サン・テグジュペリのレビュー一覧
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ある星の汽車、銀河鉄道の夜と読んで星の王子さまの順序で呼んでいると、小さい頃私の実家のお風呂が外風呂で風呂上がりに夜空を眺めながら隣町を走る電車の音を聞いたことを思い出します。果てしなく広がる星の世界やお月様が大好きで良く眺めています。自然淘汰され消えていく生き物の話、死んでしまい銀河に旅立つ話、そして何かを探して旅する小さな王子様の話。それらを読んで人生が終わった時に次は銀河の世界に旅立つんだと思うとなんだか素敵なことに思えてきて死ぬことへの怖さや不安を消してくれます。星の王子さまは旅するうちに自分の住む星に守るべきものがあったことを再認識し、自分の星に帰って行きます。今いる所や今の状況に不安があったりこんなはずじゃないと思った時、その場所を離れて俯瞰で眺めて見ると、やるべきことや守るべき物や人がある事に気付かされる。そんな事を気づかせてくれる本でした。
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「100分で名著」を見て、「人間の大地」は読まなきゃと思って読んだ。
というわけで、今回は「人間の大地」だけの感想です。
「大変美しい文章で描かれる遭難体験」という、酷い感想を持ちつつも、サン=テグジュペリが「地球」だったり「人間」だったりを、まるで肉体から離脱したような高い目線で見ているのは、本当に凄いと思った。それにしても、冬山をろくな装備もなく帰ってくる人がいたり、砂漠で水なしで生き延びたりと、当時の人の丈夫さを思ったりもした。
そして何より、「愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」は名言だなと思いました。 -
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ネタバレサン・テグジュペリのエッセイ。素晴らしかった。
初めての飛行任務、遭難や墜落と隣り合わせの空中のトラブル、奴隷のおじいさんを買い戻した話、同僚や自身の不時着体験、戦地のルポなどが詩的でどこか幻想的な文章でつづられる。その過酷さもさることながら、強く印象に残るのは飛行機や遭難した先で見る残酷なまでの自然の美、その中にサン・テグジュペリが星のようにちりばめている哲学だ。むしろ、状況や環境が過酷だからこそそれらが一層研ぎ澄まされていると言った方がいいだろうか。
「手の届かないところにある共通の目的によって同胞と結ばれたとき、僕らは初めて胸いっぱいに呼吸をすることができる。経験によれば、愛するとは互いに見つめあうことではない。一緒に同じ方向を見つめることだ」
「イデオロギーをめぐっていくら議論を重ねても無駄だ。結局、すべてのイデオロギーは論証可能で、しかも互いに対立し合っているのだから」
「どんなにささやかな役割であってもかまわない。僕らは自分の役割を自覚して初めて幸せになれる。そのとき初めて、心穏やかに生き、心穏やかに死ぬことができる。人生に意味を与えるものは、死に意味を与えるものだから」
サン・テグジュペリの中で、パイロットの視点で地球を見ること、自然を感じること、ちっぽけな人間という存在を自覚すること、そんな人間の生きる意味を思うこと、すべてがつながっているのだろう。読んでいると、その高い高い空を飛ぶパイロットの座席まで私たちも連れて行ってもらえるような気がする。
砂漠に不時着し、ムーア人に殺される危険の中で「砂と星のあいだに裸同然で横たわっている」とき、子供時代を過ごした屋敷の温かい思い出に浸る場面は、ちょっとヴィクトール・フランクルの「夜と霧」で妻を想う場面を思い出した。過酷な環境の中で強く輝かしい普遍的哲学が生まれくるというのは、どちらの作品にも共通しているかも。
私はのほほんと生きているだけだけど、その珠のような哲学をこうして読める、味わえるというのはどれほど貴重なことだろう。これからもたくさん本を読んでいきたいけど、こういう大事にしたい本を抱きしめていつまでも読んでいたい、という気もする。人生が足りないなあ。 -
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ネタバレ人間の大地
とても面白かった。自分が求めていたものが全て書かれているような気がした。
飛行機の操縦士という視点で書かれた本で、人間というものを上から俯瞰して見るというのが、本のテーマになっている。人間が作った街、人間が生きるために耕した畑、人間が争い合って血を流した戦争、人間が領地拡大のため侵略した土地、人間が食べるための労働。人間が人間らしく生きるとは何か、それを本書では問い続け、サン=テグジュペリの答えが書かれている。
サン=テグジュペリはとても人を平等に見ている人だ。人種も年齢も職業も、そういうフィルターを取っ払って、人間という尊い存在をきちんと評価している。
そして、飛行機の操縦士ゆえ、地球を一つの惑星のひとつと捉え、宇宙と繋がっている感覚があるという描写が幾度か出てくる。地球の上に立ち、過ごしていると人間を俯瞰で見られない。しかし飛行機から俯瞰して見ると、人は全て地球人という取られ方のようだ。
地球人は大地の上に生まれ、大地から湧く水を飲み、大地で育てた穀物を食べる。生きるとは大地と親密にくっついているのだ。
そんな大地を奪う行為は、その大地に住んでいた人の尊厳を奪うことで、他の人間がその土地に足を踏み入れることは、その土地を殺すことなのだ。サン=テグジュペリは他文化を尊重している。当時フランスやスペインが行ったアフリカの土地を侵略する行為を批判していた。
また、人間が何故戦争ため入隊するか、その心理も書いてあった。人間の根本欲求は人と同じ方向を見て、共に団結すること、そして、同じ釜の飯を食うこと。戦時下、政治家は入隊を薦めるため、論理的に正当かどうかは置いておいて、その欲求を満たすようなことを振りまいた。人間がそういう欲望を欲していることを知ってか知らずか、あえてそういうプロパガンダを流して、土地の取り合いゲームに参加させるのだ。
戦争は両者の主張というものは、本人にとって正しいものだ。他者から見ておかしいと思っても、本人は大真面目で言っている。ならばそれはその人にとって正しいのだ。その主義主張が隣国で噛み合わないとなると、戦争が起こる。
そういうものなのだ。しかし、一人一人の人間にフォーカスを当てた時、欲望に飢えた人間がいなくなれば戦争は起こらないかもしれない。ではどうすれば良いか。素足で土地を踏んで、土を耕し、宇宙の視点から見下ろして、人を愛でることだろう。 -
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言うまでもなく星5の名作。
翻訳は菅 啓次郎。
全てではないが、過去ほかの人に訳された星の王子さまを読んで言えることは、私は菅 啓次郎の訳する星の王子さまが1番好きだ。
菅 啓次郎 の訳する王子さまの一人称は「オレ」。
相手に対しても「あんた」「お前」と、イラストだけでイメージしていた王子さまからは想像できない言葉遣いである。
ただ呆れたようなセリフが嫌味のような、拗ねたように聞こえたりもしておもしろい。
星の王子さまを読むなかで、1番すんなりイメージが湧いたのは菅 啓次郎の訳したこの1冊。
色んなな翻訳の星の王子さまを楽しむひとつの方法だと思う。
いくつかはモノクロだが、挿絵のカラーがとても可愛い。 -
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❐1939年・1940年ごろ
『戦う操縦士』の現実でのある一日。思考ではサン=テグジュペリ(以下サンテックス)の半生を巡る。
❐1940年
パリ陥落のためフランスとドイツの休戦協定締結。サンテックスはアメリカに向かう。
❐1941年
『戦う操縦士』執筆で、アメリカ参戦を促す。
真珠湾攻撃・アメリカ参戦。
❐1942年
『戦う操縦士』刊行
第二次世界大戦でフランスはドイツに苦戦していた。
フランス空軍で操縦士だった大尉のサンテックスは、デュテルトル中尉、機銃員と共にアリアス隊長からアラスまでの偵察飛行に任じられた。
…すみません、画像として飛行機の希望がわからない…。縦に三人乗り??サンテックスが操縦、デュテルトルが通信とか機械確認、機銃員が攻撃??
物語は、基地を飛び立ち、退去命令されたフランス一般人の混乱を見たり、ドイツ機に銃撃されたりしながら基地に戻るまでなので現実時間はほんの数時間かな?
しかしその飛行の中でサンテックスは、いろいろなことに思いを馳せる。
一応小説なのかな。戦争だし命がけなんだけど小説の書き方として「現実⇒思考⇒現実⇒過去⇒現実⇒思考」となるので全体的に浮世離れしているような、常に生死の境にいるとこんな「時間が止まった感覚・心は彼岸へ」になるのだろうか。
印象的だったところ
偵察に行くときに「気をつけろ」とは言われるけど、空の接触なんて一瞬、ドイツ機と上下離れていたらお互い気が付かないことだってあるし、気がついたら撃ち落とされてるんだよー、という現場の声。
何ページか忘れたが「人間とは関係の結び目だ」ってところ。
P80あたり:
サンテックスの同僚が爆撃機からパラシュート脱出して大怪我した時に「爆撃された時は困りましたよー。乗組員は誰も答えなくて(即死していた)、自分は翼の上に出てなんだかくつろいだ気持ちになってしまったんです…」
P144あたり:
退避勧告が出た村で、行く当てもないのに全てを捨てて出ていくのか、どうしたって残るのか悩む村人たち。
P184から:
飛びながら幼年期のことを思い出していた。顔も覚えていない、むかし子守だったポーラの手紙を楽しみにしていた。そのポーラの思い出と現在のドイツ機からの攻撃が重なる描写。
<聞いたかい、ポーラ?敵の攻撃が激しくなってきたそうだ。それでも私は、この夕暮れのあおさに驚かずにいられない。実に素晴らしいのだ!その色はどこまでも深い、それにどこまでもつづく果樹、あれはスモモだろうか。(P188)
P209あたり:
幼い弟の死の床で、自分を呼んで「遺言」したこと。
本書はアメリカ参戦を促す糸があったということで、終盤はフランスを離れてフランス国家のこと、人類のことや個のこと、宗教のことなどの哲学論文のようになります。
<これまで私はいくつもの冒険を生きてきた。郵便飛行航路の開拓、サハラの不帰順地帯、南米大陸…それに比べて、戦争は信の冒険ではない、せいぜい冒険の代用品と行ったところだ。冒険というのは、それが築き上げる絆や投げかけてくる問題、そしてそれに触発されて生み出されるものがいかに豊かであるかにかかっている。コインの表か裏かで決めるような単なる運任せのゲームを冒険に帰るためには、生死をかけるだけでは駄目なのだ、戦争は冒険ではない。戦争とは病気だ。チフスのような病気なのだ(P96)> -
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他の出版社(文庫本)は揃って「星の」なのに、あえて直訳で「ちいさな」にしているのが気になりすぎて読んだ。
「星の」の方もロマンチックな訳で好きだけどね。
内容はもちろん素晴らしい。
砂漠に不時着した「ぼく」が羊の絵を描いてと言ってくる王子と出会い、一緒に過ごしていくうち仲良くなり、大切なことを教えてもらう。
「砂漠の星が美しいのは、どこかに井戸を隠しているから」
「星がきれいなのは、見えないけれどどこかに花があるから」
「ぼくの星はたくさんの星の中に混じっている。だからきみはどの星のことも好きになる」
宮崎駿監督はこれらの言葉からインスピレーションを受け、ラピュタの主題歌を作った。
「あの地平線輝くのはどこかに君をしているから たくさんの灯がなつかしいのはあのどれかひとつに君がいるから」
改めて聴くと、とってもエモーショナルな情景、言葉だなと聴き入ってしまった。
あとは、ちらちらと他の出版社も見たけど、「ぼく」or「私」、「きみ」or「坊や」とかあり、自分の好みは「ぼく」と「きみ」のほう。
表紙は新潮文庫が素敵。でも紙の性質か、中のイラストの発色は光文社古典新訳文庫のほうが綺麗な気がしたな。
そして、訳者解説でしっかりタイトルのこだわりを説明してくれているので、そこも読み応えがあった。何なら本編よりそっち目当てで読んだしね。
今日はサン=テグジュペリの誕生日。生誕125年。 -
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・全体を通して
サン=テグジュペリは、夜間郵便飛行まで手掛けた優秀な飛行士でありながら、そこで得た体験を詩的・幻想的な表現で民衆に伝えることが出来た稀有な作家であった。
ボクはなんだかんだこの著者の作品を読んだのは初めてだったけど、この2作でサン=テグジュペリのことが相当好きになった。緊迫感を硬質な筆致で描写しながらも、別人のような表現で当事者の感動を幻想的に描いていた。
人間の尊厳と、生きるという奇跡を、とてつもない感動と共に理解することが出来た
しばしば、自然の驚異/脅威や雄大さを描くためにラヴクラフト的なゾクゾクするような幻想的な描写をするところもボクに刺さった
「一時間後、メルモーズは雲の下に潜り込み、幻想の王国に突入した。」
本当に読んだ方がいい。国際社会の分断が問題視される今だからこそ、「同じ方向を見つめること」としての「愛」を説いたサン=テグジュペリのこれら作品はすっごくおすすめ
すっごい面白かったし感動できた
「人間であること、それはまさしく責任をもつことだ。」
『夜間飛行』
何と感動させられる物語か
人間の気高さと幸福への渇望が葛藤して出来事を進行させていく、ということの意味や重みが心に深く沁み渡ってきた
普段あまり景色や眺めの描写に注意を払わないボクでも情景を思い浮かべ引き込まれるほどの緊迫感と臨場感。自然の雄大さ、人生の矛盾との孤独な戦いの様がまざまざと描かれておりすごく感動した。
片や郵便機のパイロット、片やオフィスの支配人という全く異なった境遇なのにも拘わらず、彼らの間に渡る言葉にならない信頼に、一万五千キロの隔たりに橋を架ける者としての覚悟が見えて、今では古臭いとされるロマンのようなものを感じた。
「とにかく生き続けることだ、作り出すんだ、この滅び去る体と引き換えに……」
『人間の大地』
圧巻のエッセイ集だった
著者が初めて定期飛行を行った時の心情を述べるところから始まり、仲間たちの偉業、飛行機がもつ魅力、砂漠の民の誇り、最後には人間を人間たらしめる本質について、詩的で神秘的な筆致で語る
8篇にわたるエッセイは、著者が当時どういう実感をもっていたのかを、神秘的かつ現実的に描き出している。
飛行している際の真っ暗な夜空から、凪いだ海のように穏やかで幻想的な砂漠まで、著者の体験を追体験してるが如く、没入して情景も思い描きながら読むことが出来た
普段ストーリーの流れしか気にしていない私でも、その美しさに感動するほどの文章だった
「どんなに目立たないことであっても、自分の役割を自覚したとき、われわれは初めて幸せになれるだろう。」 -
Posted by ブクログ
圧倒的bible。
p.105〜116きつねの話が好き
ーーきみがきみの薔薇のためだけに使った時間が、きみの薔薇をあんなにもたいせつなものにするんだよ
ーー心で見なければ、よく見えないっていうこと。大切なことって、目には見えない
p.138
ーーどこかの星にある一本の花を愛しているなら、夜、空を見つめてやさしい気持ちになれる。すべての星で花が咲くんだ
p.139
ーーおまえが夜に星を見上げるとね、その星のひとつにおれが住んでいるせいで、その星のひとつでおれが笑っているせいで、おまえにとってはまるですべての星が笑っているように思えるはずだよ。笑う星たちを手に入れるわけさ!
きっと読むたびに感じ方が変わって、新しいことに気付くとおもう。また読みたい。 -
Posted by ブクログ
堀口大学訳の新潮文庫版、ロングセラーの地位はいまも不動。私もずっとこの詩的な堀口訳に慣れ親しんできたが、引っかかる訳語がいくつもあった。
今回、渋谷豊訳の光文社古典新訳文庫版では、それがすっかり解消されている。たとえば、サンテクスの最初の職業フライトの場面。午前3時半、雨のなか、彼が乗り込むのは飛行場行きの「マイクロバス」なのか、「路面電車」なのか。渋谷訳は「路面電車」。タイトルも、堀口訳は「土地」だったが、渋谷訳は「大地」だ。
どちらの訳で読んでも、サンテクスが初仕事に向かうその緊張感と高揚感の描写はたまらない。そして彼とプレヴォがリビア砂漠の真ん中にクラッシュしたエピソードも。3日間飲まず食わずで、蜃気楼、錯覚と幻覚に悩まされながら生き延び、奇跡的にベドウィンの遊牧民に助けられる。何度読んでも、感動的だ。 -
匿名
購入済み星の王子様だけでサン=テグジュペリを語っていた私を殴りたい。パリ旅行に行った祖母にお土産でゲランの夜間飛行もらい、「昔、読んだのよ」とこの本を教えてもらいました。王子様はとは全く違う生身の人間のドラマに圧倒されました。他の作品も読んでみようとおもいます。