中野好夫のレビュー一覧

  • アラビアン・ナイト 下

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    全体的に、幸せな結婚してハッピーエンドが多い印象だった。
    ・ヘビの妖精と二ひきの黒犬
    姉2人が中々困った人たち
    ・シナの王女
    1番好きな話かも。似たもの同士の王子と王女が結ばれる
    ・魔法の馬
    皇帝(サルタン)に王子が「まず相手の気持ちを聞いてみることだな」と言うのが痛快! 強引な人が多くてw
    ・ものいう鳥
    兄2人が結構失敗する。モーセも城から流された子だったような
    ・アリ・ババと四十人の盗賊
    モルジアーナが有能すぎる! 四十人の盗賊はあっさり片付けられた。
    ・漁師と魔物
    漁師と魔物のやりとりで笑った。途中から漁師差し置いて哀れな王たちが主人公になるとは

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    2025年09月18日
  • アラビアン・ナイト 上

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    意外と読んだことなかったシンドバッドの航海やアラジンと魔法のランプを読めた!
    ペルシア王と海の王女、ベーデル王とジャウワーラ姫は初めて知った。
    基本的に全部ハッピーエンド。
    シンドバッドは仲間が食べられたり奴隷にされたり波瀾万丈すぎる。それでも航海に出てしまうのは運命なのかな。
    普段は質素倹約して、ここぞという所でランプを使用するアラジンかっこよかった。
    海の王女とか海の王国がちょくちょく出てくる、海が好きなのかな?
    人は行いで決まるって言ってたベーデル王かっこいいと思ったけど、ジャウワーラ姫のことは許すんだねw

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    2025年09月13日
  • 不思議な少年

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    トウェインの晩年のペシミズムの代表作。

    サタンと名乗る美少年(彼は天使だという)が村に現れ、人間の文明の軌跡やその愚かさを嘲笑い明らかにする。

    善悪とはという問いを起点に、
    幸せとは、運命とは、人間とは何なのかという問いに繋がっていく。
    サタンが魅せる人間の愚かさのいくつかの描写や緊迫感が見事で、物語に引き込まれた。

    いろんな問いがある中で一番刺さったのは、サタンが良心を語るシーン。

    人間は良心なんてもので善を選択しているつもりになっているが、カインとアベルから始まり人間の歴史は戦争と殺戮の歴史じゃないか。
    ほとんど間違った選択をしている中で正義を振り翳して生きていて、それで得をしてい

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    2025年09月07日
  • 長い長いお医者さんの話

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    ほとんど全部お医者さんがしゃべっていたので魔法使いがかわいそうだと思いました。あと、お医者さんが色々なことを知っていてびっくりしました。

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    2025年09月01日
  • ヴェニスの商人

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    名前は知っててもストーリーを知らない作品。
    ユダヤ人の印象が悪い作品であることはなんとなく知ってはいたが。まあまあ面白かったかなあ。

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    2025年07月16日
  • 人間とは何か

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    あの『トムソーヤの冒険』で知られるマーク・トウェインがこういう本を出していることを知らなかった。内容としては、「人間は自身の心の満足感のために行動する機械である」ということ。読書会や雑談会を開催するときもある程度主催の機嫌によって左右されるので理解できる。創造も外部の影響から練られたものというのも、日本が特に文化や二次創作の発展に強いこともあって腑に落ちやすい。自由意志も精神的欲求による働きでしかなく、金や物自体ではなくそこから得られるものを求めているのも積読・積みゲーが増える理由なのかもしれない。

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    2024年11月13日
  • 人間とは何か

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    老人と青年の対話調で綴られた、「人間とは外からの力に反応して作用するだけの機械である」という主張を説明する内容だった。

    言い換えると、「すべて人間は、自らの経験学習と気質に従って、自らの精神的満足を充足するための選択をする」ということが主旨だった。

    そのため、自由意志などや自己犠牲などは存在せず、一見すると当人にとって損な善行や苦行も、結局は「そうしなければ別の精神的な不満足によって耐えられない」という天秤で選択された行いになる。

    相手を小馬鹿にしたような語り口調と、説得に際し用いられる古い事例は少し読みづらいが、一貫した主張は明確に読み取ることができる。

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    2023年12月11日
  • 黒猫・モルグ街の殺人事件 他五篇

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    ほとんどの作品は別の本で読んだことがあるのですが、『天邪鬼』は初めてでした。
    やっちゃいけないけど、やりたくなるみたいなことって本当にありますよね。ただ、それが悪い方向に転がると…という作品でした。

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    2023年12月11日
  • ヴェニスの商人

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    ネタバレ

    悲劇だと思って読んでたら喜劇でびっくりした。シェイクスピアは喜劇→悲劇と作風を変えているらしい。
    極悪金貸しユダヤ人のシャイロックによって、相対的にキリスト教とアントーニオが好印象となっている。アントーニオは友人のために身を差し出すため好印象だが、キリスト教もバッサーニオも作中ではいまいちパッとしない。シャイロックが強烈すぎるのだ。
    演劇のおもしろいところは、監督、俳優による解釈がなされて上演されるところである。シャイロックの解釈が秀逸であれば、必ずおもしろい上演になる。

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    2023年05月15日
  • 人間とは何か

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    人間は、外部の刺激に反応する機械のようなものだと、老人が青年に論破する会話劇。生物として人間を観察する視点で、他の動物と大差ない生き物だと論破する痛快さもある。良心や、道徳的行動など、人間だからこそもちえてそうな美德はことごとく動物的行動の結果にすぎないと論破されてしまう。
    一つのものの見方として、さまざまな角度から思考を巡らす時の視点として持っていても良い考え方だと思う。
    あの、トムソーヤを描いた作家というのにも驚かされる。シニカルな視点ももちえた作家だったのですね。人間を冷徹なまでも客観的に観察してきた著者だからこそ、表現できた作品なのだと思った。

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    2022年09月23日
  • 闇の奥

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    「地獄の黙示録」の元ネタとして有名な(?)コンラッドの「闇の奥」。

    いろいろなところで言及されたり、分析されたりすることも多いので、なんとなく知っている気になるが、ここは一応読んでおこうということで。

    なんで、そんな気になったかというと、ここ数年、全体主義について調べているところなのだが、アーレントの「全体主義の起源」の第二部の「帝国主義」のなかで、「闇の奥」についての分析があったからかな?

    という流れなので、読む視点がどうしてもアーレントの読解に引っ張られるわけだが、それにしても、これはなんだかディープな本だった。

    設定としては、マーロウという船乗りが、船が停泊しているなかで、仲間に

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    2022年08月15日
  • ガリヴァ旅行記

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    イメージと違ってゴリゴリの風刺小説だった。
    スウィフトの時代から300年経った今でも人間が理性的な種族なんてはたから見たら言えるわけないよなあと感じた。

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    2022年03月03日
  • 不思議な少年

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    マーク・トウェインってトム・ソーヤーだけの作家ではなかったのね。トム・ソーヤーシリーズは読み通せたことがないけれど、この小説は結構いい。全ては夢だと悟るために一生を費やしたのかという気もするけど。

    サタンの人間に対する無関心さが、まさに天使という感じで気に入ってる。

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    2021年12月26日
  • 人間とは何か

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    ネタバレ

    キリスト教観の中にあっても、“人間は機械である”という一貫とした考えは、キリスト教観から離れている日本人にとっても、スッと入ってくる考えだと思う。

    ただ、読むのは難儀した。

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    2021年10月26日
  • ガリヴァ旅行記

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    幼少期に児童文学で読んだ記憶ではこびとのいるリリパッド小国のみ紹介されていた気がして、他の巨人の国やラピュタやヤフーの世界観は初めての体験。これを児童文学にまで落とし込んだ方も物凄いと思うけれど、完訳版を読むと大人であればあるほど強烈な風刺描写に、こんな物語だったの?と驚かされると思う。
    当時のイギリスの人間や風潮や文化が批判的に表現されていて、世界史を勉強した当時の自分が“当時のイギリス人って野蛮であまり好きになれないな”と感じていたそのものを著者と共感できる部分が多く感じた。

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    2021年05月20日
  • 人間とは何か

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    ・人間を悲観的にみる老人と、それに反発する若者の、人間感に関する考え方のやり合い。
    ・人間機械論。気質と教育により外部からの影響により人は動いたり考える。
    ・人間は自由意思はなく自由選択。
    ・物質的価値と精神的価値の境界線はない。物質的価値などなく、全ては精神的価値。
    例えば自分が欲しいと思ってた帽子を購入したとして、他者に馬鹿にされたらその帽子は被らない、価値がなくなる。
    ・人間は自分から何かを創造することはない、外部環境からの影響のみ受ける。

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    2021年02月27日
  • 人間とは何か

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    暴論的な部分もあるが面白い。一つの考え方として完成している。この考え方をしたら憂鬱になるかと言われたらそうではなくて、気が楽になる。現代における1つの処方箋になると思う。

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    2020年12月18日
  • 不思議な少年

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    サタンの目から見た人間のやることと言ったら、確かにそう、その通り。でもサタンが変えてくれる運命も厳しい。少年たちが見る現実としては大変厳しい物語だった。大人の自分が読んで思うのは、自分以外の人が幸せか不幸かは、その人の一時、ただそれを見ただけでは判断ができないということ。幸せか不幸かは本人しかわからない。ただ、マーク・トウェインが3度も書きながら未完に終わってしまったこの作品との格闘には、「生きる」ということを教えてもらった気がする。しかし、Guardianのコメディー作品は笑えないのが多いなぁ。

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    2020年05月11日
  • 人間とは何か

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    ネタバレ

    この本に登場する人物は2人。1人の青年と1人の老人。物語は、人間について老人が自身の考えを語り、それに対して青年が疑問をぶつけていく形式で進行していく。
    著者マーク・トウェインの死後、本書を読んだ彼の妻がひどく泣いたというエピソードからも理解できるように、本書の内容はそう簡単に受け入れられるものではない。

    以下、内容をあとから想起するため、岩波書店HPから要約文を引用する。
    「人生に幻滅している老人は,青年に向かって,人間の自由意志を否定し,人間は完全に環境に支配されながら自己中心の欲望で動く機械にすぎないことを論証する」

    老人は「人間機械論」を唱え、人間は所詮外部から受けた影響をもとに行

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    2020年02月19日
  • 不思議な少年

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    マーク・トウェインとは思えないほど、重苦しいはなし。
    でも、これからの生き方を変えようと思うほど、考えさせられるものだった。

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    2019年12月10日