工藤精一郎のレビュー一覧
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何度か挫折したが、今度こそと思い読み切った。(下まで)
とにかく、キャラの濃い登場人物たちの皮肉交じりの会話の戦いが面白くて笑わせてもらった。当時の世評とか、背景とかは全く詳しくないが、現代に生きる人が読んでもあらゆる角度からいろんなことを学べる一作だと思う。
善とは何か、悪とは何か、罪とは何か、罰とは何か、いろんなことを考えさせられる。けれど個人的にいは、どんなに思考をめぐらせても、答えはないのだから、あるがままに生きればいいじゃないかと思う。もちろん、罪の意識というのは犯した人にしかふりかからない苦悩だとは思うので、自分には何も言えないが、「考えるって何だろう、悩むって何だろう」とやはり考 -
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「死の家の記録」名前がかっこよすぎて、本屋さんで目に付いた瞬間、(あっ、これは買いだな、、、)ってなりました。
ロシア文学かつ、ドストエフスキーのシベリア行き時代の本。とんでもなく暗い話を想像していたけど、実際は施設や環境が暗いなだけで、中の人間たちは元気。なんなら少し楽しそうに見えるほどだった。3日位だけなら行ってみたい。
最初の方は目新しかったけど、ストーリー性がなく、中盤からは正直飽きて、読み進めると眠くなった。
囚人は、自分を対等に扱ってくれる上官達に行為を持つっていうのが親近感を覚えた。上から目線で優しくされても、ただのマウンティングオナニーにしか思えないんだよね。
あとペット -
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ナポレオンのロシア遠征、ボロジノの会戦からフランス軍のモスクワ入城までが第3巻の主要な舞台だ。ボロジノの戦いを第三者的な目で見るピエール、彼の心の中にはナターシャがいるが、その行動は因循だ。一方、ナターシャの放埒な行動に傷ついたアンドレイは軍隊に戻りクトゥーゾフと共に戦いに臨む。瀕死の重傷を負ったアンドレイはその心の中にナターシャが棲むことを知る。二人はモスクワのロストフ家で偶然再開するが、この場面は本作品中、最も美しいシーンではないかと思う。ピエールはナポレオンの暗殺を志向するが、放火の疑いでフランス軍に逮捕される。ピエールの行動、ナターシャの恋の行方、ロシアから撤退するナポレオンの思い、第
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登場人物が多いので細かいことは気にせず読み進めたが、それでも結構な時間がかかった。細かく区切られてるため少しずつ読みやすいが、一区切りついてつい休憩してしまうのが原因だと思う。
全編通して500人以上の登場人物がでてくるらしいが、ひとりひとりの解像度がめちゃくちゃ高い。現代日本とはだいぶ文化が異なるのに、こんな人いるなーというのがたくさんでてくるし、こんなときあるなーという場面と心情がたくさんでてくる。
ストーリーもわりと展開するので、登場人物の多さに混乱さえしなければそこまで読みづらさはない。とりあえず思い切って読みはじめてよかったとは思っている。 -
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1巻は序章だったのか?と思えるくらい2巻で一気に物語が動き出す
ぼんやりしていた各人物像と関係性がクリアになっていき、ようやく読みやすくなる
こんな長編モノは恐らく二度と読めないので備忘録のため、あらすじを残しますのでネタバレご注意ください
あまりに膨大なので主要人物にそってまとめることに
■ベズーホフ家
ピエール
莫大な財産を手に入れたちょいダサ男(眼鏡&太っちょ)のピエール
妻エレンが他の男(ドーロホフ)と親密になり逆上して決闘をしちゃったり…
はたまたフリーメイソンに入会しちゃったり…
(秘密結社の宗教団体というよりここでは村の寄り合いの延長みたいな感じだけどね)
勘違 -
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期待よりもずっと面白かった。女房殺しの男の手記で始まりながら、途中で構成が変わっているのもいい。他を削り取って監獄生活に絞り込んだ写実的な描写は最後まで飽きさせず、巨匠の作品の中ではもっとも読み易いと思う。
読んでいて連想したのは漱石の『坑夫』だが、漱石の転機がその作品であったように、この作品がドストエフスキーの転機なんだなと感じた。創作から一歩離れて、人間を描き記述していくことで見えてくるものもあるのかなと思う。
読書や創作、社会生活と隔離された流刑地での4年半がドストエフスキーにとって無駄ではなかったどころか、深い内省、稀有な経験、特異な出会いと人間観察が後の世界的文豪を創ったのだと認識で -
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時代を映した複雑で混雑したお話
なかなか複雑で細かいところまで理解できませんでしたが、活劇的な話の展開が、あの時代にしてあったのだとちょっと感動です。解説を読むと、パリコミューンやロシアの農奴制廃止、資本主義の台頭による貧富の格差など、恐ろしいほどの混沌があって描かれたお話なのだと思いました。
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購入済み
会話がおもしろい
いろいろな人物が出てくるのでこんがらがってしまうのですが、あまり気にせず読み進めていくと、展開が面白いです。飽きさせません。ドストエフスキーさんは会話が上手で面白いです。