【感想・ネタバレ】人間の基本(新潮新書)のレビュー

あらすじ

人生を無駄にしないために必要な足場、それが人間の基本である。末端ばかりを大切にする時代にあって、それがなければ、周りに流され、やがては自分を失い、死んでしまうこともある。ルールより常識を、附和雷同は道を閉ざす、運に向き合う訓練を……常時にも、非常時にも、どんな時代でも生き抜くために、確かな人生哲学と豊かな見聞をもとに語りつくす全八章。

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Posted by ブクログ

人生を無駄にしないために必要な足場。それが人間の基本であると言っています。

本書の最後のことば 「常時ばかりではなく、非常時にも対応できる人間であるために、その基本となるのは一人ひとりの人生体験しかありません。強烈で濃厚で濃密な体験、それを支える道徳という名の人間性の基本、やはりそれらがその人間を作り上げるのです。」が結論かとおもいます。

気になった言葉は次です。

・私はある皮肉な外国人が「人は皆、その年齢ほどに見える」と言った言葉が好きなんです。つまり年を取れば、人は誰も体験がふえ、精神の内容も豊かにある。ということです。
・足場というか、基本というのは、実に大切なものです。それがないと流されます。流されれば、自分を失いますし、死んでしまうこともあります。
・理想というものは、自分自身の生活と体験によってしかがっちり捕まえることはできませんし、知識だけで人生を渡って行くことは無理な話です。それがわからないと、現実感覚まで狂い始めるでしょう。
・粗末に扱われているものからは、臭気がするんです。
・どんな状況でも自分の頭で考え、想像し、工夫して生きることが人間の基本だと私はずっと思ってきました。
・戦後、日教組が「人間はみな平等」というおかしな平等意識を作り上げましたが、先生と生徒は決して平等ではありません。
・そもそも人間は、「他人は自分を理解してくれない」という覚悟の上に、長い人生を立てていかなくてはならないのです。
・日本の教育は、この「あなた自身の頭で考える」という部分が抜け落ちてしまっているようです。
・人間も世の中も中心となる軸、芯がしっかりしないと、そこから外れているという意識もなくなっていきます。
・世の中の常識というものは、自分があるからこそ認められるのです。自分と常識とが違っていることを十分にわかっているからこそそれに従える。大勢の人が育ことだから価値があって正しいと考えるのは間違っています。
・自分自身の価値観や好みを隠して他人に迎合することに慣れてしまうと、いつまでたっても人として芽が出ないばかりでなく、抑圧された欲望が、奇怪な人間の性格を生むことになります。
・ルールという表面的なことにとらわれると自由を失いますし、なぜそういうことをするかと、尋ねられても、人を納得させる返事はできません。・
・人間の基本から叩いて叩き潰してから、人間としてスタートさせる。それこそが教育を与えられる強みだろうと思いますし、そうでないと修羅場を乗り越える力も、それより以前に、自分で物事を考える習慣も身につきません。
・自分の持って生まれたものが、その目標に適しているかどうか、何より本人が早いうちに気づかなければならないんですけどね。
・労働というのは、プロとアマの2つにはっきりと分けられます。アマは、労働時間でもって労賃を得る人のことで、プロというのは、時間と全く関係がない働き方です。本当のプロの仕事というのは趣味娯楽の領域にあるものだと私は思っています。
・酔狂とは、前後左右も見境いなく、ひたすら、惚れた相手に愚かしく入れあげることですから。
・私はむしろ、へそ曲がりをしていれば食える、と考えるほうです。とにかく、人がいかない方向を選ぶ、他人がやりたがらないことをすれば少しは自分の生きる道があるかもしれない、ということです。
・ユーモアとは人間の真実をとらえた瞬間の笑いであって、人間はあまりに本当のことを言われるとつい笑ってしまうものです。
・真実を見る、というのはまず自分をきっちり見ることです。自分を見つめていればこそユーモアが生まれるのに、そうならないのは幼稚な証拠、つまり真実を見抜く力もないし、人間というものに対するごく一般的な恐れや同感のない証拠です。
・戦後教育は、「生」を唱えるばかりで、人間の「老・病・死」をしっかり見つめることを教えてきませんでした。
・延命ではなく、最後の希望をかなえてあげるのが人間の幸せだと考えていることに、私は心の底から感動しました。
・生きて行く上で困難がない人生なんて、多分この世にはないでしょうから。その困難の中から、生き方を発見し、その困難の意味を見つけるという過程を体験したことは、私にも何度もあります。
・私自身が年を取ってからますますはっきりと、非常時には老いた人間から使い捨てる、広い意味でのトリアージがあっていいとおもうになりました。
・もともと私は自分も他人も信用していないんです。
・人間は、自分が生まれた場所と時間を変えることも、過去まで遡って運命や歴史を変えることもできません。

目次は、以下のとおりです。

はじめに

第1章 人間本来の想像力とは
第2章 「乗り越える力」をつける教育
第3章 ルールより人としての常識
第4章 すべてのことに両面がある
第5章 プロの仕事は道楽と酔狂
第6章 ほんとうの教養
第7章 老・病・死を見すえる
第8章 「人間の基本」に立ち返る

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2022年09月05日

Posted by ブクログ

曽野綾子さん、82歳・・・って思ってなかった!
年齢としてはお婆ちゃんなんだけども、なんだか若々しいイメージがあった。

曽野さんの論説や対談は好きで、この「人間の基本」も再読。
ご自身の経験から、人生における様々な要点について曽野なりの視点でズバリと解説されている。
所によっては、何だか怒られているような気持ちにもなるけども、やはり、曽野さんの正しさをの感覚に触れるのは気持ちがいい。

ユーモアに溢れ、人間にとっての芯を持った方の素敵な本。
話の所々にいろいろな運命が潜んでいるのを感じることができる。

「そもそも相手の中のなにかを批判するときは、翻って自分の中にも同じものが含まれていることを理解する必要があるのです。それが自分を笑いものにできるユーモアに通じるんですから。」
「教養はもしかするとその人間の肝の据わり方だともいえます。他人にどう思われようと、自分は自分なのだという強烈な個を備えながら、大切なことを静かに語れる。人間総体としての教養と魅力を言うもの 」

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【内容(「BOOK」データベースより)】
人生を無駄にしないために必要な足場、それが人間の基本である。末端ばかりを大切にする時代にあって、それがなければ、周りに流され、やがては自分を失い、死んでしまうこともある。ルールより常識を、附和雷同は道を閉ざす、運に向き合う訓練を…常時にも、非常時にも、どんな時代でも生き抜くために、確かな人生哲学と豊かな見聞をもとに語りつくす全八章。
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第1章 人間本来の想像力とは
第2章 「乗り越える力」をつける教育
第3章 ルールより人としての常識
第4章 すべてのことに両面がある
第5章 プロの仕事は道楽と酔狂
第6章 ほんとうの教養
第7章 老・病・死を見すえる
第8章 「人間の基本」に立ち返る
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2013年10月30日

Posted by ブクログ

視点が時にラディカルに感じられるのは、それだけ著者が生きた時代と現代が違う様相を呈しているからだろう。

著者のアイデアとして紹介されている一年間の国民総動員奉仕活動は、聞こえ方は徴兵制のようで反発を呼びそうだけれど、ドイツでは似たような制度が有ると以前友人から聞いた。すぐに大学受験戦争に突入するよりは、そういった機会がある方がよっぽど学生も「考えて決める」人間になるのではないか。「他に与える」成果を若者に経験させる必要性は確かに有ると思う。

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2013年02月25日

Posted by ブクログ

ぜひ、読んで欲しい本です。
きっと、いろんなヒントがつかめると思います。ルールより人としての常識を考えるーdo-gooder いいところを見せびらかす人には、なりたくないと思いました。

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2013年02月10日

Posted by ブクログ

■マインド

A.知識というものは方向性を持たせて集約しないと、あまり役に立たない。

B.人間は「他人は自分を理解してくれない」という覚悟の上に、長い人生を立てていかなくてはならない。

C.悪い状況、もっと言えば修羅場を経験する意味というのは、肉体や筋肉と同じように精神に負担かをかけることにある

D.自由というものは義務を果たしてこそあるもの。

E.アマは労働時間をもって労賃を得、プロは時間と全く関係ない軸での働き方である。

F.他人より面白い人生を送るとするならば、危険を冒すこと。

G.「喜べ」とは、物事の見方を意識して変えること。
この世はオール・オア・ナッシングではないのだから、どんな悲惨の中にあっても一脈の希望の光明は見つけられるし、一方で、どんなに順調と思える時でもひっくり返される脅威は常にある。

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2013年01月06日

Posted by ブクログ

現代の日本人は物事を自分の頭で考えなくなった、ネットで検索して答えを見つけるようになった、情報が溢れ実体験しなくなった等々、人間の基本が弱体化していると警告を鳴らす著者の考えは、納得出来るものばかりだった。著者の体験をもベースに書かれているので、説得力もある。充実の一冊でした。

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2012年09月04日

Posted by ブクログ

現代の日本社会への批判の本だ。今のニッポンは、甘ったれすぎ!過保護すぎ!他人任せすぎ!もっとしっかりせい!という説教だな。だが私にとっては共感するところが多かった。世間の言説をそのまま受け入れるのではなく、もっと自分の頭使って自分で考えろと。

100%の善人もいなければ100%の悪人もいない。誰もがその中間にいる。なんでも善か悪かに二分する考え方は幼稚すぎ。

ふむふむ。おもしろいわい。著者はかなり年上だけど。

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2012年09月02日

Posted by ブクログ

●本書は、やや決め付け的かつ説教的な表現が多いので、取分け若者には賛否両論あると思います。これは、著者の自信の表れと思います。しかし、読んでみると、共感する事も沢山あります。
●例を上げると、❰主張①❱多数に従うのは自分の個性を失うことではなく、他の存在を認めること。 ▶私の意見①;私は若かりし頃、会議の場で自説に拘った発言を繰り返しました。その時、私の尊敬する人が私の発言に一定の理解を示した上で、多数の意見を尊重すべきだと諭され、バランス感覚の重要性を認識しました。 ❰主張②❱年長者が年下の者に、様々な話をする事で世間の機微を伝えていくのは、人間社会にとって大事な事。 ▶私の意見②;私は会社勤めの時に良き先輩と上司に恵まれました。人を思いやる心、特に弱い立場の人への配慮。感謝の気持ち、自分一人では何も出来ない・・等、です。最後に、受け入れられない筆者の主張を書きます。❰主張③❱月に一冊の本も読まないのでは、近い将来、馬鹿みたいな老人になることは目に見えています。 ▶私の意見③;読書は人間形成に必要と考えています。しかし、経験も大切と思います。従って、主張③は多様性を認めない表現で納得出来ません。
●但し、冒頭に書きましたように、経験に裏打ちされた、含蓄に富む内容も多々あるので、一読の価値はあります。

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2021年08月01日

Posted by ブクログ

ピースするなとか、ナイフをもたないと人間としてなってないとか、やりすぎな主張も多かったが、参考になる考えはたくさんあった。
人間の基本は非常時やライフラインがないところでも、いかに工夫して生きられるかということか。戦後の恵まれた環境で生きたことしかない人には酷な意見な気もする。
他人は自分を理解してくれないという覚悟、ダグダー、善悪の間に人間の性質がある、他人を信じるな自分も信じるな、昨日のことを今日の眼でみない、自由というものは義務を果たしてこそ自由、は覚えておきたい。

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2019年11月26日

Posted by ブクログ

著者が残り少ない人生の中で、残したいメッセージの一部だと感じ伝わってきました。ありがたい内容であり、教育として受け継いでいくべきものだと思います。少し突っ込み過ぎの内容もありましたが枝葉であり、幹としては良書だと思います。

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2015年01月03日

Posted by ブクログ

人間には両面性がありどちらも受け入れて生きて行くことが、必要。

結論として強い主張があるわけではないが、著者の考え方はよくわかった。

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2013年10月07日

Posted by ブクログ

若輩者の私には、理屈はわかるが感情的にはわかりたくない老人の戯言としか思えない部分も多かった。年をとって読み返せばもっと素直に受け入れられる気がする。しっかりした自分を持って、自分で考えて生きていく事や、人間は神でも悪魔でもないので絶対的な悪人も善人もいない、といったことは心に残った。

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2013年02月03日

Posted by ブクログ

女性の人生訓的な本は、歯切れが良くて
とても良いのだけど。
なんだか、育ちの良さが出ているバックグラウンドが
感じられてしまってね。

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2012年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者の人間味のある語り口がまさしく「人間の基本」なのかと感じた。
最後の
「常時ばかりではなく、非常時にも対応できる人間であるために、その基本となるのは一人ひとりの人生体験しかありません。強烈で濃厚で濃密な体験、それを支える道徳という名の人間性の基本、やはりそれらがその人間を作り上げるのです。」
最後まで読むと言わんとしていることが良く伝わってくる。

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2012年11月02日

Posted by ブクログ

面と向かって言われたらグサグサと突き刺さりそうな言葉が多いけれど、それだけ説得力のある書き方だから読んでいて気持ちがいい。「宇宙の法則が...」とか言われる自己啓発書よりかはよっぽど好きだ。

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2012年10月21日

Posted by ブクログ

人間の基本とは、どのような状況でも自ら考え、想像し、工夫していきることであるという主張に賛同を覚えた。自分の同じことを考えていると思いつつ、本を読み進めたが、筆者は更に上位レベルで物事を考えていることに気が付かされた。

特に身にしみたのは、人間という本質を的確に捉えていることである。
人は親切に、優しく、礼儀正しく生きてくべきという教育や躾を通して大人になる。しかし、あるとき、自分の裏の面に気が付き嫌悪感を覚え、自分はまだまだな人間だという劣等感に苛まされることがある。
だが、筆者は人間は表もあれば裏もある、それを含めてすべて人間であると主張している点に、安心感を覚える。
様々なボランティア活動を実践して実績を出している筆者だけに、妙に説得力がある。

自分の置かれた状況を今の自分の目だけで見るのではなく、遠目で、日本という枠を外して、時代を戻して見た時に、本当はどのような状況にあるのか?日本の中で生活していることはどういうことなのか?をもう一度考えてみたくなる。その中で、何が真実なのかをもう一度考えさせる本だと思う。

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2012年10月02日

Posted by ブクログ

たまに大量に購入して街頭で配りたくなるほど読んで欲しくなるような本と出逢うことがある。本書はそういう本。
養老孟司ふうに言うとすれば、つべこべ言わずに読んでみろ、と。

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2012年09月24日

Posted by ブクログ

人間性を考え直す本。世の中に平等なんてないし、表裏のない人間もいない。だから決めつけない。ありのままで、自分を認めて、そこからどうするかを考える。人間の基本について考えさせられるいい本でした。

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2012年09月01日

Posted by ブクログ

曽野綾子氏の文章は初めて読んだが、その印象は、しっかりとした芯のあるおばあ様といった感じで、明瞭な言葉の数々には押し付けがましさはなく、むしろ「洗練」という言葉が適切に思う。

『日本の自殺』(文春新書)で指摘されている、文明の内部崩壊のプロセスと共通する内容もあり興味深く思ったが、簡単に言えばその基本にあるのは「これからの日本人に対する憂い」である。

混沌のない世の中など蒸留水みたいで魚も飼えない、という曽野氏の言葉はまさにその通りで、混沌は恐れるものではなく、人生を豊かにする楽しみだ。
混沌を楽しめるか否か。憂いに対する答えの一つはそこにある。

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2013年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人が生きていく上で大切なものは何かと言う事を書いた本。
なるほど、便利な社会になればなるほど人は生存本能を退化させることになる。確かに、インターネットの検索ボタン一つで得られた情報でそれが分かった気になる。それも怖い。
以前、食品の賞味期限が話題になった事がありますが、情報に踊らされるのではなく、自分の舌で感じる事も必要かなと。それもまた、人の生存本能を奪ってい気がする。先進国よりも発展途上国の方が幸福度が高いと言うのも分かる気がします。

関係ないかもしれないけど日本人が温泉が好きな理由って、一番自然な姿で自然に帰る事が出来るからじゃないかなと思ったりして。本能にもリラックスは必要。

幸福の絶頂でも、絶望のどん底でも運はゼロではないと言う考え方。素敵です。ちょっと極端な考え方もあるけど、気づきの多い本でした。

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2014年01月18日

Posted by ブクログ

北さんの推薦本。
本作で述べられている事柄は、作者の、圧倒的な人生経験(戦争経験、僻地の貧困体験等)から述べられている。(驚くべき行動力だと思う)
ために、心に響くべきだと思うのだが、案外、反発する所が多くあった自分に驚いた。

つまるところ、「個」の重視と「公」の重視について、色々な観点から述べられているとのだと思うが、作者の言うところの、オールオアナッシングではないということだろうか。
答えを求めて読書してはいけない。自分の頭で考えろ。ということだろうか。

以下、どきっとした文章の引用
作文は、自分が、何をどう感じ取ったかを書く訓練ですから、それに対して他人がどう思うかという葛藤なり、衝突なりが伴います。それで誉められることもあれば、貶められたり、馬鹿にされたりもするわけですが、他者を通した結果を受け止めることで、自分を見つめることができる胆力も鍛えられます。作文能力、表現力というのは、一種の武器なんですよ。武道と同じように。

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2017年05月16日

Posted by ブクログ

曽野綾子さんの本は、

自らの人生について考える上で、

将来のことを考える上で、

更には自分のこれからの時間の使い方を考える上で

非常に参考になる点が多いです。

これも勉強になった1冊でした。

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2016年03月28日

Posted by ブクログ

人間は誰でも善と悪、生と死の両面を持っていて否定するのではなく、それを認めて生きて行くという事を当たり前として考えている様な哲学的な本の様な感じ。

作者のバッサリ切り捨てる様な感じの中に、そうなんだと納得出来るところもあった。

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2013年10月18日

Posted by ブクログ

いざという時に、どう対処できるかで人の大きさは決まる。
そのために持つべき、考えるべき、人としての基本を全8章に亘って綴る。

書かれた内容には概ね納得できる。
日頃からこのようなことを考えているかいないかで、
いざという時の対応には雲泥の差が出るのは頭で考えても分かる。

しかし、個人でその域に達するのはやはり限界があると感じる。
改めて、教育の果たす重要性を感じるとともに、
その転換点に今来ているのだとも感じた。

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2013年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

正直なところ、曽野さんの本は苦手な部類に入ります。基本的に人生論や哲学などの人文系は好きな分野なのですが、なぜなんだろう。

本書もそうですが、氏の著作に書かれている内容は、きれいごとや建前を排して、人間の本音ともいうべき欲望と、それでも人が生きていくにはどうするか、という根源的な投げかけに満ちています。一つ一つに対して、なるほどと思いつつ、どうしても最終的に心の奥のほうに落ちてこない感覚がある。

おそらくですが、飾りを剥ぎ取られ、本質を突きつけてくるその文体に、自分の中で、現実的な人間くささを実感できないからなのだと思います。このような本音で迫る生き方を自分はしていないし、またそういう人にも直接的に会ったことがおそらくない。

曽野さんには講演会なども含めて、お会いしたことがありませんが、逆にいえば、生の声を聞くと、本当の意味で目から鱗という体験ができるかもしれない、と思ったりもします。

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2013年07月01日

Posted by ブクログ

自分にも他人にも厳しい曽野女史による、例によって言いたい放題な本。「本当の貧乏とは、今晩食べる米がないこと」「いちばん幸せなのは、小金を持った庶民」など、いつもの主張が小気味よく響いている。

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2013年04月20日

Posted by ブクログ

自分の足で立ち、いざというときに冷静に対処できる。知識だけでなく人生を幅広く体験しておく。平等、公正はそもそも存在しない。それを当たり前と捉える。

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2012年11月23日

Posted by ブクログ

人を見下したような文体や一方的な決めつけにイラッとしたけど、なるほどなと感じる部分もあったので星3つで!

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2012年10月06日

Posted by ブクログ

人生を無駄にしない為に足場が必要であると著者は語る。末端ばかりを大切にする時代では、足場がなければ、周りに流されやがて自分を失う。
生きること、動物的本能を優先させて食べる。生への執念の存在させ感じされないほど餌が補給されるとその環境に甘えるようになる。人生はいいことばかりでない。その環境に生き抜く力が必要

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2012年09月30日

Posted by ブクログ

ちきりんの「自分の頭で考えよう」と重なる点あり。
作られたルールなんかが急に機能不全に陥った時、人間の基本に立ち返って、自分で考えて答えん出すことはみんな出来た筈なのに戦後の日本教育がそれをダメにしてしまったと。耳が痛いけど、痛いと思えるなら、まだ救いあり。

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2012年09月03日

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