ダン・ブラウンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
上巻の圧倒的なスピード感と謎解きのスリルに夢中になり、その勢いのまま手に取った『ダ・ヴィンチ・コード』下巻。ブームの熱気の中で読み進めた結末は、上巻以上に衝撃的な驚きと余韻を残すものだった。
物語は、ラングドンとソフィーがイングランドへと舞台を移し、伝説の「聖杯」のありかを追う逃亡劇のクライマックスへと突入する。信頼していた協力者の裏切り、執拗に迫る暗殺者の影、そして次々と姿を現す歴史の暗号。やがて明かされるのは、聖杯とは単なる器ではなく、キリストの血脈を受け継ぐ「ある女性」そのものを指していたという驚愕の事実だった。幾重にも張り巡らされた罠をくぐり抜け、ソフィー自身の出生に隠された真実と、長い歴史の果てに守り抜かれてきた秘密が遂に白日の下にさらされる。
下巻でも、歴史的な背景や宗教儀式の意味など、専門的で難解な部分は多々あった。正直、どこまでが史実でどこからがフィクションなのか、当時の私には見分けがつかなかった。聖杯が物ではなく人間だったという新解釈についても、キリスト教の知識が浅い身としては、その説がどれほど従来の常識を覆す大事件なのかを神学的に深く実感できたわけではない。
しかし、ひとつのエンターテインメント小説として受けた衝撃は絶大だった。教科書や美術展で目にする遠い世界の絵画や歴史が、実は現代の壮大なミステリーと地続きになっているような錯覚を覚え、鳥肌が立ったのを覚えている。ラストシーンでラングドンがたどり着く場所の静けさと美しさには、難しい理屈を超えて胸を打たれるものがあった。
話題作だからという単純な動機で手に取った本だったが、知識の有無にかかわらず、読者を最後まで興奮させ続けた理由がよくわかった。今振り返っても、読書の面白さとエンタメの力強さを強烈に刻み込んでくれた忘れられない体験である。 -
Posted by ブクログ
当時、社会現象と言えるほどの大ブームを巻き起こしていた『ダ・ヴィンチ・コード』。本屋に山積みになっていたことと、周囲の誰もが話題にしていた熱気に背中を押され、私も上巻を手に取った。
物語は、ルーブル美術館の館長が奇怪な死体となって発見される衝撃的な事件から始まる。現場に残された謎のメッセージにより、殺人の容疑をかけられた宗教象徴学者のロバート・ラングドン。彼は館長の孫であり暗号解読官のソフィーとともに、フランス警察の追手を逃れながら暗号の解読を試みる。ダ・ヴィンチの名画『モナ・リザ』や『ウィトルウィウス的人体図』に仕掛けられたメッセージ、そして秘密結社「シオン修道会」の存在。ふたりは命を狙われながら、キリスト教の根底を揺るがす巨大な秘密へと迫っていく。
正直なところ、当時の私にはキリスト教の歴史や宗派の対立、小難しい宗教美術の専門用語などはあまり理解できなかった。美術館の絵画に隠された暗号と言われても、基礎知識がないため「本当にそんなものが描かれているのか」と半信半疑で、作中の詳しい解説についていくのがやっとだった記憶がある。
それでも上巻をあっという間に読み終えてしまったのは、映画を観ているかのようなスピード感とスリルに圧倒されたからだ。次々と現れる謎、息つく暇もない逃亡劇、そして有名な絵画に実は危険な秘密が隠されているという設定そのものに、純粋な好奇心を激しく刺激された。難しい歴史を知らなくても、「もしこの説が本当ならとんでもないことだ」というドキドキ感だけで、ページをめくる手が止まらなかった。
流行に乗って軽い気持ちで読んだ作品だったが、知識の深さに関係なく読者を物語の渦へと巻き込むエンタメとしての迫力に、ただただ引き込まれた一冊だった。 -
Posted by ブクログ
このシリーズを読む時、いつも決まって映画のようにシーンが展開する。あたかも本当に映画を見ているかのようにトム・ハンクスが駆け回っている。
今回のテーマは死。
人間にとって最大の謎である死後の世界とは、我々のこよ意識はどうなるのか、と言う問に挑戦している。
プラハの街の美しい歴史的建造物が次々と登場し、訪れたことの無い街への憧れを呼びさます情景描写はとてもら楽しい。ネットで実際の街や教会、お城の画像を確認せずにはいられなかった。
いつも通りに登場する謎の組織、そして謎の怪物。
誰が敵で味方でその目的は何か。
最後には驚くべき事実が用意されている。