曽野綾子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文章の書き方が古風?なのかスーッと頭に入ってこなくて読むの大変だった
でも年の功といいますか、肝に免じて置かないとなあと思う教訓が度々出てきて、今もフレーズのメモを見返して引き締まる思いです
『さらにむずかしいのは、過不足なく自分を表す、ということである。私はうまく喋れません、とか、手紙の文章がうまく書けません、という人は、自分を必要以上に、よく見せたいと思うからなのである』
『人間嫌いには二種類ある、ということがわかったのは、ずっと後になってからである。一つは要するに自己中心的で、他人に興味がない場合である。その場合、他人は、風景や、道具や、或る社会的システムの一部品とみなされ、自分にと -
Posted by ブクログ
ネタバレ作家の曽野綾子さんが、ご主人であり作家であった三浦朱門さんを自宅で介護し最後まで看取った話。
自分の母、夫の両親も自宅で看取ったことを淡々と書かれていて、すごいなと思った。
でも、自分で背負い込むというのではなく、秘訣はいかに手抜きをするかを考えて動くこと。あとは多少のいじわるは許されること(呼ばれてもすぐに行かない等)。
人間の臨終を楽にする方法
1.胃瘻…終わりの見えない戦いを始めることになる
2.気管切開…最後に家族と語る機能を失う
3.多量の点滴による延命…痰は増えるし苦しませるだけ
この3つはやってはいけないらしい。
肝に銘じておく。
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Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。裕福ながら冷めた老夫婦、戦争の思い出話をする老人が多く、細やかな心理描写はあるものの大きな展開がないので段々どれも似たような話に思えてきてしまい最後は少し飽きた。一つ一つの話自体の繊細さ、余韻はすごいと思うのだけど。一日一篇くらいで読むのがいい小説だったかもしれない。
世代がかなり離れている上に自分は貧乏育ちだったので、作中の裕福な家庭の戦後の暮らしや上品なお付き合い、差し挟まれる古典教養はなんだかおとぎ話みたいにふわふわして見える。話の中に灰汁のように浮かんでくる人間の欲や嫌らしさはとても生々しいのに乖離した感じがまったく無いのは、やはり作者自身の育ちの良さに裏打ちされた設定だから -
Posted by ブクログ
『真善美』
勇気、真、自由
は、結びついている。
著者は小説家であり、日本財団会長、日本郵政取締役を務めた人。アフリカに何度も訪れており、今の日本を、そして日本人を俯瞰して見ている気がする。
『私はいつも難民のことを考えます。住む家もお金もすべてを失い、子どもを連れて追い立てられ、それでも耐えてきた人もたくさんいる』
自分の日常を大事にしながら、理想論だけでは片付けられない、この世界の片隅にいつも目を向けている人。
すごーくわかる。
体感して、実体験があるからこその言葉で。
アフリカ、難民、生まれながらにして人は平等ではない。
選ばずにいる状況下の人が沢山いる。
自分以外に、自分以上