【感想・ネタバレ】悪人礼賛 ――中野好夫エッセイ集のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2011年12月27日

この味わいがたまらない。この人が教授のころ学生だったら、多幸だろうともぐりこんで、英文学の授業を受けたかったな。

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Posted by ブクログ 2014年12月29日

生きているだけで人間は幸せだ、という傲慢さは筆者にはない。筆者は悪人である。人間の善意や純情は信じていない。悪人が持つグラマーというべき法則を信じている。良心も、その人の総合的な体験からできるものだ、と考えている。そうであれば、無垢に人間の幸せを願う宗教にも懐疑的になるのだ。
氏の根本には、戦争を生...続きを読むき延びたという体験がある。生きているだけでまるもうけなのだ。しかし、それですべてのことがなんでもいいどうでもいいという発想にはならない。人間存在は地球の大きな生命の流れの中の一部でしかないという認識がある。
つまるところ、謙虚なのだ。悪人を礼賛しつつも、それは他人との協働生活の中でお互いの利害を尊重するという思考であるし、その背景には人間は多様な生命のごく一部という考えがある。私、他人という二項対立的なスタンスから、生命全体というスケールで物事を見ている。近代合理主義的な思考から離れ、筆者のような思考を持てば、煩雑な人生の問題にも違う見方ができるのではないだろうか。

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Posted by ブクログ 2011年05月19日

タイトルの項にしびれる。全体的にはだいぶマトモだったけど、敗戦後10年くらいのうちに書かれたものなので、民主主義、デマ、役人、などなどタイムリーなキーワードが出てきて面白かった。原子力、もちらりと。

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