高橋源一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ことばについて書かれた本。
『非常時のことば』というタイトルだけど、もうこの状況から完全に抜け出すことは叶わない気がする。
だからこの本に書かれた話は限定されたシチュエーションの話に思えないところもある。
「あの、頭の中が「真っ白」になって、なにもことばが考えられない時のことを、大切にするべきではないだろうか。」
という言葉が印象的。
でもずっと真っ白でいいと言っているわけではない。
私は思考を止めていたな…と思う。
何も言いたくない。
ただ話を聞くだけ。神妙に頷きながら。
でもそれは拒絶だったかもしれない。そう思った。
何も言えない。
許されない。
そう思っていた。
今もまだその考えがこびりついているはず。
まだ言葉は出てこないから。
でもこの本で、少しだけ変わったかもしれない。
本当かどうか分からないけれど、もしかしたら、ほんの少しは。 -
Posted by ブクログ
マイノリティは同情を得やすい。マイノリティを責めることは批判されやすい。「イジメられる方にも責任がある」と、声高に叫ぶことは憚られるが、それだってマイノリティを責める結果になってしまうからだろう。「イジメられっ子」は同情されているわけだ。
「悪」とはなにか。本書の中には明確な答えは書かれていない。「解説」の中で中森さんも述べているが、本書で語られているのは「悪」であって、悪ではない。「そもそも」のところで、「悪」とは何なのか、答えは明確ではないのである。その答えは読者それぞれが出すことを求められている。
考えてみると、「悪」とはマイノリティではないか。たとえば『アンパンマン』という作品には「バイキンマン」という明確な「悪」が設定されている。それは「アンパンマン」や「ジャムおじさん」、さらには「カバオくん」といったキャラクターたちが営む平和な世界を害そうとする存在である。しかし、その計画は「アンパンマン」ら「正義」によって、いとも簡単に「潰される」。
『アンパンマン』は、一部エピソードを除けば、圧倒的に「正義」の戦力は大きい。「バイキンマン」=「悪」はマイノリティである。「バイキンマン」は被害者、と見ることもできるのではないか。もちろん、「バイキンマン」にはそうなってしまう責任もあるのだが。
「悪」とは何か。本書を読んで、そういった思索に思い巡らせて欲しい。
【目次】
「悪」と戦う
魔法学園のリリコ
解説 文学にとって高橋源一郎とはなにか 中森明夫 -
Posted by ブクログ
吉本隆明は『言語にとって美とは何か』と『共同幻想論』を読んで、それで終わってしまった。あまり熱心な読者であったわけではない。『言語にとって~』の方はさっぱり分からなかった印象がある。
この本は、高橋源一郎が語っているということで購入。タカハシさんが吉本隆明にそれほど心酔していたとは知らなかった。どちらかというと批判的かと思っていたのだが。
この本は、共著で講演を文字に起こしたもの+対談をまとめた形になっているが、やはりこの点のテーマでは対談ものは避けた方がいい。自分が吉本のことをあまり知らないこともあるが、何かの意図が成功しているようにもやはり思えなかった。
タカハシさんは吉本を語るにしても単著で出した方がいいかと。