サン・テグジュペリのレビュー一覧
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言うまでもなく星5の名作。
翻訳は菅 啓次郎。
全てではないが、過去ほかの人に訳された星の王子さまを読んで言えることは、私は菅 啓次郎の訳する星の王子さまが1番好きだ。
菅 啓次郎 の訳する王子さまの一人称は「オレ」。
相手に対しても「あんた」「お前」と、イラストだけでイメージしていた王子さまからは想像できない言葉遣いである。
ただ呆れたようなセリフが嫌味のような、拗ねたように聞こえたりもしておもしろい。
星の王子さまを読むなかで、1番すんなりイメージが湧いたのは菅 啓次郎の訳したこの1冊。
色んなな翻訳の星の王子さまを楽しむひとつの方法だと思う。
いくつかはモノクロだが、挿絵のカラーが -
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❐1939年・1940年ごろ
『戦う操縦士』の現実でのある一日。思考ではサン=テグジュペリ(以下サンテックス)の半生を巡る。
❐1940年
パリ陥落のためフランスとドイツの休戦協定締結。サンテックスはアメリカに向かう。
❐1941年
『戦う操縦士』執筆で、アメリカ参戦を促す。
真珠湾攻撃・アメリカ参戦。
❐1942年
『戦う操縦士』刊行
第二次世界大戦でフランスはドイツに苦戦していた。
フランス空軍で操縦士だった大尉のサンテックスは、デュテルトル中尉、機銃員と共にアリアス隊長からアラスまでの偵察飛行に任じられた。
…すみません、画像として飛行機の希望がわからない…。縦に三人乗り? -
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他の出版社(文庫本)は揃って「星の」なのに、あえて直訳で「ちいさな」にしているのが気になりすぎて読んだ。
「星の」の方もロマンチックな訳で好きだけどね。
内容はもちろん素晴らしい。
砂漠に不時着した「ぼく」が羊の絵を描いてと言ってくる王子と出会い、一緒に過ごしていくうち仲良くなり、大切なことを教えてもらう。
「砂漠の星が美しいのは、どこかに井戸を隠しているから」
「星がきれいなのは、見えないけれどどこかに花があるから」
「ぼくの星はたくさんの星の中に混じっている。だからきみはどの星のことも好きになる」
宮崎駿監督はこれらの言葉からインスピレーションを受け、ラピュタの主題歌を作った。
「あの -
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・全体を通して
サン=テグジュペリは、夜間郵便飛行まで手掛けた優秀な飛行士でありながら、そこで得た体験を詩的・幻想的な表現で民衆に伝えることが出来た稀有な作家であった。
ボクはなんだかんだこの著者の作品を読んだのは初めてだったけど、この2作でサン=テグジュペリのことが相当好きになった。緊迫感を硬質な筆致で描写しながらも、別人のような表現で当事者の感動を幻想的に描いていた。
人間の尊厳と、生きるという奇跡を、とてつもない感動と共に理解することが出来た
しばしば、自然の驚異/脅威や雄大さを描くためにラヴクラフト的なゾクゾクするような幻想的な描写をするところもボクに刺さった
「一時間後、メルモーズは -
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圧倒的bible。
p.105〜116きつねの話が好き
ーーきみがきみの薔薇のためだけに使った時間が、きみの薔薇をあんなにもたいせつなものにするんだよ
ーー心で見なければ、よく見えないっていうこと。大切なことって、目には見えない
p.138
ーーどこかの星にある一本の花を愛しているなら、夜、空を見つめてやさしい気持ちになれる。すべての星で花が咲くんだ
p.139
ーーおまえが夜に星を見上げるとね、その星のひとつにおれが住んでいるせいで、その星のひとつでおれが笑っているせいで、おまえにとってはまるですべての星が笑っているように思えるはずだよ。笑う星たちを手に入れるわけさ!
きっと読むた -
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堀口大学訳の新潮文庫版、ロングセラーの地位はいまも不動。私もずっとこの詩的な堀口訳に慣れ親しんできたが、引っかかる訳語がいくつもあった。
今回、渋谷豊訳の光文社古典新訳文庫版では、それがすっかり解消されている。たとえば、サンテクスの最初の職業フライトの場面。午前3時半、雨のなか、彼が乗り込むのは飛行場行きの「マイクロバス」なのか、「路面電車」なのか。渋谷訳は「路面電車」。タイトルも、堀口訳は「土地」だったが、渋谷訳は「大地」だ。
どちらの訳で読んでも、サンテクスが初仕事に向かうその緊張感と高揚感の描写はたまらない。そして彼とプレヴォがリビア砂漠の真ん中にクラッシュしたエピソードも。3日間飲まず -
匿名
購入済み星の王子様だけでサン=テグジュペリを語っていた私を殴りたい。パリ旅行に行った祖母にお土産でゲランの夜間飛行もらい、「昔、読んだのよ」とこの本を教えてもらいました。王子様はとは全く違う生身の人間のドラマに圧倒されました。他の作品も読んでみようとおもいます。
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めちゃくちゃ素敵な物語。何回でも読みたいと思った。
特に大好きなフレーズがあるから書き留めておく。
『きみがおれを飼い慣らしたら、おれときみは互いになくてはならない仲になる。きみはおれにとって世界でたった一人の人になるんだ。おれもきみにとって世界でたった1匹の……』
世の中に溢れている人や物は、それが人だ、物だ、と認識することは出来ても、AさんもBさんも私にとっては、所詮はただの人であり、そこに認識の差異はない。
しかし、例えば自分とAさんの間に、友達、恋人等というある関係性が生まれるとしよう。すると、私にとってAさんは、「世界でたった一人の私の友達あるいは、恋人のAさん」になる。それが素