原武史のレビュー一覧

  • 鉄道ひとつばなし2

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    1作目に続いて読んでみました。著者の、普段利用している路線の混雑ぶりに対する憤りはすごいです。確か某大手メーカーの携帯用パソコンの耐久力テストにも使われた覚えがあります。大胆なダイヤ改正が難しいこの路線の将来が心配になりました。

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    2011年08月03日
  • 鉄道ひとつばなし

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    先日読んだ「全国私鉄特急の旅」の一部は、どうもこの本を参考にして書かれたもののようです。天皇と中央線の関係など、読んでいて驚きの連続。

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    2011年08月03日
  • 鉄道ひとつばなし2

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    日本の近現代史において鉄道の果たした役割は非常に大きいと思いますが、それは単にヒトやモノを運んだというだけにとどまりません。私たちの時間感覚や規範感覚、「権力」観のようなものにも、鉄道は非常に強く影響を及ぼしているでしょう。しかし、この点に意識的である鉄道本は、それほど多くありません。そして本書の著者・原武史氏は、そうした鉄道本を書ける数少ない人であると思うわけです。つまりこの本は、「鉄道」を通して「私たち」を描いている、ととらえて読むべきものではないでしょうか。こういう鉄道本を書ける人って、ほかにだれがいるでしょうかね……。(20070520)

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    2009年10月04日
  • 鉄道ひとつばなし2

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    自分は鉄道ファンではないと言う著者が鉄道にまつわるいろんなエッセイを綴っている。随所に鉄道を愛する一面が垣間見える。

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    2009年10月04日
  • 鉄道ひとつばなし2

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    相変わらずの切れ味を見せていただきました。「鉄道マニアではない」と宣言し、そのような人々の文章に嫌悪感を催すと言う作者が、次第にそのテンションを上げていく様は圧巻。いや、先生、あなた十二分に鉄道を愛してますよ…

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    2009年10月04日
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々

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    明治維新後の国家神道形成期における伊勢派と出雲派の主導権争いと後者の敗北の過程を負った意欲的な論考。文庫版で追補された、埼玉と出雲系の氷川神社との関わりについて考察する第2部も興味深い。

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    2009年10月04日
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)

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    父の本棚より。
    線(線路)を起点に物事を捉える。新しい視点で面白かった。とくに、神功皇后と継体天皇と北陸本線とが興味深い。

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    2025年11月09日
  • 「昭和天皇実録」を読む

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    昭和天皇実録とは、昭和天皇崩御後の1990年より宮内庁により編纂が開始された、昭和天皇の伝記である。編纂期間は2014年までの25年間であり、全61冊1万2,137ページ(うち一冊は目次・凡例のみ)に及ぶ膨大な量の書籍となっている。考えてみれば、昭和という時代が1926年から1989年迄の63年以上続いたわけだから、それだけ在位期間も長く、編年体で描かれた本書の量が多くなるのも理解できる。因みに、同じ様に編纂された天皇の伝記としては、明治天皇紀が全13巻、大正天皇実録(補正版)が別巻含む7巻となっており、文字数や出版サイズとの違いがあるため、単純な量の比較は難しいものの、それらが公開にあたって

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    2025年08月17日
  • 天皇問答

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    加藤陽子との対談「この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか」の、相手は代われど続編的な本。
    実は高校の頃は中上健次や大江健三郎、三島由紀夫、吉本隆明にカブレたクチなので、いろいろ考えたものだが、その後はとんと。
    実際天皇と聞けば必ず、もう何百回も思い出すのが、女子高生のツイート「「天皇誕生日おめでと あんま絡みないけど、素敵な82歳にしてね」の、唐突なブッコミ作法と、無知ゆえのフランクさと。
    で、その想起にこちらの頭も浸されてグズグズになったくらいに自分も落ちていたわけだが、その地点に片足置いて、またいろいろ考えるようになったのが、やっぱり文芸経由で、しかし四半世紀後に背中を押してくれているのは石

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    2025年06月09日
  • 歴史のダイヤグラム〈3号車〉 「あのとき」へのタイムトラベル

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    <目次>
    第1章  時刻表から読み直す、あの事件
    第2章  皇族も政治家も、みんな鉄道を使っていた
    第3章  作家が愛した線路
    第4章  あの日の駅弁、思い出の車輌
    第5章  旅情の記憶

    <内容>
    朝日新聞土曜版別刷り「be」連載記事の再編集第3弾。章立てのテーマに合わせている。第4、5章は自分の思い出。こうした連載をするには、政治家や作家などの本、特にエッセイなどをまんべんなく読む必要があると思うので、それはすごいなと思う。第2、3章のように、かつては政治家も作家もみんな列車を利用していたのだ。

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    2025年04月29日
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。

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    普段なら手に取らないテーマだが、三浦しをんちゃんが好きなので読んでみた。やはりわからないことが多々あったが知らない世界を垣間見れて良かった。

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    2024年01月11日
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。

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    2人のキャラは、面白かったけど、もう少し深く掘り下げて欲しかった。前に読んだ[松本清張で読む昭和史]の内容とよく似た部分もあった。

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    2023年11月22日
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)

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     鉄道、皇室について数々の著作を持つ著者。原さんの著作はみなそうだが、「どうしてこんなところに注目したのだろう」という驚きが本書にもたくさん詰まっている。それは文献や史跡等に当たりつつも、実際に現場を歩いて(本書では鉄道に乗って)、自分の目で見、自分の頭で考えているからこそなのだろう。

     取り上げられる路線は8つ。
    1 小田急江ノ島線 ~沿線にカトリック女学校が多い
      (神奈川県に仕事で住んでいたことがあるが、全く知らないことだった。)
    2 常磐線 ~「ときわ」と「じょうばん」
      「ときわ」は「とこいわ」を語源とする古代にまで遡れる言葉。「じょうばん」 は常陸と明治に設置された磐城の二つ

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    2023年10月04日
  • 地形の思想史

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    タイトルに地形とあるのでてっきり地理、地学的な観点が多いのかと思って読んでみたが、それらはそこまでクローズアップされてはおらず、紀行文、エッセイといったものだった。取り上げられた地域はどこも私には馴染みがなかったので、新鮮だった。
    あとがきにもあるように、地方の政治や生活などを報告するのはもっぱらジャーナリストやノンフィクション作家の仕事になっていて、アカデミックな方が分析対象にすることは少ないとのことで、著者はこの本をまとめたとのこと。

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    2023年07月28日
  • 知の訓練―日本にとって政治とは何か―

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    日本にとって政治とは何か、このサブタイトルに従って大学の講義形式で政治と天皇家の政事(まつりごと)を比べその本質を綴っていく。その観点は「時間と政治」においては現代社会で当たり前となっている西洋の太陽暦によって時間に支配される国になったこと、政治と宗教の関連性など身近にあるものが如何にして制度化されていったか、そこに政治がどの様に関わってきたか、更には天皇の関わり合い方についても同時並行的に流れるように説明されており、内容が非常に濃くなっている。この様な授業なら学生も飽きずに講義を聞くことができるだろう。
    前述の時間と政治の関わり合い以外に、特に政治に影響を及ぼしやすい神社や宗教について多くの

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    2023年06月09日
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  小田急江ノ島線とカトリック
    第2章  二つの「常磐~「ときわ」と「じょうばん」の近現代
    第3章  軍隊の消えた街~旭川の光と影
    第4章  古代・中世・近代の交錯するJR阪和線
    第5章  日蓮と「房総三浦環状線」
    第6章  「裏」の山陽をゆく
    第7章  神功皇后と継体天皇と北陸本線と
    第8章  聖母=ショウモから聖母=セイボへ~神功皇后・マリアとJR筑肥線・松浦鉄道

    <内容>
    「小説新潮」連載の記事をまとめたもの(2020年)の文庫化。鉄オタの著者らしい視点である。「点」でも「面」でもなく、「線」だと。前書きにそれなりの論が書いてあるが、要するに鉄道を絡めたのである。しかし

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    2023年06月02日
  • 歴史のダイヤグラム〈2号車〉 鉄路に刻まれた、この国のドラマ

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    <目次>
    第1章  天皇の祈りの旅
    第2章  都会を離れて
    第3章  文豪の夜行列車
    第4章  事件は鉄路で
    第5章  夢の駅弁

    <内容>
    朝日新聞土曜日の別刊Be連載の記事をまとめた第2弾。ワンコーナーなので、長くなくなかなかうまくまとている。必ず鉄道情報が入る(当時の列車の時刻や駅など)。そこは詳しいのだが、それはあとがきで記すように、この著者は『鉄ちゃん』で、多くの時刻表を持つようだ。それを見ながら確認をしているらしい。本人は否定するが、立派な鉄ちゃんである。

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    2023年05月26日
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。

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    『平成』天皇の生前退位と「おことば」に世の中(ワイドショー)が騒いだ当時の有り様を政治学者であり天皇研究の第一人者たる原武史と作家の三浦しをん(一般人として)の対談で振り返る。天皇制の明治、大正、昭和からの変遷を再認識する。東武ワールドスクエアに萌えたオマケもあり。

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    2022年06月04日
  • 「民都」大阪対「帝都」東京 思想としての関西私鉄

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    大阪の私鉄の歴史を軸に、政府、特に天皇に関する行事によってどう変わってきたのか解説されている

    「鉄学」概論 車窓から眺める日本近現代史
    で語られていた関西圏の事情について、詳しく来歴が語られている
    政治中心の東京に対して、民衆の総体としての大阪というテーマ

    「鉄道」は国の管理下に置かれるが、「軌道」ならば別の法律が適用される
    道路を通る部分一部分でもあるから軌道という、法の抜け道的な理屈
    そのため、車幅の規格から異なった、私鉄が先導する形で発展できたらしい

    民間、特に現在の阪急の歴史がわかる
    スタートアップから、沿線の発展、商業施設の開店、ターミナルの場所など色々と紆余曲折はあるようだ

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    2022年05月18日
  • 大正天皇

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    大正天皇の評伝

    大正天皇と言えば、病弱だったという事と晩年は後の昭和天皇が摂政を務めたという事ぐらいしか知らない
    あと、EXILEにいても違和感のなさそうな御真影とかねw
    「遠眼鏡事件」もこれを読んでそんな事があったのかと知った

    そんな病弱で精神的に問題があったというイメージも後付で作られたもので、大正天皇の実像に迫るという論旨になっている

    ただ全部読み終わっても、結局は幼少期は病弱で、大人になってやっと落ち着いたけど践祚してからはまた体調を崩し、天皇として資質に欠けた人物という印象は拭えなかった

    後にも先にも大正天皇の評伝は珍しいらしい
    それは、大正天皇がある意味でタブー視されている

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    2022年03月23日