原武史のレビュー一覧
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過去の物語か、今も現場で起きているのか? 「自由で民主的な、生徒が主体となって活動する小学校」での鬱屈した日々を、筆者が振り返る自伝的ノンフィクション。
筆者が小学生時代を過ごした1970年代の滝山・東久留米市立第七小学校では、若く熱意のある教員と、それを支えるPTAによって、全国生活指導研究協議...続きを読むPosted by ブクログ -
1974年。西武新宿線沿線の北多摩郡久留米町に開発された滝山団地。総戸数3080戸。開発前に約19600人しかいなかった久留米町の人口は10年後の70年には4倍の78000人となり市制を導入して東久留米市となり、北多摩郡は消滅した。そして著者がこの滝山団地から通ったのが東久留米市立第七小学校である。...続きを読むPosted by ブクログ
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戦後の宰相たちが多くの時間を過ごした温泉ほか保養地。箱根、伊豆、軽井沢。温泉を舞台とした濃厚な政治空間を描く。通信手段の未発達な時代の方が首相が首都不在の期間が長いのが面白い。
通信手段も交通手段も未発達な時代、天皇皇后両陛下の那須や葉山の御用邸で過ごすように、当時の首相は温泉に滞在し、英気を養っ...続きを読むPosted by ブクログ -
面白かった。好きで清張さんは、読んでいたが、いかに表面しか見ていなかったか、反省させられる一冊。天皇制、宮中のいろいろも興味深く読んだ。皇室の記事の見方が変わる。Posted by ブクログ
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旅行旅に限らず、通勤だったり出張だったりふとした時に考える思考の世界。テツ兼歴史学者から見た視点が何とも楽しいエッセイ。
近年の鉄道紀行では右に出るもののない筆写の作品。皇室だったり日本史に連想が傾くのはご愛嬌だろう。好きに乗って好きに連想するのも鉄道旅の魅力の1つだろう。Posted by ブクログ -
関西って東京と比べてメッチャ私鉄が発達してるじゃないですか!
初めて阪急梅田駅のホームを見た時、圧倒的なターミナル感にビビった記憶があります。
鉄道の視点から、大阪と東京の違いを読み解いていく魅力的な試みの一冊。面白かったです。Posted by ブクログ -
土曜版の連載は読んでるんやけど、けっこう忘れてんのよね。昭和天皇が伊勢神宮に戦勝祈願したのを反省する話、昭和天皇崩御の時の侍従の話、辻政信逃走、終戦直後の共産党の話とかは覚えてた。
今回読んでおもしろかったのが、只見線復旧の話の中で「台湾では幅広い層が鉄道に関心を持っている」って書かれてたこと。宮脇...続きを読むPosted by ブクログ -
歴史ある面を鉄道という線で結んでいるところが新鮮で勉強になった。天皇の記述が多いが、所詮日本の歴史は天皇の歴史になってしまうのは、文書に残っているのはそれしかないのだから仕方がない。Posted by ブクログ
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ハードカバーが出た時から気にはなってたんやけど、文庫持ってる版元で原武史であればそのうちやろ、と文庫落ち待ち。
鉄道と皇室、時々カトリック、原武史の持ち駒全投入で楽しい。Posted by ブクログ -
ただの偶然だが今住んでいる近くが舞台の、
「古代・中世・近代が交差するJR阪和線」
の他にも、多少なりとも縁のある地域を取り上げた、
「二つの「常磐」-「ときわ」と「じょうばん」の近現代」
「「裏」の山陽をゆく」
「神功皇后と継体天皇と北陸本線と」
があり興味深く読み進んだ。特に継体天皇は最...続きを読むPosted by ブクログ -
宗教と天皇に関する知識が凄い…そこに鉄道を絡める必然性は一部疑問ではあるが、旭川の部分については鉄道との関連性がとても理解できた。Posted by ブクログ
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筆者個人の体験に根ざした半自伝的な一冊。
1970年代、都内の小学校で試みられた「自由で民主的」な教育。
それは個人の自由よりも集団行動を優先させた極端な民主化の姿でもあった。
集団行動に馴染まない筆者を追い詰めていく場の空気感が怖しい。
原センセよりは少しあとの世代ですが、やはり同じような...続きを読むPosted by ブクログ -
いつもの原武史節が全開で一気に読めました。
東日本大地震後のJR東日本の三陸地方への対応については批判的な姿勢が貫かれています。以前より新幹線のようなスピード優先、旅情が脇役となる旅やには批判的、かつ取り残されるローカル線沿線の住民の目線がありました。それは災害時ほど顕著になるのだと思います。それが...続きを読むPosted by ブクログ