていて、そのうち半分が書き下ろしです。「痛い靴」「カルメン」「クリスタル」は以前に読んだような記憶がうっすらとあります。
エロに特化したというだけあって、短編なのにかなり濃い内容です。そのエロがまたマニアックなんだな…好き嫌いが人によっては出てくるでしょうが、ここはちょっと太っ腹になってあれこれお試ししてみるチャンスではないかと思われます。文章がうまいから、変態なのにノーマル感があふれてるのですんなり入り込めます。
榎田センセのエロ嗜好と文章の実力を、一度に味わうことができました。
全体的に、そこそこBLを知り尽くした上級者に向けての作品という気がします。
ココから詳細な感想です。
「痛い靴」CUT/えすとえむ
脚フェチ、ハイヒールフェチな上司に翻弄される真面目リーマンの話。仕事ができてカッコいい営業部GMの久我は、なかなか仕事や仲間になじめない日高をいつもかばってくれる、一見やさしく頼れる上司なのですが、実は
超ドS男。日高への猛烈な執着愛がSM行為に集約されています。靴擦れイタイ!読者にもドSでした。痛いけど久我のSな言葉責めに萌える!すごく卑猥。
「ストロベリー」CUT/腰乃
仕事を通じて親しくなった館野と篠田。ゲイの篠田は館野と友人のふりで2年耐え、玉砕覚悟で告白して晴れて恋人になって1年目。
ノンケとゲイcpゆえに発生する誤解と思い込みが、おかしな方向に発展してしまいます。篠田がかわいいです。わかりますよ、相手がノンケだからいつか心変わりして捨てられるかもしれないと疑心暗鬼になりすぎてしまうのも。でも、案外館野は信じてあげられる相手だったみたいでよかったです。必死すぎて「リバ」ってのが最高でした!かわいい、キュン死にしそうになった。イラストとベストマッチ。
「10×3」CUT/円陣闇丸
893です。しかも3P。女癖が悪い辻は組長の大事な娘にまで手をつけて、ホテルで一緒のところを運悪く顧問弁護士の財津に目撃されてしまいます。金で口止めしようと財津に持ちかけたところ、金は足りていると言われて。
漢が漢2人に犯られるというのはおいしいです。辻はけっこう強気で俺様タイプなんです。なので、2人からガンガン言葉や道具でドSに攻められても、悲壮感が全然なくてあっけらかんとしてるイイ人でした。あんな目に遭っても殺意も無さそうで、安心です…
「カルメン」CUT/鬼嶋兵伍
ドラァグクィーン攻!人には言えない性癖を持つ桐生と、身長がコンプレックスの千歳。ちょっとヘタレなガチムチとクール美人なチビという体格差に萌え。オネエまではいかないけど女装攻めというのもツボです。イラストがいいですよね。
「クリスタル」CUT/中村明日美子
社長である父親の後ろ盾で取締役となった篤樹は、自分の教育係であり秘書である真人に嫌われていると思い込んでいます。ある日真人と乗ったエレベーターが故障して閉じ込められた篤樹は彼に恥をかかせようとしますが。
設定がスリリングでドキドキさせられます。
主従逆転も有りの失禁羞恥攻め。コレも相当Sが入ってます。
「書生の戀」CUT/今 市子
これは戦時中の作家と書生のものすごく切ないお話。プラトニックな恋愛が手紙と日記と小説の形で展開していきます。「エロ」じゃなくて胸が張り裂けそうな「えろてぃっく」です。この時代の人々の恋愛を思うと胸が痛くなります。ラブもエロも生き方もままならない世の中は不幸です。
泣かされました。最後の最後でこんなに泣かされるとは思いもよらず…
気を引き締めて、BLに精進したいと思いました。
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