石川宏千花のレビュー一覧

  • 死神うどんカフェ1号店 一杯目
    ・高校1年生にして生きることを喜ばないでいようとする、他者と交わらないでいようとする希子。その理由は・・・
    ・たまたま入ったうどん屋には意識不明で重体のままでいるはずの少年が働いておりそれなりに楽しくやっていた。
    ・本当は多感で世話焼きな希子にはうどんカフェの居心地は良かった。
    ・自ら閉じようとして...続きを読む
  • 空飛ぶくじら部
    自分たちの意思など関係なく空飛ぶクジラが連れにきて様々な時代、場所に下ろされる。でも毎回突然迎えに来て元の世界に戻ることを知ってる二人の主人公。その理由も二人は求めずされるがままに淡々とそれぞれを体験するあたりも楽しい。
  • 死神うどんカフェ1号店 別腹編☆
    うどんカフェを離れて、探偵ごっこのようなことをやる死神トリオがかわいい。
    自分の嫌なところばかりが目について、自暴自棄になっている紗耶香(さやか)の気持ちがよく分かる。
    深海が、彼女にかけた言葉が、いい言葉だなと思う。
    「だれかのことをわかってあげられるのは、苦しいけど、うれしいこと」
  • 死神うどんカフェ1号店 五杯目
    少しずつ、うどんカフェ以外の場所へ出ていこうとするあきらくん。半死人として生き続けるか、植物状態の本体に戻るのかの決断を迫られているけれど、それを決めるために、色んなことをやってみようとする行動力!偉いなぁ。
    希子ちゃんがそれを見て、自分も将来のために何をすればいいかを、見つけていこうとしているのが...続きを読む
  • 空飛ぶくじら部
    くじらに呼び出されて国も時代もランダムな場所に置き去りにされ、身の危険にさらされつつ過ごし、突然回収されるというのを何年も続けている二人。連れていかれるのではなく呼び出されるのが不思議。無視したらずっと周囲の時間が止まったままだそうで、いかざるを得ないらしい。
  • 空飛ぶくじら部
    空飛ぶくじらがやって来るとおかしなことに、二人のの周りの人の物の動きがピタリと止まり動かなかった。冒険ファンタジー。
  • 二ノ丸くんが調査中 黒目だけの子ども
    "自分の祖父は、ただの民俗学者ではないのかもしれない。一般的な民俗学者よりも、もっとずっと深いところまで入りこんで、いまもこの世に残されている伝承や言いつたえを調査している、特別な人なのではないだろうか、と。
    瞑にとって、祖父であるの二ノ丸一幻自身が、不思議のかたまりーーこの世のものであってそうでは...続きを読む
  • 二ノ丸くんが調査中
    "二ノ丸くんはときどき、同じ小学五年生とは思えないようなことをいいだすのだけれど、そんなところがまた、今日太にとっては、二ノ丸くんっておもしれーよな!になる。
    「いちおうきくけど」
    机の上につぎの授業の教科書とノートを出しながら、二ノ丸くんがふたたび、視線を今日太に投げてくる。
    「きみは、あのカード...続きを読む
  • 少年Nのいない世界 01
    ファンタジー。SF。ミステリ。異世界もの。
    シリーズ1作目、ページ数も少ないこともあり、物語はまだまだ始まったばかりという印象。
    各惑星で文明の進歩に差がある状態を、意図的に維持している設定が、なかなか好み。
    今後に期待の一冊。
  • 少年Nのいない世界 01
    他のメンバーがノエと会う前にどのようにして過ごしていたのか。二葉の不安定ながらも強く前を向いている力がすごい。
  • 少年Nの長い長い旅 03
    和久田のノエに対する一言が何か分かる気がする。ノエは自分が考えたことが自分で実行出来しまう人間だが、多くの人はそうではない。小さいことだったらともかく、大きいことだったら大抵躊躇する。うらやましさのこもった一言だったと思う。
  • 少年Nの長い長い旅 01
    都市伝説と絡めた異世界への旅の序章。異世界をあえて現実世界でも納得できるような設定にしていることが、新鮮でよかった。
  • 死神うどんカフェ1号店 別腹編☆
    初めてキコ意外の視点から書かれている話を読んで面白さを感じた。深海の先輩への憧れがダンス以外にも色々な面に出ているのが可愛らしい。
  • 死神うどんカフェ1号店 三杯目
    ちょっと物足りないけれど、幼いながらに傷ついていた栄くんが、あきらと話すことで、生きる希望を少し持てたことはよかったのかな。あと、須磨さんの話も、ちょっといきなりな感じはあったけど、困った時は助けてくれる良い大人がいることを知っておくことって話は、ほんと、そうだよね。困った状況にある子ども、若者には...続きを読む
  • わたしが少女型ロボットだったころ
    思春期の感じやすさを描きながら、暗くなりすぎないのが、YAとして良い。主人公を否定せず、ありのままを受け入れてくれるまるちゃんって、理想の友達。彼がいなかったらもっと大変なことになってた。
    二人とも家庭のどうしようもない事情をかかえながら、大人や社会に怒りを向けないのがちょっと不思議(特に生きる気力...続きを読む
  • わたしが少女型ロボットだったころ
    「わたしは、ロボットだった。人間じゃなくて、ロボットだった。そのことを、わたしはすっかり忘れて生きてきた。」ある朝自分がロボットであることを思い出したたづは食べることをやめた。困惑する母親、たづをそのまま理解しようとする少年まる。人との距離感とか、しあわせな気持ちに混ざるちくちくとした痛みとか。ドキ...続きを読む
  • わたしが少女型ロボットだったころ
    思春期だ。突然自分がロボットだと気付いてしまったとしたら、食事をとる必要はないとかリセットしてもらえれば済むと考えるのは納得。それを受け止めて一緒に考えてくれるまるちゃんとともくんは素敵だ。
  • UFOはまだこない
    何か起きるかもしれない、何か変わったことが起きてほしいと思いつつ過ごす、中学校時代の何気ない日常。メインのテーマが一本通っていてそれに沿って展開するのかと思いきやそうでもなく、あちこちへどんどん飛び移っていく感じ。でも子どものころって興味の対象がコロコロ変わっていって、実際そういうものなのかもしれな...続きを読む
  • 少年Nのいない世界 01
     詩は、歩巳に多くのことを教えた。
     同時に、ほとんどなにも教えなかった。
     詩が歩巳に教えたのは、この世の中には悲しくて悲しくてどうしようもないことがあるということ。それでも人は、生きていかなければならないということ。生きていく中で、それでもこの世の中は素晴らしい、と思えるようになっていくのだとい...続きを読む
  • 少年Nのいない世界 02
     あの詩が告げている通り、罪は罪のままだ。
     歩巳は選んだ。
     留まらないことを。
     今度こそ、大事な人を見殺しにしたりしない。この先は、そのためだけに自分は生きるのだと、進む理由を明確に持って、歩巳はあの地を去った。
    (P.215)