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メディアが流す情報を鵜呑みにしていては、社会の真実は見えてこない。9・11以後のアメリカで、人々の恐怖心と競争を煽ってきたメディアの実態を実際に体験し、取材してきた著者が、「情報を読み解く力」を身につける大切さを若い世代に向けて解説する。同時にそこにこそ“未来を選ぶ自由”があると説く。
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Posted by ブクログ
社会の真実の見つけかた 著:堤 未果 紙版 岩波ジュニア新書 673 メディアが流す情報をうのみにしていては、社会の真実は見えてこない 情報を読み解く力を身につける大切さを語る書です ■戦争 同時テロ以降のアメリカは、どうも、戦前の日本のようだ 治安維持法のような法案ができ、戦争に反対の意見は...続きを読む、封じ込められて、戦争反対者は逮捕され、拘留される どの国でも、戦争開始直前の報道には、自由、民主主義、解放、正義、報復、自衛などの言葉がちりばめられる そして、相手側には、理屈の通じない、悪魔のような、非道な、といった表現が使われる テロに対する深いショックと怒りが高まるほどに、祖国への強い愛が湧いてくる テレビも新聞も、テロリストの恐怖、そして、3000人の被害者と遺族についての情報を洪水のおゆに流し続け、みな恐怖に呑み込まれ、他のことは考えられなくなってしまったのだ。 「死の商人」とよばれる軍需産業にとって、恐怖はもっとも親しいパートナーになる 米国が戦争を始めるときは、いつもそうだ、米西戦争、太平洋戦争、そして、9.11テロも。 その裏にあるはずの歴史や、民族や、政治的利害関係のような複雑なところに目を向けなかったことが、大きな間違いだったと思う。 あの時のアメリカの国民に選択肢などなかった。 テレビや新聞、ラジオがふりまいていた情報は、敵、か、味方、か、善、か、悪。 手の中のカードは、戦争vs平和、ではなく、戦わず自由を奪われるか、自由を取り戻すために戦うか、の2枚しかなかったのだから。 ■教育 全米に広がる教師のインチキ合戦 教師による大規模なカンニング事件がおきていた ⇒子どもたちの成績によって特別ボーナスがでるから アメリカ国内の公教育が荒廃し続けているのは、現場の教師の責任だろうか ⇒ 教育が国の責任であるという議論が抜け落ちてしまったからです 肥満児が?なぜですか? ⇒ 体育の時間が大幅に減らされたからです。学力テストに関係ないから 行き場のない親たちの不安やストレスが、教師に向かうということです。 テスト至上主義や罰則だけで厳しくしても、結果がでないばかりか、教師や親、そして、最終的には子どもたちを追いつめてしまう 7年でかけ金が2倍になる投資「チャータースクール」 オバマ大統領の「予算獲得レース」の条件で最も大きな目玉は公立高校の民営化だ チャータースクールは、投資先としては優良の商品ですね 2008年、ブロード基金とゲイツ基金が共同で6000万ドル出資した教育キャンペーンの柱は、 授業時間の延長と、能力給方式の強化だった かつて、チャータースクールは、市民運動のひとつだった 今は違う 巨額の資金と市場原理に後押しされ、何千ドルもするスーツで国会に出入りするロビイストたちを抱える巨大な産業のひとつになってしまった ■メディア テレビ社会のアメリカでは、日本のように新聞を読む習慣がない ⇒ でもある時から、テレビが流す情報について疑問をもつようになったんです 世界中のニュース報道を比べてみる ⇒ ウィキリークスのハッカーたちは、ネット情報の最大の弱点が情報の信頼性であることをちゃんと知っていた 偏った見方にならずに、全体像をつかむにはどうすればいいのか ⇒ まず手始めに、各メディアのニュースに注目すると良い アメリカでも記者が現場に行かず記事を書くケースがふえている ⇒最大の理由は会社側の経費削減ですが、自分の足をつかって現場に行くより通信社からの情報で書くほうがらくだから 情報の信ぴょう性をだれかが保証したとしても、それらが本物かどうかは、自分で調べなければならない インターネットとは、単なる進化した道具の1つであるということだ インターネットの情報は単なる材料の1つでしかない ワイドショーやスキャンダルは、重要ニュースとセットになって出てくるとみるべきでしょう 憲法改正レベルの重要法案の成立のニュースは、アイドルの逮捕報道にかき消された ■社会は変えられる しあわせになりたきゃ、選挙にいけ 高齢者たちが政治家に圧力をかける道具が数であれば、若者だって負けていないはずだ 違いがあるとすれば、自分たちの世代が、不信感からすぐに選挙に行かなくなるのに対し、高齢者たちは、けっして途中であきらめない 社会を変える力をもつのは、いつだって、あきらめず、投票をし続けるグループだけだ 代議士だって、ちょくちょく顔をみにきてくれるような相手のほうを大事にするにきまっている そういう相手の為に動けば、見返りもあるし、充実感も得られる 一生懸命自分を売り込んでも肝心の選挙の日に投票にも来てくれないような相手に何かしたいと思うか 選挙に来ない若者や政治に無関心な連中は、政治家たちにとって都合のいい透明人間と同じなんだよ 彼らは選挙が終わっても、引き続き、そのテーマについての状況を会報やホームページに載せ続ける それを改善するために必要な法改正はこれとこれで、今この時点にいますという具合に、ひと目でわかるように工夫されているのだ 選挙と選挙の間こそ本番なのよ 社会を変えるためには、ある一時期だけ燃え上がるだけではだめなの 毎日の生活の中でその火を絶やさないようにする地道な努力の積み重ねがある日大きな結果を出すんだから 最高の投資商品がある、それは、若者への教育です インターネットが国境を消しつつある今、語学力は何よりも最大の武器になる 英語だけは、簡単な文章を読めるくらいにしておこう 目次 第1章 戦争の作りかた―三つの簡単なステップ 第2章 教育がビジネスになる 第3章 メディアがみせるイメージはウソ?ホント? 第4章 社会は変えられる あとがき ISBN:9784005006731 出版社:岩波書店 判型:新書 ページ数:224ページ 定価:940円(本体) 発売日:2011年02月18日第01刷 発売日:2016年05月16日第11刷
この本はジュニア新書ですけど、「子ども向け」と思って敬遠するのは本当にもったいない! アメリカの中でも、2001年からのイラク戦争に向かう時代やブッシュ〜オバマの教育改革などについて、メディアで報じられる内容と当事者の言葉をもとに組み立てられている。 耳障りのいい政府の言葉の裏に隠れていること、金の...続きを読む流れを丹念に追い、メディアが報じないことを見抜くこと、政治に参加し社会を変える方法などが全て当事者の声とともに書かれている。 他山の石とする内容がたくさん。知らぬ間に戦争に巻き込まれたり、知らぬ間に搾取されることのないよう、政治にはプレッシャーを与え続ける必要があることがわかった。
"アメリカで実際に起こっている事実を検証しながら、政府やメディアに踊らされずに行動することとはを考える。 良書。政治に無関心でいる層は確実に食い物にされる現実を見せつけられる。 政治とは無関係には生きていけないゆえである。ある目的をもったそれなりの多くの人が長期的に政治家に働きかけることで...続きを読む法制化が進む。結果的に政治に無関心な若者を虐げる社会になってしまったアメリカ。 対岸の火事ではなく、日本にも同様の波が押し寄せている。目覚めよ。若人。"
真実は自分で探さなきゃわからないということを強く感じました。 もっともっと「自分から」調べていくべきと気づけました
希望が見出せない現代社会においては、ややもすると「希望なんて持てないからもう終わりだ」とついマイナスの思考へと進んでしまいがち。この本においてもその前提は同じ、「一部の人間にばかり有利で弱者には冷たい社会」だ。けれどこの本の良いところは、たとえ現状がそうであったとしても、そこから立ち上がって自分の力...続きを読むで歩いていこうという前向きな姿勢にさせてくれることだ。 戦争は巨大な利権者によって意図的に起こされ、教育にはビジネス要素がどんどん入り込む。メディアが流す情報は利権者に都合のいいものばかりだ。犠牲になるのはいつも社会的弱者。でも、そこで腐ってしまっては本当の終わりだ。事実として認識されていることをもう一度疑い、検証して本当の真実を自らの力で暴き出すことの重要性をこの本は教えてくれる。たとえばこんな風に。 ◼️p66 何か事件が起こった時、過ちを犯した犯人を責めることは簡単だ。だが原因に目を向けない限り、同じようなことは何度でも繰り返されるだろう。目を向けるべきなのは、その悲劇を作り出した背景と構造なのだ。 ◼️p109 アメリカに浸透している、チャリティは美しいものだという概念が、今起こっていることへの判断力を狂わせているのです。特に「子どもたちのために」という言葉は情緒的に国民の子の心をつかむ力を持っている。でもどんなにきれいな言葉を並べても、彼らは民間企業なのです。寄付ではなく投資。彼らにとって教育は国のための人材を育てるためのものではなく、たくさんある事業計画のうちのひとつにすぎないのです。 社会に対して単に悲観的になるのではなく、社会を疑い自らでより素晴らしい社会を作っていくことはもしかするととても面白いことなのかもしれない。この本を読むとそんな風に思えるし、学ぶことの意味を再発見させてくれる気がする。
これ!すごくおもしろい。 森達也さんともちょっとかぶる部分はあるけど、だからこそこのひとの本にも相当な重みがあった。 これを読んで、アメリカにしても、日本にしても、ほんとうに弱者が容赦なく虐げられてしまう社会になっていくような、そんな気がした。無力感、どんよりした気分になる。
子どもにもわかりやすいようにという感じに書かれていますが、大人にもぜひ読んで欲しいです。きっと、色々刺さります。
テーマはメディアの見方と政治の参加について。 第1章、2章はたしか『ルポ貧困大国アメリカ』の話でも取り上げれていた、米のリクルートの話と教育制度の話。これが報道が真実を曲げてしまったり、もしくは取り上げないことの例として書かれています。格差の拡大、軍事増強と補助金、助成金のカット、さらにTPP加入...続きを読むでますます自由化、競争化の波が押し寄せそうな日本にとって、以前『貧困大国アメリカ』を読んだ時以上の切迫感を感じました。 3章以降はメディアの見方について、そして社会の変え方についての話に入ります。 ポイントはいかに一つの情報を様々な媒体、時には自国のニュースサイトからも離れて海外のニュースから探るかということ。そして政治参加についての有用性についても語られます。 参議院選挙が間もなく始まる中で非常にいろいろと考えさせられます。選挙が終わってから政治に対して無関心になるのは大衆だけではなく、メディアも同じだなあ、と思います。というのもメディア自身も選挙が終われば、政策の話うんぬんより政局がどう動くか、という話の方に終始している気がするからです。 メディアが伝えないことをいかに知るか、そういうことを考えさせられた本でした。ジュニア新書というレーベルながらも全世代の人が読む価値のある一冊だと思います。
ジャーナリストである堤氏の一冊。 一方的な情報や偏った情報源のみを信じていると、真実が分からなくなってしまう。一つの物事に対して、様々な観点から見る必要性があると説く一冊。 僕たちが無関心を貫き、何も行動を起こさなければ、 何も変わらない、ということを、9.11以降のアメリカの移り変わりを玲にして...続きを読む、教えてくれた。 僕自身も情報は、原典に当たる、当事者の話を聴く、現地へ赴くを大事にして、自分で積極的に考えて情報収集をしたい。
現在の日本の電力事情や原子力発電所に関する「真実を見つける」には、テレビや新聞だけじゃなく、自分から広くネットや外国からの視点も踏まえて情報を集めなきゃね、ってことを若い人たちに考えてもらうのにとっても良い本だと思う。 若い人たちに「第4章 社会は変えられる」を是非読んで欲しい。デモもいい、ツイッタ...続きを読むーもいいけど、社会を変えるなら「選挙」だし、「政治」だし、「予算」を自分たちの手に取り戻さなきゃね。できるよ!君にも。 books216
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