伴名練のレビュー一覧

  • 学校の怪談じゃ、ものたりない? 君に綴る5つの恐怖

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    ネタバレ

    イオ(梨)
    保護対象イオが人間だってのは分かったけど保護してるのは何だろうと思いながら読んでいたら人間がまあまあ解剖されてて怖かった。
    イオはヒトか。そうか。
    トラックの転生は人じゃ無いけど人為的には無理だと思います。死ぬのが終わりじゃ無いから出来る所業。怖。

    CHURCH-恐界-(内藤了)
    悲しいな。お別れが出来なくてデスマスク作って。ヒロム君は地下聖堂に囚われて、お父さん亡くなってどうしようも出来なくなったと思ったらお父さんが悪霊になりかけて。
    ヒロム君、お父さんと一緒に天国行けてるといいな。

    サイコロあそび(藤ダリオ)
    原因の人が生き残ったのか。
    生きてるの宏人君と幼くなった風花ちゃ

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    2025年10月27日
  • なめらかな世界と、その敵

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    今の日本においてSFファンを自認するなら必読でしょう、と人に勧めたくなる作品。歳に差はあっても、日本語環境でSF好きになった人生を歩んできているなら、作者があとがきで書いたSFや作品に少なからず触れてきてるだろうし、それらの経緯があって、日本SFとして見事に結実し表現されてると思える。

    「ひかりより速く、ゆるやかに」が一番良かったかな。身近な人へのルサンチマンがキーになってるお話が好きなんだろうと思う。
    2番目に好きなのは表題作「なめらかな世界と、その敵」。作品世界への引き込み方が秀逸だと思った。

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    2025年03月17日
  • なめらかな世界と、その敵

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    ・全編良すぎる。何だこの作品は。5年前から読みたいと思っていたのだから、もっと早く読んでおけばよかった。
    ・ナイフ投げ師読んだ時も思ったけど、こういう短編SF、どストライクなのかもしれないな。美亜羽に送る拳銃がダントツで好み、次点で「ひかりより速く、ゆるやかに。」ですかね。
    ・印象に残ったセリフ
    人間の心は新しい『私』という波に上書きされ続ける砂の城のように脆いものだから、絶対の『私』はいない。だから、同じように不連続な『あなた』との、『他者』との関係の中に、『私』の幻影を築くんじゃないでしょうか」
    ・赤坂アカ先生!!?!?

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    2025年01月13日
  • なめらかな世界と、その敵

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    なんて凄いものを読んだんだという、途轍もない読書感。
    現実世界に軸足を置きながら、異質な未知の世界を旅する感覚。未知な感情が奮い立つのは恐れか喜びか。ああこれがSF短編小説の魅力なのかと打ち震える。
    SFアンソロジーに言及するあとがきも圧巻。

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    2024年11月14日
  • なめらかな世界と、その敵

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    SFの重要な側面である今の現実世界と、少し異なる世界との隔たりと繋がりを描くを体現した短編集。SFによるSFのためのSF小説。

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    2024年08月12日
  • なめらかな世界と、その敵

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    むちゃくちゃ面白かった!並行世界、偽史、脳科学、書簡体、サイキック、歴史改変、AI、時間物…とさまざまなジャンルを使いこなした豪華なSF短編集なんですが、設定が全部絶妙で、その設定の面白さを活かしきる構成力が凄まじい。SFがこれからという人にオススメを聞かれたら『星を継ぐ者』か『夏への扉』を薦めることが多かったんだけど、翻訳物慣れてない方もいるし今後は本書を紹介することが増えそう。がっつりSFしてるけど、SF関係なく現代的な小説としてのエモさが爆発していて圧倒的に面白いので。ということでSF興味はあるけど…という方には激しくオススメ!

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    2024年05月02日
  • なめらかな世界と、その敵

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    とても素晴らしかったです。

    精緻な設定があって、自分の世界とは一見遠い技術がそこにあるけれど、そのなかで生きてる人間の感情は紛れもなく僕たちのものでした。

    遠くにある、自分たちの物語。
    SFをあまり読んでこなかったけど、きっとこれが、SFの面白さで、多くの人がSFに魅せられ続ける理由なんじゃないかなと、思えました。

    もっとSFを読んでいきたいと思います。
    たぶんそれが、著者の願いでもある気がするので。

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    2024年04月28日
  • なめらかな世界と、その敵

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    ずっと気になって伴名練さんのSF短編集をようやく読んだ。
    一話一話がとても印象に残る作品集でした。
    その話ごとにある”設定”が、ストーリーにおいて重要な要素となっていて、その設定があることで最大限の面白さを引き出しているなと思いました。
    とにかく読んでいて引き込まれるし、中々濃密な世界観だったので読むのに時間はかかりましたがとても楽しめました。
    どんどんSFを読もうと思います。

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    2024年04月16日
  • なめらかな世界と、その敵

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    現代のSFをこれでもかと見せつけてくるのに、比較的読みやすいように思う。
    「ちょっとSF読んでみたいんだけど」、と言われたときに勧めやすい一冊。

    収録されている短編もハズレがない。
    特に気に入った作品について感想を書いておく。

    表題作の「なめらかな世界と、その敵」は曖昧でゆらいだ世界とその認識をしっかりと文章で描ききっていてすごい。

    伊藤計劃オマージュが多分に含まれているらしい「美亜羽へ贈る拳銃」も面白かったのだけど、伊藤計劃作品を未読なのが悔やまれる。

    「ひかりより速く、ゆるやかに」は本当に”今”っぽい作品だった。
    作中で起きる出来事の現実への目配せを感じつつも、心理描写や展開など、

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    2024年03月07日
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女

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    中級クラスな難解SFに属すると思うが「ALICE」が個人的に好きだ。
    出版社の都合で、このような実力のある作家を埋もれさせる現状は本当にやるせない。

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    2024年01月16日
  • なめらかな世界と、その敵

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    面白かった〜!設定は本格SFの重厚さなのに、登場キャラクターがみんな親しみやすくて逆に話のリアルさをあげているように思います。何も聞かずに読んで欲しい!おすすめ!

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    2023年12月31日
  • なめらかな世界と、その敵

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    「美亜羽へ贈る拳銃」「ひかりより速く、ゆるやかに」の二篇には本当に心を打たれた。
    これまでの読書生活で最高ランクの書でした。

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    2023年09月21日
  • なめらかな世界と、その敵

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    とても面白かった。
    「なめらかな世界と、その敵」と「ひかりより速く、ゆるやかに」がとくに好み。
    両作品ともに、序盤中盤の緻密な展開から、ラストの世界や時間が目まぐるしく切り替わるシーンの爽快感がたまらない。
    これらのラストは映像的な描写で、映画「メッセージ」のラストを思い出した。

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    2023年06月30日
  • なめらかな世界と、その敵

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    どの話もとっても面白かった。
    特に、表題作「なめらかな世界と、その敵」、「シンギュラリティ・ソヴィエト」、「ひかりより速く、ゆるやかに」がお気に入り。
    「美亜羽へ贈る拳銃」は未読。伊藤計劃にトリビュートを捧げているということだが、伊藤計劃を読んでいないので「虐殺器官」と「ハーモニー」を読んだら改めて読んでみようと思う。
    あとがきの熱量もすさまじく、伴名練さんのSFへの愛が伝わってくる。伴名練さんの編んだアンソロジーも刊行されているので、そちらも読んでみたくなった。

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    2023年06月26日
  • ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー

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    副題が「改変歴史SFアンソロジー」と書かれ、帯には「5人のSF作家が語る偽史」と書かれ、知っている書評家の2人が「大推薦!」としている。5人の作家はいずれも知っている人で、今回は私の嫌いな伴名練もいるが短い作品なので一応読んでみようと思う。しかし、大袈裟に歴史改変SFって言っているが、ちょこちょことタイムスリップさせる程度のレベルじゃないかと思い、あまり肩肘張らずに読み始めた。

    全体を読み終えた感想としては、石川宗生が意外と健闘している、宮内悠介は全く響かなかった、斜線堂有紀は新しい概念で歴史を引き戻し、小川一水はスパイ系の要素を加え、一番驚いたのは伴名練。伴名練、やればできるじゃないか、ダ

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    2022年11月29日
  • 日本SFの臨界点 中井紀夫 山の上の交響楽

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    表題作、200年以上途絶えたことのない楽曲を演奏し続けてきた楽団の話。
    無駄と思えることの中で前に進む人達の姿に自身の想いを肯定してもらえた。

    どの話も面白く、異世界の中での一生(またはそれ以上の時間)と異文化が頭の中で拡がっていく楽しさに震えました。
    異世界ではなく現代を舞台にし、ホラーの要素が入ったモノも良かった。

    こういう作品が埋もれるのはもったいない。
    「日本SFの臨界点」再発見のための企画はとても良い。

    解説がボリュームがあって、熱い。

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    2022年07月27日
  • 新しい世界を生きるための14のSF

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    ネタバレ

    ――

     SF入門14本、と打たれているけれどちょっととっつきにくいのはページ数だけが理由ではない…
     しかし、これからのSFというジャンルを読んでいこう、って思ったとき、きっと何度も繰り返しこの作家たちに帰ってくることになるのは確かだと思う。



    「Final Anchors」 八島游舷
     進化した自動運転AIを題材に、事故までの0.488秒の間を描く。法廷劇チックに書かれているのが面白く、テンポも良い。
     人間同士では解決しきれない問題を解決するためのAIが、より人間らしくなることで合理的解決から遠ざかる。様々なアプローチが出来るテーマだろうけれど、今作は情感のあるSFとしてグッド。
     

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    2022年07月15日
  • 日本SFの臨界点 中井紀夫 山の上の交響楽

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    久し振りに、自分にとって特別な作家に出会えたと感じられる素晴らしい短編集を読んでしまった。もともと他ジャンルと相性の良いのがウリのSFだけれど、ホラーや純文学作品として、ここまで昇華させられるセンスがある作家には出会ったことがない。

    楽団メンバーが3時間交代となって、200年間一度も演奏が途絶えたことのないオーケストラを紡いでいく「山の上の交響楽」は、設定のスケール感から既にワクワクものなうえ、演奏するということの意味を通じて人生について考えさせられる大名作。

    突如謎の男性2人が殴り合いを始める現場につどつど遭遇する「殴り合い」は、そのシュールさが印象に残りやすいが、なぜ殴り合いが始まって

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    2022年04月18日
  • 日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙

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    9つの短編が収録されている。難解な作品は少なく、どれも楽しく読めた。「恋愛篇」とあるが、恋愛要素は少ない。

    『死んだ恋人からの手紙』は異空間の仕様で手紙の時系列がバラバラという設定が面白い。戦争に出ている恋人からの手紙によって、異空間からの司令が時系列がムチャクチャなのでよくわからない行動を起こしてしまっていたり、意思疎通が測れない異星人と不条理な戦争を起こしてしまったりと…。

    『人生、信号待ち』は高速道路の下で信号待ちをしている間に、家庭が築かれたり子供ができたりと語り手の気づかない間に時間がぱっと進む不思議な世界観。
    "彼はぎょっとして立ち尽くした。「ああ、そやったな…」&q

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    2022年02月09日
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女

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     この本を読むまで、作者のお名前を存じ上げなかった。解説およびあとがきを読むと、長編は1作もなく中短編が30ほど発表されているらしい。作品の多くは文芸誌に掲載され、芥川賞の候補に3度なってる。SF寄りの作品が多く、東京大学医学部出身ということもあって、安部公房を彷彿させる。

     この「日本SFの臨界点」シリーズの編者の伴名錬氏のよると、シリーズ最終巻の石黒氏をもってきたのには理由があるという。重厚かつ非常に重い読後感をもたらす作品が多く、腰を据えて読むのがふさわしいからとのこと。うーん、まったく同感です。 特に、表題にもなっている「冬至草」と「雪女」は、余韻を残す良い作品と感じる。

     なお、

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    2022年01月08日