工藤精一郎のレビュー一覧
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難しくて全4巻読み切るのに日数はかかったけど、内容の濃い、面白い作品だった。読んで良かった、この時期(混沌としたコロナ禍の時代、かつ個人的にも悩み多い時期)に読めたことにも意味があるかと。
第4巻について言えば、『エピローグ』は良くも悪くも意表を突く展開だったな、と。特に最後の方は難しすぎて読むのがしんどかったけど、著者の主張をできる限り受け止めたつもり。
登場人物が多い(しかも主人公レベルが複数人いる)中で、ある時はナターシャに共感し、ある時はマリアに自分を重ね、でも結局自分に一番近いのはピエールかなぁ…なんて思ったり。アンドレイも通ずるところ大アリだなぁ…。 -
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第1巻よりはだいぶ読みやすいと感じられた。そして、一層面白いと感じた。
登場人物の個性がかなり際立っていると感じられた。
とは言え、同じ人物でも、ある時には人生に絶望していたかと思えば、ある時には人生にまばゆいばかりの光を見出したり。この第2巻では、メインキャストのナターシャもアンドレイもピエールも、その両方を経験している(…と記憶している、ロストフもだったか?)。
それがとても「人間臭さ」を感じさせるし、自分にとって身近に感じてしまう。ずっと昔のロシアと21世紀の自分が、近くに感じられる。
あと、描写も相変わらず素晴らしい。特に、ロストフが狩りに出かけた時の描写がいいと思った。 -
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ドストエフスキーが実際にシベリア流刑に処されたときの体験を元に書かれたのが本書らしい。
シベリアでの囚人たちの生活が見事に書かれていてとても興味深かった。
やはり人間観察がうまい。
自分がどんな立場で、誰に愛され尊敬されているのか、誰に憎まれ嫌われているのかなどもしっかりと把握していたようだ。
笞の過酷さ、不衛生な環境など辛い面ももちろん多かったが、演劇などの催し物でみんな楽しげにしてたり、監獄だからといって一定して暗いだけではなくさまざまな人間関係や浮き沈みがあるんだなぁと知れた。
小説というより記録の色合いが強いので、難しく深読みしたりする場面が少なく、今まで読んだドストエフスキー作品 -
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戦争をバックに恋愛物語と簡単にとらえるにはトルストイの歴史観、哲学観がぎっちりとあってその重圧に圧倒されてしまった。
恋愛の方はナターシャとマリヤがしあわせになってちょっと拍子抜けだけれども、めでたしめでたし。若いころ読んだらきっと感激していい気持ちになったと思う。
その若者達のはつらつした苦しみ、悩み、生命の躍動、高揚を挿しはさんで、地に流れる歴史のとらえかたの叙述に目を見張らされた。
「歴史が動いていくのは一人の英雄傑物の意思ではなく、おおぜいのひとびとの総意である」というような、少々辟易の感もあったが(文章が饒舌で)なるほどと思った。
それにしても権力や地位を得るため -
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「恋の鞍替え、結婚のゆくえ」
『戦争と平和』の伯爵令嬢ナターシャは浮気性なのか?それとも、人間というものはふと魔が差したようになるものだというトルストイのメッセージなのか?
ダンスを踊って夢中になり、あまりにも唐突にアンドレイ公爵と恋に落ち、婚約期間が一年間ということになると、その間に遊び人のアナートリー・クラーギンに鞍替えしてしまい、しかも破綻して恥じて毒を飲むなんて、信じがたい。幸い命はとりとめたけれども、病気になってしまう哀れさ。
でも、登場する男性たちは適当に遊んでいる風だ。女性だって目移りするのは当然だとでもいうのか。
この小説に登場する若い夫婦たちは、結婚してすぐと不 -
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たぶんこの小説の主人公は「戦争」と「平和」なのだろう。しかし長くて登場人物が多いので、読みとったあらすじを書いておいたほうがよく理解できると思うので。(まっさらな気持ちでこの小説を読もうと思う方はこれを読まないほうがいいかも。)
「第一巻 第一部」
アウステリッツの戦いでナポレオンに負ける前のロシア帝国、ペテルブルグやモスクワの貴族社交界は爛熟していた。
貴賓の館で開かれるたびたびの夜会では、ナポレオン戦争の話題と権力出世お金をめぐって権謀術数が繰り広げられていた。
中心人物はワシーリィ公爵。皇帝の顕官でありながら手元不如意。なぜならアナトーリとイッポリットいう二人の不肖の息子 -
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これは傑作です!!!
言わずと知れたロシア文学界の巨匠の一人・イワン・セルゲーヴィッチ・ツルゲーネフの代表作『父と子』。
僕は、ロシア古典文学にちょっとはまっていてフョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキーやレフ・ニコラエヴィチ・トルストイの傑作を読み漁ってきましたが、実はツルゲーネフは初読みなのです。ですから今回は心して読ませていただきましたよ。
『父と子』ですが、ロシア語の原題では『Отцы и Дети』となります。
英題だと『Fathers and Sons』になっていますが、原題に忠実に訳すと
『父親たちと子供たち(いずれも複数形)』
となります。
『Дети』は英語だと『C -
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「未成年」はドストエフスキー五大長編の中でも難解、つまらないなどという噂を良く聞いていたので、読み始めるのが少し躊躇われていましたが、
これこそ躊躇わずにできるだけ若いうちに読んでおきたい本だと強くお勧めできる作品でした。
主人公による一人称の手記として記述されているため、登場人物の激しい心の動きに主人公のこれまた激しい心の動きが重なりあって、確かに全ての筋を理解するのは難しいでしょう。
しかし、自分のことも他人のこともなかなかわからない主人公の目線に入り込んで、「あぁ、この人はこういう人だったんだ」と登場人物を徐々に理解しつつも、たまに裏切られたりする気持ちを共有して読み進めると、登場人物が -
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(01)
ロシアに過ごされるひと夏の物語(*02)である.人物たちや彼女ら彼らの関係は様々ではあるにせよ,基本的には,二人組という単位があって,どのようなペアが組まれるのか,あるいはそのペアと別のペアが接近し,また3人組や5人組へと変奏されることもある.約30章からなる物語で,中盤の第14章の舞踏会のシーンにおいて人物たちは最もざわめいてはいるが,前後の章では,親子(父と子,母と子),兄弟姉妹,恋人未満たち,友人たち,夫婦たちという単位に還元される.そのなかでは,バザーロフとパーヴェル・ペトローウィチとがとりもつ関係は,遠い関係ともいえるが,社会的対立の様相は,この二人の関係に極まっている.
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購入済み
どの頁を開いても楽しめる
全巻を紙の本、解体してタブレットに入れたり、ブックライブから購入したりした。また、過去にテレビで放送された、「戦争と平和」の番組を録画したりした。
どの頁を開いても、人物がまず生き生きと描写されていて、まるで映画を見ているようにも感じられる。
長編なので、、また、人物の名前を覚えるのが大変だが、どの頁を開いても
ストーリーを抜きにして楽しめる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ナターシャピエールアンドざグレートコメットオブ1812」っていう、ものすごい長い、しかし戦争と平和のお話ですよーっていうアピールがすごいタイトルのミュージカルを、見るに当たって読まなきゃと思ったのだけど、まあ読み終わらない(T-T)初日が明け、観劇し、千秋楽が終わってようやくよみおわりました。
トニー賞を取った?あれ?とってないか、ノミネートされたやつなんだけど、冒頭に登場人物紹介ソングがあって、その紹介ソングと、ナターシャが生田絵里香ちゃん、ピエールが井上芳雄さんという顔変換があってやっと読み終われたの。ありがとう井上芳雄様。
だいたい、ロシア人、名前がややこしく、愛称が本名からはかけ