【感想・ネタバレ】人間の基本(新潮新書)のレビュー

あらすじ

人生を無駄にしないために必要な足場、それが人間の基本である。末端ばかりを大切にする時代にあって、それがなければ、周りに流され、やがては自分を失い、死んでしまうこともある。ルールより常識を、附和雷同は道を閉ざす、運に向き合う訓練を……常時にも、非常時にも、どんな時代でも生き抜くために、確かな人生哲学と豊かな見聞をもとに語りつくす全八章。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者の人間味のある語り口がまさしく「人間の基本」なのかと感じた。
最後の
「常時ばかりではなく、非常時にも対応できる人間であるために、その基本となるのは一人ひとりの人生体験しかありません。強烈で濃厚で濃密な体験、それを支える道徳という名の人間性の基本、やはりそれらがその人間を作り上げるのです。」
最後まで読むと言わんとしていることが良く伝わってくる。

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2012年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人が生きていく上で大切なものは何かと言う事を書いた本。
なるほど、便利な社会になればなるほど人は生存本能を退化させることになる。確かに、インターネットの検索ボタン一つで得られた情報でそれが分かった気になる。それも怖い。
以前、食品の賞味期限が話題になった事がありますが、情報に踊らされるのではなく、自分の舌で感じる事も必要かなと。それもまた、人の生存本能を奪ってい気がする。先進国よりも発展途上国の方が幸福度が高いと言うのも分かる気がします。

関係ないかもしれないけど日本人が温泉が好きな理由って、一番自然な姿で自然に帰る事が出来るからじゃないかなと思ったりして。本能にもリラックスは必要。

幸福の絶頂でも、絶望のどん底でも運はゼロではないと言う考え方。素敵です。ちょっと極端な考え方もあるけど、気づきの多い本でした。

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2014年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

正直なところ、曽野さんの本は苦手な部類に入ります。基本的に人生論や哲学などの人文系は好きな分野なのですが、なぜなんだろう。

本書もそうですが、氏の著作に書かれている内容は、きれいごとや建前を排して、人間の本音ともいうべき欲望と、それでも人が生きていくにはどうするか、という根源的な投げかけに満ちています。一つ一つに対して、なるほどと思いつつ、どうしても最終的に心の奥のほうに落ちてこない感覚がある。

おそらくですが、飾りを剥ぎ取られ、本質を突きつけてくるその文体に、自分の中で、現実的な人間くささを実感できないからなのだと思います。このような本音で迫る生き方を自分はしていないし、またそういう人にも直接的に会ったことがおそらくない。

曽野さんには講演会なども含めて、お会いしたことがありませんが、逆にいえば、生の声を聞くと、本当の意味で目から鱗という体験ができるかもしれない、と思ったりもします。

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2013年07月01日

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