原武史のレビュー一覧

  • 知の訓練―日本にとって政治とは何か―
    大学の教授が講義を記した一冊。

    日本人にとって政治というのはどういう位置づけで、天皇制がどういう位置づけであったかというのを、著者の視点を通じて知ることができた。
  • 「昭和天皇実録」を読む
    公にされていない事柄が多く驚く。特に実母との確執は最大級の驚きだ。昭和天皇の退位も可能性があったくらいだから。
  • 滝山コミューン一九七四
    思い起こせば、どの学年かははっきりしないが小学校ときに、班競争で点数を競っていた気がする。班だと負けるから「あいつは班に入れたくない」というような言葉ももおぼえている。
    ボロ班、ビリ班には覚えがないが、集団責任はよく聞いた。
    軍国主義から脱却したはずが、個を抑圧する集団主義に陥っているという皮肉に、...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」を読む
     『昭和天皇実録』の講義録。著者がこれまで研究してきた「巡幸・行幸啓」や宮中祭祀をはじめとする宗教との関係に重きを置いており、政治史・軍事史的な観点は薄い。目新しいところでは、戦後占領期に昭和天皇がカトリックに接近を図り、改宗の可能性すらあったという指摘が興味深い。旧著『昭和天皇』(岩波新書)と同様...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」を読む
    著者の『皇后考』を読んでいたのが参考になりました。やはり昭和天皇は母貞明皇后(後、皇太后)を恐れていたことが、判然と示されています。それと、私が特に気になるのは、天皇がカトリックに接近する背景には、神道に対する悔悟に加えて、A級戦犯にすべての罪をかぶせることに対する精神的な葛藤があったと思われること...続きを読む
  • 「昭和天皇実録」を読む
    「皇太后」
    これが一番の歴史だったんですね。
    それと皇太后に仕えた女官。
    それに影響された皇后。
    とにかく・・・・、歴史の裏に「オンナあり」ということでしょうか。
    恐ろしい。
  • 日本の鉄道 車窓絶景100選
    鉄道を入れ込んだ絶景とは違い、車窓からの絶景は限られるのだろうと思う。写真にもし難く、やはり実際に列車に乗って自分の目で見ることに意義がある。本書が写真を多用せず、4人の鉄があーだこーだと話す内容を読者に楽しませることに重点を置いたとするのは穿ちすぎか? 銚子電鉄がノミネートされたが選ばれず、自分の...続きを読む
  • 知の訓練―日本にとって政治とは何か―
     時間や広場など一見政治とは関わりがないように見えるものが実は関係している、ということが書かれている。政治を理解するためには目に見える表面だけでなく、背後の歴史を知ることが必要である。この本でこれまで事実として知っていたこともより深く理解出来た。授業形式の本なので、ややまとまっていない印象も受けた。
  • 思索の源泉としての鉄道
    「あまちゃん」の演出にはJR東日本に対する辛辣な批判が込められているといっても過言では無い。東北新幹線はいち早く復旧したのに、三陸沿岸のJR線は復旧の見通しすら立っていない。最終回でアキとユイが、現在の三陸鉄道北リアス線の終点になっている田野畑駅をモデルとする畑野駅から先に伸びる線路の上を歩きながら...続きを読む
  • 思索の源泉としての鉄道
    東海道本線を走る特急つばめ、はとが復活したらを仮定したストーリーをオモシロく読みました。大阪9時発、東京16時半着。長時間の乗車であるため、駅弁を買い込み、PCを備えた個室で仕事をし、目が疲れると車窓を眺め、食堂車で沿線の特産品(由比の桜えびのかき揚げそばなど)を使った食事をしながら相席の客の話を聞...続きを読む
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々
    これの前に読んでいた『サイモン・アークの事件簿I』と同時期に購入。第一部は十八世紀末から十九世紀末に至るまでの政治思想史〈総論〉で、国学や復古神道などさほど古くない時代が記述の起点となっている。確かにそれ以前の政治思想に〈出雲〉は関わってないわけだから当然といえばそれまでなのだが、〈思ってたのと違う...続きを読む
  • 思索の源泉としての鉄道
    <目次>

    第1章  東日本大震災と鉄道
    第2章  天皇・皇后と鉄道
    第3章  沿線文化の起源
    第4章  断たれた鉄路を行く
    第5章  鉄道をめぐる記憶と文学
    第6章  乗客の横顔
    第7章  鉄道復興の限界
    第8章  海外の鉄道で考える
    第9章  よみがえる「つばめ」「はと」

    <内容>
    新しいタ...続きを読む
  • 震災と鉄道
    20140410 災害と鉄道、どんな問題が有るのか分かりやすく解説されている。一部鉄オタな内容もあり距離を置いて読んだ方が良いかも。リニアの問題点についてもう少し解説してもらいたかった。
  • 沿線風景
    政治思想史を専門とされている原武史さんによる書評。書評と言っても、必ず電車に揺られて小旅行をする。昼時には概ね麺類を注文する。訪れた土地の郊外団地について考察がなされ、また、天皇とその土地の関わりが語られる。
    なんだか、とってもユニークな本。
    好きだなぁ、こういう感じ。この人の他の本も読んでみたくな...続きを読む
  • 沿線風景
    後書きで「私の本職は、日本政治思想史の研究である。」と云われる原先生。「大正天皇」「昭和天皇」などの著作もある。鉄道好きでも有名。
    主に東京近郊に鉄道やバスで出かける。あさま山荘や三里塚、上九一色村など昭和、平成の事件となった舞台や天皇の御用邸、大規模団地など。
    小さな旅行記の中で、本が紹介される。...続きを読む
  • 鉄道旅へ行ってきます
     いきものがかり的な構成の鉄道旅行は、とても楽しそうです。ほぼ関川さんと原さんのうんちくで、占められていますが時々入る酒井さんの発言がおもしろい。
     特に、『Ⅲ 大人の遠足で行こう』で秩父鉄道のSLに乗車中、沿道の見知らずの人から手を振られるところで酒井さんの
     「気分は皇室の一般参賀みたいでした。...続きを読む
  • 震災と鉄道
    東日本大震災における各ローカル線とJR東日本の対応について、また今後の鉄道の役割についてまとめた本。全体的にJRに対して否定的なスタンスであるのは割り引く必要があるものの、鉄道を単にA地点からB地点まで乗客を輸送する手段と定義することなく、地域における多面的役割を担っているという言説は示唆に富む。
    ...続きを読む
  • 沿線風景
    「滝山コミューン一九七四」以降、団地の文化論の専門家のように思われている(?)著者が「週刊現代」に連載していた書評エッセイの文庫本化。単行本にはなかったドリームランドとよみうりランド編がついてます。
    書評というよりも、電車で訪ねる東京近郊ワンデイトリップという感じです。
  • 鉄道旅へ行ってきます
    列車内での鼎談集と思いきや、駅そばの品評会だったり。場面やトピックには一連の流れはない。原さんが先導役で知識を披露、関川さんが一段高いところで聞き役に。酒井さんは寝役と言ったところか。最後の三編はそれぞれの一人旅。これらの続編希望。
  • 沿線風景
    なんか3☆にしてしまったけど、結構好きな本といまになって思う。なんといってもコンセプトが自分向き。電車乗って、何か読んで何か食べて…。力が抜けているような気がするので、こちらも何か3☆くらいでおさめちゃった。あまり考えていないからね。
    ポーランドとかゼミの郊外実習で奈良とか例外はあるが、基本的に首都...続きを読む