曽野綾子のレビュー一覧

  • ビショップ氏殺人事件 曽野綾子ミステリ傑作選

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    表題作含む六作品収録の短編集
    いずれの作品も楽しめました
    ミステリ小説も書いていた人だったんですね
    表題作は横浜の山手が舞台でした
    家政婦さんや居候など登場してきて
    犯人は誰なのかと新聞記者が調べるが・・・
    気になる作家さんがまた増えちゃいました

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    2025年12月12日
  • 夫の後始末

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    夫が倒れ介護が必要になり著者が寄り添う
    もう高齢なのになお作品を世に送り出す
    しかも夫を介護しながら
    著者の生き方、考え方などもこの中で知ることが
    できました
    なるほどそういう考え方もあるんだなと
    それもいいかもと思うこともありました
    また、夫の三浦朱門についても興味を惹かれました

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    2025年12月04日
  • 納得して死ぬという人間の務めについて

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    荒野の夕陽に照らされ
    大陸横断鉄道を降りた
    その若者は、

    アメリカ中西部の広大
    な平原の中で荘厳なる
    落日に向かい、

    寂寞とした想いが胸に
    去来したのでしょうか。

    人の輪郭も人の想いも
    なにもかもが滲む夕陽。

    やがてその胸に灯った
    小さな炎に、

    そして体を包む夕陽の
    温かさに勇気づけられ、

    親に敷かれたレールも
    降りて、

    ついに自分の足でその
    人生を歩みはじめます。

    遠い昔の見知らぬ人の
    エピソードにうっとり♪

    嗚呼、息を呑むような
    美しい夕陽を浴びたい
    ・・・

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    2023年12月30日
  • 幸福は絶望とともにある。

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    ネタバレ

      膝を叩いた箇所: ①人間は飢えからスタートした。人間は自分の出発した地点を見失ってはならない ②人間の思考を変えたのは電気の存在。経済も安全も医療行為も、旅行や学問も電気があったから。民主主義も電気の落とし子 ③日本は戦後終始、自由主義と見せかけながら、日本ほど完全な社会主義制を取っている国はない ④戦後の日本が一つだけ大きく失敗したのが教育。悪の意味と徳。⑤なお、平成8年の接待禁止のための公務員倫理規定は、幼稚園児に行儀を教えているようなもの。曽野綾子「幸福は絶望とともにある」、2023.3発行。

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    2023年11月28日
  • 死という最後の未来

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    「とにかく最後まで探究したい、戦いたい」石原氏と「そのまま受け入れる、流される」という曽野氏。全く逆の考え方の二人の対談。「死」「老い」、二人の信仰している宗教の話など多岐にわたる話で面白かった。

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    2022年12月24日
  • 老いの才覚

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    著者の語る内容に多く共感できるのに、批判的な気持ちが湧き起こる。

    内容は著者が高齢者の人々に送る檄文だと思って良い。
    老人だからと言って甘えるな。
    できる限り自立しろ。
    老境に至った喜びを感じ、老境だからこそできることをしろ。
    等々。
    かなりの部分に共感でき、自分もその様に生きなければ、と思う。
    ではなぜ批判がましい気持ちが湧くのか。
    それは著者が自分と自分を取り巻く人々の生き方を正しいものとしてひけらかしている様に読めてしまうから。
    自分は一部の愚かな年配者がするような、あんな事、こんな事はせず、代わりに年配者として正しい方法を常に採用して実行しています、と。
    とは言え、本書を素直に読んで

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    2022年12月04日
  • アラブの格言(新潮新書)

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    サダム・フセインとの戦争時にあらためて、出版し直したものとあります。
    荒野に暮らすアラブ(ベドウィン)が自然の中を生き抜くための、習慣、神とのかかわり方、考え方を伝えてくれる一冊です。

    アラブのIBMということばがでてきます。
    I:インシャラー 約束の念押しを迫ると答える 意味は、神の思し召しがあれば、ようは、100%保証したわけでない
    B:ブクラ いつできるかと問う答え。明日、でもいつになってもブクラのままである。
    M:マレシ 約束が履行されなかったことについてなじるとその答え。理のないこと、過ぎたことは仕方ないじゃない。

    気になったことは以下です。

    ・アラブ諸国の人たちは、スポーツで

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    2022年08月16日
  • ビショップ氏殺人事件 曽野綾子ミステリ傑作選

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    曽野綾子の思想的原点はどこにあるのだろう
    いくつかの初期作品に触れた感触だけで想像するに
    太宰治の影響が強いのではないか
    勝手にそう思っている

    「ビショップ氏殺人事件」
    昭和30年代のはじめだから、朝鮮戦争の少しあと
    優しいアメリカ人の見せる父性に対して
    若き日本人の抱える甘えと屈託が
    殺人事件を引き起こす

    「華やかな手」
    女子生徒に人気のある大学教授
    彼は赤ん坊のとき、事故で片方の手首を失っている
    不具の意識から結婚を避けている様子だが
    しかし人生に絶望してはいない
    明確ではないけれどもキリスト教への傾倒が垣間見える

    「消えない航跡」
    生きてるときは嫌なやつと思っていても
    死んだあとで

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    2022年08月06日
  • 90歳、こんなに長生きするなんて。

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    ネタバレ

     不景気の中にあっても、砲弾が飛んでこない。テロの危険もない。電気と水道がきちんと供給されている。今晩、食べるものがある。嬉しいこと、喜ばしいこと。 曽野綾子「90歳、こんなに長生きするなんて。」、2021.9発行。人生の最後の時に、必要なのは「納得」と「断念」。はい、「感謝」と「喜び」、「納得」と「断念」ですね!

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    2022年04月18日
  • 至福の境地

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    ネタバレ

     曽野綾子「至福の境地」2006.6文庫(2002.6刊行)。①老化対策、園芸、麻雀、ダンス、色々あるけど、一番は家事をやること(同感です) ②学内の暴力には、退職後の自衛官、警察官に期待(同感です)③入学式の国旗・国歌は常識(同感です)④演説は人を感動させる内容を語れ(そのような機会があればw、そう努力します)⑤老人になると健康保持を最大の仕事にしている人はどこにでもいる。健康は傍迷惑でないという点で素晴らしい。しかし、できれば片手間でそれができたらもっと粋なのである。(最大の仕事にはしていないつもりですが、片手間でもないです。無粋かもw)

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    2022年01月03日
  • ひとりなら、それでいいじゃない。

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     1931年生、曽野綾子「ひとるなら、それでいいじゃない。」、2021.3発行。印象に残った言葉は: ①片づけは人生後半の楽しみ。棚一段整理すると今日の仕事は終わり ②三浦朱門は最期に9日間入院しただけで91歳の生涯を終えた。人間の生活に幕引きがあるのは、万人に等しく訪れる疲労があるから ③「あなたの体は、使える限り使ってもういつ捨てても惜しくない体だよ」長年かかりつけのマッサージ師の女性の言 ④一つの屋根の下で生きる命は動物も虫もすべて運命共同体 ⑤あと数年、どうやら人間らしく生き続けられればいい。

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    2021年06月08日
  • 人間の基本(新潮新書)

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    ●本書は、やや決め付け的かつ説教的な表現が多いので、取分け若者には賛否両論あると思います。これは、著者の自信の表れと思います。しかし、読んでみると、共感する事も沢山あります。
    ●例を上げると、❰主張①❱多数に従うのは自分の個性を失うことではなく、他の存在を認めること。 ▶私の意見①;私は若かりし頃、会議の場で自説に拘った発言を繰り返しました。その時、私の尊敬する人が私の発言に一定の理解を示した上で、多数の意見を尊重すべきだと諭され、バランス感覚の重要性を認識しました。 ❰主張②❱年長者が年下の者に、様々な話をする事で世間の機微を伝えていくのは、人間社会にとって大事な事。 ▶私の意見②;

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    2021年08月01日
  • 新装版 幸福の王子

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    幸福とは何かを伝える本。
    物語形式になっており、とても読みやすい。
    聖人の話のみたいで宗教色が感じられるけど、その境地に立てたらとても幸せなんだろうと思えた。
    幸福を考えたい人にオススメです。

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    2020年11月22日
  • 死学のすすめ - 死はおそれるものではなく学ぶもの -

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    キリスト教をからめた
    生と死の問題について
    曽野先生はやはり 凛としたものを
    お持ちだと思います
    私はキリスト教者ではありませんが
    常に死を思う メメントモリ という
    警句は 非常に心近しいものを感じますので
    心に刻んで生きていきたいと思う本でした

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    2020年06月08日
  • 雪あかり 曽野綾子初期作品集

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    「鸚哥とクリスマス」
    善人でございといった顔をして
    敗戦後の日本をのうのうと生き延びている人々
    ラジカルで感じやすい若者たちに言わせれば
    それはよほどの悪党か
    鈍感な馬鹿ですと自己紹介してるようなものだった
    そんなアプレゲールの時代に
    そういう許婚を持ったことが耐えられない
    しかも相手が本当の善人であるだけに、なかなかそれを言い出せず
    婚約の解消も延ばし延ばしになっていた
    そういうお嬢さんの話である

    「遠来の客たち」
    箱根のホテルで、米軍関係者を案内する仕事に携わっており
    英語が上手いので重宝がられているお嬢さん
    彼女は、性格の優しい軍医に好意を持っていたが
    粗暴で理不尽なところもある隊長に

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    2019年11月30日
  • 人間の基本(新潮新書)

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    ピースするなとか、ナイフをもたないと人間としてなってないとか、やりすぎな主張も多かったが、参考になる考えはたくさんあった。
    人間の基本は非常時やライフラインがないところでも、いかに工夫して生きられるかということか。戦後の恵まれた環境で生きたことしかない人には酷な意見な気もする。
    他人は自分を理解してくれないという覚悟、ダグダー、善悪の間に人間の性質がある、他人を信じるな自分も信じるな、昨日のことを今日の眼でみない、自由というものは義務を果たしてこそ自由、は覚えておきたい。

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    2019年11月26日
  • 老いの才覚

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    2012/3/20高齢者予備軍である自分にとって、あるべき理想の形を明快に書いていただいた本。性悪説、くれない指数、老年の仕事は孤独に耐えること、「折衷」を許し合える夫婦等が印象に残りました。★4

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    2019年09月02日
  • 夫の後始末

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    長年連れ添った夫婦の最後の日。それを予感した時どう感じたか、どう行動したか、その日を超えてどうしたか、それらが、かなり冷静な視点からつづられています。
    曽野さんらしい本だなぁと思いました。
    これから直面することになるであろう介護と看取り。そのための心の準備には最適な本です。
    自分ならどうするか、どうなるか、考えさせられる本でした。

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    2019年01月15日
  • 老いの才覚

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    曽野綾子氏の著書にしては語り口が丁寧で、雑誌に連載されているエッセイのような皮肉めいた強烈な批判がなかったように思うが、日頃から述べられている意見の中から老人に関する点に焦点を当て、わかりやすく論述している。私は無宗教なので、宗教に対する意見が異なることを除けば、著者の意見には全く同意できる。利己的でわがままな人たちがいなくなるよう、教育を改めていくべきなのだろう。外国からの日本人に対する評価は、今より戦前の方がずっと高かったと思われる。したがって、戦前のような、日本人の心としてのつつましやかさや、人や自然に対する敬意と感謝、奉仕の精神をはじめ、大和魂に代表される、長い歴史に培われた純粋でさわ

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    2018年11月14日
  • ある神話の背景 沖縄・渡嘉敷島の集団自決

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    「生贄の島」に続いて1971年に発表された曽野綾子氏の渾身の沖縄ルポですが、今回は渡嘉敷島で起きた集団自決は、果たして定説通り赤松大尉の命令だったのかという真相に迫る内容です。

    著者は赤松犯人説の根拠となる残された資料に当たるうちに、不思議なことに気づきます。

    根拠の資料とされる3種類の文献の肝心なところの描写が一言一句同じだという奇妙さに。

    ここから、作家としての勘を働かせながら、残された当時の文献と当事者たちに話を聞いていく。

    真相に迫ろうとするこの過程もスリリングで面白いので、是非読んでほしいのですが、最終的には筆者は白黒どちらかという判断を避けています、いや正確に言えば、判断で

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    2018年09月19日