原武史のレビュー一覧

  • 鉄道旅へ行ってきます
    鉄道に関する著作をもつ三人が、鼎談をしながらの鉄道旅紀行。スケジュールの都合なのかもしれないけれど、もっとこの連載、続けてほしい。原さんの「駅そば」に関する考察、八高線の分岐など、実に楽しく読みました。
  • 滝山コミューン一九七四
    東久留米、滝山団地の小学校における「集団づくり」実践の経過の話。決して客観的な分析ではないが、その事がかえってこの作品の意味を際立たせていると思う。ある実践をくぐり抜けた経験を、客観を僭称しない「声」というかたちでいかに拾い上げることができるか。教育的観点からも少なくない含蓄があるが、それ以上に作者...続きを読む
  • 鉄道ひとつばなし3
    講談社「本」の連載をまとめたエッセー集も3冊目になる。天皇、宗教、小説、はては東大進学上位校までを題材にからめ様々な視点で鉄道を語る。
     特に皇室関係をお題にした3点は秀逸である
  • 鉄道旅へ行ってきます
    面白い。
    おじさん二人と酒井さんが列車でテーマに沿って旅をする企画が
    本になりました。
    この通りに旅行してみたいと思ってしまいました。
    酒井さんがいつも旅行で使っているリュックも欲しい・・・。
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々
    世界の造物主である「オオクニヌシ」を祀る〈出雲〉と世界を統治する「アマテラス」を祀る〈伊勢〉。オオクニヌシはアマテラスの要請に応じて権力を移譲した。出雲が時の権力に対抗し弾圧されたのは、なにも「古事記」や「日本書紀」に描かれた古代においてばかりではなかった。日本近代における「国家神道」「国体」の確立...続きを読む
  • 滝山コミューン一九七四
    著者とはまったく同い年。同じ時代に区市は違えど都内の小学校に通っていた。ここまでの教育活動が試みられていたとは本当に驚いた。確かに、今の学校現場に比べるとかなり違うと思う。私の場合、君が代も日の丸も覚えていないが、卒業式の呼びかけはあった。証書授与は壇上ではなく、自席で受け取った記憶がある。学芸会の...続きを読む
  • 鉄道ひとつばなし
    講談社のPR誌「本」に連載したコラムを1冊の本にまとめたもの。
    著者の専門である日本政治思想史に絡めながら、日本の近代化という視点から鉄道を視る。
    日本人の時間意識と時刻表や「ひかり」や「のぞみ」のルーツなどちょっとした鉄道小話が満載で、知れば知るほど鉄道に乗りたくなってしまう。
    本書の記述に...続きを読む
  • 鉄道ひとつばなし2
    1作目に続いて読んでみました。著者の、普段利用している路線の混雑ぶりに対する憤りはすごいです。確か某大手メーカーの携帯用パソコンの耐久力テストにも使われた覚えがあります。大胆なダイヤ改正が難しいこの路線の将来が心配になりました。
  • 鉄道ひとつばなし
    先日読んだ「全国私鉄特急の旅」の一部は、どうもこの本を参考にして書かれたもののようです。天皇と中央線の関係など、読んでいて驚きの連続。
  • 鉄道ひとつばなし2
    日本の近現代史において鉄道の果たした役割は非常に大きいと思いますが、それは単にヒトやモノを運んだというだけにとどまりません。私たちの時間感覚や規範感覚、「権力」観のようなものにも、鉄道は非常に強く影響を及ぼしているでしょう。しかし、この点に意識的である鉄道本は、それほど多くありません。そして本書の著...続きを読む
  • 鉄道ひとつばなし2
    自分は鉄道ファンではないと言う著者が鉄道にまつわるいろんなエッセイを綴っている。随所に鉄道を愛する一面が垣間見える。
  • 鉄道ひとつばなし2
    相変わらずの切れ味を見せていただきました。「鉄道マニアではない」と宣言し、そのような人々の文章に嫌悪感を催すと言う作者が、次第にそのテンションを上げていく様は圧巻。いや、先生、あなた十二分に鉄道を愛してますよ…
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々
    明治維新後の国家神道形成期における伊勢派と出雲派の主導権争いと後者の敗北の過程を負った意欲的な論考。文庫版で追補された、埼玉と出雲系の氷川神社との関わりについて考察する第2部も興味深い。
  • 最終列車
    <目次>
    第1章  菊と鉄道
    第2章  駅と西武と
    第3章  鉄路の空間政治学
    第4章  年々歳々
    第5章  列車はなにを運ぶのか?
    第6章  鉄道と私
    第7章  コロナと鉄道

    <内容>
    近現代の政治思想史の原さん、鉄道関係の本。講談社のPR誌「本」に連載していた最後の部分と「群像」に2021年に...続きを読む
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。
    普段なら手に取らないテーマだが、三浦しをんちゃんが好きなので読んでみた。やはりわからないことが多々あったが知らない世界を垣間見れて良かった。
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。
    2人のキャラは、面白かったけど、もう少し深く掘り下げて欲しかった。前に読んだ[松本清張で読む昭和史]の内容とよく似た部分もあった。
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)
     鉄道、皇室について数々の著作を持つ著者。原さんの著作はみなそうだが、「どうしてこんなところに注目したのだろう」という驚きが本書にもたくさん詰まっている。それは文献や史跡等に当たりつつも、実際に現場を歩いて(本書では鉄道に乗って)、自分の目で見、自分の頭で考えているからこそなのだろう。

     取り上げ...続きを読む
  • 地形の思想史
    タイトルに地形とあるのでてっきり地理、地学的な観点が多いのかと思って読んでみたが、それらはそこまでクローズアップされてはおらず、紀行文、エッセイといったものだった。取り上げられた地域はどこも私には馴染みがなかったので、新鮮だった。
    あとがきにもあるように、地方の政治や生活などを報告するのはもっぱらジ...続きを読む
  • 知の訓練―日本にとって政治とは何か―
    日本にとって政治とは何か、このサブタイトルに従って大学の講義形式で政治と天皇家の政事(まつりごと)を比べその本質を綴っていく。その観点は「時間と政治」においては現代社会で当たり前となっている西洋の太陽暦によって時間に支配される国になったこと、政治と宗教の関連性など身近にあるものが如何にして制度化され...続きを読む
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)
    <目次>
    第1章  小田急江ノ島線とカトリック
    第2章  二つの「常磐~「ときわ」と「じょうばん」の近現代
    第3章  軍隊の消えた街~旭川の光と影
    第4章  古代・中世・近代の交錯するJR阪和線
    第5章  日蓮と「房総三浦環状線」
    第6章  「裏」の山陽をゆく
    第7章  神功皇后と継体天皇と北陸本線...続きを読む