石川宏千花のレビュー一覧
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誰かに変身して相手の本当の気持ちを知りたいと思ったことは誰でもあるだろう。この作品は、祭りでなじみ深いお面を使って、その気持ちをテーマにした一冊だ。児童書だが、人間関係や人生というものを考えさせられる作品だった。山の神の元に捨てられていた二人の赤ん坊を、山の神は、人間の面作師にあずけた。その面作師は、腕のいいものだけが作れるという、「妖面」も裏のお面屋として売っていた。二人の子供、太良と甘楽は、面作りを教わり、祭りで「お面屋たまよし」として面を売りながら、それをかぶればなりたい姿になれるという妖面を売る裏のお面屋「魔縁堂」もやっていた。この本での「魔縁堂」へのお客は3人。いいなずけの本心を知りたい男、母親の子供への気持ちを知りたい子供、不細工な娘が知りたい周りの人の本当の気持ち相手の本心を知るということは、計り知れないほどのショックを受けることもあるだろう。知らなければ良かったと思ったり、やっぱりそうかと安堵したりと。山の神の加護を受けながら、妖面を売り続ける若者たちに、触れてはいけない神秘さを感じた。これからの二人の成長と共に、続編があるなら、また読んでみたい作品だった。余談だが、お面で変身というと、子供の頃、ヒットしていたアニメの「ひみつのアッコちゃん」を思い出してしまった。アッコちゃんの場合は、魔法の鏡を見て、「テクマクマヤコン」(・・・だったと思うが)と呪文を唱えて、なりたいもの(人間や動物)に変身していた。変身願望はいつでも、誰でも、あるのだなと改めて思った。
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Posted by ブクログ
ネタバレ児童文学ということですが、
大人が読んでも面白いです。
自分でも自分の正体がわからない生き物「メアリー」。
人間に見つからないようにひっそりと生きていたが、
そんな自分に気づいた男の子が、「メアリー」というかわいい名前をつけてくれた。
その初めての友達「美しいマミヤ君」のお願いを、メアリーは次々にかなえてあげる。
マミヤ君の悪口を言った男の子、良い人に見えるけど、マミヤ君にひどいことをしたらしい先生や同級生の女の子達を、バレないようにこっそりとひどい目あわせていく。
でも本当はひどいのはその人たちじゃなくて、
他人がどうなろうと考えもしないマミヤ君のほうだった。
自分は、心に黒い空洞を持ったマミヤ君に、悪意を実行する方法を教えてしまったのだ。
何も感じない心の黒い空洞の中で生きていけるのは、恐怖だけ。
たとえ恐怖というひどい感情であっても、空洞さえなければ他者の愛や思いやりが入ってこれる。
そう思ったメアリーは、おぞましくただれ死んでいく自分の姿という恐怖で、マミヤ君の心を満たそうとする。 -
Posted by ブクログ
ちょっとしたことの細かさ、リアルさが物語を支えているなぁ。そういうとこ好きだなぁ。
先輩と、くん付けの差とか。
みたらし40円だすから一本ちょうだいとか。
おみやげの品が写メとか。(私は常々、小説の中高生のお小遣いの多さに疑問をもっているのだよ)
主人公は、そこそこなんでもできて、顔がよくて、同じくらい強い友達とつるんでる。かっこいい先輩たちとも仲良くて…なんて、運がいい部分もある。
無敵であるが故の、少年の勝手さとか残酷さとかもあるが、自分に勝手なところがあることも、順位付けなんてくだらないってこともわかってるので、ま、しょーがないか。
あと、単純に、年齢とか性別とかが主ではなく、みんなでアホみたいに仲良く笑ってるっていう関係がもう、だいすきだよー。
あ、学校のなかの順位付けを書いてる作品です。
最近増えたね。
UFOのくだり、ちょいちょいはさむのが私好きです。
スバルくんはできたひとだわ。 -
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何も動いていないような、ゆっくりとしか進んでいないような
そんな3巻は最終巻。
本当にここで終わるのか。
元に戻る事は出来るのか。
表紙すぐのあらすじにも、かなり驚きがありました。
どういう事?! というのが一番、でしょうか?
全ては何も見えない闇への恐怖から産まれたもの。
そう言われればそうですが、それらが存在するという証拠品である
己を提出するとは…。
確かにそれは早い。
早いですけど、確実に後で悲しんでくれるものがいると
分かっていての行動は、かなりためらいがあります。
けれど、それを選んでしまったのは、そちらの方が
より後悔が強いから、でしょうか?
きっかけになった彼らの片割れと話をし続けた叔父。
話す事によって、何かが変わった片割れ。
全てが己の最善の策を取り、導いた結果
『とりあえず』どうにかなった、という終末。
あっけない、と言ってしまったらおしまいですが
己の『大事なもの』は守り切った、気がします。 -
Posted by ブクログ
第48回講談社児童文学新人賞佳作受賞作。ヴァンパイアに襲われ、日常の生活を失った兄弟、ユリエルとグレン。弟であるユリエルは、特殊な血を持っておりヴァンパイアにはならずにすんだが、兄のグレンはヴァンパイアになってしまい、12歳から年を取らない体になってしまった。元の体にを取り戻すため、ヴァンパイアの情報を集めながら2人は旅を続けている。旅の途中で、ヴァンパイアがらみと思われる、ある村で起きた調査に手を貸すことになる。その村では少女4人が謎の死を遂げていた・・・。読んでる途中、『鋼の錬金術師』が頭の片隅にこびりついて離れなかった。兄弟が主役で、元の体を取り戻すという話だからかな。なんとなくありがちな話かなあとか、どこかで見た話みたいと思わなくもないのだが、面白かった。思い切り続くというところで終わってるので続きも気になる。作者さんの経歴を見てると、以前コバルト文庫でデビューした石川宏宇さんなのではないかと思うのですが。