伴名練のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
伴名練「押し入れの宇宙飛行士」★★★★★
隣家の少女に誘われて、少年はアパートの押し入れからガラクタだらけの宇宙船に乗る。彼女の故郷であるという母星に向けて宇宙旅行をするが、やがて二人に決定的な別れが……
少年期の思い出と小宇宙の輝き、それと対比される現実の無情を描いた(ホラーというよりも)SF短編。あどけなさとコケティッシュさの両義性をもった少女の造形、スリリングな宇宙旅行の描写が非常に楽しく読める。個人的には一番好き。
澤村伊智「しゃぐらどりの娘」★★★★★
引きこもりの幼馴染、学内新聞のネタ探しの日常が「しゃぐらどり」に塗り替えられていく。やがて主人公は町に潜む化物と対峙する……
「しゃぐらどり」という土俗的な呼称がすばらしい。紙幅にムダがない洗練された構成と展開の妙、そして何よりたしかなホラー描写に裏打ちされた快作。終り方も含めて、アンソロジーの掉尾を飾るにふさわしい一作。
梨「イオ」★★★
藤子・F・不二雄の「宇宙人レポート サンプルAとB」を連想した。巷で流行のジャンル批評的な試みは面白いものの、どこかで見た印象は拭えずだった。
内藤りょう「CHURCH ーー恐界ーー」★★
ところどころに面白くなりそうな設定やネタは感じとれたものの、総じてそれらに対する紙幅が足りず惜しく感じた。
藤ダリオ「サイコロあそび」★
賽子の出目に応じて苦しむというアイデアはいいものの、ストーリー構成や描写が甘く、全体的に唐突さを感じる場面が多かった。 -
Posted by ブクログ
なるほど「臨界点」ね。日本SFが積み上げてきた結晶のようなモノ?ここからどう変化していくのか楽しみではある。
こんなレベルのSF作家がゴロゴロ国内にいるのだなあと思うと、物書きになろうだなんてちょっとでも考えたことのある自分が恥ずかしくなってしまう。
どれも高いレベルの短編で、世界線も文章のタッチもテーマも多様だし、面白かった。「ムーンサンシャイン」は難解だったけど… 登場人物が日本人じゃなかったり舞台が日本じゃないのは、やはり敢えてだね。分かる。
好みだけで一番を選ぶとすれば「奇跡の石」かな。ファンタジーっぽいのが好きなんだと思う。
「アトラクタの奏でる音楽」もスピード感と読後感が良かった。
次は、編者の方の作品を読んでみよう。 -
Posted by ブクログ
恋愛(だけに限らず人のつながりも)主軸に置いたSF愛の塊とも言えるSFアンソロジー。
怪奇編を随分前に読んだが、恋愛編も良い作品が多く大変楽しめた。
読んでいて思ったのは私自身が歴史改変ものが好きだということ。知る歴史ベースにSFの世界になっていくことで想像がしやすく、私のようなSFはたまに読みますくらいの人にとっつきやすいのかもしれない。選出はマニアックなのだろうが、だからこそ新たな出会いがあるのがこういったアンソロジーの良いところだ。G線上のアリアが私には刺さっていた。
本書の後書きでは怪奇編同様アンソロジーガイドもある。さらなる出会いを求めてそれらを読むのも良さそうだ。