原武史のレビュー一覧

  • 歴史のダイヤグラム 鉄道で見る日本近現代史

    購入済み

    読みやすかったです

    鉄道に関する読みものが好きな私です。
    原教授の著書を読むのは3冊目になります。
    前回読んだ「レッドアローとスターハウス」は鉄道とあまり関係無く期待外れでしたが、今回は充分楽しめました。
    もともと新聞の連載コラムとのことで一話ずつ短くまとめられて読みやすかったです。
    次は何を読もうか。

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    2021年11月11日
  • 滝山コミューン一九七四

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    東久留米市の団地、小学校を舞台に展開された
    組織運営の中で生活を送った著者による
    ドキュメント。

    とても興味深い内容だが、ちょっと読み辛かった。
    一部ではあれ、こんな事があったとは全然知らなかった。

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    2021年06月19日
  • 「民都」大阪対「帝都」東京 思想としての関西私鉄

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    タイトルに惹かれて手に取った本です。
     著者は、「東京」「大阪」、「国鉄」「私鉄」を対置しつつ論を組み上げていきますが、その内容は、日本思想史的な色合いで、ちょっと予想外のものでした。
     「官」の意向に対し「民」の文化を推し進めようと奮闘した関西私鉄の経営者たち。その中でも特に際立っていたのが阪急電鉄の総帥小林一三でした。「官」を相手に腹を括って徹底抗戦していく彼の姿勢は強烈な印象を残しました。とても魅力的な人物ですね。

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    2021年01月06日
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々

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    神道の思想史的系譜について、江戸時代の国学から維新政府による国家神道に至るまでの流れを俯瞰し、アマテラスから続く血統「天皇家」の中央集権近代国家の権威として伊勢の系譜を紹介しつつ、(維新政府にとって)傍系たるオオクニヌシノミコトから続く出雲の血統「出雲国造」に焦点を当てた著作。別途出雲の系譜としての大宮氷川神社の思想史の紹介あり。

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    2020年08月05日
  • 大正天皇

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     原著(朝日選書版)は2000年刊行。その後の史料状況の変化に合わせて加筆訂正した箇所はあるが、論旨はほとんど変わっていない。顕彰本以外では長らく単独の評伝がなかった大正天皇に対する史上初めての本格的研究として当時話題になった。「遠眼鏡事件」の風聞に象徴されるように、当時から精神病者としてのイメージが濃厚だった大正天皇だが、本書は皇太子時代の行啓・巡啓を中心にその行動を検証し、少なくとも青年期・少壮期は(規律や規則への不適応はあるものの)健康であったことを明らかにし、認知機能障害が顕在化して以降も「正常」な意思はあり、摂政設置は一種の「押し込め」であったと評価した。この「押し込め」説に対しては

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    2020年02月05日
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。

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    発表当時ではないにしろ、ある意味リアルタイム(201911)に読むことができました。

    オタクの凄さと、斜めの位置だから言える意見。
    そして、みんなが意見を持たないと気付けば思惑通りに流れてしまうと考えさせられる。

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    2019年11月17日
  • 平成の終焉

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    様々な抵抗を受けながら、「平成流」を貫いた天皇明仁と美智子皇后の歩みを振り返る。
    皇太子時代に、学生と憲法問題で突っ込んだ議論をした経験があったとは・・・
    行幸啓の多さが人々との触れ合いの多さとなり、「平成流」の基となった。なるほど。
    さてポスト平成はどのような皇室になるのであろうか。

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    2019年09月27日
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。

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    対談本って読まないんだけど~2016.6.24通学の沿線風景~女官の世界~『源氏物語』は不敬か2016.8.2「生前退位」のご意向~女系天皇と「国体」~天皇の代替わり2016.9.9「おことば」の衝撃~蕎麦屋にふらっと入る自由~三島由紀夫、幻の計画2016.12.8コンパートメント車両~鬼怒川温泉~東武ワールドスクウェア2018.8.30「作詞:昭和天皇」~宮内庁詰めになる~平成の終わりに~ラベルに隠れて背表紙で判らなかったんだけど、三浦ってしをんか? と手に取ったら、三浦しをんだったので、読むことにした。原先生の指摘は正しかったのになぁ。蕎麦屋に…ってのは、大正天皇の気楽さのこと。作詞:昭和

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    2019年07月05日
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。

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    普段政治学の本なんて手に取ろうともしないので、三浦しをんの名前を前面に出す判断は全くもって正しい。
    天皇と皇后のあり方から皇族女性の結婚の心配、一般社会での女性の立場までがつがつ突っ込んでいく三浦さんはさすが。
    原さんの鉄ぶりが面白い。
    松本清張の「神々の乱心」が読んでみたい。

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    2019年07月02日
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。

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    今旬の皇室の話題、三浦しをんさんの素直な疑問によくぞ聞いてくれたと感謝。それになんでも答える原氏の皇室オタクぶりに感動。勉強になりました。

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    2019年05月12日
  • 知の訓練―日本にとって政治とは何か―

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    著者が明治学院大学でおこなった講義をまとめた本で、日本の近代以降の政治史を政治と祭祀の両面をもつ「まつりごと」の歴史としてとらえ、そのなかで皇室がどのような意義をもっていたのかということが具体的な事例にそくしてわかりやすく語られています。

    日本の近代史を専門としない学生に向けての講義がもとになっていると思われるのですが、著者がこれまで取り組んできたテーマのいくつかについて、平明な紹介がなされています。ただそのぶん、一つひとつのテーマにかんして掘り下げるということはなされていません。

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    2018年10月13日
  • 震災と鉄道

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    東日本大震災後の鉄道の復旧について、JRと民鉄の温度差や鉄道のもつ意義などの視点で論考していく、と思いきや、後半は高速化と単一化していく鉄道政策の批判になってしまった。それはそれで大切な論考だけれども、それは別の場所で論じてほしかった。

    この本が出されたのは、震災の年。
    三陸鉄道は全線で運転再開を果たした一方で、JRの路線は復旧に格差があり、この論考で恐れている人口の流出が見られている。
    それだけに、その点に集中して掘り下げきらなかったのは残念。

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    2018年09月28日
  • 完本 皇居前広場

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    集会用広場として世界最大を誇るのは中国の天安門広場。面積は
    約44㎡。その天安門広場を上回るのが日本の皇居前広場だ。芝生
    部分を含めての総面積は46万5千㎡になる。

    時折、皇居へ行くことがある。それは新年の一般参賀であったり、
    天皇誕生日の一般参賀だ。天皇陛下をはじめとした皇族方のお姿
    を一目見ようと、人出は多い。それでも一定の静けさを保って
    広場はそこに存在している。

    現在でこそ、皇居前広場が活用されることは数えるほどしかない。
    しかし、昭和初期から戦後しばらくの間、そこは人々が集う場所
    であった。

    本書は明治期から平成までの宮城前広場/皇居前広場の変遷を5つの

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    2018年04月23日
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々

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    (01)
    私たちが親しんだり、親しんでいなかったりする神道の問題が、本書にあるように近世後期以降に著された解釈が主体となっていることがまず確認できる。記紀や風土記とその外伝(一書)を古典とし、その「近代」的な読みを通じて復古神道が立ち上がっていく様子はスリリングである。現代において神道は国家を左右し統合する思想として利用されたが、その理論の端緒や顛末を知る上でも興味深い。
    出雲とその神々(*02)が、伊勢の対立軸というだけでなく、幽冥と顕を行き来し、あるいは天国と地獄、罪と罰といった法制面(*03)にまで乗り出しているのは、近代国家を考える上でも示唆的であろう。

    (02)
    平田国学の展開にも

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    2017年04月02日
  • 知の訓練―日本にとって政治とは何か―

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    大学の教授が講義を記した一冊。

    日本人にとって政治というのはどういう位置づけで、天皇制がどういう位置づけであったかというのを、著者の視点を通じて知ることができた。

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    2016年05月25日
  • 「昭和天皇実録」を読む

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    公にされていない事柄が多く驚く。特に実母との確執は最大級の驚きだ。昭和天皇の退位も可能性があったくらいだから。

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    2016年04月29日
  • 滝山コミューン一九七四

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    思い起こせば、どの学年かははっきりしないが小学校ときに、班競争で点数を競っていた気がする。班だと負けるから「あいつは班に入れたくない」というような言葉ももおぼえている。
    ボロ班、ビリ班には覚えがないが、集団責任はよく聞いた。
    軍国主義から脱却したはずが、個を抑圧する集団主義に陥っているという皮肉に、改めて公教育の怖さを感じた。

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    2016年02月22日
  • 「昭和天皇実録」を読む

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     『昭和天皇実録』の講義録。著者がこれまで研究してきた「巡幸・行幸啓」や宮中祭祀をはじめとする宗教との関係に重きを置いており、政治史・軍事史的な観点は薄い。目新しいところでは、戦後占領期に昭和天皇がカトリックに接近を図り、改宗の可能性すらあったという指摘が興味深い。旧著『昭和天皇』(岩波新書)と同様、昭和天皇と母親の貞明皇后との確執・緊張関係を強調しているが、史料批判の上で異論はありえよう。

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    2015年12月26日
  • 「昭和天皇実録」を読む

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    著者の『皇后考』を読んでいたのが参考になりました。やはり昭和天皇は母貞明皇后(後、皇太后)を恐れていたことが、判然と示されています。それと、私が特に気になるのは、天皇がカトリックに接近する背景には、神道に対する悔悟に加えて、A級戦犯にすべての罪をかぶせることに対する精神的な葛藤があったと思われることと、一九五〇年まではカトリック教徒との密接な関係が続いていたが、サンフランシスコ講和条約と同時に日米安全保障条約締結によって、ローマ法王へと接近して別の枠組みを模索する道が途絶えたことが指摘されていたことです。

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    2015年11月24日
  • 「昭和天皇実録」を読む

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    「皇太后」
    これが一番の歴史だったんですね。
    それと皇太后に仕えた女官。
    それに影響された皇后。
    とにかく・・・・、歴史の裏に「オンナあり」ということでしょうか。
    恐ろしい。

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    2015年10月07日