原武史のレビュー一覧

  • 歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史
    お父さんに鉄道に乗りに連れて行ってもらう話があちこち出て来るのが印象強い。オイラも連れて行ってもらったし、連れて行ったし。ドンピシャとは言わんけど宮脇俊三亡き後、一番近いところにいる気がする。
  • 歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史
     原さんと同じような政治学者は、他にもいよう。また、歴史を論じる人も。
     しかし、「鉄」であることを活かせる人はいまい。
     鉄道×政治の文章は、これまでも原さんは残してきたが、今回は「政治」「鉄道」の両方の成分が高い。
  • 一日一考 日本の政治
    立場や時代が異なる人たちが語り合っているような一冊。結局、新しさや大きな変動はなく、現状を繰り返しているというのが、この国の政治史なのかと感じた。
     
     
  • 平成の終焉
    平成の天皇皇后両陛下は、全国津々浦々を巡り、マイホーム主義を体現し、被災地では自ら膝をついて被災者を労われた。
    この「国民と目線を合わせる」姿勢は、右派からは反発を買った。
    しかし、結果として国民の皇室への敬意は高まった。その過程で美智子妃が果たした役割はおそろしく大きい。
    一方で、国民がより天皇制...続きを読む
  • 歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史
    鉄道マニアから歴史学者。自信の専攻と鉄道を結びつけた縦横無尽な思索の時間旅行。

    朝日新聞土曜別すり「be」に連載中のエッセイ。身近な鉄道を題材に筆者の歴史知識を基に過去に思いを馳せる旅。

    小説のワンフレーズだったり作家の日誌だったり。言及される列車の時刻表を調べる、通勤に使う路線の沿線の隠された...続きを読む
  • 大正天皇
    明治天皇、昭和天皇に比べ圧倒的にマイナーな存在の大正天皇。その生涯に光をあてた評伝。

    即位するまでの破天荒なエピソードが面白い。激務で病状が悪化したことは間違いない。側近の苦労もしのばれる。

    筆者の「押し込め」説も興味深い。
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々
    明治政府は、アマテラス<伊勢>の系統をひく天皇だけが正統的な日本の支配者であることの意義づけに奔走した。
    スサノヲやオオクニヌシをはじめとする<出雲>の神々との整合性が必要になってくる。
    様々な議論と、権力闘争が宗教界で行われた。
    出口ナオの大本教は、<出雲>に接近し、出雲の千家尊福は、独自に活動を...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」を読む
    昭和史という一見身近な世界にも既に謎がある。

    「昭和天皇実録」の圧倒的な分量、通読するものではないか歴史的に貴重な資料。そんな資料の見どころを解説する、元々は公演の内容。

    皇太后との確執やローマ法王との交流、終戦後の退位やカトリックへの改宗の可能性など意外な事実が浮かび上がってくる。

    昭和史に...続きを読む
  • 「松本清張」で読む昭和史
    昭和に生まれ育った人たちなら松本清張を読んだ人は多いのではないだろうか?
    この本でも「点と線」、「砂の器」、「日本の黒い霧」、「昭和史発掘」、「神々の乱心」などが取り上げられている。
    自分も「昭和史発掘」は長いので途中で挫折したりしたものの、自分も「神々の乱心」以外は読んだことがある。
    社会派推理作...続きを読む
  • 「松本清張」で読む昭和史
    NHK「100分DE 名著」のテキストの加筆修正版。清張作品で語る昭和史。

    「点と線」「砂の器」「日本の黒い霧」「昭和史発掘」「神々の乱心」を解題し、昭和史を別の角度から描き出す。筆者原武史の専門分野の天皇論と趣味のテツの部分が活かされている。

    元々は番組テキストだっただけに分かりやすいが反面一...続きを読む
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々
    明治初期の神学をめぐる出雲(オホクニヌシ)と伊勢(アマテラス)の論争を、本居宣長が初めて言及した「顕」と「幽」の考え方を手がかりに、彼の思想の系譜をたどりながら解き明かす。
    第二部では、第一部で明らかにしたオホクニヌシが次第に言及されなくなった時代の流れと、埼玉県に多いオホクニヌシが祭神の氷川神社が...続きを読む
  • 平成の終焉
    敗戦を跨いだ昭和天皇から引継ぎ、新憲法の元で初めて即位した天皇明仁。即位前の昭和期から、皇后美智子と共にした全国への行幸啓から始まる。その振る舞いの細部に、新憲法下での国民一人一人との「国体」の創出の取り組みを見出す本書。「平成」の天皇は如何にして自らを規定してきたか。現代日本を考えるための必読書。
  • 「松本清張」で読む昭和史
    面白かったです。
    松本清張はまだあまり読めていませんが、既読の作品や観た映像化でも昭和の暗部のようなものが描かれてるなと改めて気付かされました。「砂の器」も「ゼロの焦点」も。
    そしてめっちゃ格差あるんだなぁ…見えなかっただけか。
    皇室にも確執があったというのを初めて知りました。貞明皇后ってそんなに権...続きを読む
  • 「松本清張」で読む昭和史
     秩父宮が、東北本線で帰京しなかった。というような歴史を復習するような一冊。
     司馬史観への没入を防ぐ。そういう松本清張の捉え方もあるのかと。
  • 「松本清張」で読む昭和史
    没後28年。昭和を代表する作家でありながら、平成・令和になっても同時代性を失わず、いまだに映像化や数多の関連本も上梓される松本清張。著者曰く、作品そのものが戦後史の縮図であり、高度経済成長という時代の証言になっていると。

    社会派推理と古代史と昭和史という3本柱の元、一貫して「格差」「差別」というタ...続きを読む
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々
    『神社ツーリズム』と同様、2016年秋の、約13年半振りの出雲紀行を契機に購入。
    古代神話や出雲関連の書籍は、とかく"古代史の謎解きもの"が多いが、あえて出雲というものを宗教的・神話的視点や、大衆受けするオカルティシズムではなく、思想面からの学術的アプローチで述べられていたところが購入理由である。
    ...続きを読む
  • 大正天皇
    朝日選書で既読だったが処分してしまい、文庫になったのを期に購入。
    人は生まれてくる時代と環境は選ぶことは出来ない。特別な環境に生まれることは本人にとってどうなのか。
    偉大すぎる父、優秀な息子に挟まれた凡庸で病弱といわれた大正天皇の人間味溢れる生涯が書かれてある。
  • 皇后考
    本書は、折口信夫の「女帝考」を本歌取りして書かれた本と言える。「女帝考」考察されるナカツスメラミコトを体現した女帝として貞明皇后を、皇后の事跡を中心に論を進める。貞明皇后が皇后でありながら実質的に天皇として振る舞われた神功皇后を意識して起ち居振る舞われたというのである。体質性格上種々取り沙汰される大...続きを読む
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。
    原先生の豊富な知識を
    三浦先生が どんどん引き出してくれて
    とっつきにくい話でも なかなか面白く仕上がってます
    出来たら最後に 令和になってからの
    対談が入っていたら よかったのにな と残念
    今なら もっと明るい話にも
    なった気がします
  • 「昭和天皇実録」を読む
    講演禄ということで、著者の語りの雰囲気が伝わってくる。趣味の鉄道にかかわることはほんとうに楽しそうだ。が、1冊の著作としてはまとまりのな雑駁な感じをぬぐえない。実録への関心を高めるための入門書なのだろうけど。