工藤精一郎のレビュー一覧
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ネタバレ
読書を初めてからというもの、脳内で目覚ましのスヌーズの様に「ドストエフスキーは読まないの?」と聞こえる度に先延ばしにしてきたが、この度遂に本作に手を出した。堅苦しくて読みにくそうだなぁと勝手に想像していたのだが、展開が気になって夢中になって読み終えた。上巻の最後の頁、急に訪れたスヴィドリガイロフの自己紹介で終わっているのがドラマや漫画でいう来週までの「引き」で、何だか1人で面白くなっていた。
ラスコーリニコフが自首しないことについて、作中では良心の呵責という解釈にもなっているが、これは本当にそうなのか?と思いながら読んだ。遠藤周作の「海と毒薬」のテーマの一つの様に「人は罪が絶対に暴露され(裁 -
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全巻約2,500ページ前後
765P
歴史小説の最高峰
ナポレオンがロシアを侵攻した時の話
サマセット・モームが10冊の中で一番偉大な作品と言っている。
戦争と平和って戦争シーンほぼ全く出てこないんだな
ナポレオン戦争
戦争だけでなく、平和にも葛藤や矛盾がある。
トルストイの戦争と平和、エピローグが論文みたいになるの知らなかった。
「アンドレイ公爵は、見たところ、そういう抽象的な話には興味がなさそうだった。「君、場所柄もわきまえずに、心にあることをなんでも口にするってことはよくないよ。え、どうなんだい、いよいよなにかやる決心でもついたのかね? 近衛騎兵にでもなるのかい、そ -
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745P
「この頃の娘は自由に恵まれすぎているために、人にちやほやされる喜びに自分のほんとうの感情がかき消されてしまうことが多いんですのよ。」
—『戦争と平和(2)』トルストイ著
「彼は手あたり次第なんでも読み、家へ帰って、下男にまだ服をぬがせてもらっているうちから、もう本を取って読み――読書から睡眠に移り、睡眠からサロンやクラブでのおしゃべりに、おしゃべりから酒と女に、酒からまたおしゃべりや読書や酒へと移るというふうだった。彼にとって酒を飲むことはますますもって肉体的、と同時に精神的な欲求になってきていた。医者たちに、あなたのような肥満体には酒は危険だと言われていたにもかかわらず、彼は -
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『下』でこんなに物語に引き込まれるとは思っていなかった。
長ゼリフとロシア人名を脳が受け入れ出したのか、不思議とすんなり頭に入ってくるようになった。
どんどん面白くなってきて、Audibleのペースではもどかしくなり、途中からは本だけで一気に読み進めた。
やっぱり文字で見た方が断然わかりやすい。
そして3段組はページをめくる回数が減るので意外と楽、という発見もあった。
濃密な苦悩を描く心理描写に夢中になった。
何の悩みもなかった若い頃に読んでも、きっと当時の私にはこの苦悩は全く理解できなかったと思う。
年を取って自分も色々な経験をしてきた今だったからこそ、登場人物たちの苦悩にそれぞれ共感 -
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子供の頃、父の本棚で異彩を放っていた分厚い一冊。大人になったら絶対に読むと決めていた『罪と罰』をようやく読めた。
長い年月、本棚の片隅で眠っていた父の本は、昭和33年刊行で当時450円!
子供の頃に分厚いと思っていた本は、今見ると意外に普通だったけど、開いてみたらまさかの3段組みで驚いた。
Audible(米川正夫訳)で聴きながら、父の本(小沼文彦訳)を時々開くスタイル。
米川訳の方が古く、小沼訳の方が少しだけ言葉がわかりやすい。
Audibleだけでは集中が続かず、ぼーっとしてしまったところを本で読み返した。
冒頭から「これはもしや、私の大好きな倒叙ミステリーでは!」と興奮したのもの -
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めちゃくちゃ面白かった。カラ兄のときもそうだったけど、なんか意味わからない小難しいことや概念とか言ってたり、字詰め詰めではぇ〜って感じのページがほとんどなのに、さらにすっげぇ疲れてる行き帰りに読んでるのに、狂ったように次のページを求めてしまう中毒性がある。これなんなの!?やっぱスゴイネ!!
あと引き続き名前にもすごく中毒性があって、ラスコーリニコフ、ロジオン・ロマーヌイチ、スヴィドリガイロフ、ポルフィーリイ、カテリーナイワーノヴナ…とかずっと名前が頭の中でぐるぐる回ってタノシイ。
でもカラ兄より割と難しいパートは少なくて、普通にサスペンスというかミステリー(ではないか?)としても楽しめた。特 -
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自分の愛読、あるいは尊敬している文学者も、教養人も、なにかとドストエフスキーという作家を通ってきている人ばかりなような気がしていたので、自分も大学を出る前に読んでみようと思った。
簡単に概要から。
主人公ラスコーリニコフは経済的に苦しく大学を去った元学生で、彼は「一つの犯罪、過ちを犯したとしても、それ以上の善行を積めば許される」(これは上巻では、酒場の大学生の会話や新潮文庫のあらすじにしか出てこないので、ラスコーリニコフ自身がそう考えているかはわからない)とか、「人間は凡人とは凡人に二分され、歴史に名を残した偉大な偉人たちも犯罪者であるように、犯罪を犯しても正当化される人間が存在する、そして -
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ラスコーリニコフ、何なんだお前は、という気持ちを抱えたまま読み進める。
まさかの凶行。
かと思えば、あらゆる登場人物との絡みで意識があっちへこっちへと揺さぶられる。
「いつバレるのか、いやバラすのか」という緊張感が常に付きまとう。
後半になって体調が落ち着いてきたところでは、まるで私自身が風邪から直ったかのような爽やかさを感じつつも、しかし罪が消えるわけでも、逃げ切れるわけでもない。
巻末付近で語られた、ラスコーリニコフの論文の話が非常に重要だ。
私は、彼が持論を信じているというよりかは、それを信じたいが故に実践するか、自分自身が非凡人であるかどうかを試したいという若さゆえの過ちが彼を凶行に