保健室には魔女が必要

保健室には魔女が必要

891円 (税込)

4pt

主人公は、中学校の保健室の先生にして魔女。
自分が考案する「おまじない」を流通させ、もっとも定着させた魔女が選ばれる七魔女決定戦に参加している。
今日も魔女は、保健室にやってくる生徒たちの悩みをきき、それを解決する「おまじない」を授ける。悩みによりそう短編集。

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わたしは魔女だ。
保健室の先生でもある。
雄花市にある唯一の公立中学校で、二年前から働いている。
わたしが勤務している雄花第一中学校には、一年生が四十一人、二年生が六十人、三年生が五十二人、あわせて百五十三人の生徒が在学中だ。
どの子も素直で、礼儀正しくて、目に入れても痛くないほどにかわいい-−−わけがない。
保健室に通ってくる子たちは、基本的に一筋縄ではいかない子が多い。ひねくれ者だったり、ろくにあいさつもしない子だったり、なにが理由で保健室にきたのかすら伝えられない子もいる。
もちろん、無防備で甘えん坊な子も少なくない。それでも、どこかさみしそうな顔をしているのだ。
そういう子たちは、なにかをだれかに話したいから保健室にくるのだろう、と考えて、わたしは根気よく、彼らの話をきく。
江口マリエの場合は、こんな話だった。(本文より)
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保健室には魔女が必要 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    中学校の保健室の先生が、実は魔女で、保健室にやってくる生徒たちの悩みに応えて“おまじない”を授ける……設定が面白いなと思った。
    保健室の先生は、いつも一緒にいる担任の先生とかとは違う、別格な存在だと感じる。濃密な関係のない立場から客観的な意見を言えるからだろうか。
    「自分のきらいなと

    0
    2023年12月15日

    Posted by ブクログ

    いよいよリアルの世界に生きづらい世の中
    孤独を感じ、しかし人との関わりをうまくできず、ひとりぼっちとみられることを恐れる
    子どもから大人まで、うつうつと悩む世の中だな
    大人にも保健室欲しい
    魔女というファンタジーと中学校の保健室という超リアルな場所を舞台にしたのは秀逸、真っただ中の中学生に届けたい。

    0
    2022年12月27日

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれ、子供が面白いと言っていたので読む。
    YA世代の本でしたが、おばさんな私でも面白かった。自分が小学生の頃、よく「おまじない」してたなあと懐かしくも感じた。

    0
    2025年04月19日

    Posted by ブクログ

    魔女って比喩的な言い方かと思ったが、本当に魔女だった。
    それぞれに深刻な中学生の悩みを解決する魔女。
    その向き合い方に好感を持った。
    魔女という存在のファンタジー感。他の魔女との関係性もおもしろい。
    そして中学生の現実の悩み。
    とくに2章の悩みの解決方法は良かった。個人に帰結する悩みではないので。

    0
    2024年09月09日

    Posted by ブクログ

    学校にはおまじないが必要、保健室には魔女が必要…。おもしろい考えだな。悩んだとき、苦しいときに頼るものとして、おまじないは決して悪いものではないんだなぁと感じた。
    ミンちゃん先生の魔女としての力と保健室の先生としての力がいい感じに使い分けられていて、かっこよかった。ただおまじないを流通させればいいん

    0
    2023年08月29日

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