原武史のレビュー一覧

  • 歴史のダイヤグラム〈2号車〉 鉄路に刻まれた、この国のドラマ
    <目次>
    第1章  天皇の祈りの旅
    第2章  都会を離れて
    第3章  文豪の夜行列車
    第4章  事件は鉄路で
    第5章  夢の駅弁

    <内容>
    朝日新聞土曜日の別刊Be連載の記事をまとめた第2弾。ワンコーナーなので、長くなくなかなかうまくまとている。必ず鉄道情報が入る(当時の列車の時刻や駅など)。そこ...続きを読む
  • 歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史
    いつもの原武史先生節を楽しめた。
    「天皇×政治×文学×鉄道」の世界はとても味わい深く、人間や社会のあり方を再考する格好の場だと感じる。
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。
    『平成』天皇の生前退位と「おことば」に世の中(ワイドショー)が騒いだ当時の有り様を政治学者であり天皇研究の第一人者たる原武史と作家の三浦しをん(一般人として)の対談で振り返る。天皇制の明治、大正、昭和からの変遷を再認識する。東武ワールドスクエアに萌えたオマケもあり。
  • 「民都」大阪対「帝都」東京 思想としての関西私鉄
    大阪の私鉄の歴史を軸に、政府、特に天皇に関する行事によってどう変わってきたのか解説されている

    「鉄学」概論 車窓から眺める日本近現代史
    で語られていた関西圏の事情について、詳しく来歴が語られている
    政治中心の東京に対して、民衆の総体としての大阪というテーマ

    「鉄道」は国の管理下に置かれるが、「軌...続きを読む
  • 大正天皇
    大正天皇の評伝

    大正天皇と言えば、病弱だったという事と晩年は後の昭和天皇が摂政を務めたという事ぐらいしか知らない
    あと、EXILEにいても違和感のなさそうな御真影とかねw
    「遠眼鏡事件」もこれを読んでそんな事があったのかと知った

    そんな病弱で精神的に問題があったというイメージも後付で作られたもの...続きを読む
  • 歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史

    読みやすかったです

    鉄道に関する読みものが好きな私です。
    原教授の著書を読むのは3冊目になります。
    前回読んだ「レッドアローとスターハウス」は鉄道とあまり関係無く期待外れでしたが、今回は充分楽しめました。
    もともと新聞の連載コラムとのことで一話ずつ短くまとめられて読みやすかったです。
    次は何を読もうか。
  • 滝山コミューン一九七四
    東久留米市の団地、小学校を舞台に展開された
    組織運営の中で生活を送った著者による
    ドキュメント。

    とても興味深い内容だが、ちょっと読み辛かった。
    一部ではあれ、こんな事があったとは全然知らなかった。
  • 「民都」大阪対「帝都」東京 思想としての関西私鉄
    タイトルに惹かれて手に取った本です。
     著者は、「東京」「大阪」、「国鉄」「私鉄」を対置しつつ論を組み上げていきますが、その内容は、日本思想史的な色合いで、ちょっと予想外のものでした。
     「官」の意向に対し「民」の文化を推し進めようと奮闘した関西私鉄の経営者たち。その中でも特に際立っていたのが阪急電...続きを読む
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々
    神道の思想史的系譜について、江戸時代の国学から維新政府による国家神道に至るまでの流れを俯瞰し、アマテラスから続く血統「天皇家」の中央集権近代国家の権威として伊勢の系譜を紹介しつつ、(維新政府にとって)傍系たるオオクニヌシノミコトから続く出雲の血統「出雲国造」に焦点を当てた著作。別途出雲の系譜としての...続きを読む
  • 大正天皇
     原著(朝日選書版)は2000年刊行。その後の史料状況の変化に合わせて加筆訂正した箇所はあるが、論旨はほとんど変わっていない。顕彰本以外では長らく単独の評伝がなかった大正天皇に対する史上初めての本格的研究として当時話題になった。「遠眼鏡事件」の風聞に象徴されるように、当時から精神病者としてのイメージ...続きを読む
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。
    発表当時ではないにしろ、ある意味リアルタイム(201911)に読むことができました。

    オタクの凄さと、斜めの位置だから言える意見。
    そして、みんなが意見を持たないと気付けば思惑通りに流れてしまうと考えさせられる。
  • 平成の終焉
    様々な抵抗を受けながら、「平成流」を貫いた天皇明仁と美智子皇后の歩みを振り返る。
    皇太子時代に、学生と憲法問題で突っ込んだ議論をした経験があったとは・・・
    行幸啓の多さが人々との触れ合いの多さとなり、「平成流」の基となった。なるほど。
    さてポスト平成はどのような皇室になるのであろうか。
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。
    対談本って読まないんだけど~2016.6.24通学の沿線風景~女官の世界~『源氏物語』は不敬か2016.8.2「生前退位」のご意向~女系天皇と「国体」~天皇の代替わり2016.9.9「おことば」の衝撃~蕎麦屋にふらっと入る自由~三島由紀夫、幻の計画2016.12.8コンパートメント車両~鬼怒川温泉~...続きを読む
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。
    普段政治学の本なんて手に取ろうともしないので、三浦しをんの名前を前面に出す判断は全くもって正しい。
    天皇と皇后のあり方から皇族女性の結婚の心配、一般社会での女性の立場までがつがつ突っ込んでいく三浦さんはさすが。
    原さんの鉄ぶりが面白い。
    松本清張の「神々の乱心」が読んでみたい。
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。
    今旬の皇室の話題、三浦しをんさんの素直な疑問によくぞ聞いてくれたと感謝。それになんでも答える原氏の皇室オタクぶりに感動。勉強になりました。
  • 知の訓練―日本にとって政治とは何か―
    著者が明治学院大学でおこなった講義をまとめた本で、日本の近代以降の政治史を政治と祭祀の両面をもつ「まつりごと」の歴史としてとらえ、そのなかで皇室がどのような意義をもっていたのかということが具体的な事例にそくしてわかりやすく語られています。

    日本の近代史を専門としない学生に向けての講義がもとになって...続きを読む
  • 震災と鉄道
    東日本大震災後の鉄道の復旧について、JRと民鉄の温度差や鉄道のもつ意義などの視点で論考していく、と思いきや、後半は高速化と単一化していく鉄道政策の批判になってしまった。それはそれで大切な論考だけれども、それは別の場所で論じてほしかった。

    この本が出されたのは、震災の年。
    三陸鉄道は全線で運転再開を...続きを読む
  • 完本 皇居前広場
    集会用広場として世界最大を誇るのは中国の天安門広場。面積は
    約44㎡。その天安門広場を上回るのが日本の皇居前広場だ。芝生
    部分を含めての総面積は46万5千㎡になる。

    時折、皇居へ行くことがある。それは新年の一般参賀であったり、
    天皇誕生日の一般参賀だ。天皇陛下をはじめとした皇族方のお姿
    ...続きを読む
  • 松本清張の「遺言」 『昭和史発掘』『神々の乱心』を読み解く
    100分de名著 より。原武史 「 松本清張 の遺言 」〜昭和史発掘 神々の乱心 の晩年2作品から 松本清張の着眼点、昭和史観を捉えた本

    松本清張 の 「本当にみずみずしい作品は 若い頃には書けない」の言葉から、この2作品は みずみずしさを目指したもの。みずみずしさとは 新しい歴史認識ではないか...続きを読む
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々
    (01)
    私たちが親しんだり、親しんでいなかったりする神道の問題が、本書にあるように近世後期以降に著された解釈が主体となっていることがまず確認できる。記紀や風土記とその外伝(一書)を古典とし、その「近代」的な読みを通じて復古神道が立ち上がっていく様子はスリリングである。現代において神道は国家を左右し...続きを読む