中野好夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
中野好夫訳ということで手に取ったわけだがww
アメリカのドラマでは、ミカエル、ガブリエルといった聖書に出てくるような大物の天使たちがよく登場するが、彼らがなぜかだいたい残酷で
人間を理解しようともせず、バカにして、嘲笑っているのはなぜだろうと
正直不思議だったのだが
この作品を読んで、アメリカ人の「残酷な天使観」がマーク・トゥエインの時代からあったのかと、ちょっと新しいことを知った気がした。
しかし、この作品において天使の名前が「サタン」というのはいくらなんでもww
物語の終りはどうなるのだろうと気になっていたが
結局こうした虚無でしかないのかと、なんだかこけた。
トゥエインの抱える現実への厳 -
Posted by ブクログ
“「ところで、以上、僕の言ったことが、どんな印象を、君に与えたか、それは知らない。が、ただ僕として、躊躇なく言えることはね、これだけの証書——つまり、ダミ声と金切声とに関する、これら証言だけからしてもね、もしそれから、正しい演繹さえなされるならばだねえ、今後この事件の捜査の進行に、結構一つの方向を与える手掛りになるだろうことは、請合いなのだ。『正しい演繹』と、僕は言ったろう。だが、僕の言いたい意味は、それだけじゃ十分でない。つまり、僕が言いたいのはね、その演繹とは、唯一の正しい演繹であり、したがって、嫌疑の手掛りというものはね、否が応でも、そこから出て来る唯一の結果としてでなければいけないのだ
-
Posted by ブクログ
それぞれの価値観というか常識が違うってこわい。こんなにも必死なのに伝わらない。
作者は人間に絶望していたのかしら?人間なんて生まれなくても良かった
「『いかにも君たち人間という卑しい連中のやりそうなことなんだな。嘘ばかりついて、ありもしない道徳なんてものをふりかざしたがる。そして、実際はほんとうに道徳をわきまえている、人間以上の動物に対して、道徳知らずなどとけなしつけているんだな。第一、獣はけっして残忍なことなどしやしない。残忍なことをやるのは、良心なんてものを持っている人間だけなんだ。そりゃ獣も他を傷つけることはあるよ。だが、それは無心でやっているんであって、したがって、けっしてそれは悪じ -
Posted by ブクログ
ラオスの田舎町で足止めをくったので宿にあり、たまたま手に取った本。実は、さる尊敬する人が置いていっていたという面白い出会いの本。
「モルグ街の殺人」は世界初の推理小説といわれており、主人公デュパンのキャラクターが実にクール。著者が、一気に読み切れることで恐怖や面白さが増すと主張するだけあって読みやすい。
「何があったかというよりは、今までにない何があったかと考えるべきだ」C・オーギュルト・デュパン
推理小説というものを避けてきた自分が初めて読んだのが、世界初の推理小説とは奇異な出会い。書かれたのが、ペリー来航前だというのだから興味深い。
「猫を殺したから災難にあったというような因果律で -
Posted by ブクログ
「英語で書かれた20世紀のベスト100」に選出されているそうだけど、
これを★4とか5に評価したら
それは見栄を張ることになってしまうので正直に★3。
『地獄の黙示録』がこれを元に作られたとは知らなかった。
なるほど。
さらに『羊をめぐる冒険』が『地獄の黙示録』をもとに書かれ
中に『闇の奥』が出てくるって?
ふーむ。
読んでいて気持ちが暗くなる。
コンラッドの実体験を元にしたと言うのだからなおさらである。
舞台は植民地時代だが、
登場する白人達と今の自分たちには
もしかしたら大きな違いはないのかもしれない。
ちゃんと理解しているか自信は全くないのだけど、
暫くつきあわねばならない本なので