伴名練のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ伊藤計劃を追悼する8篇。どれも短編としては濃密な設定で、長編小説としても読んでみたいと思わせるものばかりだった。以下は特に面白かったものを示す。
藤井大洋「公正的戦闘規範」
伊藤計劃、「虐殺器官」を彷彿とさせるような重厚な戦闘シーンが魅力。偵判打というゲームが、実際の戦闘ドローンの操縦になっていた、という設定に恐怖した。
吉上亮「未明の晩餐」
孤高のシェフと孤児二人、死刑囚の最後の晩餐専門シェフというなんともいいキャラ設定。感動。
伴名練「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」
切り裂きジャックの独白。ナイチンゲールがフランケンシュタイン博士に改造された屍者で、なんやらこうやら -
Posted by ブクログ
SF。短編集。
ホラー寄りのSF短編を集めた一冊。
個人短編集未収録作品が中心らしく、隠れた名作的な感じ。
個人的にかなり好みの作品が多く、非常に満足。
異形コレクション収録作が2作品あり、解説でもシリーズへの言及があったりと、シリーズのファンとして嬉しい。
「DECO-CHIN」「大阪ヌル計画」「ぎゅうぎゅう」「地球に磔にされた男」「黄金珊瑚」「貂の女伯爵、万年城を攻略す」と好きな作品揃い。
個人的ベストは石黒達昌「雪女」。妖怪としてメジャーな雪女をSF的に描いた作品。異形コレクションの『進化論』に収録されてもよさそうな生物学的ビジョンが自分好み。
編者の解説や編集後記の熱量も含めて、SFフ -
Posted by ブクログ
まだSF作家として単行本を出していない、新人SF作家だけのアンソロジー。でも全部ハズレがなくて凄い。各テーマごとの編者解説も充実で色々な意味で新しいSを盛り上げるための入門書って感じだ。中でも「大江戸しんぐらりてい」「ショッピングエクスプロージョン」の2作がドンピシャ好み。以下収録作ごとのコメント。
「Final Anchors」
テーマはAI。トロッコ問題とAI問題の応用で分析的な筆致と現代性はよし。一方でトロッコ問題を題材にするにはオチが予想の範疇を超えるものではなく佳作といったところか。
「回樹」
テーマは愛。死者を吸い込み遺族の感情を操る謎の人型樹木!魅力的なギミックと死別百合の相 -
Posted by ブクログ
ネタバレ世界観を掴むのに手こずる話ばかりだったけど、1作目と最後が素晴らしかった。
「なめらかな世界と、その敵」
並行世界を自分の意思で行き来することが当たり前になった世界。事件により乗覚 障害(並行世界を行き来する能力を失う障害)をもった少女とその友達の話。あまりに滑らかに移動するので物語の構造を掴むまで???だったが、この滑らかさが斬新だし、最後の駆け抜けていく描写は圧巻だった。
「 ゼロ年代の臨界点」
架空のSF作家ドキュメンタリー。ある女学校を舞台に3人の作家の人生を綴る。よくも悪くも本当の伝記っぽくて淡々としてる。
「 美亜羽へ贈る拳銃」
お互いの脳に拳銃で操作をすることで科学的に -
Posted by ブクログ
ネタバレイオ(梨)
保護対象イオが人間だってのは分かったけど保護してるのは何だろうと思いながら読んでいたら人間がまあまあ解剖されてて怖かった。
イオはヒトか。そうか。
トラックの転生は人じゃ無いけど人為的には無理だと思います。死ぬのが終わりじゃ無いから出来る所業。怖。
CHURCH-恐界-(内藤了)
悲しいな。お別れが出来なくてデスマスク作って。ヒロム君は地下聖堂に囚われて、お父さん亡くなってどうしようも出来なくなったと思ったらお父さんが悪霊になりかけて。
ヒロム君、お父さんと一緒に天国行けてるといいな。
サイコロあそび(藤ダリオ)
原因の人が生き残ったのか。
生きてるの宏人君と幼くなった風花ちゃ -
Posted by ブクログ
現代のSFをこれでもかと見せつけてくるのに、比較的読みやすいように思う。
「ちょっとSF読んでみたいんだけど」、と言われたときに勧めやすい一冊。
収録されている短編もハズレがない。
特に気に入った作品について感想を書いておく。
表題作の「なめらかな世界と、その敵」は曖昧でゆらいだ世界とその認識をしっかりと文章で描ききっていてすごい。
伊藤計劃オマージュが多分に含まれているらしい「美亜羽へ贈る拳銃」も面白かったのだけど、伊藤計劃作品を未読なのが悔やまれる。
「ひかりより速く、ゆるやかに」は本当に”今”っぽい作品だった。
作中で起きる出来事の現実への目配せを感じつつも、心理描写や展開など、 -
Posted by ブクログ
副題が「改変歴史SFアンソロジー」と書かれ、帯には「5人のSF作家が語る偽史」と書かれ、知っている書評家の2人が「大推薦!」としている。5人の作家はいずれも知っている人で、今回は私の嫌いな伴名練もいるが短い作品なので一応読んでみようと思う。しかし、大袈裟に歴史改変SFって言っているが、ちょこちょことタイムスリップさせる程度のレベルじゃないかと思い、あまり肩肘張らずに読み始めた。
全体を読み終えた感想としては、石川宗生が意外と健闘している、宮内悠介は全く響かなかった、斜線堂有紀は新しい概念で歴史を引き戻し、小川一水はスパイ系の要素を加え、一番驚いたのは伴名練。伴名練、やればできるじゃないか、ダ -
Posted by ブクログ
SFと愛、あと幸運 短編集なので集中出来るタイミングにドワーっと読み進められる手軽さは助かる。しかもどれも話として綺麗で読みやすく、かつ面白かった。(一部話ではないようなものもあるが……)
解説にある、隔たり/繋がりというのはSFにおける"フィクション"部分の条件にも感じられるが、全体的に『エモい』というのは同意できる。エモいという言葉ではチープかもしれないけれど、要するに進化した世界規則の則(ノリ)、あるいは矩(ノリ)を越える行動力に必要なのは愛なのだという理解をしておきたい。
あとがきのところで書いてあった和製SFのリストは疎いので一切わからなかったが、こうして同人