サン・テグジュペリのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2014/12/16 再読完了。
「ボク」が「おれ」になったり「きみ」が「おまえ」になったり、「キツネ」が「きつね」になってりするだけで人物像がまったく変わってしまうのだなあと感心する。
自分のことを「おれ」と言い、大人である相手のことを「おまえ」と呼ぶ推定4~5歳のクソ生意気なガキの「ちび王子」。
この「ちび王子」のことが僕は大好きだ。
今まで色々な訳者の翻訳を読んだが、やはり菅啓次郎版が一番しっくりくる。 「王子さま」より「ちび王子」。
見事な翻訳である。
浅岡夢二版は文学的、童話的であるが菅啓次郎版は漫画的と言ってもいいのではないだろうか。 -
Posted by ブクログ
この訳者は『星の王子さま』の題名の反対派。タイトルの”petit”、つまり「小さい」という形容詞を重要視しているからだ。確かに、小さな星からやっていた、小さな王子の、小さな物語かもしれない。
また、訳者は、この話の中で語り手が「おとぎ話みたいにはじめてみたかった。」とあるように、この話は、おとぎ話調、童話調ではない点を指針とした、とあとがきで書いている。とはいえ、様々な訳を読んだ中では、印象としては、おとぎ話風の印象を持った。
もしかしたら、これが訳者のいう、第二の指針とした、この物語の「温かさ」、サン=テグジュペリという人物のぬくもりの現れなのかもしれないな。 -
Posted by ブクログ
KiKi の子供時代、とあるコマーシャルで「大きなことはいいことだ」というフレーズが使われたことがありました。 でもその後の価値観の変動の中で「大きけりゃいいってもんじゃない」という風潮が生まれてきて、今はその延長線上にあるように感じます。 でも、一度は大きい方に舵をとったこの社会はこの「大きい」と「小さい」のひずみの中で喘いでいる・・・・・そんな気もしないじゃないんですよね~。
でね、今回、この「小さな」「大きな」という対比の中に、KiKi は「大きな組織で動く効率的・合理的社会」というものを感じ取りました。 もちろんそれが「悪いこと」とは言い切れないんだけど(特に落ちこぼれ -
Posted by ブクログ
子供の頃には楽しい寓話として読んだ本作だが、大人になってあらためて読むと実に思索に富んでおり、星の王子様と交わす言葉の背景にはどこか悲しみが潜んでいる。身勝手でプライドが高いながらも、大切な花になぞらえた男女のやり取りに、王様や大物気取り、実業家といった俗物に対する視線。そして本当に大切なことは数ではなく、そして目に見えないものである。とてもシンプルながら胸を打つ言葉であるのだが、個人的にはこの言葉以上に「なつかせたもの、絆を結んだものには永遠に責任を持つ」という言葉が忘れられない。それこそが人と人の営みを端的に表した言葉であり、紐帯であり、連帯なのだろう。
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Posted by ブクログ
実家の本棚にあったのを久しぶりに読んだ。
最初は学生の頃に出会った本だが、その頃はなんだか意味がよくわからなかった。
数年経って、様々な社会経験を通して、久しぶりに読んでみると、沁みる、、、。
私もつまらない大人なんだなと思い知らされる。今からでも本当に大事なものに目を向け、少年と会話することはできるだろうか。
【以下、読みながら思ったこと。】
・大人の想像力の欠如を指している。
数字や肩書きで判断をしてしまう。
→こんなのつまらないことだよね。
大人の世界では、数字や肩書きで判断するのが楽なんだろう。相手の中身まで知るのには時間が要るから。
とにかく大人は忙しい、忙しいってばかりだからね、