原武史のレビュー一覧

  • 滝山コミューン一九七四
    過去の物語か、今も現場で起きているのか? 「自由で民主的な、生徒が主体となって活動する小学校」での鬱屈した日々を、筆者が振り返る自伝的ノンフィクション。

    筆者が小学生時代を過ごした1970年代の滝山・東久留米市立第七小学校では、若く熱意のある教員と、それを支えるPTAによって、全国生活指導研究協議...続きを読む
  • 鉄道ひとつばなし2
    ひとつばなし という名の話がたくさんある。

    感想は1つだけ。

    名古屋発天王寺ゆき客車列車。
    一度乗ったことがある。

    近鉄よりも時間がかかって二度と乗らなかった。

    たしかに今,近鉄との競争でがんばっている。
    亡くしたものは何だろうか。
  • 鉄道ひとつばなし3
    ひとつばなし という名の話がたくさんある。

    感想は1つだけ。
    安全と「安全」
    の話題は
    太宰治の 人間失格
    志賀直哉の 灰色の月
    雨宮処凛 中央公論2008年4月号
    という文学の題材。

    やられた。
  • 鉄道ひとつばなし
    ひとつばなし という名の話がたくさんある。

    感想は1つだけ。
    名鉄パノラマカーの話題は、興味深かった。
    先頭に何度か乗ったことがある。

    他社の先頭にはなかなか乗れないことがあるとのこと。
    残念ですね。
  • 滝山コミューン一九七四
    1974年。西武新宿線沿線の北多摩郡久留米町に開発された滝山団地。総戸数3080戸。開発前に約19600人しかいなかった久留米町の人口は10年後の70年には4倍の78000人となり市制を導入して東久留米市となり、北多摩郡は消滅した。そして著者がこの滝山団地から通ったのが東久留米市立第七小学校である。...続きを読む
  • 戦後政治と温泉 箱根、伊豆に出現した濃密な政治空間
    戦後の宰相たちが多くの時間を過ごした温泉ほか保養地。箱根、伊豆、軽井沢。温泉を舞台とした濃厚な政治空間を描く。通信手段の未発達な時代の方が首相が首都不在の期間が長いのが面白い。

    通信手段も交通手段も未発達な時代、天皇皇后両陛下の那須や葉山の御用邸で過ごすように、当時の首相は温泉に滞在し、英気を養っ...続きを読む
  • 「松本清張」で読む昭和史
    面白かった。好きで清張さんは、読んでいたが、いかに表面しか見ていなかったか、反省させられる一冊。天皇制、宮中のいろいろも興味深く読んだ。皇室の記事の見方が変わる。
  • 歴史のダイヤグラム〈2号車〉 鉄路に刻まれた、この国のドラマ
    旅行旅に限らず、通勤だったり出張だったりふとした時に考える思考の世界。テツ兼歴史学者から見た視点が何とも楽しいエッセイ。

    近年の鉄道紀行では右に出るもののない筆写の作品。皇室だったり日本史に連想が傾くのはご愛嬌だろう。好きに乗って好きに連想するのも鉄道旅の魅力の1つだろう。
  • 「民都」大阪対「帝都」東京 思想としての関西私鉄
    関西って東京と比べてメッチャ私鉄が発達してるじゃないですか!

    初めて阪急梅田駅のホームを見た時、圧倒的なターミナル感にビビった記憶があります。

    鉄道の視点から、大阪と東京の違いを読み解いていく魅力的な試みの一冊。面白かったです。
  • 歴史のダイヤグラム〈2号車〉 鉄路に刻まれた、この国のドラマ
    土曜版の連載は読んでるんやけど、けっこう忘れてんのよね。昭和天皇が伊勢神宮に戦勝祈願したのを反省する話、昭和天皇崩御の時の侍従の話、辻政信逃走、終戦直後の共産党の話とかは覚えてた。
    今回読んでおもしろかったのが、只見線復旧の話の中で「台湾では幅広い層が鉄道に関心を持っている」って書かれてたこと。宮脇...続きを読む
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)
     歴史ある面を鉄道という線で結んでいるところが新鮮で勉強になった。天皇の記述が多いが、所詮日本の歴史は天皇の歴史になってしまうのは、文書に残っているのはそれしかないのだから仕方がない。
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)
    ハードカバーが出た時から気にはなってたんやけど、文庫持ってる版元で原武史であればそのうちやろ、と文庫落ち待ち。
    鉄道と皇室、時々カトリック、原武史の持ち駒全投入で楽しい。
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)
    ただの偶然だが今住んでいる近くが舞台の、

    「古代・中世・近代が交差するJR阪和線」

    の他にも、多少なりとも縁のある地域を取り上げた、

    「二つの「常磐」-「ときわ」と「じょうばん」の近現代」
    「「裏」の山陽をゆく」
    「神功皇后と継体天皇と北陸本線と」

    があり興味深く読み進んだ。特に継体天皇は最...続きを読む
  • 「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―(新潮文庫)
    宗教と天皇に関する知識が凄い…そこに鉄道を絡める必然性は一部疑問ではあるが、旭川の部分については鉄道との関連性がとても理解できた。
  • 大正天皇
    原武史による大正天皇の研究書。著者らしく、鉄道や行幸を丁寧に追うことで、ありありとした皇太子時代の雰囲気がとても良く伝わってくる。
    また、それに対になるように、前後の明治と昭和との違い。その時の大正天皇を取り巻く政治的な思惑。それぞれの声を拾い上げて、イメージを作り上げるのは大変興味深い。
  • 滝山コミューン一九七四
    筆者個人の体験に根ざした半自伝的な一冊。

    1970年代、都内の小学校で試みられた「自由で民主的」な教育。

    それは個人の自由よりも集団行動を優先させた極端な民主化の姿でもあった。

    集団行動に馴染まない筆者を追い詰めていく場の空気感が怖しい。

    原センセよりは少しあとの世代ですが、やはり同じような...続きを読む
  • 最終列車
    鉄道を軸にしながら、天皇、政治、文学の領域を行き来する原武史先生。この本もいつもの感じでテンポよく話は読んでいくことができる。

    ただ最終列車というタイトルが意味するところを考えると寂しくもなり、次の旅があすから始まるのだと前向きにもなれたりもして、不思議な感覚になった。
  • 平成の終焉
    いまの上皇・上皇妃の皇太子時代からの言動をもとに、天皇・皇后のあり方を考察した本。原武史さんらしい視点も織り交ぜてつつ、地方紙も含めて資料を細かく調べながら全体図を描いてくれます。

    昭和天皇と異なり、膝をついて国民と接するスタイルとそれに対する反発、美智子妃の一歩後ろを歩くスタイルとその美しさに感...続きを読む
  • 思索の源泉としての鉄道
    いつもの原武史節が全開で一気に読めました。
    東日本大地震後のJR東日本の三陸地方への対応については批判的な姿勢が貫かれています。以前より新幹線のようなスピード優先、旅情が脇役となる旅やには批判的、かつ取り残されるローカル線沿線の住民の目線がありました。それは災害時ほど顕著になるのだと思います。それが...続きを読む
  • 最終列車
    政治思想の専門を軸に鉄道に着いて縦横無尽に考察する雑誌『本』『群像』に連載されたエッセイ。

    筆者の本は単に鉄道マニア向きというにはハイレベル。鉄道の知識よりも政治思想の成分が非常に濃い。その割に売れるのは、鉄道マニアの裾野が広いのか、それとも別の筆者のファンが多いのか。

    あえて分類すれば歴史テツ...続きを読む