工藤精一郎のレビュー一覧

  • 父と子

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    ツルネーゲフの初恋からこちらを手に取りました。


    貴族的な時代は終わったのか?父と子とその友人達の議論も興味深い。
    心の内をこうも表現する事ができるなんて!
    と感心しながらページめくってます。

    緩急もある構成で読みやすいのでオススメです。

    恋に落ちてもそれを許容しないブレーキを数行で表してて面白い。

    読みやすいのでロシア文学初挑戦ならこの作品いいと思う。

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    2025年03月22日
  • 罪と罰(上)

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    主人公ラスコーリニコフの老婆と若女殺し周辺の出来事を集めた小説第一巻。人間の〈非常〉事態の描写をありありと描いたドストエフスキーの名作。

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    2025年03月04日
  • 罪と罰(下)

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    ネタバレ

    印象に残った本ベスト5に入る。

    特にスヴィドリガイロフがドゥーニャから拒絶されたシーンが印象に残った。スヴィドリガイロフはどんな人物だったんだろうか最後にわからなくなった。
    愛を得ることができずに亡くなったスヴィドリガイロフとソーニャの愛によって救われたラスコリニコフを対比させて考えてしまった。

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    2025年02月24日
  • 罪と罰(下)

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    ネタバレ

    監獄に入っても変わらなかったラスコーリニコフの思想が、ソーニャとの愛の力によって遂に崩れるという結末が好きだった。「どう終わるんだろう?」という興味で読み進めていたけど、個人的に刺さる終わり方だった。また、1860年代ペテルブルグの社会風刺や、ポルフィーリーとの対決といった、色んなおかずがある小説だと思う。ドストエフスキー自身の「暴力をも辞さない」思想がラスコーリニコフに投影されていることを知ってより好きになった。

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    2025年02月19日
  • 罪と罰(下)

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    展開がドラマチックでハラハラ。
    昔なぜ挫折したのかと思うくらい読みやすかった。

    前半のマルメラードフ一家の悲惨なほどの貧しさと出口のない不幸さ。死を持ってしてやっと解放される苦しみが延々と続き、本当に哀れで哀れで…。
    同じ貧しさでもラスコーリニコフの貧しさとはまたレベルが違うのだが、ラスコーリニコフは一線を超えてしまう。その描写が凄まじくリアリティがあり、何でこんなに殺人者の解像度高いわけ?と本当にしんどくなってしまう。
    ラスコーリニコフの魂の救済はいつ訪れるのか、と思う一方で、彼の異様なまでの潔癖さ、信念の強さ、頑固さを見るにつけ、簡単に自白したり心を入れ替えるような奴ならこんな事件起こす

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    2025年01月25日
  • 罪と罰(下)

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    ネタバレ

    貧しい学生ラスコーリニコフが、金銭目的で高利貸しを殺害する。彼は罪悪感に苛まれ、精神的に苦悩する。
    道徳、自由、救い、愛と友情の描写や、ポリフィーリーとの緊張感のある対峙は、読み応えがある。

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    2024年09月08日
  • 未成年(上)

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    ドストエフスキーが描くロシアの混沌は、まだまだ未熟な「未成年」アルカージイを木っ端微塵に打ち砕くほど複雑怪奇なものでした。 ドストエフスキーのかつての理想郷「ヨーロッパ」の没落と、ロシアの混沌。 そんな八方ふさがりの悲惨な状況の中で何が人々を救いうるのか。それをドストエフスキーはこの作品で読者に問いかけます。 そしてこの作品で提出された問題はその後ますます熟成し最後の大作『カラマーゾフの兄弟』へと組み込まれていきます。 『未成年』は他の作品と比べると影が薄い作品となってしまっていますが、思想的な意味では非常に重要なものを含んだ作品です。

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    2024年08月14日
  • 死の家の記録

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    この作品は心理探究の怪物であるドストエフスキーが、シベリアの監獄という極限状況の中、常人ならざる囚人たちと共に生活し、間近で彼らを観察した手記なのですから面白くないわけがありません。あのトルストイやツルゲーネフが絶賛するように、今作の情景描写はまるで映画を見ているかのようにリアルに、そして臨場感たっぷりで描かれています。
    この小説はドストエフスキー作品の中で『罪と罰』と並んでその入り口としておすすめな作品です。

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    2024年08月13日
  • 罪と罰(下)

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    ドストエフスキー著「罪と罰」
    ロシア文学だけでなく世界的にも5指に入るだろうという有名な作品。
    一番最初に読んだ時はまだ中学生の時で担任であり部活動の顧問でもある先生に読まされた。自分の人生で一番最初に読んだ外国人作家さんであり、思い出の詰まっている作品でもある。

    今にして思えば何故あの先生が自分にこの作品を薦めてきたかが理解できる。多分自分の言動行動への意識付けをさせる為、植え付けさせる為だったのではないだろうか?
    当時の自分は学校という集団の中で協調性が著しく乏しく、何事にも反発していた。簡単にいえば荒れていた。度がすぎる事も多々あり、その都度反省と後悔をしていたが繰り返す事によりその行

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    2024年08月03日
  • 罪と罰(下)

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    ネタバレ

    圧巻だった。そこらの本とは一線を画してる。

    読んでからいろいろ考えたけど、解説にほぼ書いてあったのであれ読めばここに書かなくていい。自然に考えさせられるってこと自体まで書いてあった。

    翻訳は少し古い感じがするけど、そもそも作品自体も古いのであんまり気にならない。今だったら尼さんとは言わない気がする。

    エピローグに入る前、本編の最後が本当に凄かった。あのあたりのどこか半ページだけでも星5は決まる。

    スヴィドリガイロフが本当に良いキャラクター。あまりに下卑てるけど人間らしい。

    覚えておきたいのはラスコーリニコフが後悔していないということで、罪の意識に苛まれて自殺するんだろうなという当初の

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    2024年06月09日
  • 罪と罰(上)

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    ネタバレ

    文章に力がある。続きも気になるけど、むしろ引っ張られる感じ。こういう人の内面書く本はすごい人しか生み出せないからな。
    神学とか哲学を当たり前のように押さえてるの、昔の学生って感じ。
    汚い路地とか汚い感じがかなりする。
    確かに人の名前はややこしい。

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    2024年05月29日
  • 罪と罰(上)

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    人名がややこしい。
    主人公の妹アヴドーチャ・ロマーノヴナ・ラスコーリニコフは、愛称の「ドゥーニャ」以外に「ドゥーネチカ」「アヴドーチャ・ロマーノヴナ」と呼ばれる。
    登場人物全員がこんな調子なので「この名前は誰?」と混乱し、名前に気を取られている間にストーリーを忘れてしまいがち……
    おすすめは、ネット検索などで人名対照表を準備して、確認しながら読むことですね。

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    2024年03月17日
  • 死の家の記録

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    ロシア文学のイメージは、なんだか暗そうで苦しそうと自分勝手に思っていた。そして、その勝手なイメージから、ロシア文学を避けていたのだが、この本を読んで全く違っていたことがわかった。
    ここではドストエフスキーが4年間シベリア流刑での体験をもとに、監獄での暮らしや人々の様子などが描かれている。
    日々の様子をつづったものや人物に焦点を当てたもの、イベント的に起きたことなどについて正確に緻密に描かれている。監獄という特殊性から興味が湧く部分もあるが、多くは普通の人物がどのように生活しているかを見るのと変わらないのかもしれない。
    表現が非常にリアリスティックで、それでいて愛情に満ちた文だった。人間観察が緻

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    2023年10月18日
  • 父と子

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    登場人物が多くて、その上に名前がコロコロ変わるから最初の方はこいつ誰だ!?ってなった。

    バザーロフがオジンツォーワに初めて会う時、そわそわしてるシーンがお気に入り。ニヒリストでデータしか信用しないぞ僕は!ってキャラなのに、美人なオジンツォーアに会うとソワソワしちゃう。
    最初はなんか微妙な登場人物だなって思ってたけど、この辺りからバザーロフが好きになった。

    バーヴェルペトローウィチが嫌な奴じゃなくて、イケメンで礼儀正しいって設定なのが良いね。
    作者のあとがき曰く、ツルネーゲフは登場人物一人一人に敬意を払ってたらしい。決闘で死ななくて良かった。

    最後バザーロフが呆気なく死ぬのはどう言った意味

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    2023年05月04日
  • 戦争と平和(二)

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    話がどんどん展開していく。
    啓示されたピエールが、感激して自己完成の内的作業に没頭するも、行動を貫徹するほどの実行力がなくて中途半端になっている様子、最終的に「考えないやつの方がええやん」ってなる感じとか、めちゃくちゃわかる。後半でピエールの思想がどうなっていくのか楽しみ。

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    ある者は虚栄心で、ある者はトランプで、ある者は法律を書くことで、ある者は女で、ある者は愛玩物で、ある者は馬で、ある者は政治で、ある者は狩猟で、ある者は酒で、ある者は国事で、それぞれの人生から目をそらそうとしているのだ。『くだらぬものも、重要なものもない、みな同じことだ。ただおれのできることで、それから救われさえす

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    2023年01月18日
  • 戦争と平和(四)

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    「戦争と平和」を読み、「戦争」と「平和」と「人間」の関係性について考えずにはいられなかった。
     平和の中で育った人間が戦争を生み出すのではない。反対に、戦争を生き抜いた人間が平和を築き上げるのでもない。
     「戦争」と「平和」が混在するこの世界においては、いかなる人間も双方に影響を及ぼすことはないのだと思う。
     戦争が起こるのには原因があり、平和がもたらされるのにも原因がある。それぞれの原因を、我々は人間に求めるのではなく、「歴史」に求めるべきなのだと感じた。歴史の中において人間という存在は、ナポレオンやアレクサンドル皇帝であっても、ひとつの歯車に過ぎない。
     戦時にはより多くの殺戮を行なった者

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    2022年12月12日
  • 死の家の記録

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    ネタバレ

    『死の家の記録』は、1860年から1862年にかけて発表された。
    ペトラシェフスキー会のメンバーとして逮捕されたドストエフスキーは、オムスク監獄で囚人として4年間過ごした。「死の家の記録」は実質上、ドストエフスキー自身の獄中体験記録とも言える。
    あらすじ
    語り手アレクサンドル・ペトローヴィッチ・ゴリャンチコフは妻殺しの罪で10年間の追放と強制労働との判決を受ける。彼は貴族地主出身であったことから、他囚人たち(多くが、地主に搾取される農民出身)から悪意・憎しみを大いに買い、当初は監獄生活に苦しむ。しかし次第に収容所生活や受刑仲間に対する自身の嫌悪感を克服して、それまでの信念を再構築してゆく。(W

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    2022年04月03日
  • 戦争と平和(四)

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    ピエールが、「モスクワの伯爵」の伯爵を思い出させた前半。


    小説と括れない。
    私はトルストイが好きだ。

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    2022年03月11日
  • 戦争と平和(三)

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    一気に書き方が変わったと言うか小説から歴史になった。
    作者の意見もたくさん入るというか、史実と見解と小説が交互にやってくる。お陰で読み進められるのだけど、あまりにロシアの地名も歴史もナポレオンのことも知らなすぎて興味が出てきて、途中Wikiで調べたり地図で場所を確認したりして読む。
    全巻読み終わったら読みかけの「全世界史」を読もうと思う。

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    2022年03月07日
  • 戦争と平和(二)

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    楽しさ。

    この2巻を1/5くらい残してだいぶ前に読んでたから誰が誰だっけとか思いつつ、何となくのこってる印象を頼って読んだ。結構それでいけた。人物の印象って残るものだ。


    オードリーがナターシャを演じた映画を、読み終わるまで観ないと決めていたけど、ここまでの話のハイライトは知ってたな。しかし、、、ニコラスを演じてるのがジェレミー・ブレッドだったとは。。。気が付かなかったよ。読み終えたら観ようー。

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    2022年03月07日