伴名練のレビュー一覧

  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女

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    学術論文を思わせる(あるいは擬した)硬質な文体で、疑似科学的幻想を、突き放した視点で描く、研究者作家の短編集。近年は作品の発表がなく、忘れらた作家の印象だが、本業が忙しくなって執筆時間が取れなくなったかららしく、作品に理解者を得られなかったわけではないようだ。
    やはり読後感は重い。いわゆる架空論文は「平成3年――」の一本だけだが、論文を思わせる硬質な文体と、情緒を排して対象を突き放すような筆致は、ほとんどの作品に共通する。これは癖になるかも知れない。

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    2021年08月29日
  • 日本SFの臨界点 新城カズマ 月を買った御婦人

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    ネタバレ

    ――



     SFはここまでできる。


     楽しく読むためにはこんなにも注意深くならなくてはいけないのか、という恐ろしさもあるけれど、まぁそれはなんでもか…。
     ほんとにひとことで云えば、情報過多作家である。短編から掌編まで、どんな細かな設定にもタグがぶら下がっていてそこからどこへでも飛べるような。そして飛んでいるうちにここが何処か解らなくなって、着地したら別の短編に居るような。まさにトラベラー。夏だしもう一回読むか。

     本編もそうだけれど、伴名練による解説…解説と云うには膨大な新城カズマ論も情報過多。しかしこういうのがあると、不真面目な読み手である私のような人間は非常に助かります。


     SFに出来ることを、これでもかと詰め込んだ短編集。というかこのひとの場合、思い付いたことを書こうとしたら今回はSFになっていました、ということなんだろう。SFならではの、現在を緩やかに掠める風刺的な部分もあり(それが10年前くらいに書かれているという、それもまたSFならではの驚きもあり)、歴史もの仕立てのSFも抜群に巧い。そのぶん一編一編を読むのに体力は要るけれど、ぎゅっとしたSFを沢山持ち歩きたい方にはおすすめです。
     表題「月を買った御婦人」は再々再読くらいになるんだけれど、やっぱり好きねぇ。ハインラインへのリスペクトがあり、「竹取物語」や『月世界旅行』へのオマージュもあり、民族的で幻想的なストーリーテリングの中に荒唐無稽なふりをした多量のアイデアが散りばめられていてユーモアに溢れ、その上で〆があまりにも美しいなんて。
     この一編だけでも一冊持っておく価値はあると思います。
     これからいろんなSFを読みたいな、という方は同じく伴名練編の『日本SFの臨界点[恋愛編]』にも収録されているのでそちらをどうぞ。そちらもどうぞ。

     新城さんに新作を書かせるとしたら伴名さんのような編集者なのかもという感じがしますね。
     …伴名さんに新作を書かせる編集者さんは誰でしょうね?


     ☆3.8である。

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    2021年08月13日
  • 日本SFの臨界点 中井紀夫 山の上の交響楽

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    『山の上の交響楽』
    『見果てぬ風』
    『死んだ恋人からの手紙』
    は再読。
    結構印象深い作品が多いがやはり上記3作品は良いな。

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    2021年07月24日
  • 日本SFの臨界点 新城カズマ 月を買った御婦人

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    「月を買った貴婦人」以外は初読。多彩な作風ゆえに、個人的には好き嫌いが分かれるところ。「ギルガメッシュ叙事詩を読みすぎた男」はショートショートでありながら、はちゃめちゃな展開に強烈な印象を受けた。1番面白かったのは、SFではない「ジェラルド・L・エアーズ、最後の犯行」。作品を埋もれさせないために、SF傑作選にあえてSFでない作品を収録した編者の判断は素晴らしいと思う。

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    2021年07月22日
  • 日本SFの臨界点 中井紀夫 山の上の交響楽

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    「山の上の交響楽」「見果てぬ風」「死んだ恋人からの手紙」は既読。「暴走バス」は既視感があると思えば、解説で伴名練の「ひかりより速く、ゆるやかに」に影響を与えた作品と知って、こういった形で編者に影響を与えた作品を読めるとは大変面白い趣向だと思う。個人的にはコミカルな「殴り合い」がとても好きだが、「花のなかであたしを殺して」がタイトルの通り切なくてとても印象に残る作品だった。できるなら、奇想度高めの次なる傑作選もぜひ読みたい。

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    2021年07月13日
  • 日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙

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    ネタバレ

    恋愛篇と言ってもコテコテのラブストーリーみたいなものはなく、基本はSF。ロマンス要素やほっこり要素があるSF、というものが集められてる。高野史緒と小田雅久仁が好きだった。(アンソロジーを読む時の一番の収穫は、好きな作家を発見すること)
    「怪奇篇」より、だいぶ良かったです。

    中井紀夫「死んだ恋人からの手紙」★★★★☆
    - はるか遠く離れた星にいる主人公が地球にいる恋人に手紙を送る。亜空間通信は送信した順で到着するのは限らない、という設定が面白い。また高次元な観点で見れば、生死も一時の状態で、繰り返しているのではないかという考え方も良い。

    藤田雅矢「奇跡の石」★★★★☆
    - 超能力を持つ人が多く住むという東欧のロベリア(という架空の国)へ訪れた主人公が出会った姉妹の話。音や味など五感を結晶化させることができる能力。美しい雰囲気が漂うSF (恋愛物語ではない)

    和田毅「生まれくる者、死にゆく者」★★☆☆☆
    - ホッコリ系。産まれかけの子と死にゆく祖父。

    大樹連司「劇画・セカイ系」★☆☆☆☆
    - ラノベっぽいラブコメSF。

    高野史緒「G線上のアリア」★★★★☆
    - 高野史緒作品はいくつか呼んだ短篇はあまりハマらなかったものの『カラマーゾフの妹』で食らった。こちらも歴史改変テイストで、ある意味既存の題材(既存の小説や史実)にフィクションや創作を織り込むのが得意な作家のようだ。
    - この物語の世界では12世紀ごろから電話が発明されている。古いタイプの電話機ではあるものの、それはインターネットのように世界をネットワークで繋げていて、更に電気工学なんかもあり、なんなら主人公の一人は元ハッカーだ。史実に登場する人物の名前も多数出て来て面白い。

    扇智史「アトラクタの奏でる音楽」
    - 百合テイストは得意じゃないためスキップ。

    小田雅久仁「人生、信号待ち」★★★★★
    - 面白い。小田雅久仁作品を読むのは短篇3本目くらいだけど全て面白い。他2本は怪奇ホラーだったけど、こんなロマンチック系も書けるとは。恋愛色は強すぎずで程よい。
    - 2つの横断歩道に挟まれた高速道路の高架下で赤信号に挟まれた男女。ラブコメでも始まるのかという雰囲気の中、なぜか赤信号が異常に長いことに気づく。時間の流れが急激に加速し、赤信号のうちに数十年の人生が繰り広げられ、最後に 無事横断歩道を渡り、(恐らく)人生を閉じる。

    円城塔「ムーンシャイン」★★★☆☆
    - 数字に対する共感覚を持っている少女の話(だということも伴名練の解説があったからわかった)
    - 円城塔の作品は理解できないことが多いので低評価にしがちだが、それは自分の読解力や想像力がついて行けてないからという自覚もある。それでも読み飛ばさず頑張ってみたくなる。

    新城カズマ「月を買ったご婦人」★★★★☆
    - 19世紀、令嬢に5人の男性が求婚する、という竹取物語の展開。「G線上のアリア」同様、時代に似つかわしくない技術 (ロケット開発) が登場するタイプ。
    - ラノベ出身なだけあって、文章は読みやすい。

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    2020年11月04日
  • 日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族

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    ネタバレ

    伴名練編の短編集、怪奇篇。初めのDECO-CHINから狂気的、文字通りデコチンで笑った。一番良かったのは「地球に磔にされた男」、少しずつ違う世界にタイムトラベル(世界線移動)する男の話。あとは「笑う宇宙」も良かった。狂気塗れの配役を演じる擬似家族、何が本当で何が嘘か。 伴名練氏の著書は短編の「彼岸花」しか読んだことないが、それも良かったので他の著書も読みたい…時間が足りない…

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    2022年01月16日
  • 日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族

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    かなりディープなSF短編集
    それぞれの短編の切り口もさふことながら気合の入った編者のコメントも見所あり
    SF読み、も極めればもはや学問と感じた

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    2020年10月11日
  • 日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙

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     科学と論理の、先にあるもの。
     それを確かに捉えたとき、ひとはやっとそれらに追い付くのかもしれない。



     つくづく、ミステリとSFは似ているなぁと思う。
     よく考えてみると、ミステリを読み漁っていたらいつの間にかSFを手に取っていたり、その逆もまた何度もある。主に森博嗣と萩尾望都を軸足として。

     〇〇モノ、って括りがあったりとか、いくつかの定型のなかで多様なバリエーションを見せようとしたりだとか、そういう部分が同じ方向を向いてるのかなと思うんだけれど、やっぱり何より物語そのものよりも作家がきちんと論理に支配されている、というのが大きいんだろうなぁ。
     きちんと支配されている、ってなんだかマイナスイメージだけど。


     そうそう、ミステリ作家とSF作家に共通して、作家自身がそのジャンルの熱心な読者である印象。

     恋愛小説を読んだことのない人間が恋愛小説を書くことは出来ても、
     SF、ミステリを読んだことのない人間がそれらを書くことは出来ない。

     って、これ誰かの名言じゃなかった? 違う?(笑


     作家もそうだし、編集者もそうなんだろうなぁ。だからこそ伝説の編集者、みたいな存在も出てくるわけだ。


     あーさてさて!
     臨界点、と銘打たれているだけあって、もちろん好みはあるけれど粒揃いのアンソロジーでした。
     それぞれの短編に、詳細な著者紹介と他短編の紹介が付いてるのもほんとに、心尽くし。入門書としても良いし、玄人好みでもあります。中間くらいのわたしは勿論楽しんで読みました。
     『アトラクタ』とか好み。百合SFにベテランが居るとは…
     短編の成り立ち的には『ムーンシャイン』がカッコ良すぎる…いや内容も良いけど(笑 こういうエピソード付いてるとより深みに嵌りやすくて良いですよね。
     ちょっと敬遠してたけど円城塔読んでみます。


     科学と論理の、先にあるもの。
     それを確かに捉えたとき、ひとはやっとそれらに追い付くのかもしれない。
     その頃には科学はもっと先へ上へ、翼を拡げているのだろうけど。

     ぁあ、そうね。
     このひとたちは、科学に恋をしてるんだな。

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    2020年09月01日
  • 日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族

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    ホントSF好きなんだろうなぁ、判名さん。
    この解説の熱さはすごい!
    ある意味、本編より目立つ!
    その更に上をいくDECO-CHINのインパクトはエグい!

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    2020年08月31日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    目次
    ・公正的戦闘規範 藤井太洋
    ・仮想(おもかげ)の在処 伏見完
    ・南十字星 柴田勝家
    ・未明の晩餐 吉上亮
    ・にんげんのくに Le Milieu Humain 仁木稔
    ・ノット・ワンダフル・ワールズ 王城夕紀
    ・フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪 伴名練
    ・怠惰の大罪 長谷敏司

    どの作品も伊藤計劃の気配を漂わせているけれど、特に濃厚なのは王城夕紀の作品(ハーモニーの世界観)と、伴名練の作品(屍者の帝国の世界観)。
    この2作品は好きだなあ。
    特に伴名練作品のナイチンゲールは夢に出てきそうなくらい恐ろしい。

    単純な幸福はない。
    幸福に正解はない。
    けれどどの作品も屈託がありすぎて、胸が苦しくなる。

    本の分厚さもあって、心身ともに体力を必要とする読書でした。

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    2019年08月14日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ページ数のボリューム感に感動した…気に入ったのは「未明の晩餐」「ノット・ワンダフル・ワールズ」「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」

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    2017年04月15日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    文句なく面白かった。伊藤計劃と同時代のSF作家はこういう世界を作る ということがよく知らされたと思う。第三世界、AI、ドローンなど共通アイテムを持ちながら、それぞれが興味をそそられつつ読んだし、短編ながら充足感があった。
    長編が気に入らなかった某作家が、意外にもここではめっぽうひきこまれるものを読ませてくれたのも発見だった。

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    2016年04月12日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    読んでてダルくなる話が多いなと思ったのは私の読解力のせいとして…。未明の晩餐とフランケンシュタイン三原則はとても素敵な香りがしました。

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    2015年10月17日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    収録作のどの作家の作品も読んだことがない
    と思うけど、トリビュートという縁で知ったからには
    少し手を出してみようか、と思うくらいに
    どの作品も面白く読める。
    勿論、伊藤計劃という対象があってのことだけど。

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    2015年09月24日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    SFって踏み込んでしまうとエラいことになりそうで、星新一→筒井康隆→清水義範、小林恭二以外には手を出さないようにしてました、伊藤計劃まで。まぁ伊藤計劃も「ハーモニー」「虐殺器官」「屍者の帝国」しか読んでないけど。
    というSFあまり読まない人間の感想。一番伊藤計劃っぽいなと思って気に入ったのが藤井太洋、次が柴田勝家かな。機械による戦争というか殺戮への反発、中国辺境のムスリムテロリストとか伊藤計劃好きそう、と思いました。どうもファンタジー系は苦手みたいで伏見完と仁木稔はちょっと苦手。王城夕紀と長谷敏司は単独でおもしろいけど、前2人も含め伊藤計劃あまり関係ない印象。
    伴名練は屍者の帝国のスピンアウトなので一番伊藤計劃直結の内容やけど、個人的な好みでもう少し手前で描写止めてほしかったかな。伊藤計劃ならそこまで書かなかったんちゃうか、という。いや、トリビュートであって、みんなが伊藤計劃になろうってことやないんやけども。

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    2015年09月16日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    伊藤計劃をテーマに、影響を受けた作家たちが集まったアンソロジー作品。

    伊藤計劃の作品、虐殺器官、ハーモニー、メタルギアソリッド、屍者の帝国とどこかで繋がるようなとても面白い素晴らしい作品が集まった。

    テクノロジーが人間をどう変えていくかを追求しているらしいが、あまりそこにこだわることなく、伊藤計劃が内包しようとした世界観にワクワクしつつ集まった新しい作家たちの物語を楽しむだけで良い作品だと思う。

    個人的に「未明の晩餐」が秀逸で、テクノロジーと人間との関わりはもちろん、退廃した未来の東京を描くSFらしさ、その世界観における人間模様、食の話を中心にし、その全てが綺麗にまとめられている。

    でもハッキリ言えば全てが面白い絶対読むべき作品だ。

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    2015年09月13日
  • 新しい世界を生きるための14のSF

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    ネタバレ

    読み応えのある14作品。
    クモの話は、文明の危機にある人間が自分達の知性を改めて信じて未来を託す希望を持った終わり方で後味が良かった。

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    2026年06月20日
  • 日本SFの臨界点 中井紀夫 山の上の交響楽

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    それぞれ味わい深いが、やはり表題作が一番好きかな。これ読んで「聴きたい!」と思わない人はいないのではないだろうか。次点が「満員電車」。毎日体感してるシチュエーションなだけにリアルに伝わる。動けないんだよホント。読書率下がってる一因じゃないかと半ば本気で思うぐらいに。だって文庫本開けないけどスマホはギリ見れるから。見れない場合もあるけど。そしてそんな時にこんな事になるんだろう。
    あと相変わらず編者のSF愛が熱くて楽しい。

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    2026年06月12日
  • 日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族

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    「笑う宇宙」が面白かったのだが、インパクトで頭に焼きつき度々映像で脳裏をよぎるようになったのは「ぎゅうぎゅう」。標題(?)作は私には良さがピンとこず。まあ、それはそれとして、各解説や後書きからほとばしる、編者の熱いSF愛が微笑ましく楽しくなんとも好きだなぁ。

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    2026年06月07日