原武史のレビュー一覧

  • 日本の鉄道 車窓絶景100選

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    鉄道を入れ込んだ絶景とは違い、車窓からの絶景は限られるのだろうと思う。写真にもし難く、やはり実際に列車に乗って自分の目で見ることに意義がある。本書が写真を多用せず、4人の鉄があーだこーだと話す内容を読者に楽しませることに重点を置いたとするのは穿ちすぎか? 銚子電鉄がノミネートされたが選ばれず、自分の住む千葉県が100選にどこも選ばれなかったのは残念であるが仕方なしだろう。本書は'08年の発行で、それ以降の台風や東日本大震災などで廃線や変わってしまった車窓も多いのではないだろうか。

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    2015年02月24日
  • 知の訓練―日本にとって政治とは何か―

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     時間や広場など一見政治とは関わりがないように見えるものが実は関係している、ということが書かれている。政治を理解するためには目に見える表面だけでなく、背後の歴史を知ることが必要である。この本でこれまで事実として知っていたこともより深く理解出来た。授業形式の本なので、ややまとまっていない印象も受けた。

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    2015年01月20日
  • 思索の源泉としての鉄道

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    「あまちゃん」の演出にはJR東日本に対する辛辣な批判が込められているといっても過言では無い。東北新幹線はいち早く復旧したのに、三陸沿岸のJR線は復旧の見通しすら立っていない。最終回でアキとユイが、現在の三陸鉄道北リアス線の終点になっている田野畑駅をモデルとする畑野駅から先に伸びる線路の上を歩きながら、来年開通すると話し合っていたのも、いつ復旧するかわからないJRと対比することで、そのセリフがいっそう際立つ。

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    2014年12月14日
  • 思索の源泉としての鉄道

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    東海道本線を走る特急つばめ、はとが復活したらを仮定したストーリーをオモシロく読みました。大阪9時発、東京16時半着。長時間の乗車であるため、駅弁を買い込み、PCを備えた個室で仕事をし、目が疲れると車窓を眺め、食堂車で沿線の特産品(由比の桜えびのかき揚げそばなど)を使った食事をしながら相席の客の話を聞いたり、個室のルームサービスでコーヒーや静岡茶を頼み、コリを解消するためのマッサージまで楽しんでもまだ着かない!

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    2014年12月08日
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々

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    これの前に読んでいた『サイモン・アークの事件簿I』と同時期に購入。第一部は十八世紀末から十九世紀末に至るまでの政治思想史〈総論〉で、国学や復古神道などさほど古くない時代が記述の起点となっている。確かにそれ以前の政治思想に〈出雲〉は関わってないわけだから当然といえばそれまでなのだが、〈思ってたのと違う〉感は否めず。しかし「幽冥主宰神」オホクニヌシを巡る闇の政治思想史として、なかなか興味深い論点ではあった。
    第二部は埼玉県の県庁所在地に関する思想史〈各論〉。つまり大宮でなければ、浦和でもどこでも良かったと?w

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    2014年12月01日
  • 思索の源泉としての鉄道

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    <目次>

    第1章  東日本大震災と鉄道
    第2章  天皇・皇后と鉄道
    第3章  沿線文化の起源
    第4章  断たれた鉄路を行く
    第5章  鉄道をめぐる記憶と文学
    第6章  乗客の横顔
    第7章  鉄道復興の限界
    第8章  海外の鉄道で考える
    第9章  よみがえる「つばめ」「はと」

    <内容>
    新しいタイトルだが、『鉄道ひとつばなし』の第4弾。東日本大震災もあり、タイトルを変更した模様。序のところとあとがきでいろいろ書いてあるが、変えた理由がよくわからない…。内容的には、東日本大震災後、三陸地域のJR東日本の対応がいいかげんと、批判の部分が多い。またJR東海の新幹線神話に対してもやや批判的(第9章

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    2014年11月01日
  • 震災と鉄道

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    20140410 災害と鉄道、どんな問題が有るのか分かりやすく解説されている。一部鉄オタな内容もあり距離を置いて読んだ方が良いかも。リニアの問題点についてもう少し解説してもらいたかった。

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    2014年04月10日
  • 沿線風景

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    政治思想史を専門とされている原武史さんによる書評。書評と言っても、必ず電車に揺られて小旅行をする。昼時には概ね麺類を注文する。訪れた土地の郊外団地について考察がなされ、また、天皇とその土地の関わりが語られる。
    なんだか、とってもユニークな本。
    好きだなぁ、こういう感じ。この人の他の本も読んでみたくなりました。

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    2014年01月05日
  • 沿線風景

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    後書きで「私の本職は、日本政治思想史の研究である。」と云われる原先生。「大正天皇」「昭和天皇」などの著作もある。鉄道好きでも有名。
    主に東京近郊に鉄道やバスで出かける。あさま山荘や三里塚、上九一色村など昭和、平成の事件となった舞台や天皇の御用邸、大規模団地など。
    小さな旅行記の中で、本が紹介される。新刊ではなく、昭和の時代の側面を伝えるノンフィクションが多い。文芸作品も多少。

    書評というには言及は短いが、郊外に残る昭和の風景の記憶と本の話が、なんとも言えない味を醸している。

    大本教を再訪するのが、チョッと不思議。昔読んだ栗本慎一郎の本でも大本教は取り上げられていた。当時に沢山出現した新興宗

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    2014年01月18日
  • 鉄道旅へ行ってきます

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     いきものがかり的な構成の鉄道旅行は、とても楽しそうです。ほぼ関川さんと原さんのうんちくで、占められていますが時々入る酒井さんの発言がおもしろい。
     特に、『Ⅲ 大人の遠足で行こう』で秩父鉄道のSLに乗車中、沿道の見知らずの人から手を振られるところで酒井さんの
     「気分は皇室の一般参賀みたいでした。手を振っている人がいたら、必ず手を振り返すことをモットーにしているので、私は紀子さまをイメージして振っていました。」
     を見て、なんて可愛い人なんだ、と同じところを何回も読んでしまいました。

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    2013年06月25日
  • 震災と鉄道

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    東日本大震災における各ローカル線とJR東日本の対応について、また今後の鉄道の役割についてまとめた本。全体的にJRに対して否定的なスタンスであるのは割り引く必要があるものの、鉄道を単にA地点からB地点まで乗客を輸送する手段と定義することなく、地域における多面的役割を担っているという言説は示唆に富む。

    この本のなかに挙げられていた、盛岡~宮古~釜石を結ぶJR山田線のポテンシャルについては頷ける。イーハトーブの里として風光明媚な塩の道=宮古街道から三陸海岸に抜ける路線は、スローな展望列車などで巡るには非常に魅力的である。首都圏から盛岡駅までは2時間半でアクセスできるので、宮沢賢治や柳田国男の物語と

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    2013年05月25日
  • 沿線風景

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    「滝山コミューン一九七四」以降、団地の文化論の専門家のように思われている(?)著者が「週刊現代」に連載していた書評エッセイの文庫本化。単行本にはなかったドリームランドとよみうりランド編がついてます。
    書評というよりも、電車で訪ねる東京近郊ワンデイトリップという感じです。

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    2013年04月23日
  • 鉄道旅へ行ってきます

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    列車内での鼎談集と思いきや、駅そばの品評会だったり。場面やトピックには一連の流れはない。原さんが先導役で知識を披露、関川さんが一段高いところで聞き役に。酒井さんは寝役と言ったところか。最後の三編はそれぞれの一人旅。これらの続編希望。

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    2013年03月16日
  • 沿線風景

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    なんか3☆にしてしまったけど、結構好きな本といまになって思う。なんといってもコンセプトが自分向き。電車乗って、何か読んで何か食べて…。力が抜けているような気がするので、こちらも何か3☆くらいでおさめちゃった。あまり考えていないからね。
    ポーランドとかゼミの郊外実習で奈良とか例外はあるが、基本的に首都圏から行ける距離の電車とかバスに乗って、読書と地元の食(多くはラーメン、うどん、そば)と絡めた本。こちらもビール(がんばってギネス)を飲みながら、楽しませてもらった。子供が小学校に入ったら、月一くらいで電車旅行やってみようかと思った。
    行った先の土地や途中の風景の観察眼などは原武史ならではのもの。

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    2013年02月27日
  • 滝山コミューン一九七四

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    2013.2.5〜3.18
    やっと読みおわった。新聞の書評をみて読もうと思ったのだが、書評の何に惹かれて読もうと思ったのだろうか...。でも、教育のあり方や扇動のされ方とかは興味深かった。

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    2013年03月18日
  • 滝山コミューン一九七四

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    タイトルと装丁に魅かれたのと「文科系トークラジオLife」で紹介されていたのを微かに記憶しており、読んでみた。
    読んでみて、タイトルから想像したほどの大仰な集団が組織されたわけではないし、その集団が社会に強烈な影響を与えたというような物語があったわけでもなかったので、少し拍子抜けした。ただ当時の全生研が推し進めた「学級集団づくり」が排除の倫理に基づく危険な思想をベースに実践されていたことには素直に驚いた。また「追求」と称して体制に反する者に自己批判を要求する行為を小学生が自発的に行っていた事実は、イデオロギーを強制的に押し付ける教育の怖ろしさを痛感した。
    「学級集団づくり」の一つの要素であ

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    2012年09月06日
  • 鉄道ひとつばなし

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    鉄道マニア向けの本は数々あるけれど、これは主に「乗り鉄」向けの話。

    自分は乗り鉄じゃないけど、東京の私鉄は身近なので、その歴史などは非常に勉強になった。

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    2012年05月01日
  • 震災と鉄道

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    三陸鉄道だけじゃなく、本気で東北沿岸を青春18きっぷで行きたくなったけど、JR線がまだ復旧してないのよね…(´Д` )
    作者の熱い思い入れを感じる本。
    電化してないディーゼルも久しぶりにのってみたいなぁ。

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    2012年03月03日
  • 滝山コミューン一九七四

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    小学生という、無垢の子たちだからこそ、全体主義に組織化され、自分という主語ではなく、みんなという主語を持った時起こる出来事。
    それは歳など関係なく、ある意味の恐怖を抱かずにいられない。
    そして、それを正しい事だと組織化しようとする大人。
    その矛盾に気づく幼少時代の筆者。

    小学校の中心的な児童にとっては、筆者はつれないやつと思われただろう。
    筆者にとっては、中心的な児童は踊らされて躍起になっている馬鹿なやつ。
    そんな両方の認識は今の子ども達にも通ずるとこもある。
    どちらにも考えがあり、間違ってはいないと。

    団地、集団主義。自分の育った環境にはあまりなかった言葉たち。
    前半に比重がおかれている

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    2012年02月25日
  • 鉄道旅へ行ってきます

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    第一回、第二回に関しては、目的地の話がほとんど出てこず、ただ鉄道話。この辺は最終回にまとめというか、反省会というかで語られている。

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    2012年02月08日