堤未果のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
希望が見出せない現代社会においては、ややもすると「希望なんて持てないからもう終わりだ」とついマイナスの思考へと進んでしまいがち。この本においてもその前提は同じ、「一部の人間にばかり有利で弱者には冷たい社会」だ。けれどこの本の良いところは、たとえ現状がそうであったとしても、そこから立ち上がって自分の力で歩いていこうという前向きな姿勢にさせてくれることだ。
戦争は巨大な利権者によって意図的に起こされ、教育にはビジネス要素がどんどん入り込む。メディアが流す情報は利権者に都合のいいものばかりだ。犠牲になるのはいつも社会的弱者。でも、そこで腐ってしまっては本当の終わりだ。事実として認識されていることを -
Posted by ブクログ
アメリカって酷い国なんだなって。1999年のグラス・スティーガル法廃止ってそれで歯止めがなくなったのか知らなかった。レーガンって酷い奴だったんだな。だいたいケネディー善玉説ってのもインチキという噂だし、日本もアメリカと同盟とか言ってやばいことになりそうだ。
ここまで人々を追い詰め1%の超富裕層が栄華を誇っていたらなんだか革命でも起こりそうな匂いがする。それを抑止するための国内の引き締めなんだろうけれど、テロが起こってそういうことがやりやすくなったんだね。テロの脅威を煽って国内を引き締め、そして我が物顔で人々を追い詰めていく。その先はどうなるのだろう。
革命を潰すために戦争をすればいいの -
Posted by ブクログ
テーマはメディアの見方と政治の参加について。
第1章、2章はたしか『ルポ貧困大国アメリカ』の話でも取り上げれていた、米のリクルートの話と教育制度の話。これが報道が真実を曲げてしまったり、もしくは取り上げないことの例として書かれています。格差の拡大、軍事増強と補助金、助成金のカット、さらにTPP加入でますます自由化、競争化の波が押し寄せそうな日本にとって、以前『貧困大国アメリカ』を読んだ時以上の切迫感を感じました。
3章以降はメディアの見方について、そして社会の変え方についての話に入ります。
ポイントはいかに一つの情報を様々な媒体、時には自国のニュースサイトからも離れて海外のニュースから探 -
Posted by ブクログ
ネタバレ貧困大国アメリカで有名な堤未果氏の著作。第一章。二章は著書「ルポ貧困大国アメリカ」からの刷り直しの内容の為、ざっと読み流す。
内容を書き換えただけかと思われた本書ですが、第三章から「社会の真実の見つけかた」が始まります。
先ずは世の中の情報操作の行われ方、また実際に行われた情報操作方法。対策として如何にすべきか(情報の裏取り、情報発信者のスポンサー、批判対象または批判をしない対象とは何かを知る)など、有益な情報が記載されている。
また第四章ではどうすれば世の中を変えられるのか、具体的な事例を交え紹介。キーワードはスタミナ。粘り強く。
個人的に印象に残った事柄としては、立場によって情報は変わる -
Posted by ブクログ
「過激なタイトルだなあ」、と思った。
読み進むと、それは過激でも何でもなく、今アメリカで、そしてこの日本で現実に起きていることなんだと分かる。正直恐ろしくなった。
医療保険や教育の民営化の結果、医者が食糧配給をもらうまでに追い込まれ、教師は精神を病み職を離れる。にわかには信じ難いが、それがアメリカの現実だとすれば、日本で近い将来起こる事を想像することは難しいことではない。
貧困問題やワーキング・プアが語られるとき、マスコミも私達も、単に弱者救済すれば問題が解決すると考えている。
そこが殆どの日本人の思考を停止させ、己の身に今降りかかっている問題から目を逸らさせていることをこの本は気付か -
Posted by ブクログ
表紙の著者にもなにか違和感を感じますが,それはさておき,ニュースの裏側にも注意を向ける態度を身につけるのに良い本。
税金が真っ当な使われ方になっているかを知る権利は行政文書を通じて行われるけど,民間委託されるといくら税金が委託金になっているかが分かるだけなので,サービスに全て投入されているかが不透明になる。民営化ともなると,利益追求型になるので,採算が合わないところは削られていき,そのエリアはより不便になったり,過疎化を助長したりする。国土を守ることとは真逆になる。
「人間のすることじゃないと言われていることのほとんどは,人間しかしない」(p.65)
ホントその通り。自民党は似非保守のグ -
Posted by ブクログ
違和感、違和感、違和感…
残念ながらこの本に取り上げている水道民営化や農業、SN…いずれにも悲しいくらい違和感を感じることができてないことが、この本を読んでよくわかった。
中居の事件も松本の事件も、そして国分の事件も、その裏でサラッと何かの法案が可決していたのだろうか。
あるニュースの固有名詞を抽象化して読み直してみると、自分軸に戻ってくるのだそうだ。トランプを70代?のアメリカ人男性とかのように。
でもこの前の参院選であれだけ惨敗のイメージを持たれた自民党が、まだ1週間くらいしか経ってないのに、そんなにメディアで参政党参政党と取り上げていないように思うのは自分だけだろうか… -
Posted by ブクログ
ナオミ・クライン著『ショック・ドクトリン』が2007年に出版されてから15年近く過ぎた今、社会のデジタル化が進み、情報による大衆操作が可能になったことで、より気付かれにくく、より大規模なショック・ドクトリンが行われているようになっている現状について、
著者自身のニューヨーク滞在中の9.11経験や、その後の経過を踏まえ、コロナ・パンデミックやウクライナ戦争なども「ショック・ドクトリンの道具」になっている、といった警鐘を鳴らしつつ、
現在進行中の社会や政治の動きに注視し、その動向を慎重に読み解いていくことを読者に強く勧める一冊。
ショック・ドクトリンの特徴や、その見破りかたについて、丁寧に示され -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本のマスコミが左派もしくは反日勢力に乗っ取られて久しい。国民の情報の拠り所となるマスコミ各社が既に偏向され放題。例えば、捏造や切り取り報道でも有名な朝日新聞や毎日新聞、TBS「サンデーモーニング」なんて番組も反トランプ、反イスラエルサイドのコメント1色という偏向ぶり。最近では、国営放送なのにNHKの移民政策推し、反日ぶりも酷い。放送法では、「報道番組では政治的公平性を担保」という基本理念に違反しながら番組や放送局は何故かお咎めなし。
つまり、既に日本人はテレビや新聞からの受動的情報だけでは、正しい判断さえ出来ない状況下にあるということ。さらに言えば、盲目的に報道を信じてしまう危険性にさらされ -
Posted by ブクログ
ショック・ドクトリンと聞くと新鮮な気がするが、ショック療法みたいな事である。衝撃によって変化を促す。本書は「衝撃的なアクシデント」に乗じて都合良く社会を操作しようとする黒幕やその事象について解説する本だ。これが「都合よくアクシデント引き起こす」という内容であれば陰謀論になっていく。そうした要素が皆無とは言えないが、陰謀論と大差ないような話で驚愕する。
大学は、思想形成に重要な役割を果たす場所。そのとき師事した教授の思想に必ず影響を受ける。ここで名前の挙がる教授は、経済学者のミルトンフリードマン。世界中に放たれ各分野で要職についたフリードマン・チルドレンたちが各所で新自由主義政策を導入する。こ