工藤精一郎のレビュー一覧
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ネタバレ本書のタイトルは罪と罰だが、テーマとして「愛と許し」があげられる。
殺人を犯した主人公は、ソーニャの愛に触れることで自首へと至り、互いに愛し合っているこを自覚することで希望を見出す。愛されていると感じたからこそ、川へ身を投げることをやめることができた。
一方、スヴィドリガイロフについてだが、解説の中で、ニヒリズムの行き着く先の暗示として彼の自死が述べられている。彼もソーニャと心を通わす前の主人公と同じく、世の中を悲観的な目で見ているが、彼は主人公とは対照的な最期を迎える。彼はドゥーニャを愛していたが思い届かず、拳銃自殺を選ぶ。ニヒリズムが法的な罪ではないにせよ、悲惨な答えに行き着いてしまうこと -
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長年読もう読もう思っていて、なかなか手が出せずにいた「罪と罰」を、ようやく読むことができて、まずは良かったと思います。固く重苦しい話かと思っていましたが、コメディ的な要素も多くあって、それなりに楽しく読めました。
マルメラードフが死にかけているところに、派手派手な格好でやってくるソーニャなんか、哀しいけれど、笑ってしまいます。ラスコーリニコフの母親のおろおろしたところもとてもコミカルで、これを楽しいと言ってしまっていいのかどうかとも思いますが、楽しいです。
文庫本の裏表紙にあるあらすじですが、全然本質をついていないように思いました。罪の意識とか良心の呵責とか、そういうことかなぁ。まぁ、広く -
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「死の家の記録」名前がかっこよすぎて、本屋さんで目に付いた瞬間、(あっ、これは買いだな、、、)ってなりました。
ロシア文学かつ、ドストエフスキーのシベリア行き時代の本。とんでもなく暗い話を想像していたけど、実際は施設や環境が暗いなだけで、中の人間たちは元気。なんなら少し楽しそうに見えるほどだった。3日位だけなら行ってみたい。
最初の方は目新しかったけど、ストーリー性がなく、中盤からは正直飽きて、読み進めると眠くなった。
囚人は、自分を対等に扱ってくれる上官達に行為を持つっていうのが親近感を覚えた。上から目線で優しくされても、ただのマウンティングオナニーにしか思えないんだよね。
あとペット -
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ナポレオンのロシア遠征、ボロジノの会戦からフランス軍のモスクワ入城までが第3巻の主要な舞台だ。ボロジノの戦いを第三者的な目で見るピエール、彼の心の中にはナターシャがいるが、その行動は因循だ。一方、ナターシャの放埒な行動に傷ついたアンドレイは軍隊に戻りクトゥーゾフと共に戦いに臨む。瀕死の重傷を負ったアンドレイはその心の中にナターシャが棲むことを知る。二人はモスクワのロストフ家で偶然再開するが、この場面は本作品中、最も美しいシーンではないかと思う。ピエールはナポレオンの暗殺を志向するが、放火の疑いでフランス軍に逮捕される。ピエールの行動、ナターシャの恋の行方、ロシアから撤退するナポレオンの思い、第
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登場人物が多いので細かいことは気にせず読み進めたが、それでも結構な時間がかかった。細かく区切られてるため少しずつ読みやすいが、一区切りついてつい休憩してしまうのが原因だと思う。
全編通して500人以上の登場人物がでてくるらしいが、ひとりひとりの解像度がめちゃくちゃ高い。現代日本とはだいぶ文化が異なるのに、こんな人いるなーというのがたくさんでてくるし、こんなときあるなーという場面と心情がたくさんでてくる。
ストーリーもわりと展開するので、登場人物の多さに混乱さえしなければそこまで読みづらさはない。とりあえず思い切って読みはじめてよかったとは思っている。 -
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1巻は序章だったのか?と思えるくらい2巻で一気に物語が動き出す
ぼんやりしていた各人物像と関係性がクリアになっていき、ようやく読みやすくなる
こんな長編モノは恐らく二度と読めないので備忘録のため、あらすじを残しますのでネタバレご注意ください
あまりに膨大なので主要人物にそってまとめることに
■ベズーホフ家
ピエール
莫大な財産を手に入れたちょいダサ男(眼鏡&太っちょ)のピエール
妻エレンが他の男(ドーロホフ)と親密になり逆上して決闘をしちゃったり…
はたまたフリーメイソンに入会しちゃったり…
(秘密結社の宗教団体というよりここでは村の寄り合いの延長みたいな感じだけどね)
勘違 -
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期待よりもずっと面白かった。女房殺しの男の手記で始まりながら、途中で構成が変わっているのもいい。他を削り取って監獄生活に絞り込んだ写実的な描写は最後まで飽きさせず、巨匠の作品の中ではもっとも読み易いと思う。
読んでいて連想したのは漱石の『坑夫』だが、漱石の転機がその作品であったように、この作品がドストエフスキーの転機なんだなと感じた。創作から一歩離れて、人間を描き記述していくことで見えてくるものもあるのかなと思う。
読書や創作、社会生活と隔離された流刑地での4年半がドストエフスキーにとって無駄ではなかったどころか、深い内省、稀有な経験、特異な出会いと人間観察が後の世界的文豪を創ったのだと認識で -
購入済み
時代を映した複雑で混雑したお話
なかなか複雑で細かいところまで理解できませんでしたが、活劇的な話の展開が、あの時代にしてあったのだとちょっと感動です。解説を読むと、パリコミューンやロシアの農奴制廃止、資本主義の台頭による貧富の格差など、恐ろしいほどの混沌があって描かれたお話なのだと思いました。