工藤精一郎のレビュー一覧

  • 戦争と平和(一)

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    戦争と平和が交錯する中で自身の信念や想いを揺さぶられ、翻弄される人々の心の変遷を描いたドラマ。その中に著者の考える歴史学と様々な事件や事象についての見解、解説、考察が織り込まれています。

    新しい登場人物が次々に現れる物語の序盤は感情移入もままならず、読みにくさに苦戦しました。最初は相関図を片手に読み進めるのもいいかもしれません。やがて物語が大きく動き始めるとそこからは打って変わって読みやすくなり物語に惹きこまれていきました。

    登場人物のセリフや、著者自身の言葉で伝えられるメッセージには深く考えさせられるものがあります。
    壮大なドラマの中でそれらに出会い読み解いていく面白さ。とても有意義な読

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    2024年05月23日
  • 戦争と平和(四)

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    もしも、自分が出版社の編集者で、レフ・トルストイさんが、「戦争と平和」を持ち込んできたら。

    読んだ上できっと、ひとつだけダメだしをすると思うんです。

    「大変面白いんですが、全体に時折、あなたの歴史観、歴史考察の部分がありますね。特に、第四巻に多いです。この部分は、思い切って全部カットしましょう。それでも全く物語としての面白さは損なわれません」

    で、もし抵抗されたら。

    「では、少なくとも、第四巻のラスト、物語が終わってから文庫版で80ページもある論文みたいな部分だけでも、全カットしましょう」

    と強く訴えると思います。

    「どうしてもこだわるのなら、それは別の本として出しませんか?あるい

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    2016年12月05日
  • 戦争と平和(四)

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    最終巻第四巻は戦争の記述が多い。
    後半1/4は物語を終結させトルストイが論じる戦争、歴史、民俗、人間と神のあり方などで締められる。

    ※以下登場人物の生死などネタバレしておりますのでご了承ください。※


     【ベズウーホフ伯爵家】
     ❖ピエール(ピョートル・キリーロヴィチ・ベズウーホフ伯爵):
     三巻ラストでモスクワでの破壊工作とナポレオン暗殺計画を疑われてフランス軍捕虜に。
    過酷な捕虜生活。他の捕囚者との交流と身近な死。
    捕虜体験はピエールをどう変えたのか。

    解放されたピエールは、アンドレイ公爵の妹マリヤと、ナターシャ・ロストワと再会する。

    改めてナターシャへの愛の喜びに浸るピエール。

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    2017年08月17日
  • 戦争と平和(四)

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    ナポレオンのロシア遠征、モスクワの破棄、ボロジノ会戦など歴史の出来事が分かりやすく書かれてる。しかし、それよりも当時のロシアの文化、生活が興味深い。個人的に血のかよった文化、生活はあまり想像ができなかったけど(寒いからという偏見、馴染みがないというのもあるかな)、豊かで人間味あふれる登場人物からガラッと当時のロシアのイメージが変わりました

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    2014年09月01日
  • 戦争と平和(四)

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    幸福な読書だったなぁ、と思う。

    3巻から作者トルストイの「語り」が多くなり、うーん?と思う部分もしばしばあり、もっと正直に言えば辟易する部分もなきにしもあらずだった。しかし、それでも、私はもうこの物語を読み終えてしまった。

    『戦争と平和』というタイトルの通り、トルストイが描きたかったのは、おそらく「人間の意思」だったのではないかと思う(個人としても、「われわれ」としても)。しかし、この最終巻である4巻を読んで特に感じたのは、トルストイは人間の「仕組み」や「歴史」を描くよりも断然、人間の「魂」を、感情と性格を描く方がまばゆいばかりの光を放つということだ。
    彼の人間を描く筆、それもたくさんの、

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    2014年01月22日
  • 戦争と平和(三)

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    3巻はそのほとんどを戦争シーンが占めており、登場人物がそれぞれに生き生きと動き詩的な美しさを感じる2巻に比べると、やや退屈に感じてしまった(それでもすごいんだけど!)。

    トルストイは「戦争」の中で何度も何度も、「歴史とは一人の人物や一つの原因が作るのではない」と強調する。これがあったからこうなった、ということはなく、それは後世がその結果からただ線を引き繋げて言っているに過ぎないのだと。その場の全て、どれとも誰とも言えない、あえて言うならば「その時」こそが歴史であり、「その場」こそが民衆なのだと。
    そして、それらが積み重なり、その時その時が終わって振り返ってようやく、我々はそれを「歴史」として

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    2014年01月05日
  • 戦争と平和(三)

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    ネタバレ

    「要塞をとることはむずかしいことではない、むずかしいのは戦争に勝つことだ。」

    途中で飽きて1カ月ぶりに読むと、再び引き込まれました。
    ナポレオンのモスクワ遠征から、ロシアのモスクワ放棄について書かれています。戦争の現場では多くの血が流れており、上流階級層では悲劇的な話が平和に語られています。

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    2013年10月18日
  • 戦争と平和(一)

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    ネタバレ

    「この一線を越えるのは恐ろしい、だが、越えてみたい気もする。」

    アンナ・ミハイロヴナによるボリスのための画策、アンドレイ公爵による死への願望、ロストフによる皇帝への羨望。様々な人間が様々に交差しながら、それぞれの信念のもとに行動している小説。舞台はものすごい広がりを見せる。

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    2013年08月24日
  • 罪と罰(下)

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    登場人物の精神状況があまりにおおげさじゃないかなんて感じたりもしたんです。一つ一つの行動に根ざす感情が誇張されているような気がする。それは、冷静な日本人だからそう思うのかもしれません。この時代、決闘なんかもあったロシア人にとっては、そういう心の揺れとか激情というものはありきたりのものだからこそ、こういう小説が生まれたんだともとれます。

    ロシア文学初挑戦。
    ドストエフスキーなんて名前とイメージから、
    けっこう堅めの文学なのかなぁと予想して読んでみたのですが、
    これがそんなこともなく、読ませられる小説で、面白く一気に読んでしまいました。
    名作なんていわれると、真面目くさっていて、倫理観とかをおし

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    2025年06月06日
  • 戦争と平和(四)

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    作者は作品の中で、歴史を動かすのはナポレオンやアレクサンドルといった1人の英雄や君主ではなく、民族の総意であるとしつこいまでに繰り返しています。またそれは偶然の産物ではなく1人1人の行動や時間の流れに作用されて必然的に起こったものであるとも。当時のロシアの歴史を作ったのは、皇帝から一市民まで、老人から赤ん坊にいたるまでのロシア民族全てであり、それを伝えるためにこそこの壮大な物語が存在するのです。

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    2010年07月19日
  • 戦争と平和(三)

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    解説によると登場する人物の総人数は559人。戦争によってかえられる運命。
    作者が描こうとしたものは、主人公たちの生き様だけではなく、首都モスクワを他国に占領されるという歴史的にも稀有な時代に生きたロシア民族そのものだったと言えるでしょう

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    2010年07月19日
  • 戦争と平和(二)

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    トルストイ自身の分身とされるアンドレイとピエール、父を写したニコライという3人の主人公。ヒロインはニコライの妹ナターシャとアンドレイの妹マリヤ。そして、2人の影になるソーニャ。2巻では彼らの恋愛模様が複雑に絡み合ってきます。

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    2010年07月19日
  • 戦争と平和(一)

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    ネタバレ

    1812年のナポレオンによるモスクワ侵攻を舞台に、トルストイ自身が生まれ育ったロシアの貴族社会を中心とした当時のロシアを描く。ロシアの広い国土を髣髴とさせる、壮大なストーリーの始まり。

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    2011年12月23日
  • 戦争と平和(四)

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    第4編は主にトルストイの思想が吐露されている件である。歴史をつくるのはひとりの英雄ではなく、幾百万の民衆の生活に他ならないという歴史観を顕わにしてゆく。

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    2010年07月18日
  • 戦争と平和(三)

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    全編中のクライマックスにあたる部分である。ロシア軍とフランス軍の戦闘が激化する。モスクワはフランス軍に占拠され、ペテルブルグの官邸は混乱したままだが、名将クトゥーゾフは民衆と国のために物事が然るべき方向へ流れてゆくのを待つ。敵軍は消沈し、疲れ果て、兵力を失くし、ロシアを去る。文豪トルストイの大作。

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    2010年07月18日
  • 戦争と平和(二)

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    昔、戦争と平和を読んだ際に主人公ともいえるピエールの体格が描写されていて、ややぽっちゃりとあるのを読んで少しがっかりしたのを憶えている。今ではがっかりするようなことはないが、当時は大文豪の世界屈指の大作の主人公ともあって、ヒーロー寄りの人物を当然のように考えていたのかも知れない。記憶が覚束ないが、確か物語の始めの方、体格を馬鹿にされて酒場かどこかで警察沙汰の喧嘩を起こしてしまう箇所があったと思う。貴族云々に関係なく、ピエールは誇り高かったのだ。戦争と平和のような主人公なら尚更言うまでもない。

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    2010年07月18日
  • 戦争と平和(四)

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    ナポレオンの大軍は、ロシアの大地を潰走してゆく。全編を通してトルストイは、歴史を作るものは一人の英雄ではなく、幾百万の民衆の生活に他ならないという歴史観を明らかにしてゆく。

    今回初めて最初から最後まで通読してみて感じたのは、トルストイの作品は本当に難しいということだ。
    特に本作は登場人物も多く、それぞれの人物の相関関係を覚えるだけでも大変だったが、彼らが織りなす人間模様や、トルストイの圧倒的な構成力、文章力に舌を巻かざるを得なかった。
    紛れもなく、本作は「世界最高峰の文学」という名を冠するに等しい作品であると思う。

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    2010年07月13日
  • 戦争と平和(三)

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    1812年、ナポレオン軍のモスクワ侵入を描く全編中のクライマックス。国土は焼かれ生活は破壊されるが、ボロジノの会戦に示されたロシア民族のたくましい潜在力が無敵のフランス軍を打ち破る──。

    この巻ではまさに戦場でのリアルな情景が描かれていて、読んでいて胸が苦しくなる場面も多かった。
    最後の方での、アンドレイ公爵とナターシャとの運命の再会劇には、とても感動させられた。

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    2010年07月13日
  • 戦争と平和(二)

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    ロストフ伯爵家とボルコンスキイ公爵家の人々の交際。旺盛な実行力に富むアンドレイと、繊細な感受性で自己の内面に没頭し人生の永遠の真理を探究するピエール。二人の若い貴族に仮託してトルストイの深遠な人間観が吐露され、彼らの生活を通してロシア社会の実態が鮮やかに映し出される。

    この巻ではそれぞれの人物の恋愛模様が数多く織りなされていて、読んでいる方もドキドキしたり、ハラハラしたりさせられた。
    当時と現代の男女間の距離感の違いがたくさん見られ、当時の生活を少し垣間見ることができて、読みやすい巻だった。
    個人的には、ナターシャが不憫すぎて、最後は幸せになってほしいなと思わずにはいられなかった。

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    2010年06月13日
  • 戦争と平和(四)

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    終わり方はよかったけど、エピローグを読むのに手間取った。この部分がトルストイの言いたいところなのだろうが、難しかった。

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    2009年12月26日