原武史のレビュー一覧

  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。
    三浦しをんの新作ってことで借りる。対談相手の方は初めて知ったけど。皇室のことって興味なかったから初めて知ることが多かったけど、なかなか面白かった。昭和と平成で違うとか、天皇夫婦が訪問しないとこがあるとか、女系がなぜダメなのかとか。あの震災の時、精神の人の見張り番に立たされたことを私は忘れない。これも...続きを読む
  • 平成の終焉
    平成天皇が象徴天皇の役割として述べた2点「国民の安寧と幸せのために祈ること」「時として人々の傍らに立ち、耳を傾け、思いに寄り添うこと」。さらっと聞き流してしまいそうな点に大きな意味があることを初めて気づかされた。「祈り」とは宮中祭祀つまり天照大神に対するもの!そしていわゆる行幸。これらはいずれも憲法...続きを読む
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。
    原武史先生の自由なオタクぶりに感心した。同時に、専門家の話をきちんと受け止めつつ、自分の感覚や意見でしっかり渡り合うしをんちゃんって、なんてステキなんだろうと、あらためてファンになった。

    天皇について語ることって、週刊誌的興味以上のことはかなりデリケートだ。そこに果敢に踏み込んでいく対談なのだが、...続きを読む
  • 〈女帝〉の日本史
    原武史の『皇后考』では、明治以降の歴代の皇后が神功皇后と光明皇后を参照しながら皇后としてのアイデンティティを確立したことが述べられていた。

    本書では考察の対象となる時間・空間が拡張され、古代からの日本での「女帝」のあり方と、中国、韓国、沖縄などの「女帝」について触れられている。

    序章と終章から、...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」を読む
    原武史 「 昭和天皇実録 を読む 」

    昭和天皇実録のポイント、読み方、背景がわかる本。皇太后との関係、キリスト教改宗など 驚きの内容だった


    昭和天皇実録をどう読むか
    *天皇に戦争責任はない→天皇は退位を考えたことがない というスタンス
    *祭祀に注目→アマテラスと国民の間にいる天皇
    *宗教、家族...続きを読む
  • 〈女帝〉の日本史
    今上天皇の「おことば」を受け、平成が終わろうと、そして新しい世になろうとしている。
    そこで登場するのが、現皇太子後の天皇の問題だ。
    万世一系、男系による皇位継承がずっと保たれてきた、というのが保守派の意見だが、それに異議を唱えるのが本書の立場だ。
    事実を事実として認め、有益な視座を提供する(序章より...続きを読む
  • 松本清張の「遺言」 『昭和史発掘』『神々の乱心』を読み解く
    『松本清張「隠蔽と暴露」の作家』からの『松本清張の「遺言」』。本屋さんの文庫コーナーでたまたま見つけて。文春新書で読んだことあったけど、文庫だったっけ?と、よくよく見たら新書の時の「神々の乱心」だけじゃなくて文藝春秋で掲載された「昭和史発掘」についても一緒になっていてお得!今年3月に放送されたEテレ...続きを読む
  • 滝山コミューン一九七四
    どうして日本人は保守もリベラルもいつのまにか権威主義、異質なものの排除という方向に向かいやすいのか… 戦後史における政治の時代と団地文化を関係付けた論考はとても面白かった。

    その一方で筆者も自分で書いてはいるが、「学者が自らの体験をもって語った」という構造上、そこには小さくない歪み、思い込みが織り...続きを読む
  • 皇后考
    皇室についての知識って「神々の乱心」くらいしかないのでなかなかに新鮮。そら天皇家かて母子、嫁姑、色々あるわな。あと、原鉄先生だけあって要所要所で鉄道をブッ込んでくるのも楽しい。
  • 〈女帝〉の日本史
    神功皇后から始まり、現代の皇后陛下まで、代々の権力のそばにあり、また権力そのものの力を持っていた女性たちについて書かれています。権力者の、妻であり、母であり、影で支えつつ、政権を支え続けた彼女たちの大きな影響について知ることができます。またその歴史が、模範としてきた中国や韓国などとも、似て違っている...続きを読む
  • 滝山コミューン一九七四
    私は著者よりもいくつか年下になるのだが、1970年代が小学生時代
    だったのは一緒だ。クラスに班分けもあったし、卒業式では卒業生に
    よる「呼びかけ」もあった。しかし、著者が経験したような集団主義
    教育ではなかったと思う。

    それは居住環境の違いなのかもしれない。住宅不足解消の為にと
    東京郊外...続きを読む
  • 鉄道ひとつばなし3
    天皇論で有名な著者による鉄道の関するエッセイ。

    鉄道から駅、さらには海外の鉄道から廃線に至るまで、様々な分野の鉄道蘊蓄が語られており、鉄道好きなら楽しめる一冊。
  • 高校生と考える世界とつながる生き方 桐光学園大学訪問授業
    「私は この小説を書くときに、読んでくださる人が小学六年生までの漢字を読む力があれば読んでもらえるものと思ってこの作品を書き始めました」
    と「氷点」を書いた三浦綾子さんがいってらっしゃいました。

    この本の中で出張授業をされる先生たちは
    もちろん、その道のプロフェッショナルの方たちです
    そして、聴い...続きを読む
  • 滝山コミューン一九七四
    東京都東久留米市に存在する滝山団地。高度経済成長のさなかの典型的なベッドタウンとして開発された郊外団地の一つであるこの地において、1974年にある教育改革が行われようとしていた。

    社会学者の原武史が自らが体験したその教育改革を「滝山コミューン」と名付け、いったいそこで何が行われようとしていたのかを...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」を読む
    長大な「昭和天皇実録」を読む際のポイントがわかりやすくまとめられており、面白かった。とくに「神」ー天皇ー臣民の関係、天皇の宗教観、家族関係と実母との確執などが興味深い。ほかにも昭和天皇の政治への積極的関与のあり方など論点は尽きないが、この新書だけでもかなりのことがわかる。
  • 「昭和天皇実録」を読む
    興味深く読めた一冊。
    「神ー天皇ー国民」の図式を上手に説明している。それにしても太平洋戦争末期、天皇が一撃講和論に執着していたのにはちょっと驚いた。東京裁判を受け入れることでサンフランシスコ講和条約が成立したことを理解し、靖国に対する態度を明確にしていた人なのに。やっぱり国よりも天皇家が大切だったの...続きを読む
  • 震災と鉄道
    JR東日本が東北地方の被災したローカル線より、収益だけを考えて新幹線復旧を優先したとしたら悲しい。国鉄時代の採算を度外視したかのような経営から分割民営化して赤字路線を切り捨てる経営にシフトした極端さは、実際に被災地でレールが外されたままの鉄道敷を目の当たりにして実感した。逆にJR貨物が日本海側を大き...続きを読む
  • 知の訓練―日本にとって政治とは何か―
    政治と宗教に関する「比較政治学」の講義録だが、特に靖国神社の話はよくまとまっている.若い学生に親切に教えている姿勢が良い.団塊世代としては当たり前に知っていることも、若い世代にはピンと来ないものが多い.このような講義でそのギャップが埋まると良い.
  • 鉄道ひとつばなし
    内田百閒→阿川弘之→宮脇俊三の流れが宮脇俊三が亡くなって途絶えるのが心配、みたいなこと書いてるけど、原武史が座るべき席ちゃいますかね、そこ。特に小学校の頃、日曜日に塾に行くのに新宿駅で旧客の車内で弁当食べる話とかええ味出してると思う。鉄道にのめり込み過ぎず、本業の近代史、皇室史のネタを絡めてくるあた...続きを読む
  • 知の訓練―日本にとって政治とは何か―
    明治学院大学での講義録。なかなか面白い本でした。江戸以降、政府の方針でいかに日本の宗教が歪曲されてきたのかが、よくわかります。日本の政治というのは、西欧の考え方とはちょっと違うので、グローバルな政治駆け引きは苦手なんでしょうね。地方行政についての内容は勉強になります。