アメリカにいったい何が起きているのだろうか。
序章にある堤氏のことばは強烈でそしてざらざらとした、違和感の残るものでした。
・子どもの頃から憧れていた自由の国が、あっという間に全体主義国家のようになっていく。
・大好きだった恋人の、しらなかった邪悪な顔を知ってしまったようで、毎日がショックの連続
...続きを読むでした。
・ショック・ドクトリンとは、国や国民の大事な資産を合法的に略奪し、技術をお友達企業群が大儲けする手法です。
・強いショックで思考停止させ、いったん思想を白紙にしたところで、理想的な人格に作り替えるというこの手法、もし、これを個人じゃなく国家をターゲットに実行したらどうだろう。ショックの与えるのは個人でなく国家全体、そして破壊した後に、理想の経済システムと入れ替えるのだ。
なにが正義と自由だ。聖書を抱えながら、世界を植民地化していくような彼らに共感し、尊敬するとことなどなくなった。
本書は、今、昔よりずっとスピードが速くなったこの世界で、何が起こっているのかを多角的につかみ、全体像を見るスキルを身につけるヒントを差し出すための本です。
気になったことは以下です。
・真実とはいつの世も、努力なしには手に入らない貴重品なのです。ならば、と私は自分自身に言いました。「自分の手で探しに行こう」
・ショック・ドクトリンの5大ステップはこうです。
①ショックを起こす
②政府とマスコミが恐怖をあおる
③国民がパニックで思考停止する
④シカゴ学派の息のかかった政府が、過激な新自由主義政策を導入する
⑤多国籍企業と外資の投資家たちが、国と国民の資産を略奪する
・お金の流れで世界を見ると、米中は本当は仲がいい
・「え、米中って仲間なの?」と意外に思うでしょう。表向きに、いかにも対立しているように見えるのは、そのほうが都合がよいからです。
・「ウォール街の狼たちは、中国共産党の古くからの友人だ」
・自分の身体の声を聞き、あふれる情報とテクノロジーによって鈍ってしまった五感を再起動させて本来の力を取り戻してください。
・自分の頭で考えて判断する国民は、そう簡単にだますことはできません。
<マイナンバー>
・マイナンバーキャンペーンに投下された資金は、1兆8000億円。これは、すべての国立大学を無償化できる金額なのです。
・マイナ保険証を使うには、4ケタの暗証番号が必要です。それは認知症患者や寝たきり患者などはこまってしまいます。
・海外では問題だらけ、アメリカ政府が「カードは持ち歩くな」と警告。ズバリ、なりすまし被害が多すぎるのです。
・防衛省、外務省、警察庁、内閣官房、公安調査庁の5庁は、すぐに反対文書を作成し、政府に直訴し、マイナ身分証は導入しませんでした。
・公安トップが即座に警戒した、マイナポータルから情報が一括で盗まれ悪用されるリスクは私たち民間人にとっても同じなのではないでしょうか。
・ショック・ドクトリンを読み解くポイントの一つは、「歴史を見る」です。
・マイナンバーがないと、「行政が追加できないこと」は2つです。
①全国民の金融資産をリアルタイムで完全把握すること
②国民の思想と行動を把握すること
・本来、マイナンバーの利用範囲は、①税金、②社会保障、③災害対策の3分野です。
・いまは個人情報として保護されていても、政府が「公益として必要な情報です」と判断すれば、そんなルールは外されてしまいます。
・制度は「性悪説」で設計せよ。
<コロナショック>
・テレビは新聞、政府の言う台詞の中に「緊急事態」という言葉がやたら目につくようになったら注意してください。
・世界中の製薬メーカーによって、日本の国民皆保険制度はドル箱なのです。
・安全だと言い続けるなら情報公開を
<デストピア>
・2023年米海洋大気庁が公表したNASAの最新データは、地球が過去8年づっと冷え続けていることを示している
・太陽光パネル市場の8割を環境規制が世界でダントツにゆるい、中国の製品が占めている
・もっともらしい数字やデータは緊急時ほど疑うべし
・アメリカの圧力による脱酸素政策でドイツとに日本の車技術がつぶされかけているのは、偶然にしてはできすぎた話でしょう。
・世界最大の化石燃料を消費している真犯人は、アメリカの国防総省です。
・アメリカは1997年に京都議定書でさんざんごねて。軍事関係の炭素排出量報告義務からはちゃっかり外してもらっている。そして、もっとも優遇されているのは中国です。イスラエルや、サウジ、インドも同様、報告義務はありません。
<まとめ>
あふれかえる情報とスピードの中、仕掛けられるゲームが強欲さを増すほどに、五感を再起動して立ち止まり、長いスパンで歴史を紐解き、自分の頭で深く考える国民は、時間とともに輝きを増す、我が国の貴い財産になるでしょう。
目次
序章 9・11と3・11―私のショック・ドクトリン
第1章 マイナンバーという国民監視テク
第2章 命につけられる値札―コロナショック・ドクトリン
第3章 脱炭素ユートピアの先にあるディストピア
おわりに
参考文献
ISBN:9784344986923
出版社:幻冬舎
判型:新書
ページ数:264ページ
定価:940円(本体)
発行年月日:2023年05月
発売日:2023年05月30日第1刷
発売日:2023年06月15日第2刷