伴名練のレビュー一覧

  • なめらかな世界と、その敵

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    SFに明るければもっと楽しめただろうなと思いながら、読みました。物語として楽しめたのは最後のひかりより速く。
    ・並行世界を行き来する事が当たり前の世界で行き来できない病にかかる学生
    ・3人の女性のSF史
    ・好意を定着させる技術
    ・シンギュラリティの訪れた世界
    ・神童の姉に宛てた手紙
    ・修学旅行の新幹線が低速化してしまい行けなかった学生の話

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    2024年10月13日
  • なめらかな世界と、その敵

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    SFタイムトラベル物好きです。伊藤計劃さんの作品は「ハーモニー」を読んだことがありますが、独特の世界観、設定に驚かされます。久しぶりに(いい意味で)込み入ったこちらの作品を読んだので頭がパンクしそうでしたが、短編集で読みやすかったです。最後の「ひかりより速く、ゆるやかに」がお気に入りでした。

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    2024年10月12日
  • ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー

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    ガッツリハードSFで良かった。
    特に気に入ったのは、和歌を『詠語』(えいご)で詠む世界の平安時代の物語、斜線堂有紀「一一六二年のlovin' life」。あり得ない設定なのに、迫ってくるような現実感。

    伴名 練 「二〇〇〇一周目のジャンヌ」は、無限とも思われる回数人生を、記憶を保ったままシミュレートされる。その無慈悲な繰り返しのあいだ、ジャンヌダルクはどのように過ごすのか。ジャンヌダルクの繰り返しの中の変化、そしてさいごが切ない。

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    2024年08月31日
  • 日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族

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    雪女の様な、歴史ミステリー風味な作品が好み。
    この本は、色々な風味の作品が掲載されているので、自分の好みを選ぶのも楽しい。

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    2024年07月29日
  • 日本SFの臨界点 中井紀夫 山の上の交響楽

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    初作家。伴名練『なめらかな世界〜』からこちらにやってき。中短編あわせて11篇あるが、なんと言っても「暴走バス」がいっちばん好き。いろんな想いを抱くこの結末を胸に——「ひかりより速く〜」は生まれたんだなぁと。この他だと「絶壁」「見果てぬ風」「例の席」など…筒井康隆風味を感じさせる作品も多く、わたし好みの作品集でした。

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    2024年05月04日
  • 新しい世界を生きるための14のSF

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    SFアンソロジー。
    一つ一つの話のテーマが紹介されていて、同じテーマの他の作品も紹介されている。
    自分が読んだことのあるタイトルが述べられていると少し嬉しい。
    一見同じ世界に思えるけど、少しずつ違う世界の片鱗が見えてくるお話が好きだなと気づきました。

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    2023年10月13日
  • ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー

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    伴名練「20001周目のジャンヌ」が面白かった。何度も何度もやり直す…考えただけで倦んでしまう。ジャンヌの最後の選択が良く、後味もすっきり。
    斜線堂有紀「一一六二年のlovin’ life」も良かった。この上ない相棒を得た喜び、失った悲しみ。史実をそういう風に改変するのも面白い。

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    2023年06月27日
  • 新しい世界を生きるための14のSF

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    これからのSF界をになっていくであろう14人を編者が選出してテーマを別々に短編を集めたもの。まったく知らない作家のものばかりで、とても楽しめた。それぞれの作品のあとにテーマにかんしての解説があるのがありがたい。

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    2023年05月14日
  • 日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族

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     タイトルからホラーだと思っていたけれど、意外とホラーは少なかったです。

     個人的には「DEKO-CHIN」「A Boy Meets A Girl」「雪女」がお気に入りです。

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    2023年04月07日
  • ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー

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    斜線堂有紀の上智卒なるほど!と思わせる英語力も見せつけられました。斜線堂ファンなら、この短編だけのために読むべき一冊です。
    ・石川宗生「うたう蜘蛛」
    死ぬまで踊り続ける奇病が蔓延したイタリア。総督の前に、「この流行り病を収束させてみせましょう」とホーエンハイムなる錬金術師が現れる。
    性描写あり、中学生には微妙ライン。
    好み的には合わず。
    ・宮内悠介「パニック――一九六五年のSNS」
    一九六五年の日本。そこには「ピーガー」というSNSが存在した。
    一番心が乗らなかった作品。発想は面白い。
    ・斜線堂有紀「一一六二年のlovin' life」
    和歌を詠むと同時に“詠訳”する平安時代。“詠語”が苦手で人前では歌を詠まない式子内親王の前に現れた一人の女房、帥(ソチ)によって詠訳の力を得る。
    いやー、面白かったです。シスターフッドっぽいところは斜線堂有紀らしいけど、それ以外はこれまでにあまり見なかったような(平安だし!)世界観。
    ・小川一水「大江戸石廓突破仕留(おおえどいしのくるわをつきやぶりしとめる)」
    江戸には巨大な石壁「大廓」が横たわっていた。
    一体、その石壁は“何”から江戸を守っているのか――? 明暦三年一月。燃え上がるあの日の真実が紐解かれる。
    これはなかなか話の展開が楽しかったのと、江戸の治水や防火の史実との絡みなどはもっと知識あればより楽しめたかな。
    ・伴名 練 「二〇〇〇一周目のジャンヌ」
    ジャンヌ・ダルクは今まさに火刑に処されたのに、処された朝にループするお話。しかも20001回。
    短いループでどんな運命変化あるのか、というところに焦点当たっていればもっと楽しめたかも。何故ループするのか、の方が私にはあまり入って来なかったので。でも、印象に残る作品でした。

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    2022年12月04日
  • ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー

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    歴史に生きる人々の心情を特に焦点が当たっていた話や、SF設定におもむきを置いている話、とアンソロジーの強みを活かした独自の世界観が面白かった。

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    2022年11月27日
  • 新しい世界を生きるための14のSF

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    現代2020年代の新進作家のSFを集めている点が興味深い。「SF初心者にこそ読んでほしい」という意図は伝わるが、SF好きが読んでも難しいものが多い。とても一般的とは言い難い。

    個人的に楽しく読めたのは、以下4編。
    ・八島游舷『Final Anchors』
     王道SFど真ん中直球。AI同士の論理対決が熱い
    ・斜線堂有紀『回樹』
     SFはシナリオと設定重視のものが多いがこれは人間の心理と心の機微が描けている恋愛もの
    ・高橋文樹『あなたの空が見たくて』
     最初の数ページで特徴的な異星人が登場し、その世界観が想像される。物語には絡まないがワクワクする
    ・坂永雄一『無脊椎動物の想像力と創造性について』
     クモの生態が、人間よりも環境に順応で進化に適しているという話。人類後の地球はクモ類の世界になるかも

    800ページと分厚いが、編者はこれでも足りないそうだ。それを埋めるかのように、各短編のあとにコラムのように大量の同ジャンル小説を紹介している。主に日本のそして最近のものまで網羅しているからスゴイ。そのコラムを読むだけでも価値がある(★プラス1)。さらに、今SFを読むならここという雑誌とウェブも記載。頭が下がる。

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    2022年09月05日
  • 新しい世界を生きるための14のSF

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    圧倒的ボリュームにまずは驚く。なんなら、同じボリュームでもう一冊出しかねない、編者の情熱には拍手だが、SFを巡る出版状況がよほど良くなったようで、これも嬉しい。少し前まで、SFは売れない、と断定口調で語る「識者」がいたものだけれどね。肝心の収録作だが、玉石混交などとは言うまい。とはいえ、作品の傾向がバラバラなので、好みははっきりと出るようだ。息を呑むレベルの傑作もあれば、何が書いてあるか分からないなどと思わないが、物語としての勘所がさっぱり掴めない作も多かった。個人的には「九月某日の誓い」、「大江戸しんぐらりてい」、「くすんだ言語」あたりが好き。「もしもぼくらが生まれていたら」は完全に技巧で、この書き方をしたのならすごすぎる。ベストは「禁断の惑星」を連想してしまった「夜警」。

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    2022年07月02日
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女

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    現在(皮膚感覚としての)日本SFはある程度の需要があり、こういう作品集が出ることが出来ているのだと思う。
    個人的には、冬至草の後味の悪さが好きだ。
    事実をなぞったような、ある種のとっちらかりが、判断を読者に委ねる事が出来ている。作者の職業柄、理系用語はリアルだが、そのリアルさを、小説として、どう判断するか、というのは、また違う目線もあるかも知れないとは感じた。
    正確である事が、必要である場合と必然である場合は違うからだ。

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    2022年04月14日
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女

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    医師として、活躍されているので、余計な事だが、作家として活躍して欲しいと…。才能って、ある人には、幾つもあると認識。

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    2022年01月10日
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女

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    なんというか、とてもユニークな筆致と世界観を有する作家です。
    作家自身の個性や情念や熱量、「この作品で何を表現したいのか」といった想い、そうした通常の小説なら当然表出されているものが、この作品群からは全く感じません。徹底的に冷静で冷徹で、まるで科学者のリポートを読むかのような硬質で冷たい作品ばかりです。その突き放したようなスタンスが逆に強烈な個性になっているという、余人を持って変えがたい作家だな、と思いました。

    どの作品も、気持ち的に盛り上がる展開はほぼないです(^_^; 本当にレポートのような文体で、起こっている事象や事件について客観的に確認できることのみを淡々と描写し、だいたいは観察対象の消滅によって終了します。観察対象の消滅というイベントすらないまま、唐突に幕を閉じる作品もあります。
    そんな掴みどころのない作風ではあるのですが、レポートのような素っ気無い文体の行間から立ち現れる、科学/社会/文化に対峙する個人の魂の相克、そして、そこから生まれる絶対零度のような冷たさを感じる凄み。書きたいことをガンガン書いて読者をグイグイリードして楽しませる作家もいますが(そしてそれは読者にとってもわかりやすいので、そうした作品の方が売れるのですが)、全く逆の、引いて引いて引きまくることで文章の背後に潜む世界観を表現する、本当に唯一無二の作風だと思います。読み進めるうちに背筋が寒くなるような感覚さえ覚えます。

    一般的に想起する「SFを読むことで得られるカタルシス」は、一切ありませんヽ( ´ー`)ノ
    そういう意味で、かなり読む人を選ぶ作品だと思います。でも、一度読んでおいて損はないと思います。

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    2021年12月05日
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女

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    これは、理系SFとして傑作と思います。ストーリーとしても、不思議な哀しさがあります。長編が読みたい!

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    2021年11月25日
  • 日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族

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    短編集の各話が選りすぐりであるが故に、読むことに非常にカロリーを使った。というより連続して複数話読むと胃もたれした。
    怪奇編とはいえ単純に怖いものではなく、どこかおかしな、奇妙な、ちょっとゾワっとするSF短編がまとめられている。
    どれも面白いのだが、個人的には雪女が好きだった。

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    2021年11月12日
  • 日本SFの臨界点 中井紀夫 山の上の交響楽

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    ネタバレ

    どの短編も素晴らしかったが、特に好みだったのは「花のなかであたしを殺して」。異民族の習慣、女性は死で妊娠するという生態の村、そこに滞在する人類学者の不死の男。幻想的でめちゃくちゃよかった。あとは表題作「山の上の交響楽」と「見果てぬ風」も面白かったし、伴名練氏の解説も相変わらず凄まじかった…。

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    2022年01月16日
  • 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女

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    「希望ホヤ」「冬至草」「雪女」は既読。著者の淡々とした文章が良い。科学者の不正を書いた「アブサルティに関する評伝」と数多の死を書いた「或る一日」が印象的な作品だった。

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    2021年10月17日