中野好夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ授業のいわゆる課題図書だったため、題名しか知らなかった今作を初めて読んだ
半期、授業を通して、普段自分が読書をする時にはしないレベルで、それぞれの登場人物、台詞、文字に現れている物とその裏といろんなことに関して考えさせられ、学んだと思う
こんなに文学を細かく読み解いたのは初めてだと思う まぁ日本語訳を読んだからこそ可能だったんだろうけど
普段の、英語を日本語に訳して、レポートの為に自分なりに分析するのとは全然違った
内容は当然初めて知ったわけで、こんな話だったのか、と普通に物語は楽しめた
でも同時に、シェイクスピアの表現のせいか、訳し方のせいか、若干取っ付きにくいというか、表現と仲良くなれないなって、通して思ってしまった
特に箱選びのシーンというか、箱の中のメッセージがホントに分からん
勉強不足なんだとは思うけど、何が言いたいのやら・・・
箱選び、人肉裁判、指輪の主軸を通して展開される今作で、個人的にポーシアが一番好き
若いのに知恵もあって、当時ではあり得ない男装もしちゃって、ユーモアもあって、手のひらで旦那を軽く転がしちゃうようなところもある彼女が気に入った
ちょっと態度かわりすぎって思うような感じがしないでもなかったけど、彼女のあの表裏がある感じが、人間らしさをぐっと引き立てていて好き
シャイロックとかランスロットとかも人間臭いのに、主人公であるはずのアントーニオがこう、薄く感じて仕方ないのは、彼らが濃すぎるだけなのかな?
あと、こう、キリスト教感がっつりなのもあってアントーニオは好きになれんだな
まぁだからってユダヤ教のシャイロックが云々とか、同じキリスト教の他の登場人物がどうだとかはあんまりないけど、アントーニオのは強すぎて、困った シャイロックの主張もあれはあれで好きになれんだけど -
Posted by ブクログ
コンラッド自身の経験が元になった小説ということで、
当事者目線から19世紀の奴隷貿易やその舞台となったアフリカが描かれた小説というのは歴史的に見ても貴重な作品。
原文が出版されたのはなんと1899年!まじか!
そんな作品を21世紀に読めるなんて単純にすごい!
「闇」とはひとつに「未開の暗黒大陸」=アフリカを象徴しており、誰も知り得ない暗黒大陸の奥=アフリカの実態を描いていると思いました。
もう一つ「闇」とは、そんなアフリカに住んでいる人間がどんどん孤独や寂寥に蝕まれて人間性が失われている様子を描いているのかなと思ったり。
誰か解説してくれー -
Posted by ブクログ
何が凄いって、訳語が古過ぎて(30年代初版)笑える。1600年代に充てた日本語訳が、江戸っ子のべらんめえ調、東北弁、名古屋弁?父っつぁん。
こういうのって、当時で言うプロパガンダだったのかな。ユダヤ人批判の描写が物凄い。ただ、確かに当時のユダヤ人に貸金業が多かったことは確かだが...
『ユダヤ人とダイヤモンド』を思い出した。
これを読むと、正に現代の尖閣諸島問題を彷彿させるね。国際司法裁判所で争うか、という。
司法の在り方、意義。
もはや、正義とは何かという根本からの疑念。正義というよりは、正しさ、正統性か。
劇だけども、こうして書に起こすと読みやすいね、シェイクスピア。
発端、発展、解決。時系列が流れてゆく。
しかし、個人的にはハムレットの方が、人間の心理描写が秀逸だと感じたわ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ難解だった・・・。そもそもおれの読解力が稚拙なんだけど、テーマが抽象的なうえ翻訳のむずかしさも手伝って、ぜんぜんわからんかったです。
再読しなくちゃいけないとおもうけれど、とりあえず、今回の読書では「孤独」の重さを感じた。
自然、自然であること(おのずからしかるべく)は、少なくとも現代社会をいきる人にとっては、とてつもなく「孤独なもの=不明なもの、闇」であって、その闇は未開の自然の象徴であるアフリカの奥地だけでなく、ひとのなかにもある。
ホルクハイマー=アドルノらがいう「理性による同一化作用」と親和性がある気がしたんだが、そうすると、人は孤独=闇をもとめているということでもあるのかね。
やっぱよく分からん。もう一回よむ! -
Posted by ブクログ
中野好夫訳ということで手に取ったわけだがww
アメリカのドラマでは、ミカエル、ガブリエルといった聖書に出てくるような大物の天使たちがよく登場するが、彼らがなぜかだいたい残酷で
人間を理解しようともせず、バカにして、嘲笑っているのはなぜだろうと
正直不思議だったのだが
この作品を読んで、アメリカ人の「残酷な天使観」がマーク・トゥエインの時代からあったのかと、ちょっと新しいことを知った気がした。
しかし、この作品において天使の名前が「サタン」というのはいくらなんでもww
物語の終りはどうなるのだろうと気になっていたが
結局こうした虚無でしかないのかと、なんだかこけた。
トゥエインの抱える現実への厳しさと皮肉が、どれほど彼を打ちのめし信仰心を去らせてしまったのかと、そこに興味を感じる。
それともうひとつ、ここにキリストの言葉こそ登場するものの
仔羊とその父に関する具体的な言及は行われていない。
やはりそこまですることはできなかったのかと思われるが、どうなのだろう。 -
Posted by ブクログ
“「ところで、以上、僕の言ったことが、どんな印象を、君に与えたか、それは知らない。が、ただ僕として、躊躇なく言えることはね、これだけの証書——つまり、ダミ声と金切声とに関する、これら証言だけからしてもね、もしそれから、正しい演繹さえなされるならばだねえ、今後この事件の捜査の進行に、結構一つの方向を与える手掛りになるだろうことは、請合いなのだ。『正しい演繹』と、僕は言ったろう。だが、僕の言いたい意味は、それだけじゃ十分でない。つまり、僕が言いたいのはね、その演繹とは、唯一の正しい演繹であり、したがって、嫌疑の手掛りというものはね、否が応でも、そこから出て来る唯一の結果としてでなければいけないのだ。ところで、その嫌疑の手掛りが、なんがかは、いましばらく言うまい。が、ただぜひとも憶えていてもらいたいことはね、僕に関する限り、それは、あの部屋での僕の調査にね、ある一定の形、——あるいは、ある一定の傾向を与えるに足る、十分な説得力をもっていた、ということなんだ。”
ちょっと斜め読み。
デュパン君の口調がなかなか好き。
“「ほう?じゃ、なにか、特に中へ入れて置いたの?」
「なに、白紙にしておくのも、なんだろうかと思ってね、——だって、それじゃ、あんまり馬鹿にしてるってもんじゃないか。それにはね、D——の奴、いつかウィーンで、僕に、ひどいことをやったことがあるんだ。で、その時も、僕は、ニコニコ笑いながらだが、これは、きっといつかお返しするからね、と言ってやった。そこでだ、多分奴も、いったい誰に一ぱい食わされたか、さぞ犯人を知りたく思うだろう、と考えたもんだからね、せめて手掛りくらいは、与えてやらなければ、可哀相だと思ってさ、幸い僕の筆蹟は、よく知っているはずだし、白紙の真中に、ただ二行、
かくもむごこ企みも、
ティエストには、まこと応報なれ、アトレには当たらずとも。
とだけ書いておいた。なに、クレビヨンの『アトレ』の中の一節さ。」” -
Posted by ブクログ
それぞれの価値観というか常識が違うってこわい。こんなにも必死なのに伝わらない。
作者は人間に絶望していたのかしら?人間なんて生まれなくても良かった
「『いかにも君たち人間という卑しい連中のやりそうなことなんだな。嘘ばかりついて、ありもしない道徳なんてものをふりかざしたがる。そして、実際はほんとうに道徳をわきまえている、人間以上の動物に対して、道徳知らずなどとけなしつけているんだな。第一、獣はけっして残忍なことなどしやしない。残忍なことをやるのは、良心なんてものを持っている人間だけなんだ。そりゃ獣も他を傷つけることはあるよ。だが、それは無心でやっているんであって、したがって、けっしてそれは悪じゃない。第一、獣にとっちゃ、はじめから悪なんてものはないんだからね。獣には、他を傷つけてよろこぶなんてことは、けっしてない。それをやるのは人間だけなんだ。良心なんて、糞っくらえの代物にあふられやがってね!」