原武史のレビュー一覧

  • 象徴天皇の実像 「昭和天皇拝謁記」を読む

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    原武史さんらしい視点がたくさん。「皇太后節子に対する昭和天皇の人物観」(あとがき)とか。
    そう、あとがきにある「史料というのは万人に向けて公開されるべき」が原さんの信条。そして「今後も在野の政治学者として、研究を続けてゆきたい」が立場の表明だと思う。

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    2025年01月26日
  • 象徴天皇の実像 「昭和天皇拝謁記」を読む

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    NHKでも紹介された「拝謁記」か岩波書店から出た時、是非欲しいと思ったが、値段を見て、断念した。
    「拝謁記」の要点を項目別にまとめ、解説した本書が出ると知って、早速手にした。
    昭和天皇の肉声が直接伝わって来るようで、新鮮だ。皇太后や兄弟との確執、戦前戦後の政治家や軍人、学者に対する評価、戦後の政治体制等にかかる不満等、本音ベースで語られる。皇太子の事を東宮ちゃんと呼ぶところに親近感を感じた。

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    2024年11月16日
  • 鉄道ひとつばなし3

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    面白い。「池田大作と鉄道」なんてのもあったりして、こういうの、研究とまでいかなくても、もっとあってもいいのにな、とか思う。

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    2024年09月15日
  • 戦後政治と温泉 箱根、伊豆に出現した濃密な政治空間

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    戦後の宰相たちが多くの時間を過ごした温泉ほか保養地。箱根、伊豆、軽井沢。温泉を舞台とした濃厚な政治空間を描く。通信手段の未発達な時代の方が首相が首都不在の期間が長いのが面白い。

    通信手段も交通手段も未発達な時代、天皇皇后両陛下の那須や葉山の御用邸で過ごすように、当時の首相は温泉に滞在し、英気を養っていた。現代の方が危機管理の観点から首都不在なだけでマスコミが大騒ぎする時代との違いは何なのだろうか。毎週末公用車で湯河原の別荘を訪れた舛添都知事を思い出した。

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    2024年02月08日
  • 「松本清張」で読む昭和史

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    面白かった。好きで清張さんは、読んでいたが、いかに表面しか見ていなかったか、反省させられる一冊。天皇制、宮中のいろいろも興味深く読んだ。皇室の記事の見方が変わる。

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    2023年11月05日
  • 歴史のダイヤグラム〈2号車〉 鉄路に刻まれた、この国のドラマ

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    旅行旅に限らず、通勤だったり出張だったりふとした時に考える思考の世界。テツ兼歴史学者から見た視点が何とも楽しいエッセイ。

    近年の鉄道紀行では右に出るもののない筆写の作品。皇室だったり日本史に連想が傾くのはご愛嬌だろう。好きに乗って好きに連想するのも鉄道旅の魅力の1つだろう。

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    2023年07月31日
  • 「民都」大阪対「帝都」東京 思想としての関西私鉄

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    ネタバレ

    関西って東京と比べてメッチャ私鉄が発達してるじゃないですか!

    初めて阪急梅田駅のホームを見た時、圧倒的なターミナル感にビビった記憶があります。

    鉄道の視点から、大阪と東京の違いを読み解いていく魅力的な試みの一冊。面白かったです。

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    2023年07月22日
  • 歴史のダイヤグラム〈2号車〉 鉄路に刻まれた、この国のドラマ

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    土曜版の連載は読んでるんやけど、けっこう忘れてんのよね。昭和天皇が伊勢神宮に戦勝祈願したのを反省する話、昭和天皇崩御の時の侍従の話、辻政信逃走、終戦直後の共産党の話とかは覚えてた。
    今回読んでおもしろかったのが、只見線復旧の話の中で「台湾では幅広い層が鉄道に関心を持っている」って書かれてたこと。宮脇俊三が台湾の鉄道に乗りに行った時に「時刻表なんて何で持ってるんだ?」って鉄道員に物珍しそうに聞かれたって書いてたけど、時代が変わったのかな…

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    2023年07月16日
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)

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     歴史ある面を鉄道という線で結んでいるところが新鮮で勉強になった。天皇の記述が多いが、所詮日本の歴史は天皇の歴史になってしまうのは、文書に残っているのはそれしかないのだから仕方がない。

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    2023年07月04日
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)

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    ハードカバーが出た時から気にはなってたんやけど、文庫持ってる版元で原武史であればそのうちやろ、と文庫落ち待ち。
    鉄道と皇室、時々カトリック、原武史の持ち駒全投入で楽しい。

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    2023年06月11日
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)

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    ただの偶然だが今住んでいる近くが舞台の、

    「古代・中世・近代が交差するJR阪和線」

    の他にも、多少なりとも縁のある地域を取り上げた、

    「二つの「常磐」-「ときわ」と「じょうばん」の近現代」
    「「裏」の山陽をゆく」
    「神功皇后と継体天皇と北陸本線と」

    があり興味深く読み進んだ。特に継体天皇は最も関心のある天皇とも言えるので、いつかまとまった研究を読んでみたい。

    所で著者は還暦を迎えた。そろそろ天皇史から一歩踏み出た鉄道史を語る頃合いだとめ思うのだが…

    谷島屋書店本店にて購入。

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    2023年05月28日
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)

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    宗教と天皇に関する知識が凄い…そこに鉄道を絡める必然性は一部疑問ではあるが、旭川の部分については鉄道との関連性がとても理解できた。

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    2023年05月15日
  • 大正天皇

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    原武史による大正天皇の研究書。著者らしく、鉄道や行幸を丁寧に追うことで、ありありとした皇太子時代の雰囲気がとても良く伝わってくる。
    また、それに対になるように、前後の明治と昭和との違い。その時の大正天皇を取り巻く政治的な思惑。それぞれの声を拾い上げて、イメージを作り上げるのは大変興味深い。

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    2023年03月09日
  • 滝山コミューン一九七四

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    筆者個人の体験に根ざした半自伝的な一冊。

    1970年代、都内の小学校で試みられた「自由で民主的」な教育。

    それは個人の自由よりも集団行動を優先させた極端な民主化の姿でもあった。

    集団行動に馴染まない筆者を追い詰めていく場の空気感が怖しい。

    原センセよりは少しあとの世代ですが、やはり同じような雰囲気が、当時の公立小中学校にはあって、異常なまでに児童、生徒による「自治」が推奨されてたんですよ。生徒総会とか、生徒会選挙の熱狂が凄かった。

    ただそれも、一部の先生方による強いられた「自治」だったのだなと、いまとなっては思う。

    係を選ぶときに立候補させ「ダメな方」を落選させる消去法選挙。ベルが

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    2022年10月08日
  • 歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史

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    お父さんに鉄道に乗りに連れて行ってもらう話があちこち出て来るのが印象強い。オイラも連れて行ってもらったし、連れて行ったし。ドンピシャとは言わんけど宮脇俊三亡き後、一番近いところにいる気がする。

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    2022年03月04日
  • 歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史

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     原さんと同じような政治学者は、他にもいよう。また、歴史を論じる人も。
     しかし、「鉄」であることを活かせる人はいまい。
     鉄道×政治の文章は、これまでも原さんは残してきたが、今回は「政治」「鉄道」の両方の成分が高い。

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    2022年02月13日
  • 一日一考 日本の政治

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    立場や時代が異なる人たちが語り合っているような一冊。結局、新しさや大きな変動はなく、現状を繰り返しているというのが、この国の政治史なのかと感じた。
     
     

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    2022年01月17日
  • 平成の終焉

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    平成の天皇皇后両陛下は、全国津々浦々を巡り、マイホーム主義を体現し、被災地では自ら膝をついて被災者を労われた。
    この「国民と目線を合わせる」姿勢は、右派からは反発を買った。
    しかし、結果として国民の皇室への敬意は高まった。その過程で美智子妃が果たした役割はおそろしく大きい。
    一方で、国民がより天皇制にロックオンされたとも言える。

    令和の両陛下は、平成の陛下の「仁や慈悲」よりは、「自然、環境」がキーワードに見える。全国の行幸よりも登山を愛される。

    また、天皇の常に一歩後ろを歩く「日本の女性の鏡」として絶大な人気を誇った美智子妃との対比で、雅子妃は天皇陛下とごく自然に並んで歩かれる。また心身の

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    2022年01月15日
  • 歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史

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    鉄道マニアから歴史学者。自信の専攻と鉄道を結びつけた縦横無尽な思索の時間旅行。

    朝日新聞土曜別すり「be」に連載中のエッセイ。身近な鉄道を題材に筆者の歴史知識を基に過去に思いを馳せる旅。

    小説のワンフレーズだったり作家の日誌だったり。言及される列車の時刻表を調べる、通勤に使う路線の沿線の隠された歴史、列車内での会話から見える世相。幅広いテーマ、コンパクトな文章で楽しめる。

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    2021年10月23日
  • 大正天皇

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    明治天皇、昭和天皇に比べ圧倒的にマイナーな存在の大正天皇。その生涯に光をあてた評伝。

    即位するまでの破天荒なエピソードが面白い。激務で病状が悪化したことは間違いない。側近の苦労もしのばれる。

    筆者の「押し込め」説も興味深い。

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    2021年09月13日