工藤精一郎のレビュー一覧

  • 罪と罰(下)

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    最後の盛り上がり。後半一気読み。

    主人公の危うい考えは、差別、貧困、不条理、暴力、病の溢れた社会に放り出されれば、誰しも近しい思いは持つのではないだろうか。たとえ殺人は犯さなくても。
    いじめや、差別、宗教二世で起こった、ここ最近の日本の若者が起こした事件。隠れラスコーリニコフは、世間に沢山いるのかもしれない。
    でも忘れてはいけないのは、再起できるということ。愛があれば。きっと。

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    2025年06月29日
  • 罪と罰(下)

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    ネタバレ

    本書のタイトルは罪と罰だが、テーマとして「愛と許し」があげられる。
    殺人を犯した主人公は、ソーニャの愛に触れることで自首へと至り、互いに愛し合っているこを自覚することで希望を見出す。愛されていると感じたからこそ、川へ身を投げることをやめることができた。
    一方、スヴィドリガイロフについてだが、解説の中で、ニヒリズムの行き着く先の暗示として彼の自死が述べられている。彼もソーニャと心を通わす前の主人公と同じく、世の中を悲観的な目で見ているが、彼は主人公とは対照的な最期を迎える。彼はドゥーニャを愛していたが思い届かず、拳銃自殺を選ぶ。ニヒリズムが法的な罪ではないにせよ、悲惨な答えに行き着いてしまうこと

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    2025年05月01日
  • 罪と罰(上)

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    人間の欲、思想、価値観の違い、生き方の難しさを描いたドストエフスキーの名作。
    主人公、ラスコーリニコフは貧乏な大学生、彼がなぜ金貸しの婆さんを殺害したのか、途中までは金が欲しいだけかと思っていたが、読み進めるうちに彼の複雑な思想によるものだとわかった。世の中、きれいごとだけではなく、また人の中には複数の人格がいるという、人生を表した物語のように感じた。下巻は、ラスコーリニコフに罰が下るのかどうか、気になりながら進めることとする。

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    2025年03月17日
  • 罪と罰(下)

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    長年読もう読もう思っていて、なかなか手が出せずにいた「罪と罰」を、ようやく読むことができて、まずは良かったと思います。固く重苦しい話かと思っていましたが、コメディ的な要素も多くあって、それなりに楽しく読めました。

    マルメラードフが死にかけているところに、派手派手な格好でやってくるソーニャなんか、哀しいけれど、笑ってしまいます。ラスコーリニコフの母親のおろおろしたところもとてもコミカルで、これを楽しいと言ってしまっていいのかどうかとも思いますが、楽しいです。

    文庫本の裏表紙にあるあらすじですが、全然本質をついていないように思いました。罪の意識とか良心の呵責とか、そういうことかなぁ。まぁ、広く

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    2025年02月17日
  • 罪と罰(上)

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    筆者の、人間の心理描写がめちゃくちゃ丁寧で読んでるボク自身もラスコーリニコフの苦悩には共感したし辛くなった それでもめちゃくちゃ面白かった だからまたいつか読んだら理解が深まってもっと面白くなると思う

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    2025年01月02日
  • 罪と罰(上)

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    言ってることはよく分からないけど面白いことだけは分かる、みたいな感覚で読み続けた。
    罪を犯した人間の心情を極限まで細分化し、まるで自分自身が主人公になってしまったような感覚に陥る。
    焦燥、高揚、背徳の不安定な渦に怒涛の如く押し流された。
    この感情の狭間から脱却させてほしい。すぐに下巻を読まなくては、、、

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    2024年11月10日
  • 死の家の記録

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    ロシア+監獄+死の家というタイトルからして、陰気で鬱々した内容かと思ったら違った。舞台は刑務所なのに何故か上品で、ほのぼの日常物と言えるような小説。

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    2024年01月07日
  • 死の家の記録

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    「死の家の記録」名前がかっこよすぎて、本屋さんで目に付いた瞬間、(あっ、これは買いだな、、、)ってなりました。
    ロシア文学かつ、ドストエフスキーのシベリア行き時代の本。とんでもなく暗い話を想像していたけど、実際は施設や環境が暗いなだけで、中の人間たちは元気。なんなら少し楽しそうに見えるほどだった。3日位だけなら行ってみたい。

    最初の方は目新しかったけど、ストーリー性がなく、中盤からは正直飽きて、読み進めると眠くなった。

    囚人は、自分を対等に扱ってくれる上官達に行為を持つっていうのが親近感を覚えた。上から目線で優しくされても、ただのマウンティングオナニーにしか思えないんだよね。

    あとペット

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    2023年05月12日
  • 戦争と平和(四)

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    「戦争と平和」を読み終え、なぜこれだけの字数をトルストイは必要としたのか分かるような気がした。歴史を作るのは人であり、人の暮らし、会話や感情の表出こそ重要だと。他の歴史小説を読んでいても、多くの場合、書かれている人物の心の内、心の襞に入って語られることは少ない。ボロジノの会戦やモスクワ炎上を主にナポレオンのロシア遠征が詳細に語られる中で、パラレルに進捗する五つのロシア貴族の浮沈は迫力満点であったし、その人物の動きと物語の展開は秀逸であった。ピエールとナターシャ、ニコライとマリアに収斂する愛の物語の起結に深い感動を覚えた。

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    2023年04月22日
  • 戦争と平和(三)

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    ナポレオンのロシア遠征、ボロジノの会戦からフランス軍のモスクワ入城までが第3巻の主要な舞台だ。ボロジノの戦いを第三者的な目で見るピエール、彼の心の中にはナターシャがいるが、その行動は因循だ。一方、ナターシャの放埒な行動に傷ついたアンドレイは軍隊に戻りクトゥーゾフと共に戦いに臨む。瀕死の重傷を負ったアンドレイはその心の中にナターシャが棲むことを知る。二人はモスクワのロストフ家で偶然再開するが、この場面は本作品中、最も美しいシーンではないかと思う。ピエールはナポレオンの暗殺を志向するが、放火の疑いでフランス軍に逮捕される。ピエールの行動、ナターシャの恋の行方、ロシアから撤退するナポレオンの思い、第

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    2023年04月11日
  • 戦争と平和(二)

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    5つのロシア貴族の家、ストーリーの展開が次第に明確になり、方向付けられてくる。ロストフ家の狩猟のシーンは美しいロシアの自然にトルストイの愛情が向けられているようで好きだ。また終盤でのナターシャの愛の躓きとそれに関わるピエールの心の動きは面白い。今後の展開を期待する。

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    2023年03月31日
  • 戦争と平和(一)

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    この高名な大河小説のプロローグ、1805年の7月から12月のアウステルリッツの会戦までが描かれている。ロシアの貴族、ベズーホフ伯爵家、ボルコンスキー公爵家、クラーギン公爵家、ロストフ伯爵家、ドルベッコイ公爵家の人々を中心に物語は進捗する。長大な物語、今後の各家の浮沈が予想され、以降3巻の展開が楽しみである。

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    2023年03月20日
  • 戦争と平和(一)

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    登場人物が多いので細かいことは気にせず読み進めたが、それでも結構な時間がかかった。細かく区切られてるため少しずつ読みやすいが、一区切りついてつい休憩してしまうのが原因だと思う。

    全編通して500人以上の登場人物がでてくるらしいが、ひとりひとりの解像度がめちゃくちゃ高い。現代日本とはだいぶ文化が異なるのに、こんな人いるなーというのがたくさんでてくるし、こんなときあるなーという場面と心情がたくさんでてくる。

    ストーリーもわりと展開するので、登場人物の多さに混乱さえしなければそこまで読みづらさはない。とりあえず思い切って読みはじめてよかったとは思っている。

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    2023年01月17日
  • 未成年(下)

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    下巻のラスト200ページくらいは怒涛の展開なので先が気になってどんどん読めた。
    ただ、五大長編のなかではやはり読みにくいしわかりにくくてあまり楽しめない部分もあった。

    トリシャートフについてもっと知りたかったなぁ。
    なかなか魅力的なキャラだったと思う…。

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    2022年12月07日
  • 戦争と平和(二)

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    1巻は序章だったのか?と思えるくらい2巻で一気に物語が動き出す
    ぼんやりしていた各人物像と関係性がクリアになっていき、ようやく読みやすくなる

    こんな長編モノは恐らく二度と読めないので備忘録のため、あらすじを残しますのでネタバレご注意ください
    あまりに膨大なので主要人物にそってまとめることに

    ■ベズーホフ家

    ピエール
    莫大な財産を手に入れたちょいダサ男(眼鏡&太っちょ)のピエール
    妻エレンが他の男(ドーロホフ)と親密になり逆上して決闘をしちゃったり…
    はたまたフリーメイソンに入会しちゃったり…
    (秘密結社の宗教団体というよりここでは村の寄り合いの延長みたいな感じだけどね)
    勘違

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    2022年10月26日
  • 未成年(下)

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    文体的に語り手が未成年者とは思えないのが一番の違和感で、逆に行動はいかにも未成熟でとても未成年感があって、これがまた「なんでそんなアホなことを!?」的な違和感を感じさせるので、だいぶつっかえつっかえで読むのに時間がかかってしまった。終盤は、少なくとも『罪と罰』『悪霊』『白痴』と同様な怒涛の展開で、急転直下の結末になだれ込む。もうちょっと未成年者らしい語り口の翻訳で読んでみたい。それこそ自分が未成年者だった時に読んでいたらどう感じたんだろうか。

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    2021年11月15日
  • 戦争と平和(一)

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    人間は歴史を構築するための歯車である。
    しかしそれでも人は人として生きる、、、、
    そして、それが歴史に記されることは決してない。

    この言葉がとても深くて、好きだ。

    たとえ歴史に名を残さなくても、一人の人生には
    歴史に残しても良い程の大きな物語がある。

    表ばかりに目が行きがちだけど
    裏に目を向けることでまた別の世界があり
    そこに新しい感動や発見があるんだろうな。




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    2021年08月29日
  • 未成年(上)

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    なんだかよくわからないままに上巻を読み終わってしまった。ちょっと訳文が古いかんじ(仕方ないです)で語り手が”未成年”にはあまり思えない。言動とか考え方とかのこじらせたかんじはまさしく”未成年”なんだけども。何の話だかよくわからないままに読ませてしまうのはさすがドストエフスキーならでは、なのか!?

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    2021年03月25日
  • 死の家の記録

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    期待よりもずっと面白かった。女房殺しの男の手記で始まりながら、途中で構成が変わっているのもいい。他を削り取って監獄生活に絞り込んだ写実的な描写は最後まで飽きさせず、巨匠の作品の中ではもっとも読み易いと思う。
    読んでいて連想したのは漱石の『坑夫』だが、漱石の転機がその作品であったように、この作品がドストエフスキーの転機なんだなと感じた。創作から一歩離れて、人間を描き記述していくことで見えてくるものもあるのかなと思う。
    読書や創作、社会生活と隔離された流刑地での4年半がドストエフスキーにとって無駄ではなかったどころか、深い内省、稀有な経験、特異な出会いと人間観察が後の世界的文豪を創ったのだと認識で

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    2021年02月28日
  • 未成年(下)

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    時代を映した複雑で混雑したお話

    なかなか複雑で細かいところまで理解できませんでしたが、活劇的な話の展開が、あの時代にしてあったのだとちょっと感動です。解説を読むと、パリコミューンやロシアの農奴制廃止、資本主義の台頭による貧富の格差など、恐ろしいほどの混沌があって描かれたお話なのだと思いました。

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    2020年10月05日