原武史のレビュー一覧

  • 大正天皇

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    文庫になったんや、と思って買ってから選書版を本棚から発見。でも文庫読み進めても読んだ記憶なし。買うだけ買って積ん読やったんかな。
    明治、昭和の大帝の間で地味なのよね、大正天皇。在位期間も短いし、病気もあったし。遠眼鏡事件は聞いたことくらいはあったけど。しかし、人間味あふれるということと天皇であることの両立が病むきっかけとかツラいなぁ。

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    2015年05月09日
  • 滝山コミューン一九七四

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    理想を目指すのはどのような社会にあっても必要なことなのですが、それが行き過ぎると第三者の眼には奇異に、ときには恐怖すら覚えることがある。また、集団行動は美しさの内に狂気を秘めているように見えることがある。

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    2014年01月12日
  • 鉄道ひとつばなし2

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    ナゼか鉄道の本が読みたくなって、手にとった本。自称鉄道マニアではない人が、鉄道を通してみる歴史、まち、文学、人間について書いているので、とても興味深いです。最後に駅名索引が付いていたり、若干マニアックなところがありますが、たまに笑えます。

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    2013年11月24日
  • 滝山コミューン一九七四

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     まず、装丁がすばらしい。
    カウンターが示す1974とその数字のズレは固まった過去ではなく、つながりと変化の印。むちゃくちゃにセンスがよかったから、アヴァンギャルドな内容を若い研究者が書いているのかと思ってたんですが、読んでみると大学教授が自叙伝的に記す戦後民主主義の話でした。読んでいる途中思わず背中がゾクっとしました。装丁も内容もいいなんてなんてすばらしい本なんでしょう。
     民主主義の裏にある集団思想の影は、ニュータウンにある学校でのとっても局所的な、ある意味奇跡に近いような「優性な世界」。筆者は感情的な拒否しているけど、考えとしては否定も肯定もしていないように思う。僕も同じように思う。肌に

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    2013年10月26日
  • 沿線風景

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     週刊誌に連載していた書評エッセイをまとめたものが単行本化され、それが文庫本になったもの。書評の内容もあるのだが、その書評よりもメインはむしろ著者の日帰り電車紀行。書評を強引に旅の記録に結びつけているものがあるが、それは著者も言及している通りで、いろいろな所へ行ってみてそこで体験したり思ったことと、本で読んだことを結びつけることは、そこでまた新たな発見があるものだ。
     鉄道と風景や人々の日常生活、社会・歴史の心象風景を結びつけて綴られているのがとても面白い。著者はもちろん筋金入りのテツだろうが、むしろ鉄道をインターフェイスに、日本政治史・日本政治思想史分析や生活体験を絡めての社会分析がとても勉

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    2013年09月05日
  • 鉄道ひとつばなし

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    鉄道に関するトリビアではなく、鉄道を通して見えてくる文化や風俗、歴史。
    日本人が「分」という時間の単位を意識するようになったきっかけ。そこから鉄道の普及と時計店の数の増え方から説明できるとかね。
    特急の名前から、富士山と桜が日本を代表する山と花になった背景とか。
    勝沼あたりから見る甲府盆地の美しさとか。
    読んでいて飽きない。

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    2013年01月10日
  • 滝山コミューン一九七四

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     著者が生まれ育った東京都東久留米市にある滝山団地にあった、東久留米市立第七小学校(通称「七小」)を舞台に、当時の日本の社会や政治の時代の空気に反映された、著者が「味わった」出来事を綴った本である。
     当時の七小は団地に住む大人や当時の時流だった民主主義的教育を実践する教員たちの思想が如実に児童たちの行動様式に反映されていた。著者曰く、最も民主主義的な学校社会が形成されていた「滝山コミューン」であった。特に全国生活指導研究協議会の「学級集団づくり」による学級(学校)の運営が、団地という言わば閉鎖的なコミュニティと相まって、見事なまでに浸透し、「教育」と呼ばれる思想伝播が個人から集団へ、また学校

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    2012年06月24日
  • 滝山コミューン一九七四

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    中学生の時に体験した悪夢の一端が書かれている本。。時代はだいぶズレてるし、地域も違うんだけど、こういう強烈な集団主義教育の根底にどのような思想があったのかを知ることができた。「ボロ班」とかあったよなあ・・・。

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    2012年04月14日
  • 滝山コミューン一九七四

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    過去の物語か、今も現場で起きているのか? 「自由で民主的な、生徒が主体となって活動する小学校」での鬱屈した日々を、筆者が振り返る自伝的ノンフィクション。

    筆者が小学生時代を過ごした1970年代の滝山・東久留米市立第七小学校では、若く熱意のある教員と、それを支えるPTAによって、全国生活指導研究協議会(全生研)の指導方針を軸とした「民主的教育」が追求された。班単位での生活指導、代表児童委員会による選挙と委員会活動、生徒主体の林間学校...。しかし、その中で連呼される「みんな」という言葉に違和感を抱き続けた筆者は、中学受験塾に自分の精神的基盤を置き、学校を批判する側にまわる。そして30年以上たっ

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    2011年12月03日
  • 鉄道ひとつばなし3

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    ネタバレ

    ひとつばなし という名の話がたくさんある。

    感想は1つだけ。
    安全と「安全」
    の話題は
    太宰治の 人間失格
    志賀直哉の 灰色の月
    雨宮処凛 中央公論2008年4月号
    という文学の題材。

    やられた。

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    2011年08月03日
  • 鉄道ひとつばなし2

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    ネタバレ

    ひとつばなし という名の話がたくさんある。

    感想は1つだけ。

    名古屋発天王寺ゆき客車列車。
    一度乗ったことがある。

    近鉄よりも時間がかかって二度と乗らなかった。

    たしかに今,近鉄との競争でがんばっている。
    亡くしたものは何だろうか。

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    2011年08月03日
  • 鉄道ひとつばなし

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    ネタバレ

    ひとつばなし という名の話がたくさんある。

    感想は1つだけ。
    名鉄パノラマカーの話題は、興味深かった。
    先頭に何度か乗ったことがある。

    他社の先頭にはなかなか乗れないことがあるとのこと。
    残念ですね。

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    2011年08月02日
  • 滝山コミューン一九七四

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    1974年。西武新宿線沿線の北多摩郡久留米町に開発された滝山団地。総戸数3080戸。開発前に約19600人しかいなかった久留米町の人口は10年後の70年には4倍の78000人となり市制を導入して東久留米市となり、北多摩郡は消滅した。そして著者がこの滝山団地から通ったのが東久留米市立第七小学校である。第七小学校は滝山団地の児童を受け入れ、全校児童の殆どが団地の児童となった。均質化された団地住まいの家庭の児童が大挙して通ったクラスは児童や両親の考え方も均質化していた。先ず始めにP.T.Aの民主化が行われ継いで団塊世代で先日まで学生運動をしていたような新任の教師が赴任して「水道方式」と「学級集団づく

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    2011年08月19日
  • 歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史

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    朝日新聞連載コラムの書籍化。故半藤一利氏のピンチヒッターとして連載が始められたとのこと。中央停車場・東京駅、天皇の御召列車・原宿宮廷ホームという話題から始まり、鉄道と共に歩んだ日本の歴史の概観である。柳田國男からの引用「この国土を愛したくなる」感情はパトリオティズムでありナショナリズムではないという文章が印象に残った。著者は私より5歳年長だが、鉄道ファンとして若い時から様々な路線、列車を経験しているのが羨ましい。「午後12時24分」という時刻表記があったが、戦前の時刻表示に合わせたとしたらマニアックだ!

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    2025年11月24日
  • 〈女帝〉の日本史

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    文字通り、女帝(直接的な権力持たない天皇や皇后も含む)の歴史を綴った一冊。

    日本だけではなく中国や朝鮮との比較もあり、とても勉強になった。

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    2025年11月08日
  • 日吉アカデミア一九七六

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    滝山団地の小学校での集団体験を描いた「滝山コミューン」に続く作品。慶應普通部に入学した学問体験。
    とはいえ、ほぼほぼ鉄道に関する内容。自由なアカデミックな授業を期待するも不満は多い。独自の校風の中、自由研究に励む。
    筆者の鉄道遍歴が主題。教育関係の記載を期待した読者には期待外れかも。
    明らかにテツ向けな内容。知って読めば面白い。

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    2025年09月19日
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々

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    明治時代における国家神道の形成の裏で、出雲国造の千家尊福がオホクニヌシを中軸に据える神学をたずさえて戦いをいどみ敗れた経緯と、彼の思想の背景にあった復古神道における幽界にまつわる解釈の歴史をたどった本です。

    『日本書紀』の一書第二には、オホクニヌシが国譲りを承諾し、「顕事」をニニギに託すとともに、もうひとつの世界である「幽事」の支配を引き受けることになったとしるされています。このことに注目し、アマテラスを中心とする神道理論に対抗する言説を構築したのが、平田篤胤でした。本居宣長の没後の門人を名乗った篤胤は、死後の霊魂が黄泉国に赴くとする宣長の考えに反対し、われわれの死後のありかたについて独自の

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    2025年09月17日
  • 天皇問答

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     書名にある通り、対談がまとめられたものなので、まとまった論考が展開されているわけではない。でも、明治以降令和にいたるまでの天皇や皇室の変遷を二人で振り返ってくれているので、頭の中を整理できる。昭和天皇の崩御で、それまで存在感が薄れていた天皇の身体が急に表面に登場し、天皇のタブー性を再認識させられたこと(p156)、平成天皇は雲仙普賢岳の大火の時被災地を訪れひざまずいて国民と対話する姿が印象的だったが、一方で戦地訪問先は敗れたところのみ訪れ、旧満州や真珠湾などは意図的に回避しており、平成天皇の訪問した戦地のみであの戦争を振り返るのは実態を歪めてしまうこと(pp166-177)、眞子さんのニュー

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    2025年03月08日
  • 鉄道旅へ行ってきます

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    東日本大震災もコロナ禍も起こる前の2000年代初め、鉄男2人鉄子1人の旅が企画された。案内人は原氏。2024年に文庫化されるに当たり、当時のお店が無くなったという注が入っていたりして、鉄道離れとコロナ禍が恨めしい。文庫版スペシャル旅(カバー写真も)は、我が故郷の銚子電鉄。自分的保存版なのだが、風呂で読んでいる時に居眠りして水没させてしまい、よれよれになってしまった(涙)

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    2025年02月15日
  • 天皇問答

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     20世紀の総力戦に取材した小説を多く発表してきた小説家と、近代天皇制とメディアとのかかわりを粘り強く追いかけて来た政治学者との対談本。新書という媒体的な制約もあって、基本的な知識の確認に多くのページが費やされているが、大正天皇の振る舞いを「大正流」として取り出したり、徳川時代の身分差をめぐる人々の身ぶりと近代天皇制のそれとの連続性を問題化したりと、興味深い論点も提示されている。原武史が、近代天皇制を研究していて最も分からないのは、「なぜ民衆が天皇制を支持し続けたか」「いったい誰が宮中の儀礼を設計したのか」が分からないことだ、とコメントしていたことも印象に残った。原が構造的な女性差別性を提起す

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    2025年01月28日